「和装」も着たい花嫁必見!お色直しのタイミング&着付け・中座時間のリアル
結婚式では和装を着てみたいけれど、ドレスよりも着付けやお色直しに時間がかかりそう……。そんな不安を持つ人も多いのでは?そこで、式当日に和装を着用した卒花さんと花嫁和装の着付けを手掛ける現場のプロ・金田恵理子さんに、和装着用にかかる時間からスムーズに着るポイントまで聞きました!
結婚式の和装着用タイミング
着付け時間が長く取れるタイミングが人気
卒花さん110人が結婚式で和装を着用したタイミングとして最も多かったのは、挙式。続いて、披露宴1着目という結果になりました。挙式での着用なら式が始まる前にたっぷり時間があるので、無理なく着付けやヘアメイクの時間を取れます。また、披露宴1着目は、ゲストも挙式会場から披露宴会場への移動があったり、ウエルカムパーティに参加したりするので、比較的時間を取ることができます。
プロに聞きました!
おすすめの着用タイミングは?
できるだけ中座時間を短くしたいという方にはやはり挙式か披露宴の1着目は時間が取れるのでおすすめです。ただし、チャペルでの挙式に憧れている人も多いと思いますので、後悔がないように希望の挙式スタイルを選んでいただきたいです。「希望の衣裳やスタイルを大切にしたい」「ゲストとの時間をゆったり過ごしたい」など、まずはどんな式にしたいかを考えてみるといいでしょう。(ヘアメイク・着付け/金田恵理子さん)
花嫁和装の着付け時間
着付けの平均所要時間は15~30分
金田さんによると、和装の着付け時間は15~30分ほど。白無垢・色打ち掛けの場合と、引き振り袖の場合では異なります。それぞれの具体的な工程と時間は後述の通り。
盲点となるのが、服を脱いだり、足袋をはいたりといった和装そのものを着用する以外の工程です。例えば、普段から足袋をはいていないと、むくみでサイズが合わない、留め具を留められないなど、思いの外まごついてしまいます。基本は着付け担当が助けたりするのですが、事前にはく練習をしておくなど準備すると安心でしょう。
「白無垢・色打ち掛け」の着付け工程
1.体形補整
2.長襦袢(じゅばん)を着る
3.掛下を着る
4.帯を結ぶ
5.帯締め、帯揚げ、筥迫(はこせこ)など5点の小物をセットする
6.打ち掛けを羽織る
※上記の前に、「足袋をはく」「肌着を着る」という工程があります
何にどのくらい時間がかかる?
和装の中で時間がかかるのは「帯結び」です。しかし白無垢や色打ち掛けの場合は、打ち掛けを羽織るので帯の結びが見えない状態です。そのため、最近はすでに帯結びされた状態の「作り帯」といったものが用意されているケースも。これで3分の1くらい時間短縮が可能に。実際に帯を結ぶ時はギューッと締め上げるのに対して、作り帯は着ていても圧迫感がなく楽なのもメリットです。(金田さん)
「引き振り袖」の着付け工程
1.体形補整
2.長襦袢を着る
3.引き振り袖を着る
4.帯を結ぶ
5.帯締め、帯揚げ、筥迫など5点の小物をセットする
※上記の前に、「足袋をはく」「肌着を着る」という工程があります
何にどのくらい時間がかかる?
