【赤口とは】結婚式や入籍をしてもいい日?やってはいけないことは?
皆さん「赤口」って聞いたことありますか?一日の「吉凶」を判断する六輝(六曜)の中でも「あまり縁起が良くない」といわれるため、「この日に結婚式や入籍をしていいのかな?」「そもそもの意味は何だろう?」と気になりますよね。この記事では「赤口」について徹底解説。
皆さん「赤口」って聞いたことありますか?一日の「吉凶」を判断する六輝(六曜)の中でも「あまり縁起が良くない」といわれるため、「この日に結婚式や入籍をしていいのかな?」「そもそもの意味は何だろう?」と気になりますよね。この記事では「赤口」について徹底解説。
【赤口の意味は?】
「陰陽道(おんみょうどう・おんようどう)」には、横暴な鬼神が人々を脅かす凶日が6~8日置きにあり、その日が「赤口」の元になりました。
炎や血を連想する「赤」のイメージから「火災やけがなどのトラブルが起きやすい日」ともいわれますが、「鬼が昼寝をする11~13時の午の刻(うまのこく)は影響を受けないから吉」とされています。
【赤口の読み方は?】
「しゃっこう」または「しゃっく」が一般的ですが、「じゃっこう」などさまざまな読み方があります。
陰陽道は中国で生まれ、日本で発展した呪術・占術です。赤口の元になった陰陽道の「鬼神」には2つの説が存在します。
●太歳神の王都の東門の番神「赤口神」に仕える8つの鬼神のうち、凶神の「八獄卒神(はちごくそつしん)」が支配する日を「赤口日」というようになった
●太歳神の王都の西門の番神「赤舌神(しゃくぜつしん)」に仕える6つの鬼神のうち、凶神の「羅刹神(らせつしん)」が支配する日を「赤舌日(しゃくぜつにち)」といい、やがて「赤口」となった
赤口の日は「火の元や刃物の扱いに注意」など気を付けた方がいいことや避けた方がいいといわれることがたくさんあります。ただし、いずれも11~13時の吉の時間帯は問題ありません。また、よくよく考えると鬼神の存在自体が非現実的。「信じる・信じない」「気にする・しない」は各自で判断を。
●お祝い事……結婚式(特にナイフを使うケーキカットや火を使うキャンドルサービス)、入籍(婚姻届提出)、両家顔合わせ食事会・結納、子どものお宮参りなど
●火災の恐れがあること……引っ越し(新居で火事が起きないように)、キャンプ、バーベキューなど
●事故の恐れがあること……納車(新車が事故を起こさないように)、旅行(けがや災難に遭わないように)
●血に関連すること……お見舞い
●その他……不動産やローンの契約など重大な契約、口座開設(凶のパワーを受けないように)
葬儀・法事関係は問題なし。神社へのお参りでもお宮参りや七五三は避けた方がよいといわれますが、一般的なお参りや厄払いは大丈夫です。
宝くじ購入も影響なしですが、験担ぎするなら大安など縁起のいい日にしましょう。
ちなみに赤口の日に「率先してやった方がいい行動」は特にありません。
六輝(六曜)を縁起のいい順に並べると大安、友引、先勝、先負、赤口、仏滅。「仏滅よりはいいけれど、どうしよう?」と悩む人もいるでしょう。
六輝(六曜)は日々の吉凶を占うものとしてポピュラーですが、キリスト教、神道、仏教とは関係なく、信ぴょう性は低いと考えられています。明治初期には「でたらめで、よりどころがない」という理由で禁止されたことも。
式の日取りを決めるに当たっては「自分たちや親・親族、ゲストの都合」「ふたりの思い」「会場の空き状況」など、さまざまなことが関係します。それら日取り選びの条件に加え、「縁起を担ぐ・担がない」「担ぐならどの六輝(六曜)の日が良いか」を考えて日にちを決めましょう。
●「六輝(六曜)の中で一番縁起のいい日にしたい」という人は大安に
●「できるだけ縁起のいい日が良い」という人は大安か友引に
●「仏滅でなければいい」という考えなら、赤口の日も候補に
●「赤口でいいけれど、凶の時間帯を避けたい」という人は挙式開始や婚姻届提出時間をを11~13時の間に
●「縁起は担がない」「六輝(六曜)は気にしない」という人は好きな日、好きな時間に
この後、結婚式や婚姻届提出などを赤口の日に行った卒花の実例を紹介するので、それも参考に。
