
マナー講師が監修【結納の進め方ガイド】形式、結納品、費用…etc.<基礎・準備編>
結納を行うことで、結婚する実感が湧いたり両家が団結したり。みんなが「やってよかった!」と思えるよう、今のうちにしっかり結納のことを学んでおきましょう。まずは結納当日に向けて、何から取り掛かり、どんな準備をすればいいのかをご紹介します。
- 結納には「正式結納」と「略式結納」がある
- 結納式と会食を足した平均金額は16万6000円だが、地域差がある
- 結納をするに当たりまず決めることは、日取り、場所、形式、服装
- 準備するものは結納品、結納金、婚約記念品など
Index結納の準備の流れはこちら
#01 結納ってどんなことをするの?
#02 いくらかかる?
#03 決めなきゃいけないことは何?
└1. 日取り
└2. 場所
└3. 形式と当日の流れ
└4. 服装
#04 準備するものは何?
#05 結納品は何を用意したらいい?
#06 結納のここが知りたいQ&A
Q: 手土産はどうする?
Q: 料理や飲み物は用意する?
#01|結納ってどんなことをするの?
両家で結納の金品をやりとりする儀式
「正式結納」と「略式結納」がある

現在では「略式結納」が一般的
金品の受け渡しを行うことにより、##s##ふたりだけでなく家と家とも強い絆で結ばれる、伝統的な婚約の儀式が「結納」##e##です。結納には「正式結納」と「略式結納」がありますが、##s##現在は「略式結納」で行われることがほとんど##e##です。
「正式結納」と「略式結納」の違い
結納には「正式結納」と「略式結納」があります。現代では仲人を立てない略式結納が主流となっていますが、どちらを選択するかは両家の意向をよく確認して決めましょう。
【正式結納】
仲人が両家を訪れ、一定の形式で金品を贈る儀式。本来は帯や着物地などに縁起物を添えて贈りますが、現代では帯や着物の代わりに結納金を贈るのが一般的になっています。
【略式結納】
仲人を立てず、男性側が女性宅を訪問し、金品を贈ります。ホテルやレストラン、料亭で行うことも多いです。
結納と食事がセットになった便利なパックプランも
結納の儀式が終わった後は、全員でお祝い膳を囲むケースが多いようです。料亭やホテル、専門式場などの中には、##s##結納品と食事がセットになった「結納プラン」##e##が用意されている所も。儀式の進行もプロにお任せできるので、利用してみてはいかがですか。
結納<当日の流れ>についてはこちら↓
結納の所要時間は20分程度。儀式の流れや口上(せりふ)には決まった手順があるので、ひと通りきちんと頭に入れ当日に臨みましょう。口上は暗記する必要がありますが、決して難しいわけではないのでご安心を。ここでは関東式の結納の流れについて説明します。
#02|結納はいくらかかる?
結納式+会食の平均総額は16万6000円
ただし地域によって金額にバラつきあり

地域によって差がある結納の費用
食事を含めた結納式の費用(結納品+飲食代+会場費)は##s##全国平均で16万6000円##e##。ただし地域によって差があり、最も低いのは静岡の5万6000 円、逆に高めの北海道では47万3000円という結果が。とはいえ、その中でもかける費用には個人差があり、いずれのエリアもボリュームゾーンは5万~20万円前後となっています。
「結納金」のみを用意したり、逆に省くケースも
前出の平均額に含まれていませんが、「結納金」も結納の際に用意するものの一つ。こちらは##s##主に男性側から女性側(婿養子の場合は逆パターン)に贈られる、結婚支度金のような意味合いのお金##e##です。最近では結納品(結納飾り)を用意せずに結納金だけを渡したり、逆に結納金のやりとりをしなかったりと、それぞれの家の考え方に応じて、合理的に進めるケースも増えています。
#03|結納の準備で
決めなきゃいけないことは何?
1.日取り 2.場所 3.形式 4.服装
これさえ決めておけば大丈夫!

