一般的に、結納の席で交わされることが多いのが「家族書」や「親族書」です。 初めて耳にする人がほとんどかもしれませんが、皆さん「どんなもの?」「どうやって用意するの?」と思うはず。 そんな疑問に答えて、「家族書」「親族書」について分かりやすくまとめてみました。
お互いの家族や親族の名前や続柄を
記した書類のこと
ふたりの結婚が決まり、##s##結納を行う際に儀式の一つとしてよく交わされるのが「家族書」「親族書」##e##です。古来、結婚とは家同士の結び付きが新たに生まれることを意味し、両家の家族や親族がふたりの結婚に同意する証しとして「家族書」や「親族書」が用意されました。
現在では「これから末永くよろしくお願いします」という気持ちを込めて、両家の家族や親族を紹介することで、より話題が広がり、親密な関係が生まれるきっかけづくりにもなっていますね。
両家の親の意見を尊重して
決めるのがベスト
結納で「家族書」・「親族書」を交わすかどうか、また用意する場合は、書き方や内容などいろいろ悩むことも多いはずです。まず大切なのは両家で事前に話し合いをしておくこと。「家族書」・「親族書」の内容や形式を両家で統一することが大切です。
「家族書」・「親族書」は##s##結納をする場合に必ず用意しなくてはならないものではありません##e##。例えば、地元が同じでお互いの家族をよく知っている場合など、「家族書」・「親族書」の用意を省略することもあるようです。いずれにしても、##s##結納の儀式の中で「家族書」・「親族書」を用意するかどうかは、ふたりの親の意見を聞いて決める##e##のがいいでしょう。
##s##シンプルに名前と続柄だけにするか、住所も載せるかどうか、また載せるならどこまで載せるかなど、両家で統一することが望ましい##e##です。また、年齢や学歴、職業などを載せるケースもありますので、どこまで載せるかも、お互いの親に相談し、両家で同じ内容にすることが大切です。
##s##毛筆かWORDなどパソコンでつくった文章にするかも、両家で事前に話し合っておくこと##e##。毛筆なら「奉書紙」という上質の和紙を用いるのが正式ですが、パソコンで作成する場合は印刷に適した少し厚みのある紙を用いる場合も。また、万年筆で和便箋に手書きというケースなどもありいろいろですので、両家で話し合って形式は揃えたいですね。ちなみに「筆字は苦手だし、パソコンもちょっと……」という人は##s##結納専門店などに代わりに書いてもらう“筆耕”をお願いすることもできます##e##。
「家族書」には二親等以内の親族の名前
本人との続柄を書くのが一般的
「二親等以内」とは本人から見てごく近しい家族のことです。##s##「一親等」は父と母、「二親等」は兄弟姉妹と祖父母##e##。ただし兄夫婦と同居している場合など、義理の姉やめい、おいなど二親等以外でも家族書に記載する場合があります。逆に母方の祖父母など、住まいを同じにしていない場合は省略し、代わりに「親族書」に載せることがあります。また、本人が1人暮らしの場合や、兄や姉が一人で住んでいる場合でも、「家族書」に父母と一緒に記載することができます。いずれにしても、両家で書き方を揃えるようおすすめします。
「家族書」には二親等以内の親族を記すのは基本ですが、##s##本人と同居している家族をすべて記すケースが多い##e##ようです。「娘の結婚相手はどんな家族と住んでいるの?」という相手が一番気になるだろうことに答える形ですね。その場合、最初に住所を記してから一親等の父、母、祖父母、兄弟姉妹(年齢順)の順に続柄と名前を書いていきます。名字が同じ場合は、最初の人だけ名字と名前を書いて、次の人からは名字を省略します。そして兄弟姉妹は年齢順ですが、本人は必ず最後に記載します。
例えば、母方の祖母など名字の違う祖父母と同居している場合もあります。その場合は、父、母の次に、祖母として名字と名前を記します。そして祖母の次にくる人の名字が元に戻る場合、改めてそこでも名字と名前を記載します。
