そのまま使える!【結納の挨拶・口上】の例文集
婚約の儀式である結納には、独特の言い回しや口上(こうじょう)、つまり決まり言葉があります。この記事では、結納を行う際にそのまま使える例文をご紹介します。 ただし、セリフを丸暗記する必要はなく、丁寧な言葉遣いを心掛け、気持ちを込めて言うことの方が大切です。例文を参考に、安心して当日を迎えてください。
- 結納には正式結納と略式結納がある
- 現在の主流である略式結納では一般的に男性側の父が口上を述べる
- 正式結納では仲人が口上を述べる
- 口上は全て暗記しなくても独特の言い回しを覚えればOK
- おめでたい席なので「忌み言葉」に注意しよう
Index
#01 正式結納と略式結納の違いって?
#02 一般的な結納の流れ
#03 始めの挨拶の例文
#06 婚約記念品のお披露目の口上の例文
#07 締めの挨拶の例文
#08 口上のポイント
#09 忌み言葉に注意
#01|正式結納と略式結納の違いって?
現在は仲人を立てない略式結納が主流
結納のうち、仲人が両家を行き来して結納品、受書のやりとりをするのが「正式結納」で、両家は直接会わずに結納が執り行われます。
一方、「略式結納」は新婦の家や料亭、ホテルなどに両家が集まり、結納品や受書を取り交わす形式です。正式結納同様に仲人を立てて行う場合と仲人を立てずに親もしくは本人同士で進行する場合があります。
最近では、仲人を立てずに料亭やホテルなどを会場にして行う略式結納が主流になっています。なので、この記事の「略式結納」は仲人を立てない場合を指しています。
#02|一般的な結納の流れ
結納の流れはとてもシンプル
結納の流れは以下の通り。基本的には結納品と受書を取り交わすシンプルなもの。結納返しや婚約記念品がない場合もあります。
結納の流れ
1 入場
2 始めの挨拶(★親・本人/仲人)
3 結納品と受書の取り交わし(★親・本人/仲人)
4 結納返しと受書の取り交わし(★親・本人/仲人)
5 婚約記念品のお披露目(★本人)
6 締めの挨拶(★親・本人/仲人)
★が付いているシーンでは挨拶や口上があるので、以下で詳しく説明します。大前提として結納を「家主体」で行うのか、「本人主体」で行うのか、事前に両家で話し合って決めておきましょう。
これが統一されていないと、家から贈っているものに対して本人宛てに返事をするなど、ちぐはぐになって失礼になる恐れもあります。
#03|始めの挨拶の例文
お礼を述べて結納がスタート
両家の出席者が席に着いたら、結納の儀式を始める挨拶をします。
始めの挨拶は、##s##正式結納の場合は仲人夫妻が務め、略式結納では男性の父親が務めるのが一般的##e##です。父親がいない場合は母親もしくは本人が行います。
略式結納の場合
男性の親/家主体
このたびは○○家のご長女・花子様と、私どもの長男・太郎との縁談をご承諾くださいまして、ありがとうございます。本日はお日柄もよろしく、結納の儀を執り行わせていただきます。
男性の親/本人主体
このたびは花子様と、私どもの太郎との縁談をご承諾くださいまして、ありがとうございます。本日はお日柄もよろしく、結納の儀を執り行わせていただきます。
男性本人が述べる場合
このたびは花子様との縁談をご承諾くださいましてありがとうございます。本日はお日柄もよろしく、結納の儀を執り行わせていただきます。
正式結納の場合
仲人
本日はお日柄もよく、ご両家様には誠におめでとうございます。ただいまより、○○花子様と△△太郎様との結納の儀を執り行わせていただきます。
#04|結納品と受書の取り交わしの
口上の例文
キーワードは「幾久しく」
「結納品」は、結納の儀式で男性側から女性側に贈られる品物を指し、「受書」とは、それを受け取ったという受領書のようなものです。
それぞれ取り交わしの際の決まり文句があり、##s##「幾久しく」は必ず使われる言葉なので覚えておきましょう##e##。
結納品を渡す/略式結納の場合
男性の親/家主体
△△家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください。
男性の親/本人主体
太郎よりの結納の品でございます。幾久しくお納めください。
男性本人が述べる場合
私どもからの結納の品でございます。幾久しくお納めください。
結納品を渡す/正式結納の場合
仲人
こちらは△△様からのご結納の品でございます。幾久しくお納めください。
結納品を渡す口上への返事
どの場合も女性の父親、もしくは女性本人が返答します。
ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。
結納品の受書を渡す/略式結納の場合
女性の親/家主体
○○家からの受書でございます。幾久しくお納めください。
女性の親/本人主体
花子からの受書でございます。幾久しくお納めください。
結納品の受書を渡す/正式結納の場合
仲人
花子様からの受書でございます。どうぞ幾久しくお納めください。
結納品の受書を渡す口上への返事
どの場合も男性の父親、もしくは男性本人が返答します。
(中身を確認した後)相違ございません。お受けいただきありがとうございました。
