披露宴よりもフォーマル過ぎず、二次会よりもカジュアル過ぎない1.5次会。新しい結婚式のスタイルとして、注目を集めています。ただ、1.5次会スタイルの結婚式に招待された場合、どんな服装で行けばいいのか戸惑ってしまう人は少なくないでしょう。この記事では1.5次会の結婚式に招待されたらどんな服装で行くべきか、お勧めの服装やマナーについてご紹介します。
まずは1.5次会の結婚式について説明しましょう。1.5次会とは正統派の披露宴ほどかしこまり過ぎず、カジュアルな二次会ほどくだけ過ぎてもいない、ちょうど中間の雰囲気を持った結婚式のことをいいます。例えば、海外挙式後の帰国後パーティなどで、このスタイルを選択する人が多いようです。
格式張らない結婚式というと会費制をイメージする人も多いかもしれません。1.5次会でも会費制にするケースは多いようですが、1.5次会=会費制というわけではありません。1.5次会はあくまでも雰囲気のことを指すので、ご祝儀制の1.5次会もあります。
会費制結婚式では基本的には会費のみを支払い、別途ご祝儀を包む必要はありません。また、会費はご祝儀袋に入れる必要はなく、紙幣をそのままお財布から出し、受付で渡して大丈夫です。ご祝儀のように新札を用意する必要もありません。ただし、あまりしわくちゃなお札は避けます。また、お釣りがないように用意するのがマナーです。なお、先に自分が結婚式を行っていて、頂いたご祝儀と会費との金額の差が気になるという場合は、別途お祝いの品などを贈ってもいいでしょう。
1.5次会はフォーマルとカジュアルの中間のスタイルなので、服装もフォーマルとカジュアルの中間ということになります。とはいえ、ひと口に1.5次会といっても雰囲気はさまざま。雰囲気に合った服装をしないと、周りから浮いてしまい、居心地の悪い思いをする可能性も。そこで、1.5次会の服装を考える際に、ヒントになることをいくつかご紹介しておきましょう。
1.5次会がご祝儀制か会費制かによって、パーティの雰囲気はおぼろげながら見えてきます。ご祝儀制の場合は着席スタイルでのおもてなしでどちらかというとフォーマルな雰囲気のことが多く、会費制の場合はご祝儀制よりはカジュアルな雰囲気であるのが一般的です。
ただし、会費制の場合でも、ご祝儀制に近い雰囲気の場合も。それを判断するのは会費の金額です。会費が高ければフォーマルな雰囲気の会費制である可能性が高く、会費が抑えらるビュッフェスタイルのカジュアルな雰囲気のことが多いようです。ちなみに、1.5次会の会費は1万〜2万円台が相場となっています。
1.5次会が行われる会場も、その雰囲気を判断する大きな手掛かりとなります。例えば、高級ホテルや老舗の専門式場、高級レストランなどであれば、フォーマル寄りの1.5次会の可能性が高く、レストランやカフェなどであればカジュアルな1.5次会が多いといえるでしょう。
ご祝儀制か会費制か、会費はいくらか、会場はどこかなどを総体的に見れば、1.5次会の雰囲気はなんとなく推察することができ、そこからどんな服装をするべきかを導き出せるはずです。
招待状にはドレスコードが記されていることがあり、それが服装を考える手助けにもなります。「平服でお越しください」とあった場合は略礼装(インフォーマル)となります。平服=普段着ている服ではないので、十分注意してください。略礼装とは改まった場所に出掛けるときに着ていく服と考えると分かりやすいでしょう。女性ならドレッシーな雰囲気のワンピースやツーピース、男性ならダークスーツとなります。
また、新郎新婦と親密な間柄であれば、「どんな服装で行けばいいの?」とダイレクトに尋ねても。その際は、ゲストの顔触れも聞いてみるといいでしょう。友人が多いようであればカジュアルな雰囲気でもいいでしょうし、親族や仕事関係者も招待しているようならある程度改まった雰囲気の服装で臨むのがお勧めです。
さて、1.5次会の服装をご紹介する前に、ここでドレスコードについておさらいをしておきましょう。ドレスコードの種類は一般的に以下のようになっています。
最も格式が高い服装。結婚式の新郎新婦や親の服装。男性ならモーニング(昼)やテールコート(夜)、五つ紋付き袴。女性ならアフタヌーンドレス(昼)やイブニングドレス(夜)、振り袖や黒留め袖。花嫁ならウエディングドレスや白無垢、色打ち掛け、引き振り袖など。
結婚式で主賓などが着る服装。男性ならディレクターズスーツ(昼)やタキシード(夜)、女性はセミアフタヌーンドレス(昼)やセミイブニングドレス(夜)、色留め袖、訪問着など。
結婚式で一般のゲストが着る服装。男性ならブラックスーツやダークスーツ、女性なら改まった雰囲気のワンピースやスーツ、訪問着、色無地、付け下げなど。
礼装のカテゴリーには入りませんが、略礼装(インフォーマル)に準じる服装。結婚式の1.5次会や二次会などに着る服装。男性はダークスーツ、女性はエレガントなワンピースやスーツなど。
