【親心知りたい】どう違う? 今の結婚式と親世代の結婚式
「親は『若いふたりの好きなようにしなさい』って言ってくれる。でも本当にそれでいいか、気になる……」。こんなモヤモヤを抱えている花嫁さん、いるのでは?
解決のカギは「今と親世代の結婚式の違い」を知り、親が今の式をどう思っているか理解することなんです。
【結婚式会場】
選択肢が少なかった親世代は、自由に選ぶ今が新鮮
今と親世代、会場や挙式スタイルの「選択の幅」が違う
今と親世代の結婚式会場、大きな違いは「会場タイプや挙式スタイルを自由に選んでいるかどうか」だ。
今は会場の種類も数も多くて、ふたりの好みで選ぶが、親世代はホテルや専門式場、公共会館と、だいたい決まっていた。これらがない地域では公民館や旅館、夫の実家で行った人も。
また今はキリスト教式や人前式など挙式スタイルをふたりの好みで選ぶのに対し、親世代は神前式が当然とされていた。そんな中、一歩先行く有名人の結婚式が報道されて、教会での挙式や海外ウエディングが注目されるように。
親世代の会場はこうだった!
[選ぶ基準が画一的]
リッチな人は老舗のホテル、流行に敏感な人は新しいホテル、お金がない人はリーズナブルな公共会館って感じで……。会場が少ない分、挙式組数は多くて、何人もの花嫁と鉢合わせしました。(1982年挙式)
[キリスト教式が脚光を浴び始め]
松田聖子さんがカトリック教会で式を挙げて(1985年)、みんなキリスト教式に目覚めた! 海外挙式はバブル時代が来て円高になってから。ハネムーンを兼ねてふたりだけで行ったんです。 (1987年挙式)
写真1枚目:高砂席には金屏風。シンプルな造りで窓がない会場が多かった。ゴンドラなど派手な演出ができる会場はごく一部
2枚目:親世代は8割が神前式。友人が参列できる挙式会場はほぼなく、親族だけで行った
3枚目:西洋の大聖堂のような教会での挙式は親世代の花嫁の憧れだった
親にとって今の会場は素敵! 一緒に見学がうれしい
親が今の会場を見て驚くのはゲストハウスやレストラン、リゾートウエディング……と種類が増えたこと。自分たちの時代になかったものばかりでうらやましいのだ。
子どもの会場選びに関しては「任せる」と言ってノータッチの親も多いが、下見や試食に誘うとうれしい様子。見学先で自分が結婚するかのようにワクワクする親も。
一緒に見学や試食に行くのはこのときしかできない親子の過ごし方。「誘うと何か言われそうで心配」と思うかもしれないけど、楽しいイベントに招待するような気持ちで前向きに捉えたい。
親は今の会場をこう思っている
[見学は式への期待感が膨らむイベント]
大使館のようにおしゃれで高級感がある邸宅とか、夜景が広がる開放的な会場とか、とにかく素敵なの。試食会は華やかで、式への期待感が膨らみましたよ。 (1985年挙式)
[おしゃれで自由な今どきの式に感激]
ガーデンウエディングなんて映画の世界のようなことが貸し切りでできてスペシャル感がすごい。見学では最近の流行や新しいシステム、今どきの価値観も知れて役立ちました。(1987年挙式)
【花嫁衣裳】
華やかさ第一だった親世代は、多彩な今の衣裳に興味
今と親世代、衣裳の「着数」と「種類」が違う
今と親世代の花嫁衣裳の違いは、何着着るかと、その種類。
今の結婚式では洋装だけで通す人も多いが、親世代の花嫁は和装も着ることが必須で、2~4回はお色直しをした。
目の覚める朱赤、紫、青、黄色など、色は派手目がほとんど。和装に洋髪というスタイルはなく、かつらをかぶるのが決まりだった。
今と同様に親世代もドレスのトレンドには敏感だったが、選べる種類は今より少なく、妥協した人も多かったよう。
親世代の衣裳はこうだった!
