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結婚式のプロ★プランナーさん自身のウエディングが見たい!

結婚式のプロ★プランナーさん自身のウエディングが見たい!

「ウエディングを知り尽くした業界のプロたちって、自身ではどんな結婚式をしているの?」今回はリクルートブライダル総研が毎年実施している、GOOD WEDDING AWARD で過去2回ファイナリストにも選ばれた、TOPウエディングプランナー井上志織さんに、自分の式をつくるまでの工夫や、当日の様子を聞きました!

プロ視点1:【テーマ決め】はふたりの人生を振り返って

結婚式のテーマを決めることは重要な点。ちゃんとふたりで共通認識を持ち、最後までブレないようにしっくりくるものを選ぶのが◎。
私たちはまず白い紙を用意し、お互い自分の人生を振り返って、好きなものや大事にしているものをたくさん書き出しました。書き終わったら見せ合って、「これってどういう意味?」「どんな思い出があるの?」と話しながら、ふたりがこれまで歩んできたことや大切なものを共有。

これをすることでお互い、笑うことや楽しいことが大好きで、周りの方々を大事にして生きてきたことが分かり、しっくり来たテーマが「ラフ(笑のlaugh)&ピース(パズルのpiece)」。 これをすることで結婚式をする意味もふたりで共有できるので、おすすめです。

プロ視点2:【会場決め】は全体の進行を想像しながら

実は会場決めはかなり苦戦したんです。自分が働いている会場はプランナーとして結婚式を創る場所にしたかったので、別な所がいいなといろいろ探し、10カ所以上は見学に行きました。
結婚式の全体感や進行は頭に入っているので、挙式会場やバンケットの印象だけでは決めず、付帯施設含め会場全体をまんべんなく見て、どんな進行になりそうかを想像して見学。最後は料理のおいしさの違いで決めました。

井上さんの会場CHECK★POINT

■時間軸で考える: 
 会場によって挙式から披露宴までの時間や、スケジュールの作り方が全然違います。ゲストにはバタバタせずゆっくり過ごしていただきたかったので、時間に余裕があるかはまず確認。 

■プログラムの自由度: 
 ある程度融通がきくかどうかはチェックしました。結婚式を自分たちでつくっていける自由さは、その後の打ち合わせの楽しさに比例するので重要です。

■付帯施設: 
 遠方から来るお客さんが多かったので、着いてからゆったりできる控室があるか、控室から会場まで遠くないかなどをチェック。

プロ視点3:【演出】はゲストが“今日ここにいる意味“を感じられるものに

参加したゲストが「今日自分がいる意味ってあったかな……?」と思ってしまうような結婚式にはしたくなかったので、一人一つ何かすることを設けて、お互いの繋がりを表現。来た人全員が、今日ここにいる意味をたくさん作りました。

[演出1] ラフ&ピースを表現したパズル

人生のピースを表現したパズル
人生のピースを表現したパズル
人生のピースを表現したパズル

結婚式のテーマでもある「ラフ&ピース」を体現する演出。挙式前にあらかじめ配っておいたパズルに一人一人メッセージを書いてもらい、そのパズルを完成させるとふたりの笑顔に。
披露宴ではこの完成したパズルを持って入場。来ていただいたゲスト一人一人の存在(ピース)のおかげで私たちがいること、皆さまへの感謝の気持ちを表現しました。

[演出2] 全員が一つに。砂時計のセレモニー

砂時計のセレモニー
砂時計のセレモニー
砂時計のセレモニー

挙式前に受付で全員に砂を配り、一人一人砂時計の器に砂を入れてもらいました。その一粒一粒を“ゲストたちとの出逢いの瞬間や、共にすごした時間”に見立て、「ここから未来の時間が始まります」と、挙式の最後にふたりで砂時計をひっくり返し、セレモニーを締めました。

