【もらい忘れ注意】結婚から出産まで、申請すればもらえるお金
結婚や出産、退職をすると「お祝い金」「手当」「給付金」などさまざまなお金が国や市区町村、勤務先、雇用保険、健康保険などさまざまな所からもらえます。そこで「どんな人がどのくらいの金額をもらえるのか」「どこに申請すればよいのか」を中心に最新情報を提供。自分がもらえそうなものを探して申請しましょう。
結婚や出産、退職をすると「お祝い金」「手当」「給付金」などさまざまなお金が国や市区町村、勤務先、雇用保険、健康保険などさまざまな所からもらえます。そこで「どんな人がどのくらいの金額をもらえるのか」「どこに申請すればよいのか」を中心に最新情報を提供。自分がもらえそうなものを探して申請しましょう。
福利厚生の一環として「慶弔手当(慶弔見舞金)」を支給している所は多く、結婚すると「結婚祝い」がもらえます。金額は勤務先や雇用形態などによって異なり、勤務年数が長い人ほど高額になる職場もあるので、就業規則でもらえる金額を確認しましょう。申請は人事や総務などの担当窓口へ。
勤務先の労働組合や共済会、健康保険組合などに加入している人は、そこからお祝い金が出ることも。こちらも勤務先や加入組織、加入年数などで金額が異なるので、詳細の確認や申請は各組織へ。
彼は勤務先から、私は保育士なので私学共済と保護者会からお祝い金を頂き、全部で11万5000円に。申請には婚姻届を出した時にもらった受理証明書が必要でした。(ちえさん)
<もらったお金>
●妻/私学共済から:8万円
●妻/保護者会から:5000円
●夫/勤務先から:3万円
勤務先からに加え、健康保険組合からもお祝い金が出ました。会社の制度は分かりにくいことがあるので、直近で結婚された人にどんな申請をしたか尋ねるとよいです。(noayaさん)
<もらったお金>
●妻/勤務先から:3万円
●妻/勤務先の健康保険組合から:3000円
勤務先からのお祝い金はふたりとも給与口座に振り込まれましたが、私が加入している労働組合は「振り込みでは味気ないから」と、立派なご祝儀袋に入れてくださいました。(奏さん)
<もらったお金>
●夫/勤務先から:8万円
●妻/勤務先から:5万円
●妻/勤務先の労働組合から:3万円
一部の自治体では婚姻届を提出したカップルを対象に(夫婦の合計所得が500万円未満などの条件あり)、結婚に伴う新生活費用を補助してくれます。対象となるのは新居の購入費用やリフォーム費用、業者を使った引っ越し費用、新居の家賃や礼金・敷金、仲介手数料など。
補助額は夫婦共に29歳以下なら1世帯最大60万円、39歳以下なら最大30万円が多いのですが、制度の拡大と共に独自に条件や金額を設定する自治体が増えつつあります。申請方法や期限なども異なるので、詳細は各自治体のホームページなどで確認を。
自治体によっては結婚したての夫婦や子育て世帯を対象に「マイホーム購入のみ補助」「業者を使った引っ越しのみ補助」「毎月の家賃を補助」「移住者を支援」など独自の制度を持つ所も。マイホーム購入や移住の場合、最高100万円など過疎化対策ならではの高額設定も見受けられます。
この他、「結婚祝い」として5000~5万円の現金やギフト券をくれる自治体もあるなど、支援の内容はさまざま。毎年、4月の年度代わりに制度が更新されることが多く、申請期限もあるので、自治体のサイトで最新の情報をチェック。
「この先5年以上住む意思がある」などの条件がありましたが、お互い転勤や異動がなかったので「結婚新生活支援」を受けることに。前家賃や敷金・礼金・仲介手数料の領収書を持参して申請し、60万円頂きました。(もりもりさん)
<もらったお金>
●結婚新生活支援事業:60万円
私たちの市は県と共同で新婚生活を応援。「結婚新生活支援事業」で賃貸物件の初期費用として60万円補助してもらいました。(manoさん)
<もらったお金>
●結婚新生活支援事業:60万円