花嫁さんが着用する引き振り袖は、成人式で着られる振り袖とは別物です。中でも、大きな違いは「帯」です。成人式で着用する袋帯に対し、花嫁さんは「丸帯」を着用。表も裏も柄が施され重厚感があります。結び方も「立て矢」と呼ばれる格式の高い凝ったものになるため、より時間がかかるのです。(金田さん)
お色直しのための中座時間
トータル20~30分が一般的
金田さんによると、披露宴の中座時間は結婚式の進行スケジュールに沿って会場側があらかじめ決めていることが多いのだそう。会場によって違いはあるものの、20~30分程度。
この時間は、移動も含めた時間。さらにお手洗いや軽食を口にしたり、場合によってはスナップ撮影の時間など、やることは結構たくさんありそうです。
「和装は圧迫感と着物の重みがあるので、緊張感もあって体調に影響が出る方も。そのため、少しでも気持ちが落ち着くように、お支度中は飲物や軽食、飴など何か口に含んでいただいています」との金田さんのアドバイスも。つい焦ってしまいますが、体調にも配慮したいものです。
卒花さんの中座時間の工夫
食事が中断しないように品数が多いコースを選びました。また、司会の方に衣裳から料理、装花まで、私たちのこだわったポイントを細かな情報までお伝えしていただきました。(ねこムスメさん)
ゲスト卓にみんなで遊べるゲームを用意し、私たち宛てのメッセージを記入してもらいました。(なしちゃんさん)
ゲームやプレゼント抽選など、ゲストみんなが夢中になれるイベントを用意して、時間の経過が早くなるように工夫しました。(なこさん)
お肉のカッティングショーを中座のタイミングで楽しんでもらいました。(ぽいさん)
さまざまな地酒を用意し、飲み放題ブースで振る舞いました。(柿の種さん)
卒花さんのリアルな着付け&中座時間
[お支度/75分][お色直し/20分]挙式・披露宴1着目で同じ和装を
幼い頃から結婚式で白無垢を着たいという夢があり、開放感あふれる川辺のオープンスペースで花笠を差して花嫁行列からの挙式を行った@shi.wd422さん。披露宴1着目は綿帽子を取り、耳元のアクセサリーをプラス。
着付けのスタッフさんの連携が素晴らしく、お支度中も疲れることなく迅速に仕上がったそう。
和装を着てみてどうだった?
ドレスから和装よりも、和装からドレスの方が時間がかからないとのことだったので先に和装を着て良かったです。「やっぱり白無垢だと思った」というゲストの声も多く、私=和のイメージがあるんだなと、とてもうれしく思いました。(@shi.wd422さん)
[時間の内訳]
お支度トータル時間/75分
・着付け/30分
・ヘアメイク/45分
お色直し時間/20分
・ヘアメイク/20分のみ ※掛け替えなし
[お支度/90分][お色直し/30分]挙式・披露宴1着目で掛け替え
海外に住んでいる期間が長く、日本伝統の挙式に憧れがあったKonatsuさん。挙式では白無垢を、披露宴では伝統的な赤い色打ち掛けを着用。
挙式のお支度の際に、お色直し後のヘアセットに。綿帽子を取ってコチョウランを着けるだけだったので、時短になったそう。
和装を着てみてどうだった?
和装は想像以上に重くて体のバランスを取るのが難しかったのですが、手際よく着付けをしてくださったので、挙式、披露宴を大満足で終えることができました。ゲストからも、「神前式は珍しい」と喜んでいただけました。(Konatsuさん)
[時間の内訳]
1着目お支度トータル時間/90分
・着付け/30分
・ヘアメイク/60分
2着目お色直しトータル時間/30分
・着付け/20分
・ヘアメイク/10分
[和装お色直しの中座時間の工夫]
披露宴のオープニングムービーを上映
[お色直し/40分]披露宴2着目でドレスからお色直し
日本庭園やぬれ縁からの入場が素敵な会場で、和装が映えると思ったのでお色直しで和装を選択したmihoさん。
事前にリハーサルでしっかりイメージを固め、ヘアはドレスでも和装でもシニヨンにしたため、髪を巻き直す時間などがなく、ヘアチェンジもとてもスムーズ。和装が多い会場で着付けのスピードが速かったため、食事のサーブ時間に合わせて待機時間もあったそう。
和装を着てみてどうだった?
一棟貸しで専用のブライズルームがあったので移動の時間がほぼゼロでした。また、着付け後はヘアメイク中に一口大にカットされた婚礼料理を頂く時間も。着付けがお上手だったので、和装の締め付けで気持ち悪くなることもなく、ほぼ完食できました。
ぬれ縁からの入場は「大河ドラマみたい!」とゲストにも好評でした。(mihoさん)
[時間の内訳]
お色直しトータル時間/40分
・着付け/15分
・ヘアメイク/15分
[和装お色直しの中座時間の工夫]
お色直しの衣裳当てクイズ、おみくじセレモニーなど
[お色直し/35分]披露宴2着目でドレスからお色直し
友人の結婚式で和装花嫁がいなかったこと、また歴史ある会場で和装を着たかったため、披露宴2着目で色打ち掛けを着ることにしたmonaさん。
個性的なヘアスタイルが希望だったけれど、ゲストをあまり待たせないようにシンプルなヘアで時短。その代わり生花のヘッドドレスや金箔をあしらい、個性を出せるように工夫した。
和装を着てみてどうだった?