スマートエレガンスにほんの少しカジュアルな要素を取り入れた服装。結婚式の1.5次会や二次会などに着る服装。男性はダークスーツ、女性はエレガントなワンピースやスーツ、ブラウス&スカートの組み合わせなど。
企業主催のパーティやレセプションなどに着ていく服装。男性はビジネススーツ、女性はエレガントな雰囲気のスーツなど。
普段のカジュアルスタイルよりはきちんと感のある服装。高級レストランに食事に行くときに着るような服装と考えるとイメージが付きやすいでしょう。男性はジャケットとパンツ、女性はシンプルなワンピースやブラウスとスカートの組み合わせなど。
では、実際にどんな服装がお勧めか、具体的に見ていきましょう。会場や食事のスタイル、パーティの時間帯などで、お勧めの服装は変わってきます。
【服】ホテルや専門式場などある程度格式が感じられる会場で、昼間に行われるご祝儀制の1.5次会なら、略礼装がお勧めです。一般の結婚式とほぼ同じか、少しカジュアルダウンした服装で臨むといいでしょう。ドレッシーな雰囲気のワンピースやツーピースで、肌の露出が多いものやボディラインがあらわになる服装は避けます。スカートは膝丈あるいは膝が隠れる程度の丈で。夏のコットンや麻、冬のニットやファー、皮革素材などは避けます。
【アクセサリー】ぎらぎらとしたものは避け、パールなど落ち着いた雰囲気のものを選びます。ネックレスやイヤリングなどを上品に。着け過ぎもNGです。
【靴】ハイヒールまたは中ヒールのパンプスで、ストッキングを合わせます。夏の素足にサンダルや、冬のブーツはNGです。
【バッグ】小形のものを用意します。大きな荷物がある場合は、クロークに預けましょう。
【ヘア】アップスタイルなど清潔感があるスタイルに。服装がフォーマルなら、ヘアスタイルを少し崩してカジュアル感をプラスしても。
【服】夜のパーティなら胸元が少し開いたものやノースリーブでもOKです。透け感のある素材でエレガントに装っても。
【アクセサリー】きらきらしたアクセサリーでも問題ありません。
【靴】ヒールのあるタイプなら、オープントウやストラップサンダルでもいいでしょう。ただし、ミュールなどストラップレスのものは避けて。ストッキングははいた方が無難です。
【バッグ】小ぶりで光沢のある素材のものを選んで。ラインストーンやビーズなどがあしらわれたものもお勧めです。
【メイク】メイクはライトに映えるようにやや濃いめでも。ただし、濃過ぎると品がなくなるので、バランスよく。
なお、昼夜にかかわらず、和装でも問題ありません。未婚の女性だと振り袖が一般的ですが、花嫁が着る大振り袖や華やか過ぎる色柄は避けた方が無難です。落ち着いた柄の帯や小物を合わせて、カジュアルダウンするという方法も。また、帯は飾り結びだと華やか過ぎるので、シンプルな太鼓結びにしても。あるいは、明るい色合いの訪問着などでもいいでしょう。
【服】レストランやカフェなどカジュアルな会場の会費制1.5次会なら、スマートエレガンスやカジュアルエレガンスがお勧めです。フォーマルな会場での服装よりももう少しカジュアルなイメージで、きれいめのワンピースやツーピースなどがいいでしょう。ジョーゼットなど柔らかな素材のパンツスタイルも素敵です。ただし、カジュアルな会場でもあまり露出の多い服装やボディラインがあらわになる服装はお勧めしません。スカートは膝丈あるいは膝が隠れる程度の丈がスマートです。コットンや麻、ニット、ファー、皮革素材なども避けて。
【アクセサリー】ぎらぎらしたものは避け、品のよさを心掛けます。
【靴】ハイヒールまたは中ヒールのパンブスで、ストッキングを合わせます。なお、立食パーティの場合は、長時間立っていても辛くならないように履きやすいものを選びましょう。ただし、ローヒールやスニーカーなどはカジュアル過ぎるので避けて。素足にサンダルやブーツもNGです。
【バッグ】小ぶりのものを。立食パーティでは両手が自由に使えるショルダータイプがお勧め。
【ヘア】ハーフアップスタイルなどでも。ダウンスタイルは食事中に顔に掛からないように注意して。
【服】ちょっとおしゃれをして出掛けるときの服装がイメージです。基本的には昼のパーティと変わりませんが、胸元が少し開いていたり、ノースリーブのドレスでもOK。エレガントな雰囲気のブラウスとスカート、ブラウスとパンツの組み合わせもいいでしょう。
【アクセサリー】光に映えるアクセサリーで華やかさをプラスして。
【靴】肌が少し見えるサンダルなどでも構いません。ただし、ストッキングははいた方が無難です。
【バッグ】昼のパーティと同様ですが、ビジューなどがあしらわれた華やかなものを、アクセサリー感覚で身に着けるのも素敵です。
【ヘアメイク】ライトに映えるように少し華やかに。