例えば、兄家族と同居している場合もあります。その時には、兄の次に兄嫁、めいと書いて、次に本人の兄弟姉妹として例えば弟などを記載します。姉夫婦や妹夫婦、弟夫婦と同居している場合も同様に考えてください。
「親族書」には「三親等」に当たる親族を
載せるのが基本
「親族書」には##s##三親等にあたる叔父(伯父)や叔母(伯母)、そして兄弟姉妹の子どものめいやおいを記載するのが基本##e##です。とはいえ、一緒に住んでいない祖父母や兄弟姉妹も親族書の方に記載することがありますので、両家で親族書の記載を揃えるよう話し合いましょう。
基本的には、最初に住所を書いて、同じ住まいごとに親族をまとめて記載します。例えば、結婚して家を出た兄とその家族、母方の祖父母とその家族として伯父と義理の伯母など。ところで伯父伯母夫婦の子どもに当たるいとこなど、三親等以外も同じ住所に住んでいる場合は記載することがあります。
「おじ」「おば」には、それぞれ漢字が2つずつありますので使い方に気を付けましょう。##s##伯父は父母の兄、叔父は父母の弟、伯母は父母の姉、叔母は父母の妹##e##です。また、三親等ではありませんが、「いとこ」にもいろいろな漢字がありますので注意が必要です。
どの用紙を使うかによって違うので
事前に確認して!
折り方や包み方は、正式な奉書紙を用いるか、和紙の便箋やPC用紙を使用するかによって変わってきます。##s##奉書紙の場合は、横長に二つ折りし、折り目部分を下にして墨書きしてから左右の順に三つ折りにします##e##。さらに和紙で表紙を付け、表書きを忘れずに記しましょう。##s##和紙や便箋、PC用紙の場合は、読み始める部分が上になるよう三つ折りにして封筒に入れ、表書きをしてください##e##。できるだけ両家で用紙を揃えて折り方や包み方も統一した方が、ちぐはぐした感じがなくて気持ちがいいですね。
結納品と一緒に、
白木台の一番下に「親族書」、
次に「家族書」の順に重ねるのがマナー
結納の席では、「白木台」と呼ばれる浅いお盆のようなものに結納品を入れるのが習わしです。その##s##一番下に親族書、家族書の順に重ねて入れ、結納の目録や受書などはその上にくるようにして手渡す##e##のがマナーです。
結納で取り交わす結納品の品物や品数は、地域での違いのほか、豪華に行うのか、それともこぢんまりと行うのかといった考え方によっても異なってきます。 いざ結納を実施するとなると、どんな品物を揃えたらいいのか悩むことも多いはず。 この記事では、結納品について何品・何を用意すればいいのかということをはじめ、地域による違いや結納品に込められた意味などを詳しく解説します。
「身上書」や「釣書き」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これらは同じもので、もともとはお見合いの席で用いられた自己紹介書のようなものです。つまり、生年月日や職業、趣味など詳しいプロフィールが記載されています。結納では「身上書」は必要ありませんが、まれに両家の顔合わせの席で「家族書」と併せて提出する場合もあります。「両家の絆を深めたい」という気持ちからでしょうが、どうするかは両家の家族で事前に相談してから交わすのが望ましいですね。
「結納は省略するけれど、両家の顔合わせの席でお互いの家族や親族を知ってほしい」という気持ちから、「家族書」・「親族書」を交わすこともあるようです。また、最近ではよりカジュアルにふたりや両家の紹介をする「顔合わせのしおり」を用意するのも人気です。
結納を行うことで、結婚する実感が湧いたり両家が団結したり。みんなが「やってよかった!」と思えるよう、今のうちにしっかり結納のことを学んでおきましょう。まずは結納当日に向けて、何から取り掛かり、どんな準備をすればいいのかをご紹介します。
結納の所要時間は20分程度。儀式の流れや口上(せりふ)には決まった手順があるので、ひと通りきちんと頭に入れ当日に臨みましょう。口上は暗記する必要がありますが、決して難しいわけではないのでご安心を。ここでは関東式の略式結納の流れやマナーについて説明します。