後悔しない!”賃貸派”のふたりが「新居選び」で考えるべきPOINTは?
新婚夫婦の多くが新居として選ぶ、賃貸住宅。よく考えずに選び、失敗して引っ越すとなると、大変な労力と出費になりますね。そこで、新居選びで考えるべきポイントを、夫婦のさまざまな状況ごとに解説。産休・育休を経て現在共働きの、SUUMOリサーチセンター研究員の江原亜弥美さんに聞きました。先輩夫婦たちから寄せられた失敗談も、ぜひ参考に。
監修:江原亜弥美さん
結婚してからの数年間は状況が大きく変化しやすいとき。だから今だけではなく、先を見込んだ新居選びが重要となってきます。ここでは、新居選びで重視すべきポイントを4つのステップごとに解説。さらに「在宅ワークがある」「子どもの予定や希望がある」など、夫婦の状況に応じたチェックポイントを解説しましょう。
すべての”賃貸派”夫婦が考えるべきポイント
新居は[予算]→[街]→[物件]→[住戸]の4ステップで決めよう!
【1.予算】「収入の3分の1」よりも少なめに
一般的に、家賃は手取り収入の3分の1以内に収めるのがセオリー。結婚して収入がふたり分になると、つい予算を上げがちですが、結婚式や出産などによる出費や収入減を考えると、3分の1では苦しくなることも。
家賃の高い都市部では難しいこともありますが、3分の1よりも少なめに設定しましょう。
【2.街】家事負担が大きい人の通勤アクセスを優先
共働きの場合、お互いの勤務先へのアクセスのしやすさを考えるのは鉄則ですが、家事をより多く負担する人の勤務先に近いところを選ぶのがおすすめ。ふたり暮らしでは、どちらかに家事が偏りがちになりますが、家事に時間をかける人が早く帰れる場所を選ぶと、よりフェアになります。
子どもが生まれてからは、育児をより多く負担する人が早く帰れる場所や、実家に近いエリアを選ぶのもいいでしょう。
【3.物件】遮音性・断熱性・耐震性、管理体制をチェック
マンションなど集合住宅では、遮音性の高さが重要。壁が薄い、音が伝わりやすいと、夫婦生活、赤ちゃんや子どもの泣き声や足音などで気を使うことも増えます。また、子育てを考えると断熱性が高く快適なこと、耐震性が高く安心なことも重要です。不動産会社には、構造上の要望を伝えることも忘れないようにしましょう。
管理体制がしっかりしているかも大事。特に24時間ゴミ出しOKかどうかや、宅配BOXの有無は要チェックです。こういった管理体制によって日々の家事の負担感が変わります。
【4.住戸】間取りはできれば2LDK以上。日当たりも重視
夫婦だけのうちはワンルームでいい、と思う人もいるようですが、初めて一緒に住むふたりは、せめて1LDK以上、できれば2LDK以上がおすすめです。特に都市部を中心に、在宅ワークが増えています。それぞれが仕事に集中できるよう、部屋数を確保しましょう。
2LDK以上だと出産後も便利。特に最初の数カ月は夜中に泣いて起こされるのが常なので、夫婦で寝室を分けた方がいい場合も。妻の母親などに手伝いに来てもらう場合も、寝室のほかに個室が1つあると、泊まりやすいでしょう。都市部などでは、予算的に部屋数の確保が難しいこともありますが、そうでない場合、迷わず2LDK以上がおすすめです。
収納も要チェック。ふたり分の荷物の量を把握し、十分な収納スペースがあるか確認を。また、家にいる時間が長い人は日当たりも重視。特に子育て中で孤独になりやすいときなど、日光は気持ちの安定に欠かせないものとなります。
予算・街・物件・住戸、どれを決めるときも、今だけではなく、先の状況の変化を見越して選ぶことが重要。ここからは、夫婦の状況別・チェックポイントを解説します。
「在宅ワークあり」夫婦のチェックポイント
Wi-Fiがしっかりスピーディーに動くか、Wi-Fi料金は家賃に含むのか別なのかもチェック。また、オンライン会議の場合に備え、遮音性の高さも確認しましょう。
さらに、近くに落ち着けるカフェやレストランがあるかもチェック。特に通勤をしない場合、家の周辺にどんなお店などがあるかはとても重要です。ふたりでその街を実際に歩き、好きになれそうな街かどうか話し合うのは、とても幸せな部屋探しですね。
先輩夫婦の失敗談に学ぶ!