なお、和服を着るのなら、付け下げや小紋などで。振り袖は少し大げさ過ぎてしまうので、避けた方が無難でしょう。
次は男性の服装を紹介します。男性は基本的にはダークスーツがお勧めです。
【服】ホテルや専門式場などフォーマルな会場では、男性も一般的な結婚式に準じた略礼装がいいでしょう。お勧めはチャコールグレーやネイビー、黒などのダークスーツ。なお、ご祝儀制のフォーマルな1.5次会ならブラックスーツもありですが、少し重く感じられるのでネクタイやポケットチーフなどで少しカジュアルさを出しましょう。なお、ブラックスーツと黒のダークスーツは生地が違い、ブラックスーツはウールが一般的。黒の色が濃く、上質な雰囲気があります。
【ワイシャツ】白のレギュラーカラーか、淡い色合いのピンクやブルーなどの無地。
【ネクタイ&ポケットチーフ】ネクタイはシルバーかグレーなどのレジメンタル(斜めのしま)か無地を合わせます。白リネンのポケットチーフもお忘れなく。折り方はスリーピークスが基本です。
【靴】黒の内羽根式のプレーントゥ(何も装飾のないシンプルなひも靴)かストレートチップ(爪先に一文字の切り返しがあるひも靴)で。靴下は靴またはズボンの色に合わせます。
【服】昼のパーティと同様、ダークスーツが基本です。ただし、シルクウールやベルベットなど少しつや感のある素材を選んでもいいでしょう。
【ワイシャツ】白のレギュラーカラーか、淡い色合いのピンクやブルーなどの無地。
【ネクタイ】シルバーかグレーなどのレジメンタル(斜めのしま)か無地のほか、ドット柄などでもOK。ベストにボウタイを合わせたり、アスコットタイなどにしても。
【靴】昼のパーティと同様。
【服】カジュアルな会場の会費制1.5次会ではスマートエレガンスやカジュアルエレガンスに。ダークグレーやネイビーなどのダークスーツが基本です。
【ワイシャツ】薄いピンクやブルーなど色付きのものを合わせると、カジュアル感がアップ。ダブルカフスのシャツを合わせ、カフスボタンでおしゃれ感を出してもいいでしょう。
【ネクタイ】グレーやシルバーのレジメンタルや無地、あるいは小紋やドット柄でも。ポケットチーフは色付きのものでも構いません。
【靴】フォーマルな会場の装いに準じますが、メダリオン(穴飾り)がある靴でも。
【服】夜のパーティも昼のパーティにほぼ準じます。ネイビーやグレーなどのダークスーツがいいでしょう。あるいはもう少し崩して、ジャケットとパンツの組み合わせでも。
【ワイシャツ】薄いピンクやブルー、あるいはストライプなどでも。
【ネクタイ】ドット柄など少し華やかなものを選ぶと、カジュアルな雰囲気に。ボウタイやアスコットタイでも夜のパーティらしいおしゃれ感が出るでしょう。
【靴】プレーントゥやストレートチップのほか、ウイングチップやローファーなどでもOK。スーツの色みと合っていれば、ブラウンなどでもいいでしよう。
1.5次会といわれると少し気が緩んでしまう人がいるかもしれませんが、結婚式ならではの服装のマナーは守るようにしたいものです。以下に気を付けたいポイントをご紹介します。
白は花嫁の色といわれます。ですから、結婚式ではゲストはドレスコードの指定で「白」がない限りは、白い服は避けましょう。これは1.5次会といえども変わりません。また、薄いイエローやベージュなど、遠目からは白っぽく見える服装も避けた方が無難です。もちろん新郎新婦より華やかに装って目立つのもNGです。
黒は喪をイメージさせる色なので、黒のドレスに黒のストッキング……というような全身が黒ずくめになることは避けましょう。柄の所々に黒が使われていたり、色の付いたワンピースの上に黒のボレロを羽織るといった服装は問題ありません。また、黒のストッキングもNGです。
カジュアルな会場で行われる1.5次会の場合は平服でといわれることもあり、カジュアルな服装でもいいのかと勘違いしがち。ただし、先にも述べたように平服とは略礼装のこと。Tシャツやデニムなど、普段のカジュアルウエアを意味するわけではないので注意してください。お祝いの席にふさわしい節度ある服装を心掛けましょう。なお、新郎新婦側から服装指定がある場合は、この限りではありません。
結婚式では殺生を連想させるファー(毛皮)はタブーとされます。なお、紛らわしいので、フェイクファーやアニマル柄なども身に着けない方が無難でしょう。
1.5次会の服装はほんの少しのカジュアルさがポイントになるでしょう。服がかっちりした雰囲気なら小物(女性ならバッグやアクセサリーなど、男性ならネクタイやポケットチーフなど)をカジュアルに。一方、服が少しカジュアルな雰囲気なら小物でフォーマル感を出すなど、バランスを取った着こなしをしましょう。
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