挙式・披露宴にかかる時間は?結婚式のタイムスケジュールや人気の時間帯
結婚式当日は挙式と披露宴、さらには二次会など、一日の中で行われる内容が濃いので、時間があっという間に過ぎてしまうことも。ここでは、ウエディングナビゲーターの清水恩さんから、挙式での儀式や披露宴の演出など、それぞれ具体的にかかる時間を教えていただきながら、全体の所要時間やスムーズなタイムスケジュールの組み方について解説します。
挙式にかかる時間はどのくらい?入りの時間は?
挙式の所要時間は30分、入り時間は挙式開始の約3時間前が目安
教会式、人前式、神前式など挙式にはいくつかのスタイルがありますが、いずれの場合も挙式の所要時間は約30分です。花嫁はヘアメイクや着付けの時間が必要となるので、挙式開始時間の約3時間前に会場入りします。挙式の約1時間前に親族が到着し、30分前から受付が開始され、挙式をスタート、約30分で挙式が終了します。
教会式の流れや所要時間は?
教会式とは、キリスト教の神に結婚を誓う儀式のこと。教会式の内容は儀式として決まっているものがほとんどのため、挙式演出に自由度はほぼないことを理解しておきましょう。教会式の多くはホテルや専門式場のチャペルで行われますが、宗教施設としての教会でも講座を受講すれば挙式が可能なところもあります。またキリスト教は大きくプロテスタントとカトリックに分かれます。カトリックの場合、信者は内容が異なります。
【教会式の流れの一例】所要時間30分
列席者入場
開式の辞
新郎の入場
新婦の入場
賛美歌斉唱
聖書朗読・祈祷(きとう)
誓約
指輪の交換
ベールアップ・ウエディングキス
結婚成立を宣言
結婚証明書に署名
閉会の辞
退場
人前式の流れや所要時間は?
神仏に誓うのではなく、参列する親族や友人に結婚の証人となってもらうのが人前式です。宗教的な儀式ではないため、決まり事はなく自由にプログラムを組み立てることができます。シンプルな内容にすることもできますが、入場から閉式まで短時間で済んでしまうこともあるため、挙式に厳かさやメリハリを持たせる工夫をするといいでしょう。
【人前式の流れの一例】所要時間30分
列席者入場
新郎新婦入場
開式宣言
誓いの言葉
指輪の交換
結婚誓約書or婚姻届に署名・押印
結婚成立の宣言
閉式の言葉
退場
神前式の流れや所要時間は?
神前式とは、日本の神の前で結婚の誓いを交わす儀式のこと。日本ならではの厳粛な雰囲気の神前式に憧れる花嫁も多いよう。ただし、三三九度や玉串奉奠(たまぐしほうてん)など神前式の内容は儀式として決まっているため、挙式の自由度はほとんどありません。神楽奉納や指輪の交換は会場によって、選択制のところも。
【神前式の流れの一例】所要時間30分
参進の儀(さんしんのぎ)
入場
修祓(しゅばつ)
祝詞奏上(のりとそうじょう)
三献の儀(さんこんのぎ)/三三九度
神楽奉納(かぐらほうのう)
誓詞奏上(せいしそうじょう)
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
指輪の交換
親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)
斎主あいさつ(さいしゅあいさつ)
退場
近年人気の挙式演出の所要時間
ここまでで解説したように、教会式と神前式は内容自体に自由度が低く時間の問題もあるため、やりたいからといって自由に挙式演出を組み込むことが難しい場合も。また、演出を組み込むほど挙式自体が長くなるということを念頭に置き、どうしてもやりたい演出がある場合は、会場見学の際に質問してみましょう。
人気の挙式演出の所要時間とポイント
■リングリレー(10~15分)
ゲスト人数が多い場合は挙式の時間内に収められるかを考慮しましょう
■ベールダウン(2~3分)
宗教的な儀式ではないため、教会式・人前式ともに希望すればできることも
■フラワーガールやリングボーイ(5分)
小さい子どもにお願いするため、リハーサルにも参加してもらうようにしましょう
挙式プログラムを決める際のコツ
会場にとっては挙式の所要時間内に納められるかが重要になってくるため、新郎新婦側も時間についてはシビアに捉えて。どうしても取り入れたい演出がある場合は、取りあえず我慢せずに全部言ってみるといいでしょう。会場側も新郎新婦の希望をそのまま実現するのが難しい場合でも、違う形を提案してくれることもあるからです。
ただし、挙式演出は多過ぎると全体的に印象が薄くなってしまうことも。やりたい演出を全部取り入れたけれど「印象に残らない挙式になってしまった」というのは避けたいところです。
まずは、やりたい演出の優先度を決めてからプランナーに相談をし、新郎新婦もゲストにも記憶に残るような組み立て方を考えましょう。
披露宴にかかる時間はどのくらい?解散の時間は?