六輝(六曜)以外にも「選日(せんじつ)」や「暦注下段(れきちゅうげだん)」など日々の吉凶を占う方法があります。特に良い日は1年に5~6日しかなくて、大安よりも良いといわれる「天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)」。この日はどんな凶も打ち消すので、赤口と天赦日が重なったら一日中縁起のいい日になります。
また慶事全般において「大吉」で、「新しいことを始めるのにふさわしい」といわれる「一粒万倍日(いちりゅうまんばいにち・いちりゅうまんばいび)」や「甲子(きのえね)」、「天の恩恵を受けられる」といわれる「天恩日(てんおんにち)」、「天が人を慈しむ」といわれる「母倉日(ぼそうにち)」、挙式に良い「神吉日(かみよしにち・かみよしび)」、満月や新月の日と重なる日もおすすめ。もし日取りの選択肢がたくさんあったら、これらの「吉の日」と重なる日を選んで、運気をアップさせるのもいいですね。
今回のアンケートで「赤口」の日に結婚式を挙げた人は11.8%。仏滅より多いけれど、他の六輝(六曜)の日と比べるとぐんと少なくなります。
【赤口の日に挙式した人たちは六輝(六曜)を気にした?】
●1位:仏滅は避けようと思った
●2位:気にしなかった
●3位:できるだけ縁起のいい日がよかった
●4位:大安がよかった
赤口の日にした人は、六輝(六曜)を気にしても「仏滅以外で」と考える人たちが多い様子。大安、友引を希望しても、いざ会場選びを始めると、それらの日はもう埋まっていて「縁起の良しあしは気にしないことにした」「赤口でもよいと譲歩した」と変更するパターンも。
実は結婚式費用は六輝によって変わる会場もあります。その場合、最も割引が多いのが仏滅、次が赤口。そのため「六輝(六曜)よりも費用を優先して赤口の日にした」という人も多数。
「赤口」の日に結婚式をした人に挙式開始時間を聞いたところ、「13時より後」が一番多く、赤口の吉の時間帯「11~13時」は3組に1組程度でした。
もっとも赤口の凶の時間を避けてそうした人はわずか。「空いていたのがその時間だけだったから」など他の理由を挙げる人が多く、六輝(六曜)を意識しても、時間帯までは気にしていない様子がうかがえました。
【挙式開始時間帯別】その時間にした理由
※「会場の空きの関係で」以外
●11時より前に挙式開始……「ゲストの帰りの時間が遅くならないように」「翌朝ハネムーンに行くため、早い時間にお開きにしたくて」など
●11~13時挙式開始……「披露宴がランチタイムになるように」「朝バタバタしなくていいように」「海辺の景色が一番きれいな時間帯だったから」など
●13時より後に挙式開始……「美容院でヘアセットして来るゲストのことを考えて」「遠方の人が日帰りしやすいように」など
天候が良さそうな4~5月で、ゲストが来やすそうな日にしました。六輝(六曜)はちょっと気になったけど、赤口だと少し割引になったので、気にしないことに。挙式開始は遠方から来るゲストのヘアセットにかかる時間を考えて14時に。(rumiさん)
何年たっても忘れないように、付き合い始めた日と挙式日を同じ日に。私の親は「仏滅以外ならいい」という考えだったので、問題ありませんでした。挙式開始時間は「そこしか空いていなかった」という理由で12時に。(ハミ肉さん)
結婚1年記念日を迎える前に式を挙げたいと思い、準備が間に合う最短の日曜にしました。赤口でしたが、六輝(六曜)よりも費用を抑えることを優先したかった私たちにとって割引になったその日はベストな選択。挙式開始は朝バタバタしたくなくて12時に。(ひろさん)
【赤口の日に入籍した人の割合】
実は挙式日よりも入籍日のお日柄にこだわる人が多く、全体の約3分の2が大安または友引の日に婚姻届を提出。赤口の日にした人は10%で、先勝、先負とあまり変わりませんでした。
赤口の日に入籍した人のほとんどが六輝(六曜)を気にしておらず、「ふたりの記念日」「覚えやすい語呂がいい日」「誕生日」「引っ越し当日」など他の理由から日取りを選んでいました。
【婚姻届を提出した時間】
「11時より前」と吉の時間帯「11~13時」が同じくらいで、「13時より後」は少数でした。その時間帯にした理由は
