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中国でも大ヒット中!恋愛ドラマの金字塔「101回目のプロポーズ」が社会に与えた影響とは!?

中国でも大ヒット中!恋愛ドラマの金字塔「101回目のプロポーズ」が社会に与えた影響とは!?写真提供:フジテレビ

今年2月、中国で「101次求婚」という題名で公開され、3日間で興収10億円を超える大ヒットとなった映画がある。これは日本のトレンディドラマの金字塔とも言える「101回目のプロポーズ」のリメイク版。同ドラマと言えば、1991年に放送され、社会現象になるほど流行した人気作品だ。

冴えない中年男性が「僕は死にましぇーん!」と叫ぶ有名なプロポーズシーンは、なぜこれほどまでにウケたのか?早稲田大学文化構想学部教授で日本のドラマ史に詳しい岡室美奈子さんは次のように説明する。

「80年代までのトレンディドラマは、バブル経済を背景に美男美女が織りなす華やかな恋愛模様を描いていました。ところが『101回目のプロポーズ』は、トレンディドラマの代名詞のような浅野温子さんをヒロインに据えながら、相手役に武田鉄矢さんという異色のキャスティング。これが視聴者に強烈なインパクトを与えました。また、このドラマが放映されたのは、バブル崩壊の数カ月後。華やかな時代から厳しい時代へ移る境目に、フラれようがすべてを失くそうが決して諦めない『恋愛ターミネーター』の不滅の愛を描いたことが、多くの人の心に響いたと考えられます」

時代の空気をうまく反映した同作の世界観。それは一般の結婚観にも少なからず影響を与えたようだ。

「当時はお金がなくてもなんとかなるとか、結婚式や披露宴も地味でも構わないといった流れが生まれつつありました。80年代の派手な結婚観が払拭されていわゆる『ジミ婚』に向かうきっかけのひとつにはなったかもしれません」

当時の結婚観の変化は統計からも見て取れる。内閣府の外郭団体「家計経済研究所」(※)によれば、結婚費用(指輪代+挙式費用+新婚旅行費)の総額は1993~96年の平均629万8000円から、97年~2000 年の平均399万円に大幅ダウン。90年代中盤からは、豪華さを競う価値観が徐々に衰退し、ふたりの愛の形や周囲への感謝などにこだわる“テーマ性重視”の結婚観へと移り変わっていったようだ。これはもちろん複数の要因が重なった上での変化だが、その一端を担ったのは同作だったのかもしれない。

「主人公はいわゆる三高(高学歴・高収入・高身長)のどれにも当てはまらないからこそ、ヒロインへの愛情がいかに純粋で強いのかが伝わったのです」と岡室さん。若者の結婚観が物質(=金)から本質(=愛)中心に変わるきっかけになるほどの愛情溢れるプロポーズを、これから本番を迎える求婚男子は一度見てみてはいかがだろう?

(※)家計経済研究所「平成17年度『消費生活に関するパネル調査』について」

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