結婚を予定している人や結婚したばかりの人たちを対象にした「結婚応援パスポート」は、飲食店やショップ、宿泊施設などの協賛店で割引やプレゼントなどのサービスが受けられるお得な制度。実施している都道府県は東京、大阪、青森、宮城、新潟、石川、長野、岡山、香川、熊本など多数。「子育て支援パスポート」として同様のサービスをしている自治体もあります。「都道府県名 応援パスポート」で検索して、該当するものがあったら登録してみましょう。
退職した人に支払われる退職金は企業が定める規定に基づき、勤務年数や役職、給与額などによって変わります。一般的に勤務年数が長くなるほど多くなり、大卒者の方が高卒者より高額。自分がもらえる金額の確認や申請は勤務先の担当部署(総務課、人事課など)に。
雇用保険加入者で、退職後、就職する意思を持って求職活動を行っている人に支給。妊娠・出産・育児や家事に専念してすぐに就職できない人は対象外ですが、「受給期間延長」の手続きをすれば、就業できる状況になった後、受給手続きが可能に。
支給額は直近6カ月間の月収(税金や社会保険料が引かれる前の額面)の50~80%で、給与額や年齢などで異なります。また、基本手当の日額には下限額と上限額があります。
自己都合で退職した時の給付日数は雇用保険加入期間が10年未満なら90日、10年~20年未満なら120日。支給開始は原則退職1カ月たってからですが、離職回数が多い場合は3カ月後になることも。結婚で遠方に引っ越し、通勤できなくなった場合は申請直後から支給されます。申請は雇用保険被保険者離職票など必要書類を持って管轄のハローワークへ。
退職後、年内に再就職しないと勤務先での年末調整ができないので、翌年(例年2月15日前後から1カ月間)に確定申告をして、納めすぎた税金を返してもらいましょう。1年の前半など早い時期に退職した人ほど還付金が多くなります。生命保険に入っている人、医療費を10万円払った人、住宅ローンがある人は控除も受けましょう。ふるさと納税をした人で退職後、無職のまま年を越した人は、ワンストップ特例制度が利用できないので、確定申告が必要です。
申告は、スマートフォンやパソコンから国税庁の確定申告書等作成コーナーに入り、記入して送信、あるいは印刷して居住地管轄の税務署に郵送または持参を。
勤続年数は2年3カ月と短かったですが、退職金を10万円頂きました。結婚による遠方への引っ越し(四国から東北へ)が理由の退職だったため、特定理由離職者となり、給付制限期間がなくて、申請後間もなく支給開始に。(すずさん)
<もらったお金>
●退職金:10万円
●失業保険:3カ月間で42万円(雇用保険加入期間は前職と合わせて通算3年3カ月)
就職から7年後、80万円の退職金を頂いて退職。その後遠方に住む彼の元へ引っ越し、退職の翌月、婚姻届を出しました。ハローワークでは結婚による引っ越しで、今までの勤務先に通えなくなったことが認められ、失業手当の申請直後から支給開始。1カ月当たり約16万7000円、3カ月間で満額の約50万円もらえました。(もーたんさん)
<もらったお金>
●退職金:80万円
●失業手当:3カ月間で約50万円
失業手当をもらい切らずに早く再就職すると、代わりに「再就職手当」などがもらえます。
【再就職手当】
支給残日数が3分の2以上ある場合、1日当たりの失業給付金×70%、残日数が3分の1以上ある場合は同×60%が、残りの日数分もらえます。
【就業促進定着手当】
再就職先の給与が前職より減った人向けの手当。支給条件は「再就職手当を受給した」「再就職先で6カ月以上勤務し、雇用保険にも加入した」など。
医療機関で妊娠が判明した時に5万円、出産予定日の8週間前以降、妊娠した子どもの人数を届け出た時、子ども1人につき5万円、国の予算から支給されます。申請は市区町村の窓口へ。
【不妊治療助成金】
不妊治療は保険適用になったとはいえ高額。それが指定の医療機関で行うと、助成金を支給してくれる自治体もあるのです。対象となる治療や1回の金額、回数は自治体で異なり、東京都の場合、「1回15 万円まで。1子につき治療開始日の妻の年齢が39 歳までなら6回まで、40~42歳は3回まで」、大阪市の場合、「先進医療に要した費用の10分の7、上限5万円。回数は東京都と同じ」。