[式当日の花嫁は着替えに忙しい]
種類は少なく4着の花嫁衣裳も1日で決められました。式当日はお色直しで忙しく、まるで着せ替え人形!? だから披露宴をあまり見てないんです(苦笑)。(1982年挙式)
[こだわりの花嫁はドレスを購入]
色ドレスを複数着る人もいてお色直しの回数が話題に。東京にはおしゃれなショップがあり、誰も袖を通していないドレス希望の人はそこで購入しました。(1985年挙式)
写真1枚目と2枚目:4着着る場合、和装2着+洋装2着が標準だった
写真3枚目:ドレスは肩が膨らんだ長袖が主流。1984年前後はかわいい系、1986年以降のバブル時代はダイアナ妃のようにゴージャス、など流行もあった
親は娘を見ているだけで幸せ! ぜひ試着に連れていって
今は衣裳の数も多いし、デザインも多彩。バブル時代にさまざまな新しいファッションを取り入れてきた親たちは、衣裳の試着に付いていくと興味津々! 目が輝いてしまう。
時には親が「もっとお色直しをしなくていいの?」「和装も見てみたい」と言ってくることがあるかも。そんなときは「いろんなものを着せてあげたい」と思う親心からだと思って、できるなら試してみて。
親は今の衣裳をこう思っている
[選び放題なのも素晴らしい]
今は色や柄も豊富で、数えきれないほどドレスがありますよね。タブレットで探し、納得いくまで何回でも試着できるのもすごいなって。それを見ているだけで幸せな気持ちに。母冥利(みょうり)です!(1987年挙式)
[とにかくおしゃれでテンションアップ]
輸入物やデザイナーズ物、オーダーメイドまであって素敵。ビスチェやトレーンの長いドレスなんて昔はなかった! 試着同行はそんなドレスを着る娘の写真も撮れてテンション上がりっ放し。(1985年挙式)
【披露宴】
今は触れ合いを、親世代は型通りにすることを重視
今と親世代の披露宴、プログラムの自由度が違う
今と親世代の披露宴の違いは、媒酌人(仲人)の有無と、演出の自由さだ。
今と違い、親世代は9割が媒酌人を頼んでいて、ふたりの紹介やエスコートをしてもらっていた。プログラムはふたりで考える今と異なり、親世代では流れが決まっており、演出はケーキカットや番傘を差しての再入場、キャンドルサービス、親族が代わる代わる出てくるカラオケが定番だった。
今の披露宴はゲストとの触れ合いを重視しているが、親世代では新郎新婦をお披露目することが大事。マニュアル通りの流れだったから、親世代が式準備ですることは今より少なかったよう。
親世代の披露宴はこうだった!
[ゲストとの触れ合いがなかった]
新郎新婦は高砂席で媒酌人に挟まれてゲストと距離があり、友人と写真を撮る時間、談笑する時間もなかった。だから、ほとんどの人が二次会をして、そこではしゃいだんです。(1982年挙式)
[司会者の言葉は型通り]
司会を男性友人、アシスタントを女性友人に頼むことが多く、会場の台本を読みながら進行。祝辞とカラオケが長く、ふたりからゲストに向けたあいさつをする場面はありませんでした。(1985年挙式)
写真1枚目/新郎新婦の経歴紹介や花嫁の中座エスコートは媒酌人の仕事
2枚目/7割の人たちが洋装での再入場後にキャンドルサービスを
3枚目/ケーキは背の高いイミテーション。入刀は乾杯の前だったから和装姿で
親は楽しい今の披露宴を大歓迎。準備に困ったら頼ってみて!
型通りの結婚式をしてきた親世代は、「今どきの自由で和気あいあいとした披露宴って素晴らしい」と素直に受け止め、自分も楽しんでいる。
一方、今の式準備は、親世代からするとやることが多く見えるようで「必要だったら手助けしてあげたい」とも思うもの。だから、困ったら親を頼ってみて。親も協力できることがうれしいはず。
ただ、親が当時の結婚式しか知らないと戸惑うことも。その場合は今どきの考え方や他のカップルの動向などを話して、理解してもらおう。
親は今の披露宴をこう思っている
[感動が詰まっていて素晴らしい]
今は司会者が宴を盛り上げてくれる。家族や友人と中座したり、新郎新婦のサプライズがあったり、手作り感や泣き笑いもたくさん。映像もコンサート会場のように進化していて感動します。(1987年挙式)
[披露宴の内容は口の出しようもない]
わが子のときはおもてなし感もあり、各卓での撮影には親族も大喜び! 親として料理や引出物は気になっても、披露宴は今の方が断然いいから、ふたりにお任せ。ただ準備で慌ただしそうなのが気になりました。(1982年挙式)
From 編集部
親は今の式が楽しみ! 親子で見学や相談を
親世代の結婚式の話を通して、親が今の結婚式をいかに楽しみにしているか、伝わってきましたね。だからタイミングが合ったら、見学や試着に誘ったり、相談をしてみて。それが親にとってはとてもうれしいこと。独身最後の親孝行にもなるのです。
取材・文/渡邊博美 写真/清水知成 画像デザイン/高安晶子
※掲載されている情報は2017年7月時点のものです
※記事内のデータおよびコメントは2017年6月に、2年以内に子どもが結婚した、あるいは子どもの結婚式の日取りが決まり、現在式準備中である50~65歳の既婚女性103人が回答したマクロミル調査のアンケート内容によるものです
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