決めておきたい4つのこと
1 日取り
2 場所
3 結納の形式と当日の流れ
4 服装
最初に決めておきたいのは##s##日取りと場所##e##。
両家が足並みを揃えて結婚準備を進めるためにも、みんなの都合を確認し、早めに調整しましょう。実施時期は人によりまちまちですが、##s##平均は式の10カ月前##e##というデータが出ています。
両家の地元が離れているときは特に、どこで行うかも重要なポイント。どちらかもしくは双方が遠方へ出向く場合は、旅行の手配なども必要になってきます。
また、自分たちで行うのか「結納プラン」や「結納パック」を利用するのかによって、準備の手間もずいぶん変わります。両家で服装の格を合わせておくことも忘れずに。
#決めておくこと1|「日取り」
結婚式の半年前を目安として
両家の都合のよい「吉日」に

式の13カ月以上前に行う人が多く、目安は半年前
結婚を決めてから式を迎えるまでの期間にもよるけれど、##s##13カ月以上前に結納を行う人が多く、平均すると10カ月前##e##というデータが出ています。このくらいの時期にやっておけば、式や招待するゲストのことを両家の親も交えて話し合うことができるし、場合によっては費用の相談などもできそうです。
大安などの「吉日」が好まれる
日取りについては、##s##一般的に「吉日」とされる大安が好まれる傾向##e##ありますが、その他の暦でも、吉とされる時間帯があるので、「六輝カレンダー」などで調べておくといいでしょう。両家の予定を合わせるのは意外と大変なもの。##s##できるだけ早い段階からみんなの都合や希望を聞いて調整する##e##ことが、最初にやっておきたいことの一つです。
おすすめの時間帯は?
「お祝い事は早い時間に」と昔からいわれているように、##s##縁起を担いで午前中に開始するケースが多い##e##ようです。ただし親が六輝(暦)を重視する場合、午後の方が縁起がよいとされる日もあるので、両家で話し合って決めましょう。
▼結納をするのに良いお日柄をcheck
#決めておくこと2|「場所」
どんな形式で行うのかを一緒に考えつつ
両家にとって最適な場所を決めよう

遠方同士の場合は、まず集まるエリアを決めよう
お互いの地元が離れていると、どこで結納を行うのかを検討しなくてはいけません。##s##いずれかの自宅、またはみんなが集まりやすい料亭やホテルなど##e##、状況に応じていくつか案を出しながら調整しましょう。
結納の主な実施場所
・料亭・・・・・・32.8%
・ホテル・・・・・・22.6%
・彼女の家・・・・・・14.4%
仲人を立てる昔ながらの結納では、彼女の家や彼の家で行っていましたが、##s##最近では多くが略式なので、料亭やホテルなどで行う##e##ケースも目立ちます。##s##「結納プラン」のある会場なら、結納品一式を用意してもらえたり、進行をスタッフが仕切ってくれる所もあるので安心##e##。結納式の後にどんな料理を楽しみたいかによって、会場を決めてもいいかもしれません。
#決めておくこと3|
「形式」と「当日の流れ」
関東式? それとも関西式?
しきたりを考慮しながら決めたい結納の形

正式か略式か、スタイルを決めよう
##s##しきたりに合わせた結納の品を用意し、口上を述べながら行う「結納式」##e##か、もしくは##s##品目数を最低限にして金品だけを受け渡す略式##e##か、まずは結納のスタイルを決めましょう。ここさえ決まれば、何を準備すればいいのかという具体的なイメージが湧いてくるはずです。
正式結納と略式結納の違い
当日の流れを確認しよう
正式結納を行うか、略式結納を行うかを決めたら、当日の流れを確認しておきましょう。
当日の席順や結納品の飾り方、口上の内容や誰が口上を述べるかなど、流れに沿って一つ一つ確認をします。
結納の流れ
主な結納の流れは以下の通りです。
・彼結納品を飾る
・入場
・始まりの口上
・結納品の取り交わし
・婚約記念品のお披露目
・結びの口上