披露宴の所要時間は約2時間半、お見送り時間は30分ほど取っておこう
一般的に披露宴全体の所要時間はおよそ2時間半とされています。この時間内にあいさつや乾杯をはじめ、余興などの演出をいかにバランス良く組み立てていくかがポイントとなります。披露宴は新郎新婦だけでなく、ゲストにも楽しく過ごしてもらうことが大切です。
次からは披露宴全体を「前半」「中盤」「後半」の3パートに分けて、それぞれの所要時間を解説します。
【披露宴前半】所要時間 25~30分
披露宴スタートから乾杯までの流れは、儀式的なフォーマルな内容が中心となります。そのため、前半はあまり自由度は高くないと心得ておきましょう。披露宴の前半では、まず新郎新婦からゲストへ列席してくれたことへの感謝を述べ、お互いのゲストに向けてふたりの自己紹介も忘れずに。主賓のあいさつは相当する人がいない場合は省略してもOK。また、主賓のあいさつと乾杯の発声を同じ人にお願いするケースも増えてきています。
【披露宴前半】主なプログラムとそれぞれの所要時間
新郎新婦入場 5分
開宴の言葉/新郎新婦のあいさつ 5分
新郎新婦の紹介 5分
主賓のあいさつ 5分
乾杯 5分
【披露宴中盤】所要時間 1時間30分程度
約2時間30分の披露宴の中で、自由度の高いプログラムの組み方ができるのが、中盤の時間帯です。この中盤パートに会食やお色直し、さまざまな余興が含まれます。注意点は、テーブルラウンドはゲスト人数に比例して時間がかかるため、人数が多い場合はゆっくりテーブルを回れないというのを念頭に。また、スピーチや余興は時間配分を熟考してからゲストに依頼を。というのも、依頼してから断るのはとても失礼になるため、時間が足りないからといって途中で止めることができないからです。また、ずっと余興が続くと、食事の手が止まってしまうこともあるので、合間に適宜歓談の時間を挟みます。
【披露宴中盤】主な演出とそれぞれの所要時間
ケーキ入刀・ファーストバイト 5~15分
新婦新郎中座(お色直し)30分
新郎新婦再入場/テーブルラウンドの場合 20分
※キャンドルサービスの場合 20分(ゲスト60名を想定)
※フォトラウンドの場合はテーブルラウンドの20分(プロのフォトグラファーが撮影、ゲスト60名を想定)+人数により5~10分
余興 1組につき10分
スピーチ 1人5分
映像演出 5分
披露宴の演出は盛り込み過ぎないのがトレンド
披露宴の中盤はさまざまなアレンジが可能なため、どうしてもやりたい演出がある場合は、中盤パートで取り入れるのがおすすめです。とはいえ、近年は「演出をあえてやらない」のがトレンドのよう。
というのも、ゲストに余興やスピーチで負担をかけたくない、ゲストにゆっくり食事を楽しんでほしいと考える新郎新婦が増えてきているためです。演出は少なめで、新郎新婦とゲストがゆっくり語らう時間を取り、ゲストへ感謝の気持ちを伝えることも、一つの「演出」としてとらえられるようになってきています。
【披露宴後半】所要時間 30分程度
披露宴の後半は、大切な締めくくりのシーン。ゲストに感謝の気持ちを伝えることが中心になるためあいさつ系が多くなります。人気の演出である花嫁の手紙は、実際に手紙を読む時間は5分程度であっても、花嫁が泣いてしまって言葉に詰まることもあるため、行う場合はゆとりある進行を考えましょう。また、代表謝辞を行うのは新郎の父だけではないケースも増えているので、謝辞を述べる人数によって必要時間を考えましょう。
ゲストの見送りはプチギフトの有無や見送る人数によっても所要時間が変わりますが、一般的に披露宴の2時間30分とは別に、見送りの時間を30分取っている会場がほとんど。ゲストそれぞれに対応する時間に差が出ないように、適度にスピーディーに見送ることを心掛けましょう。
【披露宴後半】主な演出とそれぞれの所要時間
花嫁の手紙 5分
花束贈呈 5分
代表謝辞 5~10分(謝辞を述べる人数によって変わる)
新郎新婦退場 5分
閉宴の言葉 5分
*********
招待客退場・お見送り 30分
ゲストの参列は何時間?
