《顔合わせ・結納の服装》完全ガイド~ふたり、親、兄弟姉妹お手本付き~
「顔合わせ(婚約食事会)」や「結納」で、どんな服を着るべきか悩んでいる花嫁さんへ。目指す雰囲気や場所別の顔合わせや結納の服装全5タイプを、和装からデイリーカジュアルまでフォーマル度順にご紹介!ふたりや父母はもちろん、兄弟、姉妹の分まで、コーデのお手本イラスト付きでお届けします。先輩花嫁の体験談やマナーの先生のコメントもぜひ参考に♪
「顔合わせ」や「結納」にふさわしい服装って?
叶えたい雰囲気によってフォーマル度を変えて
「顔合わせ(婚約食事会)」は、お互いの親や家族が初めて揃って対面し、食事をしながらふたりの婚約を祝い、親睦を深める貴重な機会。場所や進行などに決まりはなく、フォーマルからカジュアルまでスタイル自在。「結納」はしきたりにのっとって行われる伝統的な儀式で、フォーマル度高め。どちらも父母だけでなく、きょうだいや祖父母など家族が参加するケースが増えているのが最近の傾向だ。今回は「顔合わせ」か「結納」かによる違いはもちろん、叶えたい雰囲気によって選べる服装のスタイルを5つに分類。ふたり、親、きょうだい別に詳しく見ていこう!
【1】かっちりフォーマルに華やかさをプラス「フォーマル+和装」タイプ
新婦と母親は和装、新郎や父、兄弟姉妹はフォーマルな洋装
「結納」はもちろん、料亭やホテルの和食レストランの個室などで、節目にふさわしいフォーマルな「顔合わせ(婚約食事会)」を希望する場合は「フォーマル+和装」タイプのコーデがおすすめ。花嫁は独身最後の記念として振り袖を着るいい機会になるし、華やかな雰囲気は格別。「両家が初めて顔を合わせる」という大切な場として、みんなの思いも高まる。
<服装例>
新郎:ブラックスーツ、白シャツに淡色ネクタイ(結納の場合、シルバーグレーのネクタイにすればよりフォーマル感を出せる)。黒い革靴(紐結びで靴底の薄いストレートチップやプレーントゥが最適)で靴下も黒
新婦:振り袖などの和装
父親:ブラックスーツに淡色ネクタイ(結納の場合、ネクタイの色みは新郎に合わせて)
母親:色留め袖、訪問着などの和装。もしくはフォーマルなワンピースやアンサンブル、ツーピース、スーツなど。洋装の場合、靴は洋服やバッグの色とコーディネートしたパンプス
兄弟:ダークスーツに淡色ネクタイ
姉妹:フォーマルなワンピースやアンサンブル、ツーピース、スーツなど
卒花VOICE
【顔合わせ】両家父母との6人でホテル内の料亭で。結納はしませんでしたが、できる限り雰囲気は近づけたいというのが両家の希望だったので、彼や両家の親はフォーマルな洋装、私は成人式に着られなかった母の振り袖を着ました。きちんと感も華やぎも出てよかったです(O.Rさん)
【顔合わせ】大事な節目なので、両家の父母ときょうだい計8人が集まり普段行かないような高級料亭へ。彼と両家父、彼の弟はスーツ、両家母と私の妹はフォーマルなワンピース姿で参加。私は独身時代の最後に、母から譲り受けた振り袖姿を披露。みんなに「きれい」と褒めてもらえてうれしかったです(まゆみさん)
【顔合わせ】お互いの親と姉妹の計7人で、わたしの地元の料亭の個室でランチを。着物好きな母の和装に合わせてわたしも着物を着用。みんなにとても喜ばれたし、華やかで写真映えしたのでとてもよかったです。姉妹は「いつもと違う格好をしたい」と少しフォーマルなワンピースを選びました(ふうさん)
【結納】一生一度の機会だと思い、ホテルの料亭のプランを利用し、結納をすることに。私は振り袖、母は小紋、彼の母はセットアップ。彼は私が婚約指輪のお返しにあげたフルオーダーのスーツを着て、父や兄はブラック系のスーツ。ネクタイの色にはあえてこだわりませんでした。緊張しましたが、出来上がった写真はとても思い出深いものに(下山紫織さん)
マナーデザイナー岩下先生に聞く、「フォーマル+和装」スタイルのポイント
「ドレスコードは、和洋問わず両家各人の『格』を合わせることが大事。女性が振り袖の場合、男性は紋付き羽織袴かモーニング(昼)が正式ですが、結婚式ではないのでブラックスーツでOK。フォーマルな「顔合わせ」と「結納」とで大きく変える必要はありません。ネクタイは淡色よりシルバーグレーのほうがフォーマル感が強まるので、「結納」の場合はそのあたりも両家で相談して決めましょう。
