Wedding Manual
金額は?渡し方は?結婚式当日の【お礼&お車代】マナー
結婚式で何かしらの役割を担ってくれたゲストへ渡す“お礼”と“お車代”。誰にどちらを渡す? 失礼が無いようスマートに渡すにはどうしたらいい? 渡す相手によって異なるタイミングを、詳しく解説します。
#01|【お礼】って何?誰に渡すの?
感謝の気持ちとして、受付や余興など
役割を担ってくれた人へ渡す
結婚式で使われる【お礼】という言葉は、式中や準備の際に手伝いをしてくれた人に渡す返礼品やお金のことを指す。以下のような役割を引き受けてくれた人には、マナーとして何かしらのお返しをしよう。
- 受付
- 余興
- スピーチ
- 司会(ゲストに頼んだ場合)
- 撮影(ゲストに頼んだ場合)
- 手作りの品を作ってくれた人
- リングボーイなどをしてくれた子どもゲスト
- ブライズメイド&アッシャーをしてくれた人
- 二次会の幹事
#02|【お車代】ってお礼とは違うの?
主賓、乾杯の発声、遠方からのゲストに
交通費として渡すのがお車代
##s##祝辞を述べてくれた双方の主賓と、乾杯の発声をしてくれたゲストには、【お礼】ではなく【お車代】という名目で、一定額を包んで渡す##e##慣例がある。交通費をこちらで支払うという意味で、実際にゲストの自宅から会場までの往復のハイヤーを用意してもよい。
##s##新幹線や飛行機などを使って遠方から駆け付けてくれたゲストにも【お車代】を渡す##e##のが通例。交通費は必ずしも全額を渡す必要はなく、かかった費用の半額程度を目安にすればOK。
#03|【お礼】【お車代】の包み方は
どうすればいい?
ご祝儀袋(のし袋)やポチ袋など
中身の金額によって調整を
“お礼”や“お車代”としてお金を包む場合、##s##1万円未満の場合にはポチ袋や封筒、1万円以上の場合にはご祝儀袋を用いる##e##。ご祝儀袋の場合は“一度きりのお祝い事”という意味がある結び切りの水引が付いたものを用意し、水引の上には「御礼」または「御車代」「御車料」と書く。
▼中身の金額によって変わる包み方
1万円未満の場合はポチ袋でOK
中身が1万円未満の場合はご祝儀袋ではなくポチ袋や封筒でOK。
最近では結婚式のテーマに合わせたポチ袋を用意したり、ポチ袋を手作りしたりとこだわる花嫁さんも多い。
1万~3万円は水引が印刷されたご祝儀袋を
中身が1~3万円程度の場合は水引が印刷されたタイプのご祝儀袋を用意する。
封筒型のご祝儀袋に水引がプリントされたものでも良い。
豪華な水引のものを選ぶと中身にふさわしくなく、相手を驚かせてしまう場合もあるので気をつけて。
5万円程度の場合は大きめのご祝儀袋を
5万円以上のお礼をお渡しする場合は中身にふさわしく、大きめで結び切りの水引のついたご祝儀袋で包んで。
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#04|【お礼】の正しい渡し方って?