挙式から、披露宴からの参列で異なるが約3時間~5時間が目安
招待するゲストの中でも、挙式・披露宴の両方に招待しているゲストと、披露宴のみ招待しているゲストが混在するのが一般的です。以下に、それぞれゲストの参列時間の目安を紹介します。参列時間の目安を参考に、小さい子ども連れなど長時間の参列が難しいゲストは、挙式のみ、披露宴のみに招待するようなフレキシブルな対応がおすすめです。
ゲストの参列時間の目安
■挙式と披露宴の両方に参列するゲスト
約4時間
※受け付けしてから挙式まで約30分、挙式が30分、披露宴まで約30分の準備時間、披露宴が約2時間30分となり、見送り時間を含めると4時間を超えます
■親族ゲスト
約5時間
挙式+披露宴の約4時間に、親族紹介や写真撮影で約1時間~1時間30分追加されるので、全体で5時間~5時間半
■披露宴のみ参列するゲスト 約3時間
結婚式の“時間帯”にもこだわって
専門式場やホテル、ゲストハウスなどの各会場では挙式スタートの時間が決められているケースがほとんどです。そんな中で、どの時間帯を選ぶかによって、挙式・披露宴後に行われる二次会の時間帯も決まってきます。ここでは結婚式の時間帯ごとの違いを紹介します。
午前11時に披露宴をスタートする場合
少し早めのランチとして、ゲストに披露宴の会食を楽しんでもらえて、明るい時間帯に二次会も開催できるためゲストの帰宅時間は遅くならないというメリットがある一方で、挙式から参加するゲストの入り時間はとても早くなってしまいます。特に女性ゲストの場合は身支度などの準備が大変になるなど留意しておきましょう。
午前11時に披露宴をスタートする場合のタイムスケジュール例
9時30分 受付
10時 挙式
10時30分 挙式終了
11時 披露宴スタート
14時頃 披露宴&見送り終了
15時30分頃~ 二次会スタート
17時30分頃 二次会終了
12時に披露宴をスタートする場合
ランチとして、ゲストに会食を楽しんでもらえるため、披露宴の時間を午後スタートに設定する時間帯はとても人気があります。挙式から参加するゲストの入り時間はやや早めですが、この時間帯であれば夕方から二次会を開催しても、さほど遅くならない時間に二次会も終了できます。
12時に披露宴をスタートする場合のタイムスケジュール例
10時30分 受付
11時 挙式
11時30分 挙式終了
12時 披露宴スタート
15時頃 披露宴&見送り終了
16時30分頃~ 二次会スタート
18時30分頃 二次会終了
午後5時に披露宴をスタートする場合
二次会を開催しないつもりなら、ナイトウエディングとして夕方以降に披露宴の時間を設定するのもオススメです。ゲストの入り時間も遅めの午後であることから、ゲストの負担も少ない一方で、遠方ゲストが多い場合は宿泊などのケアも必要となります。
午後5時に披露宴をスタートする場合のタイムスケジュール例
15時30分 受付
16時 挙式
16時30分 挙式終了
17時 披露宴スタート
20時頃 披露宴&見送り終了
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From 編集部
どうしてもやりたい演出がある場合は、まず優先度を決めて
比較的自由度の高い挙式や、披露宴の演出を決める際「やりたいこと」ばかり優先してしまうと、プログラムがぎゅうぎゅうになってしまい、慌ただしくなるだけでなく、全体の印象が薄まってしまいゲストの印象に残らないことも。
また、披露宴も演出や余興を詰め込み過ぎると、ゲストがずっと何かを見ていることになり、歓談や食事を楽しめなかったりするので、挙式も披露宴も「ゆとり」をもたせてプログラムを構成していきましょう。
清水 恩 ウエディングナビゲーター
専門式場やプロデュース会社でウエディングプロデュースの経験を積み、2004年に独立。フリーウエディングプランナーの先駆けとして活動を始め、「自分にちょうどいい結婚式」をモットーにプロデュースやアドバイスを行っている。結婚式の専門家として、『All About』のオフィシャル・ガイドなどメディアでの執筆や監修も多数。
プリーマ ウェディング
URL:https://prima-wedding.com
取材・文/青山のりこ イラスト/南 夏希 監修/清水 恩
※掲載されている情報は2022年2月時点のものです
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