【結婚式レポートin愛知県】この日を迎えるまでの時間がふたりの絆を確かなものに
大きな葛藤を乗り越えて実らせた初恋
「こうして旧友の前で笑顔を見せられたのも、ちなみがいてくれたからです」としみじみと語った悠莉さん。病に倒れた悠莉さんの父への臓器提供が決まり、予定していた婚姻届の提出を迷っていた。もしものことがあるかもしれないから手術後にしたいとの提案に「大事なときだからこそ婚姻届を出そう」とちなみさんが即決。夫婦となって悠莉さんを支えた。生前悠莉さんの父はちなみさんとも仲が良く、この日を心待ちにしていた。父の願いは叶わなかったが、父が着るはずだった自前のモーニングを悠莉さんの弟が一日着用し、母は父の大きな写真を抱え、確実に悠莉さんの父は会場に存在していた。
ふたりのことを高校時代から知る友人らが多数集まり、同級生の祝辞では悠莉さんがどれほどちなみさんを気に入っていたかを語ると笑いが起こり、テーブル対抗の祝宴の格付け演出では大いに盛り上がり、優勝は同級生チームだった。最後にこれまでの経緯を静かに語った悠莉さんの謝辞には、ゲストが涙を流してふたりを温かく見守った。「あらためてこれからもふたりで支え合って歩んでいきます」。母が心配するほどあまり感情を口に出さないちなみさんの言葉から、強い想いが伝わってきた。
きらびやかなチャペルと和モダンな披露宴会場にちなみさんがひと目ぼれ
ブーケ、ブートニア、リングピローはちなみさんの母が制作。学校のことをあまり母に話さなかったちなみさん。「親に心配かけたくなくて。口下手な分、結婚式は両親とつくりたくて」
庭園とレトロな建物が落ち着いた雰囲気の会場
悠莉さんは男三兄弟の真ん中。兄の結婚式の際に「この先3人の結婚式で着るから」とモーニングを購入した父。当日は弟が着用し、3人で記念撮影。3人の笑顔に母は涙を浮かべた
ちなみさんは仲良しの妹と中座
ワインやチョコレートの格付けゲームで友人らと楽しんだ
涙ながらに謝辞を述べた悠莉さん。父のこと、母と頑張ってきたこと、ちなみさんがいかに大きな存在だったかということを語った
赤ちゃんのときの顔を当てるクイズも
普段感情を表に出さない父だが寂しさの表情をにじませた
エンディングロールをのぞき見するふたり。涙ぐむ悠莉さんの背中にちなみさんはそっと手を添えた
高校時代、こんなに近くにいたのに
岐阜県在住
米田悠莉さん(29歳)
ちなみさん(29歳)
挙式日:2023年10月14日
挙式披露宴会場:百花籠
招待客:80名
高校1年生で同じクラスで仲良くなるものの、交際は大学4年生から。悠莉さんの初恋相手がちなみさん。
※ゼクシィ東海版2024年2月号より転載
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