白無垢だけじゃない！神前式を自分らしく彩る和装衣裳

・格調高い白無垢は生地や柄に注目！

・華やかな色打ち掛けは色や柄にこだわって

・クラシカルなイメージの黒引き振り袖

・動きやすいのが魅力の大振り袖

神前式の花嫁衣裳といえば白無垢を思い浮かべる人が多いでしょう。着物から半襟､長襦袢（じゅばん）、小物に至るまで、全てを白で揃えた打ち掛けを白無垢といいます。なお、最近では裏地や襟､裾に赤いラインが入った赤ふきと呼ばれる白無垢も人気を集めています。

白無垢は白一色なので､選ぶ際には生地や柄に注目しましょう。生地は大きく分けると正絹と化繊の2種類があります。正絹とはシルク100％の生地のこと。上品な光沢と滑らかな肌触り､柔らかなアイボリーの色みが特徴です。

化繊とはポリエステルなど化学繊維で織られた生地のこと。色は青みを帯びた純白です。柄が豊富に揃い､価格はややリーズナブル。正絹に比べると生地がやや固めで､着崩れしやすいともいわれます。ただし、これは着付けの仕方でカバーできます。

また、縦糸と横糸に正絹と化繊をそれぞれ使って織った生地（交織）もあります。

白無垢の生地は無地ではなく､柄が織り込まれていたり、刺しゅうが施されていることがほとんどです。柄（文様）は鶴や鳳凰（ほうおう）などおめでたい図柄をはじめ、松竹梅や菊、桜など縁起の良い植物などがあります。

挙式の際は綿帽子または角隠しを身に着けます。なお、綿帽子を合わせることができるのは白無垢のみのため、挙式で白無垢を身に着ける人は綿帽子を合わせることが多いよう。綿帽子の下は日本髪でなくても構いません。洋髪アレンジでも問題ないので､神前式後の披露宴で最初からドレスで登場したいという人にもお勧めです。

着物（掛け下）の上にもう1枚別の着物を羽織るスタイルが打ち掛け。一番上に羽織る着物が色や柄で華やかなものを色打ち掛けといいます。もともと赤色が主流でしたが、最近では鮮やかなブルーや紫色、黄色、深い緑、ゴージャスなゴールドのほか、かわいいピンクやパステルカラーなど、さまざまな色合いがあります。最近ではオーガンジーの生地を使った打ち掛けもあります。

また、柄もバリエーション豊か。鶴や亀、龍、鳳凰、松竹梅、御所車など、おめでたい柄は季節を問わず身に着けられるもの。花や植物の柄は結婚式の季節に合ったものを選ぶと､季節が感じられ、おしゃれな雰囲気になります。最近では、バラやダリアなど洋柄も人気。

なお、同じ柄でも大きさや入る場所によって印象はさまざま。実際に羽織ってみて、柄の出方を確認するのがお勧めです。一般的には背が高く大柄な人は大きな柄が映え､背が低く小柄な人は小さな柄の方がすっきり見えるといわれています。

挙式で色打ち掛けを着る際は､頭には角隠しを身に着けます。角隠しは白い帯状の布で日本髪（文金高島田）に合わせます。文金高島田はかつらのほか､顔周りは自分の髪を使ってかつらになじませる半かつらもあります。また、ある程度の長さがあれば自分の髪で結うこともできます。

おはしょりをせず、着物の裾を引いて着る振り袖を引き振り袖といいます。江戸時代の武家の正式な婚礼衣裳として知られ､明治・大正時代にも着られていました。色打ち掛けと同様、さまざまな色がありますが、中でも最も格式が高く､近年人気を集めているのが黒地をベースにした黒引き振り袖です。

色打ち掛けと同様､さまざまな柄があり、柄の大きさや色、配置などにより､イメージはガラリと変わります。色数を抑え､ゴールドを効果的に使った黒引き振り袖はレトロモダンの趣。赤や青､黄色など数多くの色を使った黒引き振り袖は艶やかな雰囲気があります。

黒引き振り袖のもう一つの魅力は動きやすさ。着物の上にもう1枚着物を羽織る白無垢や色打ち掛けに比べると､すっきりとした佇まいになります。また、帯も見えるので､振り袖と帯の組み合わせにもこだわるといいでしょう。

なお、挙式で身に着ける際には､角隠しを合わせます。

振り袖の中で花嫁衣裳として用いられることが多いのは、袖がくるぶしまである大振り袖。振り袖には大振り袖､中振り袖、小振り袖とあり、袖が長いものの方がフォーマルとされます。振り袖は未婚女性の第一礼装とされ、神前式で身に着けるのは全く問題ありません。また、成人式であつらえた振り袖を着るのもOK。帯を格調高い丸帯にしたり､小物（抱之帯や筥迫（はこせこ）､懐剣）をプラスしたりするといいでしょう。

黒引き振り袖と同様､大振り袖も動きやすいのが魅力。裾を引きずらない分､黒引き振り袖よりもさらに歩きやすいはずです。例えば、神社で神前式を行い､そのまま移動して身内のみの食事会を行うといった場合は､動きやすい大振り袖にするのもいいかもしれません。

なお、挙式の際には角隠しを身に着けると格調高い雰囲気になります。

白無垢のほか､色打ち掛けや黒引き振り袖など､バリエーション豊かな神前式の和装。どれが自分に似合うか､いろいろ試してみましょう。なお、ゼクシィ相談カウンターでは厳かな神前式ができる会場や、神社での神前式の後の食事会にぴったりの会場を紹介することができます。神前式を検討しているふたりは､ぜひ一度相談に訪れて。