母親が和装の場合は、女性の準礼服である三つ紋の色留め袖か、訪問着を。男性はディレクターズスーツ(礼服のジャケットにグレーのストライプパンツの組み合わせ)か、ブラックスーツになります。
兄弟姉妹の装いはフォーマルなダークスーツやワンピースなどで。兄弟姉妹の服装で注意したいのは、新郎新婦より目立たない色や柄を選ぶということ。これはフォーマルからカジュアルまで、すべてのタイプに共通するマナーです」(岩下先生)
【2】格式ある洋装で揃えてかっちりと「フォーマル」タイプ
新郎新婦、親、兄弟姉妹ともにフォーマルな洋装
高級ホテルやレストラン、料亭など格式があり、一定のドレスコードが求められる場所にもしっくりなじむのが「フォーマル」な洋装タイプのコーデ。これはフォーマルな「顔合わせ」はもちろん「結納」にもふさわしい服装。淡色や柄が目立たないネクタイを合わせたダークスーツや、ハリのあるかっちりしたワンピースなど、結婚式にゲストとして参列するときのような装いで改まった感、きちんと感を演出しよう。
<服装例>
新郎:ブラックスーツに淡色ネクタイ(結納の場合、シルバーグレーのネクタイにすればよりフォーマル感を出せる)。黒い革靴(紐結びで靴底の薄いストレートチップやプレーントゥが最適)で靴下も黒
新婦:肌の露出の少ないフォーマルなワンピース、ツーピース、スーツなど。靴は洋服やバッグの色とコーディネートしたパンプス
父親:ブラックスーツに淡色ネクタイ(結納の場合、ネクタイの色みは新郎に合わせて)
母親:フォーマルなワンピースやアンサンブル、ツーピース、スーツなど
兄弟:ダークスーツに淡色ネクタイ
姉妹:フォーマルなワンピースなど
卒花VOICE
【顔合わせ】「きちんとした場にしたい」という彼の父母の要望で、会場に料亭を選び、フォーマルな服装での婚約食事会を行いました。参加したのはきょうだいも含めた8人。男性はスーツ、女性は結婚式のゲストのようなドレスをセレクトしました(もももさん)
【顔合わせ】ホテルの個室で食事会を行いました。事前に両家の親に服装について相談したら、「フォーマルで」と意見が一致。フォーマルな服装で両家揃えて行いました(みかんさん)
【顔合わせ】お互いの実家の中間地点にある、温泉旅館の個室で両家親と新郎新婦で食事会を。親には「フォーマルでなくてもOK」と事前に伝えていたのですが、気合が入ってしまったらしい私の父は新調までしたがっつりスーツで! 新郎新婦より気合の入った服装でびっくりしましたがうれしかったです(K746さん)
【結納】彼の親の希望があり、両家父母とそれぞれの兄、弟と、庭のきれいな料亭で結納を。男性はブラックスーツ、両家母はフォーマルな落ち着いた色のワンピース、私は白のワンピースを着ました。硬すぎないけれど、結納にもふさわしいきちんと感が出てよかったです(中向柚香さん)
マナーデザイナー岩下先生に聞く、「フォーマル」スタイルのポイント
「女性の洋服の格はワンピース、アンサンブル、ツーピース、スーツの順。婚約食事会、結納、どちらにも通用します。フォーマル感を出すためには膝が出ないスカート丈にする、ワンピースは肌の露出が少ないものを選ぶ、派手になりすぎない色柄のものを選ぶなどの配慮も大切です。
靴とバックは服とのトータルコーディネートで落ち着いた色を選び、お揃いの色にすると効果的。バッグは小型から中型のシンプルなデザインを。ネックレスやイヤリング・ピアスは正礼装のアクセサリーであるパールを着けると格が上がります。
男性はブラックスーツか、ディレクターズスーツを」(岩下先生)
【3】カジュアルダウンしたきちんと感「セミフォーマル」タイプ
男性はスーツに襟付きシャツ&柄ネクタイ、女性はワンピースなど
「結納ほど堅苦しくしたくないけれど、きちんと感は出したい」というセミフォーマルな「顔合わせ」にぴったりのコーデ。アンケートでも選んだカップルが一番多かったのがこのタイプ。男性はスーツ、女性はワンピース、ツーピースなどの装いでフォーマル感をキープしましょう。男性の場合は、自分好みの上品な色や柄のネクタイはもちろん、ポケットチーフもおすすめ。フォーマルな折り方を一つ知っていれば、結婚式だけでなく、結納や顔合わせなど様々な場面で活用できます。遠方から参加する親やきょうだいもこの服装のまま移動できるなどのメリットも。
<服装例>
新郎:スーツに柄入りネクタイ、もしくはノータイにポケットチーフなど。ダークカラーの靴
新婦:上品なワンピースなど。靴は服に合わせたパンプス系(サンダルはNG)