【他の都道府県で受けた妊婦健診費の償還】
役所で母子手帳をもらう時、居住する都道府県内の医療機関で使える妊婦健診の受診券も支給されます(ただし限度額があり、全て無料になるわけではない)。この受診券、里帰り時など他の都道府県での妊婦健診には使えないので、全額自分で支払い、後日役所に申請して限度額までもらいましょう。
出産日(予定日より後に出産した場合は予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日までの98日(多胎妊娠の場合は154日)の範囲で、産前産後休業を取って給与が支払われなかった日数分、出産手当金が支給されます。1日当たりの金額は支給開始日以前の1年間の平均月収を30日で割った金額の3分の2。
申請は必要書類を用意して産休が終わった後、職場の窓口または加入している健康保険組合に提出。
出産費用として子ども1人につき原則50万円が加入している健康保険から支給されます。実際は、多くの人が出産する施設に申し出て「直接支払制度(健康保険から出産施設に払う)」を利用。そうすれば足りない分だけ支払えばOK。もし出産費用が出産育児一時金より低かったら、健康保険組合(国民健康保険の場合は役所)に申請して差額分をもらうことができます。
直接支払制度を利用しない場合は、出産後、健康保険組合に申請を(国民健康保険の人は役所に)。
【無痛分娩(ぶんべん)費用助成】
一部自治体では「対象医療機関で硬膜外麻酔または脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔による無痛分娩を受ける」など条件を満たすとその費用を支給(東京都の場合は最大10万円)。
【高額療養費】
出産は健康保険が利きませんが、帝王切開などの異常分娩は手術等の医療行為が伴い、保険が適用されます。マイナ保険証による受診で、1カ月間の医療費が収入などに基づく自分の限度額以上になった場合、超えた分の支払いは不要。マイナ保険証でない場合、自分で全額払った後、申請して払い戻しを受けるか、支払いが限度額で済むように「限度額適用認定証」の申請をします。
【職場や自治体からの出産祝い】
結婚した時と同様、出産でも勤務先や加入している労働組合、共済会、健康保険組合などから出産祝いがもらえることも。出産祝いをくれる自治体もあります。金額は自治体で異なり1万~10万円。
子どもが0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日まで、児童を養育する保護者に支給されるお金で、3歳未満の場合、月額1人1万5000円、3歳以上 は1万円(第3子以降はずっと3万円)。
出産したり、他の市区町村から転入した時は、現住所の役所に「認定請求書」の提出を(公務員は勤務先に申請)。
産後休暇が終わると育児休業に入りますが、出産手当金はもうもらえません。でも大丈夫。雇用保険の加入期間などの条件を満たしていれば、育児休業中の給与が出なくても、子どもが原則1歳になるまで(最長2歳)育児休業給付金が支給されるのです。育児休業は父親と母親それぞれ取得可能で、2回に分割して取ることも可能。
金額は休業に入る前の6カ月間の額面の賃金を日割りした「休業開始時の日額賃金」が基準で、育児休業開始から180日まではその67%、181日目以上はその50%がもらえます(上限・下限あり)。なお、育児休業中の年金や健康保険の支払いは免除に。給付金を頂くためには勤務先を通じて事業所所在地を管轄するハローワークに申請。
母親が産後休業の期間、父親は前出の育児休業とは別に「産後パパ育休(出生時育児休業)」が取得できます。休業できる日数は、子どもの出生後8週間以内に4週間までで、分割して2回休業することも可能。そして、支給要件を満たせば、雇用保険から、日額賃金×67%×支給日数の給付金がもらえます。日額賃金の計算方法や申請方法は育児休業給付金と同じ。
