【結婚前の貯蓄(貯金)】新生活に必要な費用&貯め方(FP監修)

結婚式や新生活準備にはどれくらいのお金が必要なのか、不安になるカップルも多いよう。そこで、何にいくらかかるのか、ゼクシィが調べた平均データを解説。さらに、いつまでにいくら貯めればいいのか、なかなか貯まらない時はどんな対処法があるのか、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生に教えてもらいました。
結婚式や新生活準備にはどれくらいのお金が必要なのか、不安になるカップルも多いよう。そこで、何にいくらかかるのか、ゼクシィが調べた平均データを解説。さらに、いつまでにいくら貯めればいいのか、なかなか貯まらない時はどんな対処法があるのか、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生に教えてもらいました。
丸山晴美
FP技能士2級・ファイナンシャルプランナー(AFP)・節約アドバイザー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
グラフは、先輩たちが結婚のために貯めたお金の平均金額を調べたもの。具体的には結納、挙式、披露宴・ウエディングパーティ、二次会、新婚旅行までを含めた結婚費用の貯蓄額ですが、年代が上がるにつれ金額もやや多くなる傾向に。また地域ごとに結婚式の規模や風習が違うため、地域差もあります。とはいえ、20代・30代で金額の多い地域がまったく違うことから、地域差よりも個人差が大きいことがうかがえます。
20代結婚前のカップルが貯めた金額は、全国平均322万1000円。金額の多い地域トップ3は、上から順に「関西」369万3000円、「首都圏」340万円、「静岡」333万9000円という結果になりました。
地域 | 平均貯蓄額 |
---|---|
北海道 | 257万8000円 |
東北(青森・秋田・岩手・宮城・山形) | 279万1000円 |
福島 | 257万1000円 |
北関東(茨城・栃木・群馬) | 303万6000円 |
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉) | 340万円 |
新潟 | 238万円 |
北陸(富山・石川・福井) | 320万3000円 |
長野・山梨 | 276万5000円 |
静岡 | 333万9000円 |
東海(愛知・岐阜・三重) | 332万3000円 |
関西(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山) | 369万3000円 |
中国(岡山・広島・山口・鳥取・島根) | 291万8000円 |
四国(徳島・香川・愛媛・高知) | 324万5000円 |
九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島) | 252万1000円 |
30代結婚前のカップルが貯めた金額は、全国平均339万6000円。金額の多い地域トップ3は、上から順に「北陸」440万3000円、「東海」412万2000円、「中国」388万9000円という結果になりました。
地域 | 平均貯蓄額 |
---|---|
北海道 | 200万円 |
東北(青森・秋田・岩手・宮城・山形) | 239万8000円 |
福島 | 307万4000円 |
北関東(茨城・栃木・群馬) | 287万4000円 |
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉) | 343万5000円 |
新潟 | 283万円 |
北陸(富山・石川・福井) | 440万3000円 |
長野・山梨 | 372万3000円 |
静岡 | 313万8000円 |
東海(愛知・岐阜・三重) | 412万2000円 |
関西(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山) | 386万円 |
中国(岡山・広島・山口・鳥取・島根) | 388万9000円 |
四国(徳島・香川・愛媛・高知) | 284万2000円 |
九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島) | 292万8000円 |
前の段落では年齢別・地域別の貯蓄額を見てきました。とはいえ、何にいくらかけるかで、必要な金額は大きく変わるといえそう。結婚時に必要な費用を項目ごとに解説します。
指輪の購入費用の全国平均は、婚約指輪39万円、結婚指輪(ふたり分)29万7000円。地域差はあまりないものの、最も多い地域は婚約指輪が「四国」44万1000円、結婚指輪が「首都圏」31万6000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」によると、両家顔合わせと結納のどちらか・または両方を行った人は92.6%。そのうち両方行った人は5.3%、結納のみ行った人は1.7%、両家顔合わせのみ行った人は85.6%。
実施者の平均としては、結納式にかかる費用の全国平均43万9000円に対して、両家顔合わせの食事会にかかる費用は、全国平均8万3000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
新居にかかる費用は、地域差に加え、賃貸・購入・社宅など住宅の種類によっても大きく違うため、一概に平均金額を出すことは難しいと言われます。一般的に、家賃は手取り月収の3割まで、賃貸物件の初期費用は家賃の4~6カ月分が目安とされているので、参考にしましょう。