父親:スーツに柄入りネクタイ、もしくはノータイにポケットチーフなど
母親:パンツスーツやツーピースなど
兄弟:スーツに柄入りネクタイなど
姉妹:きちんとしたワンピースやスーツなど
卒花VOICE
【顔合わせ】お互いの親が遠方からの参加だったので、普段より少しカチッとした、でもずっと着ていても疲れないスーツやワンピースで来てもらいました。彼はスーツで私はきれいめのニットとスカートをセレクト(M.Wさん)
【顔合わせ】鉄板懐石の個室で両家の親きょうだい計9人で食事会を。堅苦しすぎず、でも大切な節目として少しかっちりとしたかったのでセミフォーマルに。彼の妹家族に小さな子どもがいたので、動きやすさも重視しました。大学生の妹はきれいめのブラウス+スカートで。最後に集合写真も撮りましたが、程よくきちんとした服装が映えすてきな記念に(りほさん)
【顔合わせ】新郎の親から「あまり堅苦しい場にしたくない」という希望が。とはいえ、格式ある料亭の個室で行ったのでセミフォーマルな服装に。両家親子水入らずで、アットホームな雰囲気で行うことができてよかったです(たまきさん)
マナーデザイナー岩下先生に聞く、「セミフォーマル」スタイルのポイント
「ダークスーツなら柄のあるネクタイを着けてもOK。ノーネクタイの場合はポケットチーフをプラスするとフォーマル感がアップします。ただし、ポケットチーフは折り方にも注意しましょう。ワンピースの場合は色、柄、素材を選んで、カジュアルになりすぎない、体の線が出すぎないものを選びましょう。パンツスーツも準礼服ですが、エレガントなデザインで素材が柔らかいものがベストですね。
また、男性のブレザーとスラックスの組み合わせは略礼装のスタイルの一つ。ポケットチーフとネクタイをアスコットタイなどにして同じ柄にするのもおしゃれです。合わせるのはダークスーツでもOK。おしゃれのポイントとして、ネクタイとシルクベストを共布にするのもおすすめですよ」(岩下先生)
【4】着慣れた、普段のお出掛け着スタイル「カジュアル」タイプ
新郎新婦、親、きょうだいともに華やぎをプラスしたきれいめカジュアル
スーツやワンピースなどではなく、休日のお出掛け着のような、動きやすく着心地もいいけれど、いつもよりきちんと感のある服装が「カジュアル」。顔合わせの場として選びたいのはちょっといいレストラン。そんな肩肘を張らずに済む会をと望むふたりや親にはぴったりのコーデ。男性はカジュアルなジャケットにインナーは襟なしでもOK。女性はよそ行き感のあるきれいめの服装で。おしゃれをしつつも、堅苦しくなく、普段に近い雰囲気で相手の家族にあいさつができる。
<服装例>
新郎:カジュアルジャケットにシャツ、Tシャツなど。カジュアルな靴(運動靴はNG)
新婦:カジュアル素材のワンピースやスカートにカットソーなど。カジュアルな靴(運動靴やサンダルはNG)
父親:カジュアルジャケットにシャツ、Tシャツなど
母親:カジュアル素材の上下のセットアップなど
兄弟:コットンパンツにカジュアルジャケットなど
姉妹:羽織ものにスカートなど
卒花VOICE
【顔合わせ】親、きょうだい、彼の祖母を呼び、彼の実家近くのちょっといいレストランで食事会を。かっちりしすぎた服装だと緊張するというのと、着飾ったお互いの印象を持ってもその後大変かな、でも顔合わせなのでデニムなどカジュアルすぎるのは避けたいと思いきれい目カジュアルを選びました。おかげで、普段通りリラックスした会にすることができました(ayk0さん)
【顔合わせ】挙式するホテルの中華レストランで食事会を。堅苦しい雰囲気だと会話も弾まなくなるので、お出掛け着程度な感じで行いたいとの親の希望があり服装はカジュアルに。予約時にあえて個室ではなく窓際の席を選んだら、開放感もあり、和やかに進行することができました(りりぴさん)
【顔合わせ】お互いの親と、日本料理店の個室で食事会を。気軽な気持ちで集まりたかったので、いつもお出掛けするときに着るようなきれいめカジュアルに。かしこまった雰囲気にならず、すぐに和やかさのある会にすることができました(あき子さん)
マナーデザイナー岩下先生に聞く、「カジュアル」スタイルのポイント
「男性の上着は襟付きのものを。女性のカジュアルスタイルは素材やデザイン、シルエットなどに上品さや上質さが感じられるかが重要に。服は色柄ともシンプルにして、ネックレスやイヤリング・ピアスなどアクセサリーや小物を上手に使って華やかさを演出するのもいいですね」(岩下先生)
