【結婚式の和装】白無垢・色打ち掛けetc.種類やトレンドSNAP&髪型
純白の白無垢、あでやかな色打ち掛け、大人っぽい引き振り袖。花婿には紋付きなど結婚式の和装には、この日だけの「特別感」が感じられます。「やっぱり和装に憧れる!」そう考える花嫁のために、和装の種類と特徴、そして種類別の着こなしトレンドをご紹介。前撮りで和装姿を残しておくのも◎。和装のこと、ちょっとだけお勉強してみましょう。和装スタイリスト・着付け師金田恵理子さんによる解説付きでお届けします♪
結婚式における和装とは?
白無垢、色打ち掛け、引き振り袖、花婿の紋付きの計4種類
結婚式和装は花嫁用の白無垢、色打ち掛け、引き振り袖の3種に、花婿用の紋付きの計4種類。女性の和装は、基本的には結婚のときにしか着られない特別な衣裳になっています。
そんな特別感もあり「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、和装は神前式をはじめ、ドレスからのお色直し衣裳などとしても選ばれていて、約2割の花嫁が和装を結婚式で着用。
また結婚式衣裳としてだけでなく、式ではドレスだからと前撮りに和装を選ぶ花嫁も多数。多くの花嫁が結婚時だけの特別な和装を、衣裳として楽しんでいるようです。
和装の手配は、白無垢、色打ち掛けともに約9割が既製品をレンタル。レンタル先は、ともに約6割が会場提携ショップとなっています。
=【結婚式の和装の種類解説 】from 金田さん=
●白無垢とは?
「掛け下、帯、小物、織り、柄に至るまで、すべて白でまとめた和装が基本。和婚花嫁らしい綿帽子、もしくは角隠しを合わせるのが正式です。生地に金糸や銀糸を使用したり、アクセントに赤が入ったデザインのものも増えてきています」
●色打ち掛けとは?
「掛け下の上に、赤色系や金糸や銀糸などで華やかな色柄があしらわれた打ち掛けを合わせる、格式の高い着物。色や文様の合わせが楽しめる一着です」
●引き振り袖とは?
「振り袖と異なり、おはしょりを作らないという特徴を持つ和装。綿を入れたふきと呼ばれる裾を引きずる仕様です」
●新郎の紋付きとは?
「新郎の和装は紋付きのみ。羽織は黒羽二重で五つ紋が入っています。仙台平(せんだいひら)と呼ばれる袴の縦じまは、しまが太いほど若い人向き。婚礼では黒を選ぶのが一般的で、凛々しい黒は花嫁を引き立てる色でもあります。最近は色紋付きにも注目が集まっています」
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和装選びの大事な目安となる「文様」とは?
織りや刺しゅうで表現された、おめでたいモチーフを使った和装ならではの柄
和装選びで色以外の目安となるのが、「文様」。織りや刺しゅうで表現されたいわゆる柄で植物、動物、自然をモチーフにした、「吉祥文様」と呼ばれる晴れの日らしい古典柄がメイン。モチーフそれぞれには、五穀豊穣(ほうじょう)や長寿、子孫繁栄などの願いが込められています。
そんな文様に込められた、意味や願いなども合わせて楽しむことができるのも和装の魅力の一つ。
=【和装の代表文様・5柄解説】from 金田さん=
●文様1_鶴
「鶴はつがいで行動をすることが多いため『一生添い遂げる』『長寿』という意味を持つ、おめでたい吉祥文様。花嫁衣裳では2羽で描かれるのが一般的です」
●文様2_牡丹
「『百花の長』と呼ばれ、平安時代から花の王様として親しまれている牡丹。花嫁衣裳に添えると華やかで風格がありつつ、同時にかわいらしさ、若々しさも漂います」
●文様3_花車
「平安時代の身分の高い人たちの乗り物だった御所車に、色とりどりの花を添えた文様。『多くの幸が運ばれるように』という願いが込められています。季節を問わず、華やかさを演出できます」
●文様4_松竹梅
「おめでたい植物として有名な松竹梅は、和装の文様でも代表的なモチーフ。『松』は一年中青々とした葉を持ち、『竹』は真っすぐに伸びる生命力、『梅』は寒い冬を耐え、凛とした花を咲かせるのところが縁起がいいとされるゆえん」
●文様5_熨斗
「熨斗は神様へのお供え物が元となっています。長い帯状の熨斗にさまざまなおめでたい文様が描かれており、とても彩り豊か」
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【白無垢】〈色柄合わせのアレンジ〉も楽しめるとますます注目度上昇中!
