結婚の意思を両家で確認し合う儀式である結納。結納には結納品や結納金を用意する必要があり、費用はいくらかかるのだろうと心配する人も多いのではないでしょうか。この記事では、結納の気になる費用相場をご紹介します。
両家で婚約したことを確認し合う儀式である結納。日本では昔から行われてきましたが、最近では両家の顔合わせを兼ねた婚約食事会のみを行う人が多くなっています。ちなみに、「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(全国推計値)」では、結納(婚約食事会の両方を行った人も含む)を行った人は全国で7.8%でした。
ただし、この割合はエリアによってばらつきがあり、九州や東北などは15%前後が結納を行っています。結納を行うかどうかは、ふたりはもちろん、親の希望も聞いた上で決めるといいでしょう。
結納は結納式と食事会がセットで行われるのが一般的です。結納品のやり取りなどが行われる儀式が結納式で、その後、親睦を兼ねて両家で食事を楽しみます。
結納式と食事会の費用総額は平均20.6万円です。なお、会場費や料理の費用分担は、エリアや両家の考え方によります。お金の問題はあいまいにしておくとしこりが残る可能性もあるので、ふたりが両家の橋渡し役になって、どうするか明確に決めておくのがお勧めです。
結納では結納品を贈ります。結納品は大きく関東式と関西式に分けられ、関東式では両家が結納品を用意するのに対し、関西式では男性側だけが用意するのが一般的。ただし、最近では関東式でも女性側が結納品を省略することも多くなっています。なお、女性側が結納品を贈らない場合は、受書のみを用意します。
結納品の品目数は9品目が正式といわれますが、最近では簡略化することも多く、7品目や5品目、3品目の場合もあります。関西の結納品は11品目の場合もあり、1品ずつ台に載せるほか高砂人形などもつき、かなりゴージャスです。
結納品の費用の平均は28.6万円。エリアによって用意する結納品に違いがあり、それによって金額も異なります。ちなみに、首都圏は平均27.5万円、関西では平均35.0万円です。
結納金は結婚の支度金として男性から女性へと贈るものです。50万円や100万円などキリのいい数字で贈ることが多く、100万〜150万円で贈ったという人が74.4%で最も多くなっています。ちなみに、かつては給料3カ月分の金額が目安となっていました。なお、最近は省略することも多くなってきています。
また、男性から女性に婚約指輪を贈る場合は、結納品に含めるのが一般的です。その際は、指輪台を用意して結納品とともに贈るほか、目録に記す場合もあります。なお、婚約指輪の平均額は38.2万円です。
頂いた結納品や結納金に対し、女性から男性に結納返し品や現金、品物(婚約記念品)などでお返しをするのが結納返しです。結納返しはエリアによって対応が異なります。
関東では結納返し品は結納品とほぼ同じ品数で同じ品物を返します。現金のお返しの目安は頂いた結納金の半額程度で、30万円や50万円などキリのいい数字にします。半額を返すため、半返しと呼ばれます。なお、お金のやり取りを省略するために、男性側が最初から半額のみを贈り、半返しなし(お返しはなし)とする場合もあります。
関西では結納返しはしないか、後日(荷送りの時など)に相手の家族のお土産として1割程度の金額を返すのが一般的です。最近では当日にお返しすることも多くなっています。
また、品物の結納返しでは、腕時計やスーツ、かばん、靴など身の回りのものなどを贈るのが一般的。平均金額は24.9万円です。
結納はエリアによって異なる常識やルールがあり、両家にはそれぞれ考え方もあります。ですから、まずはふたりでどのようにしたいのか、意見をまとめましょう。その上で、両家の親にも相談して、丁寧に準備を進めていくのがお勧めです。
かつては仲人を立て、仲人が両家を行き来したり、女性の家で行われることが多かった結納。近年は仲人を立てずに料亭やレストラン、ホテルなどで行われることが多くなりました。結納を行うエリアはふたりが間に立って調整し、両家が集まりやすい場所に設定しましょう。
結納を行うのにふさわしいのは個室があるところ。料亭やレストラン、ホテルなどでは、「結納プラン」を用意するところもあります。ゼクシィ相談カウンターでは結納にお勧めの会場のご紹介もしています。プロのアドバイザーが結納はもちろん、結婚式についても相談に乗ってくれるので、まずは訪れてみてはいかが?
※記事内のデータは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(全国推計値)」によります。
監修/岩下宣子(マナーデザイナー、現代礼法研究所代表)
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