子どもの出生直後の一定期間内に、原則、パパ・ママ共に14日以上の育児休業を取得した場合、ふたりとも最大28日間、日額賃金の13%が雇用保険より支給されます。これがもらえれば、「育児休業給付金もしくは出生時育児休業給付金」と合わせて給付率は80%となり、手取りの10割相当が支給されることに。
日額賃金の計算方法は育児休業給付金と同じ。支給申請は原則、育児休業給付金または出生時育児休業給付金の申請と併せて行わなくてはならず、勤務先を通じて事業所所在地を管轄するハローワークに申請します。
「産後ケア」は退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等きめ細かい支援をしてくれる制度。方法には「宿泊」「デイサービス」「自宅訪問」があり、利用料金の減免や補助をしてくれる自治体もあります。例えば東京都のある区では「施設が定める金額の2割で利用可。自宅訪問は1回1000円(いずれも回数制限あり)」など。
2歳未満の子を養育するために時短勤務(育児時短)することによって賃金が低下するなど、要件を満たす時に雇用保険より支給されます。支給額は育児時短就業中の賃金の10%相当。ただし、育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されます。申請は勤務先の会社を通じて事業所所在地を管轄するハローワークに。
育児休業を延長して出産から1年8カ月までにもらった以下の合計は467万円。夫は有給とお盆休みを20日間使って育児に携わり、育児休業は取りませんでした。(まるさん)
<もらったお金>
●妊婦のための支援給付金:10万円
●勤務先からの出産祝い:5万円
●出産育児一時金:50万円
●出産手当金:65万円
●妻の育児休業給付金:1年目182万円、2年目121万円
●夫の医療費控除による確定申告還付:4万円
●児童手当:1年8カ月で30万円
夫はパパ育休28日と通常の育休を3カ月取得、私は出産1年で復職予定。妊娠から復職までにもらえる総額は収入が別管理で不明な夫の育児休業給付金を除いて380万円。(かなさん)
<もらったお金>
●妊婦のための支援給付金:10万円
●勤務先からの出産祝い:15万円
●出産育児一時金:50万円
●出産手当金:70万円
●妻の育児休業給付金: 210万円(出産1年まで見込額)
●医療費控除による確定申告還付: 7万円
●児童手当:1年で18万円
職場や自治体で制度が違ったり、年度ごとに内容が更新されて、受けられる支援が変わることもあるので、厚生労働省や居住地の自治体のホームページを時々のぞいてみて。またどの「お金」も申請が必要なので、対象となる人の条件から支給される金額、必要書類、申請の期限までちゃんと把握して申請漏れを防ぎましょう。
監修:滝沢博美さん
社会保険労務士
新卒入社をしたIT企業の人事・総務・経理部門で責任者を務め、働き方やお金に関わる実務を幅広く経験。社会保険労務士として開業してからは、受験対策講座の講師として分かりやすく伝えることに力を入れている。
結婚・出産・育児期にまつわる制度やお金の疑問を生活目線で丁寧に解説することを大切にしている。
構成・文/渡邊博美 イラスト/平井さくら
※記事内のコメントは2025年12月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー106人と、2026年4月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー20人が回答したアンケートおよび、2026年3月に婚姻届提出から3年以内の20代と30代の既婚女性110人が回答したマクロミル調査によるものです
※記事中の制度に関して、将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります
※コメントの金額は各個人の事例です。人によって金額は異なります
※掲載されている情報は2026年5月時点のものです