【5】普段と同じリラックスウェア「デイリーカジュアル」タイプ
新郎新婦、親ともデニムなどラフな日常着の組み合わせ
かしこまった感じではなく、みんなが自然体で会話が弾むアットホームな食事会が希望。または両家がすでに親しく行き来をして、かしこまった服装を選ぶと逆に緊張しそう、ざっくばらんなお付き合いを望んでいる。そんな両家ならジャケットなし、デニムもTシャツもOKのいわゆる普段着コーデでの「顔合わせ」もあり。「飾らず楽しみましょう」という意思表示にもなり、気軽な雰囲気で楽しめる。
<服装例>
新郎:Tシャツやシャツにデニム、もしくはチノパンなど。運動靴もOK
新婦:Tシャツやカットソー、ニットにボトムスなど。運動靴やサンダルもOK
父親:Tシャツやシャツ、ポロシャツにチノパンなど
母親:Tシャツやカットソー、ニットにボトムスなど
兄弟:Tシャツにデニムなど
姉妹:ニットにパンツなど
卒花VOICE
【顔合わせ】いつも通り、気軽に楽しく両家で顔合わせをしたかったので食事会も普段と同じ服装で。私の地元で郷土料理のおいしい飲み屋さんに行き、初対面とは思えないほど盛り上がりました。両家の親もで私たちも大満足(美奈子さん)
【顔合わせ】親同士すでに知り合いで、きっちりやろうとすると逆に変な空気になりそうだったので、地元の韓国料理屋さんで気取らず普段着で食事を楽しむことに。堅苦しさは一切なし、自然体で楽しめる会にすることができました(晃子さん)
【顔合わせ】私と彼の実家が近所なので、最寄り駅前のイタリアンレストランで両家の親と彼の妹と7人で顔合わせ食事会を。服装は新郎新婦、親ともにデニムなど日常着の組み合わせたデイリーカジュアルに。妹は平日仕事帰りだったので、極端なフォーマルではなくワンピースでの参加でした(にゃごまさん)
マナーデザイナー岩下先生に聞く「デイリーカジュアル」スタイルのポイント
「ドレスコードのあるお店では、Tシャツ+デニムなどのスタイルだと入店を断られてしまうことも。お店が決まったら事前に確認をしておきましょう。普段着とはいえデザイン、色、柄、素材を選んで、あまりカジュアルになりすぎない組み合わせができるといいですね」(岩下先生)
女性のメイクやネイルはどうする?
・振り袖やフォーマルな洋装を着る場合、薄すぎるメイクだとバランスが取れないので注意。目元や口元など、普段より少しはっきりめの方が映える。ただし、あくまでも上品に。
・カジュアルな顔合わせのときも、濃すぎたり、個性的すぎるメイクは避けて。
・ネイルもよく見られる部分なので、派手過ぎる色やデザインはNG。薄いピンクやベージュなどで艶を出しつつ清楚な雰囲気を演出すると好印象。
顔合わせ・結納におすすめなセルフヘアアレンジをご紹介!
先輩花嫁の実例SNAPをみせて!
さらにイメージを広げるために、卒花の実例をご紹介!自分たちのイメージに近い卒花さん家族の服装を見つけて、双方の親御さんにも参考にしてもらってくださいね。
From 編集部
目指す雰囲気に合う服装を選べば、素敵な「顔合わせ」「結納」が叶う!
両家の親の希望を持ちより、希望と目的に合う会場を選び、その雰囲気にふさわしい服装を決めるところまでふたりがリードできれば「顔合わせ」も「結納」もスムーズ。親やきょうだいに服装のイメージを共有するときは、言葉だけでなく、イラストなどを見せると伝わりやすいので、ぜひこの記事を活用して。両家の格を揃え、会場の雰囲気にぴったりな服装を選ぶことで、みんなが心地よい時間を過ごせるはず。しっかりこだわって、素敵な両家の思い出を作ってくださいね♪
岩下宣子 マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
取材・文/笠原恭子 イラスト/二階堂ちはる 監修/岩下宣子(現代礼法研究所)
※記事内のデータならびにコメントは2020年10月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー80人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2020年12月時点のものです
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