結婚を機にインテリア・家具、家電製品を購入した人の割合は 66.8 %で、購入金額の全国平均は 59万円。
※出典:ブライダル総研「初期費用実態調査2020」
結婚式(挙式、披露宴・ウエディングパーティ)にかかる費用は、全国平均343万9000円。最も多いのが「首都圏」374万8000円、最も少ないのが「北海道」221万5000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
新婚旅行にかかる費用は、全国平均61万6000円(土産代を除く)。最も多いのが「東海」73万2000円、最も少ないのが「新潟」47万8000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
結婚時にかかるお金はたくさんありますが、援助を受けられる場合は、それも含めて計画を立てることもできるでしょう。
結婚にあたって親から受けた人は全体の81.9%。そのうち、援助を受けた人の金額は、全国平均183万5000円。最も多いのが「東海」208万9000円、最も少ないのが「北海道」138万6000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
ご祝儀制の披露宴・ウエディングパーティを実施した人がもらったご祝儀の金額は、全国平均205万6000円。最も多いのが「静岡」228万3000円、最も少ないのが、会費制で実施するケースが多い「北海道」126万6000円となりました。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
住んでいる自治体や、夫婦それぞれの職場によっては、お祝い金の制度を設けていることも。制度は自治体や職場によって大きく異なるのでチェックしてみましょう。
プロポーズされた月を0か月目として、縦軸を月、横軸を貯金額としたシミュレーションのグラフ。
プロポーズの時点で、貯蓄がいくらあると理想的か、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生に試算してもらったのが上のグラフ。プロポーズ時点を0カ月として、毎月6万円を積み立てつつ、2カ月後に婚約・結婚指輪を購入、4カ月後に結納・顔合わせ、6カ月後に新居へ引っ越し、12カ月後に結婚式・新婚旅行を実施した場合のシミュレーションです。
それぞれのイベント時に出費をしつつも、親からの支援やご祝儀を加算すると、結婚後に手元には約150万円が残る計算に。新生活スタート時にこれくらい手元にあるといいと考えると、「婚約時に300万円」を目安に貯めていくとよいでしょう。
上記のような考え方をベースに、例えば「親からの支援などが期待できない場合はもう少し貯蓄額があると理想的」「結婚式や新婚旅行の規模を縮小できる場合は貯蓄額が少なめでも大丈夫」などパートナーと話し合って、お金をかけるところ、節約するところのメリハリを決められるといいですね。
シミュレーションしてみてもお金が足りない……そんな時は次のような対処法も考えてみましょう。
例えば結婚式の招待人数を縮小する、ハイシーズンを避けて結婚式や引っ越しを行うなど、出費を抑える方法を考えましょう。
例えば新婚旅行は結婚式の半年後に延期する、新居の家具家電はできるだけ今あるもので済ませるなど、大きな出費につながるイベントを延期するのもいいでしょう。
例えば毎月の貯蓄額を1人1万円ずつ増やすと、ふたりで10カ月で20万円の貯蓄額を増やせます。ボーナス時に加算すると、さらに大きく増やせます。
自治体によっては、結婚助成金がもらえるところもあります。例えば東京都青梅市の場合、最大60万円の補助があります。他にも新婚家庭に向けた住宅補助がある自治体もあるので、新居探しをする際の参考にしてもいいでしょう。
両方またはどちらかの親に援助をお願いしてみましょう。1000万円までなら信託銀行などの金融機関と契約を結び、専用口座を開設したのち、金融機関を経由して、結婚・子育て資金非課税申告書の提出等をすることにより、贈与税が非課税になる制度があります(令和9年3月31日まで)。
プロポーズ時にふたりの貯蓄額が少なくても大丈夫。結婚後に貯蓄を頑張るカップルも。
先輩カップルに「結婚してから貯金をするために行った(行っている)工夫」について聞きました。取り入れられそうなものはぜひ参考に。
外食を減らし、自炊を増やすことで食費の節約からはじめました(Riaさん)
毎月必ず貯める金額を決め、節約して余った分をお互いに月末に報告。その金額が多い方がスイーツを買ってもらえるという楽しみを交えつつ貯金額を増やしました(美咲さん)
彼がもともとポイントを貯めるためクレジット決済派だったので、家計も共同口座に紐づくクレジットカード決済をメインにしました(美穂さん)
結婚って思った以上にお金がかかる!と感じた人も少なくないはず。でも、かかる費用を抑えたり、貯蓄を増やす工夫をしたり、もらえるお金を計算に入れてみると、意外と大丈夫!というケースもあります。貯蓄を増やす・もらえるお金をもらうことにも目を向け、やりくりを成功させましょう。
取材・文/前川ミチコ イラスト/ふち 構成/金子朱里(編集部)
※記事内のデータならびにコメントは、2025年4月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー78人が回答したアンケートおよび「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」およびブライダル総研「新生活実態調査2020」によるものです
※掲載されている情報は2025年6月時点のものです