[親からの結婚式費用の援助]気になる平均額から受け取る時期 、贈与税まで実例を交えてご紹介!

結婚式費用は高額になるため、親からの援助について気になっている人も多いのでは?そこで、みんなはいくらぐらい援助してもらっているのか、また、援助してもらったお金には贈与税がかかるのかなど、気になる点をチェックしてみました。
結婚式費用は高額になるため、親からの援助について気になっている人も多いのでは?そこで、みんなはいくらぐらい援助してもらっているのか、また、援助してもらったお金には贈与税がかかるのかなど、気になる点をチェックしてみました。
ゼクシィトレンド調査2024(全国推計値)によると、結婚式の費用は平均約344万円。ゲストからのご祝儀もあるものの、お金のことが心配と考えるカップルもいるでしょう。そこで頼りになるのが親の援助。結婚式に対してみんなは親から援助してもらっているのか、また、援助金額はいくらなのか見てみましょう。
出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」によれば、結婚に関する費用について援助してもらった人の割合は81.9%に上ります。なお、援助者は親だけではなく、親族も含まれます。
出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」
援助金額の平均は183万5000円。これは両家の援助額の総額となります。
この援助額は結婚式のみに関するものではなく、新居や新婚旅行に対する援助も含まれていますが、データから見ると、結婚式にかかる費用のおおよそ半分を親や親族からの援助金で賄えることになるといえるでしょう。
親子とはいえ、自分からお金の話は切り出しにくいと考えている人もいるのでは?親からの援助について、いつ、どのように確認したかを先輩花嫁に聞いてみました。
出典:ゼクシィ花嫁会アンケート
親からの援助は「親から切り出された」という人が最も多くて約75%。親の方から援助を申し出ているケースが多いようです。援助の有無が分ったタイミングは「結婚式準備の途中」が最も多くて約40%、次いで「結婚報告の時」が約17%と続きます。
いくら援助してもらえるのか、具体的な金額が分った時期は「結婚式準備の途中」が約62%で最も多くなっています。結婚式の費用が見えてきたところで、親も援助額を決めたということでしょう。
なお、親から援助の話がないものの援助を打診したい場合は、自分たちの資金計画をしっかり立てた上で、具体的にいくら援助してほしいかを伝えるのがおすすめです。
ふたりで結婚のあいさつに行った際、「結婚式の費用は援助するよ」と具体的な金額も含め、親から声を掛けてもらいました。(美咲さん)
顔合わせの時に両家の親から申し出がありました。事前に両家で話し合っていたようで、金額も揃えてくれました。(Nさん)
お互いの貯蓄額を把握した上で、足りない分についてどうするかふたりで話し合い、親に援助してくれないかとこちらからお願いしました。(ひかるさん)
結納金はなしにして、結婚式の費用を援助してほしいと私たちの方から伝えました。(葵さん)
援助の「切り出し方」に焦点を当てたこの記事では、「結婚を報告した時」、「結婚式の見積りが出た時」など5つのタイミング別に、先輩花嫁の体験談をご紹介。ぜひ参考にして。
親からの援助については、73人中53人、約7割の人がお互いに伝え合ったと回答しています。その一方、伝えなかったという人も20人いました(■)。結婚式の費用の分担方法や援助額、援助金をもらったタイミングなどによっても、伝えるか伝えないかの判断が分かれるようです。
私は20歳になった時、「結婚の際など必要になった時に使いなさい」とまとまった金額を親からもらっていて、それは相手には伝えていません。彼が親からもらった援助金については聞いています。(みいさん)
親に結婚したい人がいると報告した時に、援助金があることとその金額を伝えられていたので、そのことは彼に言いました。彼の親からの援助金はありませんでした。(Karenさん)
出典:ゼクシィ花嫁会アンケート
親からの援助金を受け取ったタイミングは、「結婚式の直前」が最も多くて約42%。次いで「費用の見積りが出た時」で約20%となっています。親からの援助金の主目的が結婚式費用の補填(ほてん)だとすると、結婚式会場へ費用を支払う結婚式直前のタイミングや、費用の見積りが出た時などに援助金をもらうケースが多いのはうなずけるところ。