ここからは金田さんの解説で、花嫁和装タイプ別にトレンドをご紹介。今どきのおしゃれ和装花嫁になるためのアドバイス、ぜひ参考に♪
「白無垢は、白に映える<色合わせ>で個性を出したり、彩りを楽しむスタイルがますますトレンドに。掛け下や半襟、伊達襟に色柄ものを選んだり、胸元を飾る筥迫(はこせこ)などの『花嫁小物(5点)』を色付きにする他さまざまなアレンジがあります。
色合わせは定番の『赤』以外だと、チャレンジしやすい『金』、ナチュラル感のある『スモーキーカラー』、大人っぽく仕上がる『ダークカラー』などバリエーションも豊富。また白無垢自体にも変化が生まれていて、刺しゅうがはっきり入っているなど、『特徴のある白無垢』が人気。白無垢は、これからも進化を楽しめそうです」(金田さん)
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[写真上・下1枚目]
自分らしく楽しめる♪令和花嫁の最旬「白無垢コーデ」SNAP7より
[写真下2枚目]
「今、白無垢×パステルがおしゃれ!」最新コーデ実例12
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-白無垢花嫁-最新SNAP
正統派和婚花嫁が選んだこだわり白無垢
白無垢花嫁VOICE
「日本ならではの特別な花嫁衣裳」を着たいと思い、挙式、披露宴ともに白無垢を選びました。鶴と梅文様で、赤や金の刺しゅうや柄、赤ふきは鹿(か)の子。掛け下は若草色に近い黄緑で、襟下は菊の花です。筥迫や懐剣は赤入りにして全体をまとめました。みんなの予想をいい意味で裏切れたようで、とても褒めてもらえてうれしかったです。(今坂紗央理さん)
新緑の季節に引き立つ、黄緑の色掛け下×生成り白無垢
白無垢花嫁VOICE
リゾート挙式予定だったため、式本番では着用しないと思い和装前撮りを。白無垢を着たかったのと、撮影時期がGWだったので、新緑の爽やかな雰囲気をイメージした掛け下を合わせました。白無垢は肌色に合う、真っ白ではなく生成り。太陽の光で写真では白く見えたのも選んだポイントです。彼の地元・京都で和装前撮りをできたことは、とてもいい記念になりました。(中村紗世さん)
挙式と披露宴とで半襟をチェンジして。「和」を意識したこだわり白無垢
白無垢花嫁VOICE
着物好きで、かつ京都での結婚式だったため和装は絶対着たいと思っていました。挙式は真っ白な白無垢、小物に手作りのマリメッコ柄の半襟を合わせました。披露宴は小物をチェンジしてワインレッドの差し色を加えて。小物チェンジの際は、個性を出しつつ和の雰囲気を崩さないように注意しました。こだわった大好きな和装を着ることができて大満足です。(みーちゃんさん)
【色打ち掛け】すっきり感のある〈古典柄〉が流行の兆し
「色打ち掛けは『クラシック回帰』の流れがあり、格調高い〈古典柄〉が徐々に増えてきています。
合わせるヘアアクセサリーとして、さりげなくもインパクトのあるデザインものが人気で、それに伴い全体的にすっきり見える、アクセが映える古典柄が好まれているようです。色は赤がやはり定番。また華やかな花柄なども変わらず注目です」(金田さん)
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[写真]
色打ち掛けの人気カラー別SNAP~相場や髪型も解説~より
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色打ち掛けのトレンドSNAPなどの記事はこちら
-色打ち掛け花嫁-最新SNAP
赤×銀に鶴や花車などの古典文様が豪華な色打ち掛け
色打ち掛け花嫁VOICE
前撮りでは、彼は黒の紋付き袴、私はゴールドが映える赤の色打ち掛けと王道の組み合わせ。京都・嵐山の竹林をメインにロケーション撮影をしました。(にっぴさん)
オレンジ×水色の菊の花文様が新鮮なモダン色打ち掛け
色打ち掛け花嫁VOICE
オレンジと水色のお花がちりばめられている色打ち掛けは、インターネットで見てひと目ぼれ。好きな色である、オレンジ色が入っているのが決め手になりました。結婚式では和装も洋装も着たかったのですが、和装はお支度に時間がかかることもあり前撮り衣裳にしたのですが、前撮りで正解でした。(まなさん)
深い緑をベースに大人っぽさも華やかさも兼ね備えた色打ち掛け