関東式と関西式で異なる結納
代表的な結納は「関東式」と「関西式」。##s##関東式では男性側と女性側の双方が結納を交わし、関西式では男性側が女性側に納めます(婿養子の場合は逆)##e##。
#決めておくこと4|「服装」
基本は正装もしくは準正装
両家で相談して格をそろえて

ふたりと親の服装の格をそろえる
##s##女性の振り袖は華やかだし正装でもあるので結納に最適。それに合わせて男性も礼服(ブラックスーツ)や略礼服(ダークスーツ)を着用するのがマナー##e##です。もちろんふたりの服装だけでなく、##s##親もそれに合わせて母は色留め袖、父もブラックスーツなど##e##で臨みましょう。
もう少し気楽な服で臨みたいなら、きちんと感のあるワンピースなどもオススメ。その場合は、母もフォーマルスーツなどの洋装で問題ありませんが、できればおめでたい場なので黒以外の色を選ぶことをオススメします。
服に合わせる小物
洋装で臨む場合、アクセサリーは##s##パールなど上品なものをセレクト##e##したいもの。男性の礼服や略礼服には##s##白のシャツを合わせるのが基本##e##です。##s##ネクタイもフォーマルなシルバーグレイなどお祝い事にふさわしい色##e##を選びましょう。
#04|準備するものは何?
結納品や結納金、婚約記念品など
地域や両家のしきたりに沿って手配しよう
1 結納品
結納の儀式で交わす「結納品」の中身は、寿留女(するめ)や子生婦(昆布)といった縁起物。結納品の金額の##s##全国平均は10万8000円ですが、品数や品目は地域差がある##e##ので、事前に両家で相談を。
2 結納金
「結納金」とは、結納の際に男性側から女性側へ贈られる結婚の準備金のこと。結納金を送った人の##s##74.2%が結納金の額を100万~150万円未満##e##と回答しており、##s##全国平均は98万8000円ですが、地域によって大きく異なります##e##。

結婚にあたり結納を行うことになると、「結納金」についてどのようにしたいかを聞かれることがあるかもしれません。「結納金」とはどのようなものか、その由来や相場について、詳しくお伝えします。
3 婚約記念品・結納返し
男性から女性への婚約記念品を用意した人は##s##73.5%##e##。そのうち##s##88.3%が婚約指輪##e##を選んでおり、平均金額は35万8000円。
返礼品(結納返し)を用意したのは##s##46.5%##e##で、平均金額は13万4000円。腕時計やスーツが人気。

女性から男性へ贈る婚約記念品は、時を重ねるほどに愛着が深まる“一生モノ”を選びたい! でも、本格派のメンズ腕時計となると「何を基準に選べばいいか分からない」という人も多いはず。そこで今回は腕時計選びのプロ・ウオッチコンシェルジュが、婚約記念品におすすめのブランド&モデルをご案内。彼ともこの記事をシェアして、じっくり検討を。
#05|結納品は何を用意したらいい?
地域によって内容や品目が異なるので
両家でよく話し合って
9・7・5品目と、奇数で調える「結納品」
結納品は##s##9品目・7品目・5品目など奇数##e##で調えられます。##s##地域によって内容や品目数が異なる##e##ので、両家でどのような形のものを用意するのか事前に話し合っておきましょう。また、最近では結納金や熨斗(のし)など3品目程度に簡略化した、コンパクトな結納も増えているようです。
代表的なものは「関東式」と「関西式」
結納の中身は地域によって異なり、##s##関東から北は「関東式」##e##、##s##関西や中四国、東海、北陸などは「関西式」##e##と呼ばれる結納品を用いることが多いようです。中身も少し異なりますが、見た目ではっきり分かる違いは飾り方。##s##関東式が白木の台に並べて飾るのに対し、関西式は松竹梅・鶴亀といった縁起物の水引を添えた結納品を、1つずつ白木の台にのせて飾ります##e##。他にも、通常の結納品にお茶や清酒などを加えた「九州式」もあります。
▼関東式の結納飾り

