[全文掲載] 花嫁の手紙vol.56~式当日、短時間で一気に書き上げた手紙で思いを伝える~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない…なんて悩む花嫁さんもいるのでは?そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない…なんて悩む花嫁さんもいるのでは?そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
新婦母からも「花嫁の手紙や花束贈呈などの演出はしんみりするしいらないよ」と言われており、花嫁の手紙を書く予定はなかったという舞さん。しかし、式前最後の打ち合わせで司会者から「手紙を娘に読んでもらって嫌な気がする親はいないので、絶対に読んだ方がいいですよ。もし披露宴中に読まないのであれば、式前や式後に親だけ呼んで手紙を読むのはどうですか?」と提案がありました。それによって、式直前に新郎とも話し合い、式当日の未明に急きょ花嫁の手紙を書いて、披露宴で読むことにしました。
■招待ゲスト数…28名(家族、親族、友人、職場関係、恩師)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…式当日の未明
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…約40分間
■式で花嫁の手紙を読んだ時間…約3分半
数々のウエディングで司会という枠にとらわれず、たくさんの花嫁さんの結婚式の演出や「花嫁の手紙」の相談にも乗っている優月さんにコメントを頂きました。(優月りなさんInstagram/@ mc_yuzuki_rina)
【A】からは、家族の絆と一体感が伝わりました。エピソードも具体的で、一つ一つの思い出がリアルなので、聞いているゲストも感情移入できたと思います。
同様に、【B】の親御さんが互いに探し合うくだりは、会場からも温かい笑いが起きたことかと思います。愛情だけではなく、家族の楽しい日常まで伝えているのがGOODです。下線部に書かれている、娘が夢を叶えた瞬間を親に見せられたというのは、親にとっても最高の誇りで、ゲストの心にも強く響いたことでしょう。
書かれている温かい数々のエピソードから、結婚式当日を迎えるまでの支えへの感謝の気持ちや、親から知った愛がパートナーへ自然にバトンのように受け渡されている思いが伝わる素敵なお手紙でした。(優月さん)
このお手紙を書いた舞さんと、お手紙を受け取ったお母さまにお話を伺いました。
挙式、婚姻届提出をした半年後に母が病気になり、現在は当時のように話したりするのが難しいときもあります。私たちの晴れ姿を見ることをとても楽しみにしていた両親に対して「あの特別な場で手紙を読んでおけば良かった」と、きっと後悔していたと思います。家族の仲の良さや溺愛されて育ててもらったことへの感謝、これから一緒に歩んでいく主人も負けないくらい溺愛してくれることを、みんなの前で伝えられてとても良かったと思います。
一番は今まで思っていてもなかなか面と向かって伝えたことはなかったので、「どんな時も私のことを第一に考えてくれて、愛してくれてありがとう」という感謝の気持ちです。また、「大好きな主人とこれからの人生を共に歩んでいき、ふたりのような仲の良い夫婦になれるよう頑張るので安心して見守っていてね」という気持ちもありました。
結婚式は本当に特別な日。だからこそ素直な思いを伝えられるのだと思います。ありのままの思いを伝えることは、きっと家族やゲスト、自分たちにとっても忘れられない思い出になります。
司会者が手紙を読むと告げた時、母の方をチラッと見ると「手紙はいいって言ったのに」と渋い顔をしていましたが(笑)、いざ始まると涙を拭いながら、一緒にこれまでを思い出しながら聞いてくれているのが伝わりました。
いざ手紙を書こうと思っても、何をどう書いたらよいのかわからない、時間が足りないという方もいるかもしれません。でも大丈夫です!私のような例もあります!(笑)。良いこともそうではないことも、全て家族で歩んできた大切な思い出です。振り返ると、きっと自分にとって忘れられない出来事や思い出がいくつも出てくると思います。ありのままに感じたことを思いにすれば、きっと気持ちの伝わるお手紙になると思います。
しんみりするので当初手紙も記念品もいらないと舞には言っていましたが、手紙を読んでくれた時、たくさんの思い出が浮かび、今日という日を迎えられたことをとても嬉しく感じました。お父さんもお母さんも、舞が幸せになる事を祈っています。これからも舞は二人の大切な可愛い娘です。健斗(新郎)は優しい良い子です。息子になってくれて、お父さんもお母さんも嬉しいです。おめでとう。
今回の手紙を書いた舞さんは、「私たち家族と言えば=家族の仲の良さ」と最初に頭に浮かんだテーマを軸に、エピソードを下書きし、読み返しながら訂正、清書の流れで式当日の未明に40分という短時間で手紙を書いたそう。舞さんのように、式で手紙を読むか迷っていて直前まで決められないという理由以外でも、式準備で忙しくてなかなか手紙にまで手を付けられないという人も多いですよね。
手紙を書くための時間や手紙の長さに正解はありません。完璧な文章を書こうとせず、素直な気持ちを優先し、自分らしい表現でつづっていくことで、短時間でもグッと思いを込めたお手紙を書くことができますよ。式直前のリアルな気持ちをそのままつづったお手紙は、新鮮な感情や温度感が反映され、手紙を読む相手やゲストの心に響く手紙になるでしょう。
優月りなさん
MC・司会者・ナレーター・ラジオDJ
ウエディング業界歴18年で東京を中心に全国出張可能な司会者。幅広いスタイルの結婚式で新郎新婦らしさに溢れた人前式や、パーティの演出も提案。ブライダルモデル育成の経験から新婦の立ち居振る舞い、音楽やお手紙の相談など幅広く行っている。また、講師としても15名以上の司会者を輩出し、プロ司会者へオーダーメイドレッスンも行っている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2025年10月時点のものです