【LGBTQ+結婚式実例】同性カップルの会場・演出・おもてなしPart4
揺るぎない誓い、自由な発想から生まれる演出、心尽くしのおもてなし…。カップルの数だけスタイルがある、カラフルなLGBTQ+ウエディングをレポートします!今回は女性同士の結婚式です。会場の探し方や「もっとこうしておけばよかった!」のリアルな振り返りなど、お役立ち情報もぜひチェックして。
揺るぎない誓い、自由な発想から生まれる演出、心尽くしのおもてなし…。カップルの数だけスタイルがある、カラフルなLGBTQ+ウエディングをレポートします!今回は女性同士の結婚式です。会場の探し方や「もっとこうしておけばよかった!」のリアルな振り返りなど、お役立ち情報もぜひチェックして。
左:愛さん(47歳)
右:奈々子さん(37歳)
ボーイッシュな愛さんは、大型バイクも乗りこなし週2回はキックボクシングに繰り出す外資系企業の部長職。10歳年下の奈々子さんはおっとりした性格で、クラシック音楽を趣味に。仕事は会計事務所でパート勤め。今は4匹の保護犬&保護猫と暮らしている。奈々子さんはNPO代表も務め、休日はボランティア活動などもふたりで一緒に。
ふたりでよく通った思い出のレストランで結婚式を挙げた。
コントラバスを演奏する奈々子さんは大きな楽器と調和するドレスに
お互いにプレゼントし合ったペアリングと愛犬の記念写真。
愛さんは男性用、奈々子さんは女性用をセレクト
同性カップルが集まるスポーツイベントで知り合い、友人として5、6年過ごしてから恋人になり、同居へ。アメリカに10年暮らしていた愛さんは「プール付きの家がいい」と言い出し、「私、泳げないのに?」と奈々子さんが驚いているうちにプール付きの家を見つけて購入!「やりたいことは躊躇(ちゅうちょ)せずに何でもこなしちゃう。次は何が起こるのかと振り回されて楽しいんです」(奈々子さん)。
「ドレスを早く着たい」と結婚式を計画したのは奈々子さん。会場は一択だった。小さい頃から家族で通い、愛さんともデートを重ねた生演奏が流れるフレンチレストラン。なじみのスタッフさんに「ここで結婚式を挙げたいです」と言うと、その場で快諾してくれた。指輪を購入する時も、結婚式の会場を決める時も「同性カップルなんですが……」という前置きはなし。「ふたりの関係はわざわざ言わないけれど、隠しもしません」
結婚式のスタイルも軽やか。親族や職場関係者、友人ら42名には、「おいしい料理を食べに行こう」ぐらいのラフな気持ちで来てほしいと会費制にした。歴史的建造物のクラシカルな階段で行った人前式も「式も挙げるから良かった見てね」ぐらいの感覚で。それでも、みんなに見守られた誓いは特別な節目となった。
ゲストに見守られて指輪を交換するセレモニー
この会場は、お店の奏者と一緒に
ゲストに音楽を贈ることができるのも魅力だった
ピアノをセンターに配置したクラシックなダイニングで披露宴を行った。ウエルカムスピーチは、まず奈々子さんが日本語で、続いて愛さんが海外から駆け付けてくれたゲストに向けて英語で。「私たちは、皆さんのアンカー(船のいかり)のような存在になりたい。心が揺れ動いたり、くじけそうになった時に、私たちが支えとなり一緒に人生を歩いていきたい。その逆もお願いしたい」というメッセージは、ゲストの心に染み入った。
そして、次々と美しい料理が運ばれてきて、おしゃべりをしながら舌鼓。座席は、セクシュアリティーに関係なく、「この人とこの人は気が合いそう」とふたりがゲストをマッチング。初対面同士のゲストから「今度、飲みに行くことになったよ」と嬉しいお知らせもあった。高砂席やゲスト卓での写真撮影も自由に楽しんで、リラックスした祝宴に。
クライマックスは生演奏。ジュニア時代からコントラバスを演奏している奈々子さんを中心に、愛さんはギターで、ピアノ、バイオリン、チェロのお店の奏者も加わり、まるでコンサートのような豊かな時間に──。記憶に残る結婚式になった。
愛さんの大学時代の友人がテキサスから駆け付けてくれて、
久々の再会を楽しむ時間にもなった
お留守番中の愛しい家族は、ケーキの飾りにしてみんなにお披露目
やはり「この人とこの人は気が合いそう」「会話が盛り上がりそう」を基準にして、席次を決めたことは良かったです。私たちのウエディングをきっかけに、新しい交流が生まれました。一方で「ここで挙げたい」と決めていた会場の化粧室は男性用と女性用のみでした…。どちらも入りにくいという人のために、何か対策ができたかもしれませんね。化粧室は、会場探しをする時のチェックポイントですね。(奈々子さん)
法的な結婚ができない中、私たちの意思を示すことができ、そして周囲の人が応援してくれているのがとてもよく分かりました。その気持ちを持ちながら生活していくことができる。これは大きな意味があります。結婚式に興味があるカップルさんはぜひ挙げてほしいですね。(愛さん&奈々子さん)
【WEDDING DATA】
開催地:神奈川県
会場タイプ:レストラン
挙式日:2022年11月19日
準備期間:2年
当日のふたりの呼び名:愛さん&奈々子さん
ゲスト:親族・職場関係者・友人(42名)
堅苦しくしたくない、でもおいしい料理できちんとおもてなしをしたいという場合、レストランでの会費制スタイルがおすすめ。美食をゆっくり味わいながら会話も弾むよう、演出を詰め込み過ぎないのもポイントです。
構成・文/千谷文子 D/mashroom design
※掲載されている情報は2025年12月時点のものです