<関東式の結納品/9品目>
目録(もくろく)
長熨斗(ながのし)
御帯料(おんおびりょう)
勝男武士(かつおぶし)
寿留女(するめ)
子生婦(こんぶ)
友白髪(ともしらが)
末広(すえひろ)
家内喜多留(やなぎだる)
▼関西式の結納飾り

<関西式の結納品/9品目>
長熨斗(ながのし)
小袖料(こそでりょう)
松魚料(まつうおりょう)
寿留女(するめ)
子生婦(こんぶ)
高砂(たかさご)
寿恵広(すえひろ)
家内喜多留(やなぎだる)
結美和(ゆびわ)
結納品は、結納専門店・デパート・インターネットなどで購入可能
必要な結納品がセットになった「結納パック」は、##s##専門店やデパート、インターネットなど##e##で購入できます。さらに料亭やホテル、専門式場の中には、セッティングや進行、会食まで付いている「結納プラン」が用意されている所もあるので、チェックしてみましょう。

結納で取り交わす結納品の品物や品数は、地域での違いのほか、豪華に行うのか、それともこぢんまりと行うのかといった考え方によっても異なってきます。いざ結納を実施するとなると、どんな品物を揃えたらいいのか悩むことも多いはず。この記事では、結納品について何品・何を用意すればいいのかということをはじめ、地域による違いや結納品に込められた意味などを詳しく解説します。
#06|結納のここが知りたいQ&A
両家で結納の準備を始める前に
これもチェックしておいて
- 親以外の家族が参加してもいいの?
-
##s##基本的には当事者である両家の親とふたりのみで行う結納##e##。とはいえ地域のしきたりで家族全員が出席するのが普通だったり、儀式の後の会食を「家族紹介」の場にしたい場合も。そんなときは##s##両家で考え方を擦り合わせ、相談しながら進める##e##といいでしょう。
- 手土産はどうする?
-
マストではないものの、やっぱりもらうと嬉しいのが手土産。ただし##s##一方だけが用意し、もう一方が手ぶらという状況は気まずいので、ふたりの間で打ち合わせをしておく##e##とよさそう。また地域によっては風習として手土産を持参するのが当然ということもあるので、##s##親にもよく確認して##e##おきましょう。
- 両家のしきたりが異なる場合はどうする?
-
地域や家によってしきたりが異なるのは仕方がないこと。お互いに自分たちのやり方を主張し合うのではなく、##s##それぞれの結納の形式を確認し、どちらに合わせるか調整が必要##e##です。特に関西式では男性側が女性側に「贈る」という形を取るため、男性側の意向が尊重されがちですが、できれば「こうしたい!」という思いが強い側に合わせた方が丸く収まります。
- 料理や飲み物は用意する?
-
結納自体は20分ほどで終わる儀式ですので、間に飲食は行わず、終了後に祝宴を設けるのが一般的です。
控室などで用意するのは桜の塩漬けにお湯を注いだ「桜湯」です。お茶は「お茶を濁す」という言葉や弔事でふるまわれる機会が多いという理由から、おめでたい席では避ける風習があるためです。
▼結納の準備ができたら
結納の所要時間は20分程度。儀式の流れや口上(せりふ)には決まった手順があるので、ひと通りきちんと頭に入れ当日に臨みましょう。口上は暗記する必要がありますが、決して難しいわけではないのでご安心を。ここでは関東式の結納の流れについて説明します。

岩下宣子 マナーデザイナー
「現代礼法研究所」主催。NPOマナー教育サポート協会理事長。全日本作法会の故内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学び、マナーデザイナーとして独立。企業、学校、公共団体などで指導や講演会を行うほか、多数の著作を手掛ける。
構成・文/南 慈子 イラスト/てぶくろ星人 D/mashroom design
※データ出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2022(全国推計値)」

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