結婚を機に働き方を変える場合、健康保険や年金などにおいて手続きや届け出が発生します。
自分はどんな手続きや届け出をしなければならないかしっかり確認し、漏れがないようにしましょう。
結婚によっていままでの働き方を見直すという人も少なくないでしょう。働き方を変える場合、健康保険や年金などで手続きや届け出が必要になります。まずは働き方別に、どんな手続きが必要になるのか見てみましょう。
会社員の場合は、基本的には職場へ結婚の届け出をするだけで大丈夫です。その上でどんな手続きをしたらいいか、総務など担当部署に確認して、速やかに手続きをしましょう。
配偶者(扶養者)の勤務先で、健康保険・国民年金(第3号)への変更手続きを行います。年の途中で退職した人は税金を納めすぎている可能性があるので、翌年に住所地の税務署で確定申告をして、その年の所得税を精算します。
住所地の役所で、国民健康保険・国民年金(第1号)への変更手続きを行います。会社員の夫(妻)の扶養家族になる場合等と同様に、翌年に住所地の税務署で確定申告をして、その年の所得税を精算します。
住所地のハローワークで失業給付の手続きをします。失業給付受給中は配偶者の健康保険に入れないため、同時に住所地の役所で国民健康保険・国民年金(第1号)の加入手続きを行います。その年に再就職をしなかった場合は、翌年に住所地の税務署で確定申告をします。
では、次にそれぞれの手続きについて詳しくご紹介します。
基本的には配偶者の会社が手続きをしてくれますが、自分から申し出る必要があります。
<手続きの流れ>
①退職した勤務先から年金手帳や離職票、退職証明書などを受け取る
→なお、前職がフリーランスなどで国民健康保険に加入していた場合は、自分で役所に出向き、国民健康保険の脱退手続きをする必要があります。
②扶養に入るための条件を満たしているかどうか確認する
→社会保険上の扶養の条件とは、年間の見込み収入額が130万円未満。ただし、パートで働く場合は、年間収入が106万円(月8万8000円)以上になると、自分の勤務先の社会保険に加入することもあります。
③配偶者の勤務先から必要書類(健康保険被扶養者異動届、国民年金第3号被保険者関係届)をもらって記入する
④配偶者の勤務先に③の書類を提出する
自営業の配偶者の扶養に入る人は、手続きをしないと無保険の状態になってしまい、病気やけがはもちろん、妊娠して受診するときも保険証が使えなくて困るので、忘れないようにしましょう。なお、失業給付を受ける人も、この手続きを行う必要があります。
①退職した勤務先から年金手帳や離職票、退職証明書などを受け取る
②住所地の役所から必要書類をもらって記入する
[必要書類]国民健康保険被保険者資格取得届、国民年金被保険者関係届書(申出書〕
③退職の翌日から14日以内に、住所地の役所に国民健康保険と国民年金の加入に必要な②の書類と下の添付書類を提出する
[添付書類]健康保険資格喪失証明書または退職証明書か離職票、年金手帳、本人確認書類、印鑑、マイナンバーカード(通知カードまたはマイナンバーが記載された住民票の写しでも可)
④保険料を納付する
→国民健康保険料は各世帯の加入者の前年の合計所得に応じて決まり、保険料は世帯主に通知されます。国民年金保険料は定額で1人ずつ納めます。なお、納付方法は、国民健康保険料は金融機関やコンビニなどでの納付書払いか口座振替のどちらかを選択。国民年金保険料は口座振替かクレジットカード払いのどちらかを選択します。
※転職活動をしていて再就職した場合は、住所地の役所で国民健康保険の脱退手続きをし、勤務先の健康保険に加入します。なお、勤務先の厚生年金に加入すると、国民年金は自動的に切り替わるので、個人での手続きは必要ありません。
雇用保険に加入していた会社員が転職をする際、新しい仕事に就くまでの求職期間中に失業給付の基本手当をもらうことができます。受給期間が決められているので、退職をしたらすぐ手続きをしましょう。
①退職先から必要書類(離職票、年金手帳、源泉徴収票、退職日が分かる書類)をもらう
→離職票は退職後10〜14日くらいを目安に、退職した勤務先から送られてくるのが一般的です。
②速やかに住所地のハローワークへ行って求職の申し込みをし、離職票を提出する
[必要なもの]離職票2枚、マイナンバーカード(通知カードまたはマイナンバーが記載された住民票の写しでも可)、本人確認書類、顔写真×2(30×25mm)、印鑑、本人名義の預金通帳
③受給説明会に出席する
→離職票を提出した際に日時を指定されます。基本手当の受給についての重要事項が説明されます。
④求職活動を行う
⑤4週間に1度の認定日ごとにハローワークへ行って、失業の認定を受ける
⑥失業認定日から約1週間後、失業給付(基本手当28日分)が指定の口座に振り込まれる
→自己都合での退職の場合は、失業給付を受け取るまで3カ月の待期期間*があり、受給はそれ以降になります。なお、結婚によって引っ越しを余儀なくされ、やむなく退職をする場合は、やむを得ない退職と認められてすぐに失業給付がもらえることもありますので、退職前に勤務先に相談してみましょう。
*2020年10月以降に退職する人は、待期期間は2カ月になる(3回以上申請する人を除く)
※ハローワークでの手続きと同時に、国民年金保険と国民年金(第1号)の手続きもお忘れなく。
退職して扶養に入る人、退職して年内に再就職しなかった人、年内に再就職したけれど年末調整に間に合わなかった人は確定申告を行います。税金が戻ってくる可能性があるので、きちんと手続きをしましょう。また、住宅ローンを組んで家を購入した人や医療費が年間10万円を超えた人も同じく確定申告を!なお、確定申告の期日は毎年2月16日〜3月15日ごろです。
①税務署または国税庁のホームページで確定申告書を入手する
②確定申告書に記入するか、ホームページ上で作成して印刷する
③住所地を管轄する税務署の窓口に直接提出するか、郵送する
④申告書を提出した1~2カ月後に、還付金が指定の口座に振り込まれる。納税の必要がある場合は、納付書に必要事項を記入して納税する
結婚を機に働き方を変える人は、結婚や新生活に関わる手続きや届け出の他にも健康保険や国民年金などの手続きが発生します。うっかり忘れて、いざというときに健康保険証がない!などという事態に陥らないためにも、しっかり確認しましょう。
監修/インタープレス
※掲載されている情報は2020年9月時点のものです。保険や税制、各種制度に関しては、将来変更・改正される場合もあります。手続き・届け出の方法は随時変わる可能性や、自治体によって異なる場合があります。
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