また、援助金は「全額を現金」でもらったという人が約51%で最も多く、次いで、「全額を銀行振り込み」が約37%という結果に。援助金とはいえお祝いという意味も強いお金なので、ご祝儀袋に入れて手渡しというケースが多いようです。ただし、高額になりますので、安全を考えて銀行振り込みにするというケースも少なくありません。
出典:ゼクシィ花嫁会アンケート
親へお礼をしたのは74人中18人という結果に(■)。援助をしてくれた親に対して、感謝の気持ちを伝えることは大切なことです。とはいえ、お祝いに対する半返しのようなものは必要ありません。
結婚式を行う場合、式中で親へ花束や記念品などを渡すことが多いと思うので、それが援助金に対するお礼も兼ねると考えていいでしょう。また、改まってお礼をするのではなく、新婚旅行の際にお土産を奮発したり、親の誕生日などのタイミングで好物を贈るなどして、感謝の気持ちをさりげなく伝えるのもおすすめです。
結婚式の翌日、お礼の意味を込めて結婚式を行ったホテルのランチをごちそうしました。(みきぽんさん)
結婚式での記念品贈呈に加え、義両親の還暦を高級料理店でお祝い。彼と選んだ華やかな黄色の花束とともに感謝を伝えました。(はるさん)
結婚式の後、ブーケやブートニアをドライフラワー加工して、感謝の気持ちを込めてそれぞれの両親に贈りました。(萌絵さん)
親から援助金としてまとまったお金を受け取る場合、贈与税が発生するのか気になります。そもそも贈与税とは何か、結婚式費用の援助に贈与税がかかるのか、税理士の宮澤博さんにお伺いしました。
個人からお金など財産を贈られた際には、原則として税金が発生します。お金の場合は、1年で受け取った金額の合計が110万円を超える場合、贈与税がかかります。贈与税は他人同士はもちろん、親子間であっても発生します。
では、親が結婚式費用を援助する場合はどうなるのでしょうか。
結婚式の費用に充てるための親からの援助は基本的には贈与と見なされますが、「社会通念上適当と認められる財産の贈与」の場合は非課税となり、結婚式の費用の援助もこれに当たるとされています。
ちなみに、新生活のための家具や家電の購入費用の援助も、非課税となります。ただし、家賃の援助は、子ども世帯が単独で負担できない場合に限ります。十分に負担できる収入があるのに援助してもらった場合は、贈与税の対象になります。
親から援助金をもらう際は、手渡しでも銀行振り込みでも構いませんが、お金の流れを明確にするためには銀行振り込みの方がおすすめです。また、親が直接、結婚式会場に費用を振り込む方法でも構いません。
なお、自身に振り込まれたお金はあまり日を置かずに支払いに充てるのがいいでしょう。例えば、親から振り込まれたお金を半年間株などに投資し、その後結婚式費用を支払うなどした場合は、贈与税が発生します。
結婚式の費用の援助は基本的に非課税となりますが、「出産や育児まで見越して高額な援助をしたい」という場合は、「結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度」という制度もあります。
この制度を利用すると、結婚関係の費用に関しては300万円まで非課税となります。結婚関係の費用には、結婚式の費用のほか、結婚を機に新たに用意した住居の家賃や敷金・礼金、引っ越し代などが含まれます。
なお、この制度を利用する際には、取扱金融機関で契約を結び、専用の口座を開設する必要があります。結婚の費用に使う際は、この口座からお金を引き出しますが、その際には領収書が必要です。また、非課税となる条件も細かく決められていますので、詳しくはこども家庭庁のウェブページをご確認ください。
結婚式に際しては親からなんらかの援助をしてもらっている人が多いことが分かりました。結婚式の費用はご祝儀である程度賄えるとはいえ、親からの援助はなんとも心強い!援助を受ける際には、子どものために何かしてあげたいという親の気持ちをしっかり受け取り、感謝の気持ちを伝えることをお忘れなく。そして、援助してもらったお金を無駄にすることなく、素敵な結婚式を実現してくださいね。
取材・文/粂 美奈子 イラスト/タテノカズヒロ D/ロンディーネ 監修/宮沢 博 構成/小田真穂(編集部)
※記事内のデータおよびコメントは「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」ならびに2025年7月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー105人が回答したアンケート調査によるものです。また、■のデータは回答者が100人にいたない参考値です。
※掲載されている情報は2025年9月時点のものです。保険や税制、各種制度に関して将来改正・変更される場合もあります。