基本的には式当日に
頼んだ役割が終わった後
代理の人から渡してもらう
“お礼”は、##s##頼んだ役割が終わった後に新郎新婦の代理の人(多くは親)から渡してもらう##e##。ただし役割によっては、式の前やお開き後に渡した方がよい場合も。“お礼”の相場は友人なら3000~5000円程度。司会や撮影などをゲストに依頼したときには1万円以上など、役割の度合いによって変化を付ける。
[渡す人別]お礼の「相場」と「タイミング」
[1]受付をやってくれた人
3000~5000円
受付開始前
[2]余興・スピーチをしてくれた人
3000~5000円
披露宴終了後か後日近いうちに
[3]司会をやってくれたゲスト
1万~3万円
式の開始前
[4]撮影を行ってくれたゲスト
1万~3万円
披露宴終了後
[5]お手伝いしてくれた子どもゲスト
3000~5000円
子どもゲストの席にお礼の品を置いておく
[6]立会人(ブライズメイド&アッシャー)
3000~5000円
披露宴終了後か後日早めに
[7]ブーケやウエルカムボードなどを手作りしてくれた人
3000~2万円
品物を受け取ったときまたは披露宴終了後早めに
[8]二次会の幹事
1万~3万円
二次会終了後、早めに
受付は新郎側、新婦側のゲストから、それぞれ1~2名にお願いするのが一般的。それぞれに頼んだ側の親から、受付が始まる前にあいさつを兼ねて渡す。
余興やスピーチは、ゲストの中でも特に親しい人に頼むのが一般的なので、相手に気を使わせない程度の金額に。お金ではなく、記念品や商品券、図書券などを渡してもOK。ただし、パーティ中に長時間演奏をしてくれた場合などは、労力に見合う相当額(1万~3万円)をのし袋に入れてお礼の言葉と共に手渡そう。
司会は事前打ち合わせに時間も手間もかかるので、プロでなくてもそれなりのお礼をする必要がある。ご祝儀を頂いた場合はさらに2万~3万円プラスし、あいさつを兼ねて式開始前に親から直接渡してもらって。
一部の場面の撮影なら1万円程度。披露宴を通しての撮影の場合は2万~3万円など、労力に相当する金額を。披露宴終了後、できるだけふたりからお礼の言葉を添えて渡して。
子どもゲストへのお礼は、子どもが欲しがっているおもちゃやお菓子などが一般的。子どもの親に何がいいかをヒアリングして用意しよう。長丁場で飽きてしまわないよう、席に置いておくと披露宴中も楽しく過ごしてもらえる。
ブライズメイドを頼むときにはお揃いのドレスを着てもらうことが多いので、そのドレス自体をプレゼントする人も多い。当日集まってくれるだけでなく、打ち合わせや準備が発生するようならば、お礼を包むとスマート。親しい間柄なら、お金ではなくコスメなど品物でもOK。
[7]ブーケやウエルカムボードなどを手作りしてくれた人
ブーケやウエルカムボードなどを作ってくれた人には、制作時間と費用を考慮した金額を包もう。ご祝儀代わりに制作を依頼した場合にはお礼は渡さず、引出物だけでも問題ない。
二次会の幹事は、他の役割に比べて手間がかかる。会場との調整や司会なども行ってくれるなら、相当額を包んで。新婚旅行先で少し高級なお土産を買ってきて、後日新居に招いてもてなすのもアリ。
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#05|【お車代】の正しい渡し方って?
受付時にのし袋を渡してもらうか
親にあいさつを兼ねて手渡ししてもらう
お車代の渡し方には、親にあいさつを兼ねて渡してもらう方法と、受付で係から渡してもらう方法がある。親が渡す時間があるか、顔見知りかどうかなどを考慮して、当日のダンドリをしておこう。
[渡す人別]お車代の「相場」と「タイミング」
主賓・乾杯の発声をしてくれた人
交通費全額または一部
受付後、頼んだ側の親から
遠方から参加してくれた人
交通費全額または半額
親族以外は受付で、親族には親から
主賓は、両家のゲストから1名ずつ頼むのが一般的。できれば##s##受付が終わった後に、頼んだ側の親からあいさつを兼ねて目立たないように渡す##e##のがスマート。往復のハイヤー(遠方の場合は新幹線代など)を手配した場合は、お車代を改めて包む必要はない。
親族の場合はこれまでの付き合いから判断し、##s##相手に気を使わせない金額を包み、式当日にあいさつを兼ねて手渡す##e##。親族以外のゲストには、##s##交通費か宿泊費のいずれかを負担するなど事前に話をしておいて##e##。お車代は、当日受付で渡してもらうか、親が顔見知りならあいさつして手渡しを。
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#06|こんなときどうする? Q&A
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内祝いについてもしっかり確認しておこう
結婚することを伝えると、結婚祝いの品を頂く場合がある。結婚祝いをもらったら、まずはすぐにお礼の言葉を伝えよう。相手が結婚式に出席しない場合は、その後お返しをする必要がある。失礼にならないお返しの仕方を、確認しておいて。
監修者プロフィール
岩下宣子さん
マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/稲垣幸子 イラスト/moeko 監修/岩下宣子(現代礼法研究所)