
[全文掲載] 花嫁の手紙vol.52~言葉を装飾してよりリアルな表現にする~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない…なんて悩む花嫁さんもいるのでは?そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「感謝を手紙で伝えることで、これまでをより共に懐かしめると思った」
手紙を書く一番の目的は「感謝の気持ちや普段言えないような改まった気持ちを伝えたいから」と紫苑(しおん)さん。「小さい頃からこう思っていたんだよ」という思いを、花嫁の手紙でエピソードを交えながら伝えることで、結婚式という場で、これまでの成長や共に過ごしてきた時間を、より思い出して懐かしめると思い、手紙を読むことにしました。
■招待ゲスト数…63名(家族、親族、友人、職場関係)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…式の約2週間前
■花嫁の手紙を書くのに要した日数…3日
■式で花嫁の手紙を読んだ時間…4分50秒間
紫苑さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
数々のウエディングで司会という枠にとらわれず、たくさんの花嫁さんの結婚式の演出や「花嫁の手紙」の相談にも乗っている優月さんにコメントを頂きました。(優月りなさんInstagram/@ mc_yuzuki_rina)
言葉の愛情表現が素晴らしくてGOOD
書き出しの一文から、花嫁さまの感極まる気持ちが自然と伝わってきて、一気に手紙に引き込まれました。
【A】で書かれたお父さまとの温かい親子関係。お手紙を聞き、娘と過ごした時間をとても誇らしく感じられたのではと思います。特に下線部の表現から深い愛情と懐の深さを感じ、胸が熱くなりました。「とても幸せな気持ちです」という言葉も「いっぱいになります」と加えることで感情がより伝わってきました。
【B】では、お母さまへの思いを素直に、ていねいにそして正直に伝えられていますね。幼い頃に感じていた気持ちを包み隠さず伝えたからこそ、母娘の心の成長がしっかり表現されていると思います。
【C】のおばあさまへのユーモア溢れる表現はほほ笑ましいです。下線部のストレートな言い回しは、言葉の持つ力以上に花嫁さまの人柄が強く伝わる言葉だと思いました。(優月さん)
花嫁の手紙「読んでどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた紫苑さんとお手紙を受け取ったお母さまにお話を伺いました。
手紙を読んでどうだった?

まずは、「ちゃんと読めた。伝えたいことを伝えることができた」とホッとする気持ちと達成感がありました。同時に、両親やおばあちゃん、周りの人への感謝やこれまでの思い出が溢れ、胸がいっぱいになるような感情になり涙が止まらなくなりました。これからの人生の中でも特に忘れられない時間だったと思います。
書いて気持ちの変化は?

書く前は普段あまり言葉にして伝えてこなかった分、改めて向き合うのって難しいと感じたり感情が込み上げてうまくまとまらない瞬間が多かったのですが、書いた後は心がスッキリしたような気持ちになり、これまでどれだけ愛されてきたか気付くことができました。同時に、自分がどんなふうに育ってきたのかを再認識し、何より自分もこんな親になりたいという覚悟のようなものが芽生えたと思います。
苦労&工夫したポイントは?

冒頭などのあいさつはしっかりと行い、思い出を振り返って感謝を伝える時は普段話しているような雰囲気で伝えたいと思い、書き進めました。
一緒に過ごした時間や思い出を箇条書きにしていくことで、「この時嬉しかったな」といった感情までも具体的に思い出すことができました。
後輩花嫁さんにアドバイスを

私は、ゼクシィやゼクシィアプリの記事を参考にしたりしましたが、いろいろな人の実例を見て構成を決めた上で、自身のエピソードを落とし込んでいくとスムーズに書き進められると思います。自身のエピソードはメモ書きや箇条書きで大丈夫です。小さい頃の記憶をゆっくりと思い出す時間を設けてくださいね。
お手紙を受け取ったお母さまより

お手紙を聞いて、まずは「大きくなったなあ。嬉しいなあ」といった思いが強かったです。小さい頃から何かと手のかかる子でしたが、周りの人々に支えられてこうして育ったこと、生涯を添い遂げたいと思うような人と出会えたこと、寂しいようでもありますが親として本当に胸がいっぱいの気持ちです。これからも変わらず大切な私たちの娘が幸せで過ごせるように見守っていきたいと思います。
From 編集部
言葉を装飾する表現を使って、より言葉にリアルさを出してみよう
学生の頃人間関係などで悩み自分を否定したり逃げ出したくなったりした時に、親御さんからもらった「いつも信じる」という言葉が紫苑さんを奮い立たせたり、支えてくれるお守りのような言葉になっていたとのこと。そんな心のよりどころをつくってくれたことへの感謝をつづった手紙は、現在額縁に入れて実家に飾られているそうです。
手紙につづる言葉も表現一つで印象が変わります。紫苑さんの手紙のように「でも“いつだって”言いたい小言を“グッと”こらえて、その時必要な言葉“だけ”を」…という一文も“”の部分を加えていることで、より登場人物のリアルな様子が伝わり、言葉に重みが出ます。このテクニックぜひまねしてみてくださいね。

優月りなさん MC・司会者・ナレーター・ラジオDJ
ウエディング業界歴18年で東京を中心に全国出張可能な司会者。幅広いスタイルの結婚式で新郎新婦らしさに溢れた人前式や、パーティの演出も提案。ブライダルモデル育成の経験から新婦の立ち居振る舞い、音 楽やお手紙の相談など幅広く行っている。また、講師としても15名以上の司会者を輩出し、プロ司会者からのオーダーメイドレッスンも行っている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2025年6月時点のものです
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