【音が気にならない個室が必要】
自宅から会議に参加する際にリビングではなく、音などが気にならない別室が必要だと思った(まいさん)
【仕事用の部屋をもう1部屋】
今後も夫の在宅ワークがあるかもしれないが、子どもが生まれると音が気になると思うので、仕事用の部屋がもう1部屋あればよかった(C.Kさん)
【インターネットの速度が遅い】
無料インターネット付きのマンションを選んだが、速度が遅い。在宅ワークが始まってから特に気になるようになった(Cさん)
「子どもの予定・希望あり」夫婦のチェックポイント
仕事復帰を目指しているなど、子どもを保育園に預ける予定があるなら、待機児童数は重要。行政区、その年によって違うので、必ず行政のホームページで最新情報をチェック。
行政のサービスも調べておきたいもの。例えば、子どもの医療費助成は行政区によって条件が異なり、「中学生まで無料」「一回最大500円」など異なるので確認しておきましょう。
どんな環境で子育てしたいかも重要。自然豊かなところ、生活に便利なところ、さらに、子ども歓迎のお店が多いエリアかどうかも見ておくといいでしょう。
また、育児は孤独になることが多いもの。子どもが遊べる公園が近いなどのほか、実家や同時期に出産をする友人など「自分を助けてくれる人」の近くに住むのもおすすめです。
物件については、赤ちゃんが夜泣きをしたときに部屋を分けられる間取りかどうか、妊娠中やベビーカー使用時のことを考えるとエレベーターが付いているかどうかも要チェックです。
先輩夫婦の失敗談に学ぶ!
【動線・間取りが子育てに不向き】
近い将来、子どもが欲しいと考えていたのに、部屋の動線や、子育てに向いている間取りかどうかまで見ていなかった(Lioさん)
【壁が薄く子どもの声が心配】
壁が薄いので周りの生活音が聞こえる。子どもが生まれてから苦情が来ないか心配(K.Kさん)
【4階建てでエレベーターなし】
4階建てでエレベーターなしの物件。住む前はそんなに気にならなかったが、子どもが生まれたら大変そう(みさきちさん)
「マイホーム購入予定」夫婦のチェックポイント
家賃を払いつつ、マイホームの頭金も貯める必要があります。ふたりのうちはミニマムな広さの賃貸で、子どもが生まれるときにマイホームを購入、というのもスムーズ。予算や購入するタイミングなどについてよく話し合い、具体的な計画を立てましょう。
また「ここにマイホームを購入する」という前提で街を選ぶのもおすすめ。一度住み始めて、子どもが保育園に通ったり、少しずつコミュニティーができてくると、そのエリアを離れがたくなります。マイホームを購入する前にその街をお試しするつもりで選びましょう。
もし、中古マンションを買いたいなら、買いたいマンションの賃貸物件に住むというのもおすすめ。大型マンションなら、賃貸物件も売買物件もあることが多いので、賃貸で実際に住んでみて、管理体制などを確かめることもできます。
先輩夫婦の失敗談に学ぶ!
【保育園の送迎に便利な場所に】
今は夫の会社に近いので、いつか購入するときは、夫婦ふたりの通勤の中間地点に住みたい。子どもの保育園の送り迎えにも便利なところがいい(にゃっちさん)
【日当たりの良さも断熱性も大事】
日当たりや家の断熱性は大事だと痛感。今の家は寒く、在宅ワークをしていたら足が霜焼けになりました。東京都内なのに……(レイチェルさん)
【交通量が多く日中は音がうるさい】
近くにお店が多くて便利だと思っていたが、交通量も多く、日中は音がうるさい。購入するときは音の問題まで考えないと(T.Kさん)
「ペットあり」夫婦のチェックポイント
まずは、ペット可の物件であることが大前提。ペットと一緒に住む場合、通常より部屋の原状回復に費用がかかるケースもあるため、敷金の設定が高かったり、敷金を返してもらう際の条件が厳しかったりすることもあります。
規約は物件ごとに違うもの。入居時にペットがいなくて、これから飼う可能性がある場合も、そのことを不動産会社に伝え、どういう条件が付くのかを確認しましょう。
また、ペットが犬の場合は散歩コースなどの環境も重要。犬と一緒に歩きやすい遊歩道や河川敷などが近くにある、ドッグランのある公園やドッグカフェが近いなど、散歩を楽しめる環境かどうかもチェックするといいでしょう。
先輩夫婦の失敗談に学ぶ!
【犬の声が気にならない環境を】
犬の鳴き声があるので、静かすぎる住宅街は避ければよかった(茶々さん)
【猫のケージ用に広さが必要】
猫のケージを置くことを考え、少し広めの物件を探せばよかった(みさきちさん)
【犬用品の買い置き用に収納が】
夫婦と犬1匹で1LDKなら十分と思ったが、ドッグフードやトイレシートの買い置きをするので、収納が足りなかった(SSMさん)
From 編集部
今の状況だけでなく、先のことも考えて新居選びを
結婚した後は子どもが生まれたり、働き方が変わったりと状況の変化が大きいもの。賃貸住宅を選ぶときも、今だけでなく先のことを考えたいですね。ふたりで今後のライフプランについてよく話し合って、後悔のない新居を選びましょう。
取材・文/前川ミチコ イラスト/Takada Chika 監修/江原亜弥美(SUUMOリサーチセンター 研究員) 構成/紺矢里菜(編集部)
※記事内のコメントは2021年10月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー67人が回答したアンケート、および2021年10月に、104人(2年以内に結婚し、現在、社宅ではない賃貸物件に夫婦で住んでいる20代~30代前半の男女)が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2021年12月時点のものです
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