プロ視点4:【プログラム】は既存の当たり前にとらわれ過ぎない

実は私たち、いわゆる通常行うような「誓いの言葉」「ベールダウン」「ベールアップ」「誓いのキス」「ファーストバイト」「式の最後の花嫁の手紙」などはしていないんです。どうしてもふたりらしくないなと感じたので、自分たち流にやり方やタイミングを変えて行いました。

親の手紙は挙式の一番最初に

親の手紙は挙式の一番最初に
親の手紙は挙式の一番最初に
親の手紙は挙式の一番最初に

披露宴の最後に読むのが定番の「親への手紙」は、挙式の入場後すぐに行いました。両家の親に、祭壇の上に来てもらい、感謝を伝え記念品を贈呈。親としての任務はいったんここで終わり、今日この後は気を使わず、私たちが築いてきた人間関係を目で見てもらって、ゲストとしてゆっくり過ごしてほしい!という思いからこの順番にしました。

誓いの言葉は尊敬するご夫婦から頂く

誓いの言葉は尊敬する夫婦からいただく
誓いの言葉は尊敬する夫婦からいただく
誓いの言葉は尊敬する夫婦からいただく

いわゆる決まった言葉での誓いの言葉はなし。その代わりに、お互いの尊敬するご夫婦(新郎側は親友夫婦、新婦側は会社の先輩夫婦)に、誓いの言葉を考えてもらいました。当日その瞬間まで教えてもらわなかったのでドキドキ! 

その場で起立していただき、投げ掛けてもらった言葉は、「もし夫婦げんかをしたら、面白おかしく周りに話すことを誓いますか?」(新婦側) 「家事や育児をきちんとサポートすることを誓いますか?」(新郎側)。
綺麗な言葉よりも日常に根付いた、素敵な誓いの言葉をいただけたと思います。その後会うと、「あの誓いちゃんと守ってる?」と会話ができ、見守ってもらえてるなと感じられるのも良かった点です。

ケーキカットは乾杯の準備中に済ませる

ケーキカットは乾杯の準備中に済ませる

元々ファーストバイトをしないと決めていたのは、私たちらしくないなと思ったから。そして、ゲストが主役の結婚式にしたかったので、ふたりで完結するようなプログラムは入れず、ゆっくり過ごしていただくことを重要視しました。そのため、ケーキカットも乾杯の準備をしている間に済ませて時間を有効活用。

乾杯は花嫁だけジョッキでビール!

乾杯は花嫁だけジョッキでビール!
乾杯は花嫁だけジョッキでビール!
乾杯は花嫁だけジョッキでビール!

ビールが大好き♪ ゲストたちとの思い出を振り返っても、いつでもビールを飲んでいる私がいたので、きっとこっちの方が自分らしいなと思い、マイジョッキを持参。ゲストからも「っぽいね~」と笑いが起き、結婚式の写真を見返しても、この時が一番いい顔してるかもと思っています(笑)。

From 編集部

まずはふたりで向き合い、お互いの人生を語り合うことから始めよう

ふたりが今まで何を大切に生きてきたか、これから何を大事にしていきたいかを、最初に夫婦で話し合うことが、結婚式をつくる上で実は大切なこと。それを共有した上で、従来の結婚式の形が本当にふたりらしい? どんな演出なら伝えたいことがきちんとゲストに伝わる? などしっかり自分たちで考えて、会場やプログラムを決めていく丁寧なプランニングスタイル。ぜひ取り入れてみて!

井上志織
Profile

井上志織 シニアウェディングプロデューサー
ザ・ミーツ マリーナテラス(千葉県)

大学卒業後、ウエディングプランナーの道に進み、今年で10年目。現在は、所属するザ・ミーツ マリーナテラスで、シニアウェディングプロデューサーとして活躍中。
リクルートブライダル総研が行うGOOD WEDDING AWARDでは、2015、2017共にファイナリストに選ばれたTOPプランナーの一人。今年からは、新婦へのメンタルケアの一環としてハーブやアロマの知識も深め、さらに広い知見を持ったプランナーへと進化を遂げている。

構成・文/滝 紀子 
※掲載されている情報は2017年12月時点のものです

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