着付けのスピードが速くてびっくりしました。ヘアメイクリハの段階で目標タイムを決めておくことが大切だと思います。
周りの方にはお色直しのことは話していなかったので、和装で入場したところ、会場に歓声が。特に親族や職場上司の反応がとても良かったです。(monaさん)
[時間の内訳]
お色直しトータル時間/35分
・着付け/10分
・ヘアメイク/25分
[和装お色直しの中座時間の工夫]
新郎新婦の似顔絵セレモニー、鯛めしパフォーマンス、プロフィールムービー上映
和装⇔洋装のお色直しの注意ポイント
着付けに時間を要する和装ですが、脱ぐときは割とサクサクと脱がせてもらえます。意外な盲点は、洋装の時のストッキング。パンティストッキングだと、汗をかいていたり、焦っていたりしていつものようにスムーズに着用できないこともあります。そのため、膝丈のストッキングを用意しておくのがおすすめです。付け爪を付けている場合は、はがれたり引っかかったりしないように十分気をつけましょう。(金田さん)
[お支度/120分][お色直し/60分、30分]3着全て和装
花嫁和装や小物の細部まで和婚にこだわり、衣裳は全て和装に。華やかな色打ち掛け2着とアンティークの引き振り袖を着たasa_1022wdさん。
挙式と披露宴1着目は色打ち掛けだったので、掛け替えのみで時間を短縮。こだわりは披露宴入場時の色打ち掛けをお引きずりにしたこと。掛下だけおからげ(着物を腰の部分で紐で止めて、裾を上げること)したので歩きやすかったそう。
和装を着てみてどうだった?
筥迫は挙式では白を合わせたいと思ったのですが、お店側が披露宴と共通のものを使うと思われていて、急きょ着付けの先生が当日持参してくださることに。小物合わせにもこだわるなら、自分自身でもしっかり確認することが大事だと思いました。
和装はゲストにも喜ばれました。特にあさぎ色のアンティーク引き振り袖の色鮮やかさはとても好評。彼のグレーの紋付きとも相性抜群でした。(asa_1022wdさん)
[時間の内訳]
お支度トータル時間/120分
・着付け/60分
・ヘアメイク/60分
お色直し1回目トータル時間/60分
・着付け/10分
・ヘアメイク/50分
お色直し2回目トータル時間/30分
・着付け/20分
・ヘアメイク/10分
[和装お色直しの中座時間の工夫]
メイン席に新郎新婦の等身大パネルを置いて、ゲストがパネルと撮影できるようにした、プロフィール映像上映
和装⇒和装のお色直しの注意点
白無垢や色打ち掛けのお色直しなら、基本は打ち掛けの掛け替えの作業と小物を変えるだけなので3~5分くらいで済みます。しかし、掛下を色ありなどに変更する場合は10分くらい、半襟を変えたい場合も半襟を縫い付けた襦袢から着用するので15分くらいかかります。
白無垢や色打ち掛けから引き振り袖のお色直しは、襦袢から着用し、帯結びもあるため25分くらいは見ておくといいでしょう。(金田さん)
From 編集部
思ったより早い!?和装を諦めないで
今回登場した卒花さんの実例や金田さんによると、和装へのお色直しは、ドレスへのお色直しに比べても大幅な時間延長にはならないようです。着用するタイミングを考えれば、それほどゲストを待たせず、理想のスタイルを叶えることができるはず。
花嫁和装は、結婚式でしか袖を通すことができない特別な衣裳。「時間がかかりそう」などと諦めず、ぜひ着たい思いを大事にしてくださいね。
金田恵理子さん ヘアメイク・着付け
TVCM・雑誌・ファッションショーなどのヘアメイクを担当する傍ら、和装着付け技術を習得。その後フリーとなり、雑誌などでブライダルのヘアメイクや着付けを手掛けている
構成・文/小松ななえ イラスト/naco D/ロンディーネ
※記事内のデータおよびコメントは過去2年以内に結婚式で和装を着用した20~30代の女性110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2024年6月時点のものです
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