
結婚50年を迎えるふたりの幸せのカタチ~『1/LOVERS』
結婚したって、しなくたって、何度したって、いい。
一緒に暮らしても、それぞれに住まいがあっても、いい。
家族が増えても、ずっとふたりっきりでも、誰が何と言おうとも。
ふたりの決めた幸せは、全部、いい。
みんなのカラフルな“幸せのカタチ”をシェアしていきましょう。今回は結婚50年を迎えるふたりの話──。
王道クラシックから人生180度クルッ♪
食べる、寝る、歌う、笑う50年
毛皮を羽織ってスンとしたオペラ歌手の勝子さんが、ポストの前で舌をペロッと出し→切手に唾を付け→ペタッと貼って→ニッコリ。「そのおどけたしぐさが結婚の決め手」と法男さん。
彼女は音楽大学を首席で卒業したオペラ歌手で、母校では声楽講師を務めていた。9歳年下の彼は音大4年生。真っ白なレースのシャツにハイヒールの靴を履き、アイドルそのものだったそう。
大学の合唱団の公演では全国を一緒に巡り、次第に惹かれ合い、ふたりのステージを開いて、ついには結婚!驚く周囲をよそにふたりはどこ吹く風。彼女に見え隠れするチャーミングでユーモラスな一面に彼はときめき、寄席デートを重ね、ふたり揃ってボードビリアンに衝撃!「気取ってらんない」と、王道クラシックに笑いのエッセンスをちりばめた独自のスタイルをつくっていく。
「『第九』は、大工さんに掛けて鉢巻きして金づちを持って」の彼の提案に最初は戸惑ったが、愉快なアイデアは次々湧き出た。「本番までの過程が最も楽しい」と勝子さん。「日常生活は仕事に映し出されるから」と、料理する・食べる・寝るの24時間、暮らしの全てに一生懸命。こうして練り上げた渾身(こんしん)のステージは、彼女が歌えば彼も歌い上げて観客は興奮のるつぼ。
またライフワークとして、子どもたちの詩に曲をつけて発表する活動も続けてきた。600人の子どもとステージに上がり600曲を披露。そのシンプルな心のつづりは彼の作曲家魂を刺激、結婚以来、彼女の父に毎日送ったという1万通ものひと言日記の手紙にも影響した。
ふたりの表現は時に豪華客船で、時に刑務所の慰問で、時に父の心を躍らせて…。シニアといわれる年齢になったが「呼ばれたら、いつでもどこでも歌いたい」「法男の曲は世界一、のろけよ」とニッコリ。互いに響き合い50年を迎える。
Photo Episode
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雲の上にいた憧れの講師と学生の結婚はトピックス!合唱団仲間が音頭を取った結婚式に、恩師も駆け付けた
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クラシックのスペシャリストが、笑いも歌謡も交えて唯一無二のステージに。その公演は口コミで全国に広がった
YouTubeでふたりのトークを配信中

亀山勝子さん(80歳)
亀山法男さん(71歳)
50年にわたり『♪亀山勝子&法男のザ・クラシック笑(ショー)!!』を軸にステージに立つ。趣味は大リーグや相撲などスポーツ観戦。
構成・文/千谷文子 撮影/音なぎ潤一 D/mashroom design
※掲載されている情報は2025年1月時点のものです
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