●11時より前……「その後、ランチをしたくて」「その後、運転免許証の氏名変更などに行きたくて」など
●11~13時……半数は「その時間は凶ではないから」、そのほかには「仕事の昼休み時間に行った」「婚姻届提出時の写真を撮ってくれる友人の都合で」など
●13時より後……「午前中は用事があって」「仕事帰りにした」など
覚えやすくて毎年日にちが変わらない祝日で、縁起がいい日を入籍日の条件に。選んだ日は1月1日。その年は赤口だったけど、最強の吉の日・天赦日と一粒万倍日。午前中に初詣に行き、その帰りに婚姻届を提出しました。(するめさん)
どちらかの誕生日や交際開始日にする案もあったのですが、彼から「円周率は割り切れなくて、永遠に続くから」と提案され、3月14日に。当日は赤口でしたが、11~13時は運気が良いと聞いて、その時間帯に婚姻届を提出。(赤池麻美さん)
挙式は六輝(六曜)を気にする親族がいたので大安。入籍もできれば良い日にと思いましたが、それより語呂がいい日の方が思い出に残ると思い、令和5年5月5日5時55分に婚姻届を提出しました。(あんさん)
【赤口の日に両家顔合わせ食事会や結納を行った人の割合】
両家顔合わせ食事会や結納は結婚式や婚姻届提出と同様、おめでたいこと。そのため、六輝(六曜)を重視して、大安や友引を選ぶ人が多いのです。赤口の日にした人は15.7%で、そのほとんどが六輝(六曜)を気にしないで日取りを決めていました。
【食事会や結納のスタート時間】
両家顔合わせ食事会や結納はランチタイムに合わせて行う人が多く、開始時間は11時~13時の間に集中。この時間帯は赤口の「吉の時間帯」と丸かぶりですが、吉凶の時間まで気にして決めた人はほぼなく、お店の開店時間やふたり、親の都合などから相談して決めている様子。
六輝(六曜)には赤口の他、以下の5つがあります。
●大安(たいあん・だいあん)
「大いに安し」「大いに安らか」で終日安泰な良き日。六輝(六曜)の中では一番縁起がいい。どんなことも積極的に進めてよく、結婚式や両家顔合わせ食事会、結納、引っ越し、婚姻届提出、ハネムーン出発にもおすすめ。
●友引(ともびき・ゆういん)
「友を引く」「友にまで及ぶ」といわれ、葬儀には向きません。慶事は「幸せのお裾分け」となる良い日で、大安の次に人気があります。ただし、11~13時は凶で、それ以外が吉。気になる場合は挙式開始や婚姻届提出を凶の時間帯以外に。
●先勝(せんかち・せんしょう・さきかち)
「先んずれば勝つ」で午前は吉、午後は凶の日。早い時間に行動すると幸運が舞い込んでくるといわれます。大安、友引の次に良い日ですが、縁起を担ぐなら結婚式は午前開始、婚姻届は午前中に提出を。
●先負(せんまけ・せんぷ・せんぶ・さきまけ)
「先んずれば負け」で午前は凶、午後は吉の日。字面から、あまり慶事向きでないイメージを持つ人もいますが、午後の結婚式や婚姻届提出は良いです。
●仏滅(ぶつめつ)
終日凶であらゆることを控えた方がいいといわれる日。「物がいったん滅び、新たに物事が始まる日なので、午後は良い」という捉え方もあり、「結婚式費用がリーズナブルになる会場もある」など他のメリットを取って仏滅に挙式する人も。
六輝(六曜)は吉凶を判断する考え方の一つである以上、「吉だからOK」「凶だからNG」というわけではありません。赤口は11~13時以外縁起が良くないといわれる日ですが、気にする・しないは個々の判断。いざ結婚式や婚姻届提出などの日取りや時間を決める時は、六輝(六曜)以外の条件も挙げ、「六輝(六曜)」の条件と合わせて優先順位を決めましょう。そうすると、納得のいく日取りが選べますよ。
構成・文/渡邊博美 イラスト/田中麻里子
※記事内のデータおよびコメントは2025年2月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー189人が回答したアンケートならびに、2年以内に結婚式を挙げた20~40歳の女性110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年7月時点のものです
※「入籍」はすでにある戸籍に入ることです。しかし本記事では便宜上、結婚を入籍と表現しています