色打ち掛け花嫁VOICE
前撮りは、挙式では着用しない和装でと決めていました。深い緑色に赤やゴールドの柄入りの色打ち掛けは、大人っぽさと華やかさを演出できる理想どおりの着物でした。彼は、白の袴姿しかイメージができず(笑)。試着すると、スタッフの方も大絶賛!ふたりとも鮮やかなイチョウによく映える、大満足の和装となりました。(阿部瑛梨香さん)
【引き振り袖】色打ち掛け同様に色柄、ヘアも〈クラシック傾向〉
「色合わせや小物での楽しみ方が幅広い引き振り袖。最近は色打ち掛け同様に〈古典回帰〉の傾向が見られています。この流れは着物の文様や色合わせ選びだけでなく、ヘアにも。洋髪ではなく新日本髪を選ぶなど、よりクラシックさが引き立つ着こなしを楽しんでいる人も登場してきています。
また引き振り袖は好みだけでなく会場の雰囲気に合わせ、モダン、キュートなどアレンジ自在なところも魅力です」(金田さん)
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[写真上]
#進化形白無垢 #パステル……etc. 最新和装トレンドSNAPより
[写真下]
#和装 「打ち掛け&振り袖のおしゃれ」を集めましたSNAP7より
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引き振り袖のトレンドSNAPなどの記事はこちら
-引き振り袖花嫁-最新SNAP
憧れの新日本髪を合わせた、大正ロマン風引き振り袖
引き振り袖花嫁VOICE
もともと新日本髪に憧れがあり、またちょうど料亭での結婚式だったので、お色直しにアンティークの引き振り袖に合わせて大正ロマン風にまとめました。夫は洋装の方が似合ったのでタキシードスタイルで。友人たちも珍しかったようで、「自分の髪で結ったの??」と盛り上がりました。(K.Sさん)
肌映えも叶うラベンダーカラー引き振り袖
引き振り袖花嫁VOICE
ラベンダー色の引き振り袖をチョイスしました。柔らかいラベンダーカラーは肌映りが良く、顔色がきれいに映えました。無地なので、地味にならないように半襟や帯、ドライブーケでかわいらしさを。新郎の紋付きはグレーのワントーン。ふたり並んだときのコーディネートも気に入っています。はやりの色みはたくさんありますが、自分の肌色に合うかどうかもじっくり検討するといいと思います。(uro__wedさん)
和装の髪型やブーケ、小物などもチェック!
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From 編集部
このときだけの特別な衣裳、お気に入りの和装を見つけてみて!
日本ならではの婚礼衣裳としての願いや意味も感じつつ、トレンドもきちんと楽しめる和装。あなただけの特別な一着を探して、おめでたい日を伝統に則った和装でもっと気軽に楽しんでみては?親や祖父、祖母、ゲストもきっと喜んでくれるはずですよ。
金田恵理子さん 和装スタイリスト・着付け師
「和装は決まり事も多く、大変そうと感じるかもしれませんが、実は伝統の中にも自分らしさをすてきに出せるもの。伝統的な格式を楽しんだり、またはモダンで自由な発想で、あなたらしく和装をぜひ楽しんでみてくださいね!」
プロフィール―――――
TVCF・雑誌・ファッションショーなどのヘアメイクを担当する傍ら、和装着付け技術を習得。その後フリーとなり、雑誌などでブライダルのヘアメイクや着付けを多数手掛けている。
取材・文/石田美由紀 D/ロンディーネ 文様画像協力/THE KIMONO SHOP ザ・キモノショップ(https://www.the-kimonoshop.jp/) 構成/松隈草子(編集部)
※記事内のデータならびにコメントは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(全国推計値)」、および2020年1月、2021年10月、2022年11月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー140人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2023年1月時点のものです
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