#05|結納返しと受書の取り交わしの
口上の例文
結納品の口上とほぼ同じ
「結納返し」は、結納品のお返しとして男性側に贈られる品物を指します。後日、日を改めて贈る場合や結納返しそのものを行わない場合もあります。また、結納返しの受書を省略するケースもあります。
結納返しの品を渡す/略式結納の場合
女性の親/家主体
○○家からの結納返しの品でございます。幾久しくお納めください。
気持ちばかりではございますが、結納返しを用意しております。幾久しくお納めください。
女性の親/本人主体
花子よりの結納返しの品でございます。幾久しくお納めください。
気持ちばかりではございますが、結納返しを用意しております。幾久しくお納めください。
結納返しの品を渡す/正式結納の場合
仲人
結納のお返しでございます。幾久しくお納めください。
結納返しを渡す口上への返事
どの場合も男性の親もしくは男性本人が返答します。
ありがとうございます。幾久しくお受けいたします。
結納返しの受書を渡す/略式結納の場合
男性の親/家主体
△△家からの受書でございます。幾久しくお納めください。
男性の親/本人主体
太郎からの受書でございます。幾久しくお納めください。
結納返しの受書を渡す/正式結納の場合
仲人
太郎様からの受書でございます。どうぞ幾久しくお納めください。
結納返しの受書を渡す口上への返事
どの場合も女性の父親、もしくは女性本人が返答します。
(中身を確認した後)相違ございません。お受けいただきありがとうございました。
#06|婚約記念品のお披露目の
口上の例文
結納の決まった流れではないが
演出として取り入れるのもおすすめ
婚約記念品のお披露目を結納の儀式の中に取り入れるカップルも増えています。関西式ではもともと「結美和」(ゆびわ・婚約指輪のこと)として結納品の一つとなっていますが、関東式でも結納品として贈るケースが増えてきました。
決まった手順や口上はありませんが、結納式の中でお披露目するのもおすすめです。
身に着けている指輪をお披露目する場合
女性
このたび婚約記念品として、太郎さんから婚約指輪を頂きました。すでに指に着けていますが、改めて皆さんにお披露目させてください。
指輪を女性の指にはめる様子をお披露目する場合
男性
婚約記念品として、花子さんに婚約指輪をお贈りします。皆さんの前でお披露目させてください。
#07|締めの挨拶の例文
お礼と今後のお付き合いのお願いをする
締めの挨拶は、始めの挨拶同様に##s##正式結納の場合は仲人夫妻が行い、略式結納では男性の父、父親がいない場合は母親もしくは本人##e##が行います。結納が無事に済んだことへの感謝、今後のお付き合いのお願いを伝えます。
略式結納の場合
男性の親
本日は誠にありがとうございました。おかげさまで無事に結納を納めることができました。今後とも末永くよろしくお願いいたします。
女性の親
こちらこそありがとうございました。今後とも末永くよろしくお願いいたします。
全員で
今後とも末永くよろしくお願いいたします。
正式結納の場合
仲人
これをもちまして、○○花子様と△△太郎様とのご結納式は滞りなく済みました。本日は誠におめでとうございます。
本人たちの挨拶
必須ではありませんが、ふたりから両家に対して感謝の言葉を伝えると、祝福の気持ちが一層増して、良い締めくくりになるでしょう。
ふたりで(もしくは男性のみ)
本日は私たちのために、このような席を設けていただき、ありがとうございました。これからふたりで力を合わせて幸せな家庭を築いてまいります。今後とも温かく見守っていただきますよう、よろしくお願いいたします。
#08|口上のポイント
暗記しなくても
独特の言い回しを覚えればOK
結納の場で使う口上には##s##「幾久しく」や「末永く」など独特な言い回し##e##がありますが、これらの言葉を頭に入れておけば、文章を丸暗記しなくても大丈夫。相手の家や婚約者に対する感謝の気持ちや婚約を喜ぶ様子が伝われば、自分が言いやすい言葉に変えても決して失礼ではありません。
##s##メモを見ながら進めることも失礼ではないので不安であれば用意しておきましょう##e##。
#09|忌み言葉に注意
「終わる」「重ね重ね」などの言葉はNG
結納は結婚式同様におめでたい席なので、縁起が悪い「忌み言葉」は使わないように気を付けましょう。
忌み言葉とは、
##s##別れを連想させる「終わる」「切れる」「離れる」「戻る」「割れる」##e##など。
##s##結婚を繰り返すことを連想させる「重ね重ね」「くれぐれも」「たびたび」##e##などが挙げられます。
普段なにげなく使う言葉なのでうっかり言ってしまうことがないよう注意しましょう。
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結納の当日の流れ&マナー
結納の所要時間は20分程度。儀式の流れや口上(せりふ)には決まった手順があるので、ひと通りきちんと頭に入れ当日に臨みましょう。口上は暗記する必要がありますが、決して難しいわけではないのでご安心を。ここでは関東式の略式結納の流れやマナーについて説明します。