結婚式と入籍の順番はどっちが先?最近の傾向&親世代の考えも徹底調査
先に結婚式を挙げてから入籍(婚姻届提出)した方がいいのかな?結婚式の前に入籍してもいいのかな?その順番で悩む人も。この記事では今どきの傾向からそれぞれのメリット・デメリット、親世代の考え方まで徹底調査した結果をお伝えします。自分たちの順番を決める参考に!
先に結婚式を挙げてから入籍(婚姻届提出)した方がいいのかな?結婚式の前に入籍してもいいのかな?その順番で悩む人も。この記事では今どきの傾向からそれぞれのメリット・デメリット、親世代の考え方まで徹底調査した結果をお伝えします。自分たちの順番を決める参考に!
結婚式と入籍の順番にルールはなく、どちらを先にしても良いのですが、「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」によると、結婚式より先に入籍した人が91.6%と大多数。結婚式当日に入籍した人は2.2%、入籍するより先に結婚式を挙げた人は4.4%とわずかでした。
結婚が決まる前からふたり一緒に生活していた人は50.1%、婚約~結婚式までの間に同居を開始した人は39.6%。両方の合計は89.7%となり、「結婚式よりも先に入籍した」の割合に近い数字。
結婚が決まる前から同居していた人たちは「けじめ」として早いタイミングで、婚約~結婚式までの間に同居を開始した人は、引っ越しをして新生活を始めた時、転入届・転居届と同時に婚姻届を提出する人が多いよう。
結婚式より先に入籍した人に【婚約と同居のタイミング】を聞いたところ、半数が「同居してから婚約」、半数が「婚約してから同居開始」。また、【結婚式場の予約と入籍のタイミング】を聞いたところ、半数が「結婚式場の予約をしてから入籍」、残りの半数は「入籍してから結婚式場を予約」。
同じ「入籍→結婚式」の順番で進めていても、婚約や式場予約、同居開始まで見ると、いろいろなパターンがあり、人それぞれです。
50~60代(平均年齢59.6歳)の「親世代」が結婚した時は、「結婚式が先」が51.4%、「入籍が先」が43.9%、「結婚式当日に入籍」が4.7%(★)。もっと昔は「結婚式を挙げてから入籍&新生活開始」が常識でした。「入籍が先」の割合は時代とともに徐々に上がり、60代が37.0%、50代は50.9%、そして、今や約9割となり、大きく変化しました。
「結婚式より先に入籍することをどう思うか」聞いたところ★
●良いと思う(問題ない、どちらでもいいなど)……71.7%
●なんとも思わない……25.5%
●違和感を持った(驚いた、なぜ?と思ったなど)……2.8%
大方の人たちは前向きな気持ち、ふたりを応援する気持ちで「良いと思う」と回答。「なんとも思わない」という人たちは、どちらかというと「本人任せ、またはこだわりがなくて順番など気にしないタイプ」。「違和感を持った」という人は少なく、そのような人たちも最終的に子どもたちの話を聞いて、納得している様子。
ちなみに、親に反対されて、「先に結婚式を挙げることに変更した」「結婚式と入籍日の日取りを近くにした」という卒花さんは85人中2人だけでした。
わが子から「先に入籍する」と聞いて、多少もやもやしましたが、そもそも結婚を前提に同居していたし、それも時代の流れだなと思いました。(なべさん)
私たち親世代でも入籍が先のカップルはいたので、順番は気になりませんでした。ふたりが最良の日と思う日に入籍するのが良いと思います。(M.Hさん)
うちの子は結婚式の日取りがずっと先になったので、ひとまず入籍。私自身は式当日に婚姻届を出したため、結婚にまつわる記念日が2つあっていいなと思いました。(Jammyさん)
親世代と今とでは、結婚式と入籍の順番に違いがあるところで、「先に入籍する」と聞くとすぐには納得できない親も。
実は親世代のうち3人に1人が「昨今の状況を知らなかった」と回答。入籍より先に結婚式を挙げた親の中には「今もそれが普通」と思っている人もいるのです。もし反対されたら、まずは昨今の状況を説明しましょう。それですんなり了解を得られることも。
後は親に反対する理由を聞くこと。その上で「入籍するならこの日!という希望日がある」「結婚していないとふたりで住むマンションが借りられない」「結婚式は1年後、先に入籍して落ち着きたい」など、先に入籍する理由やふたりの思いをしっかり話すことが大切。
親に「結婚式→入籍もしくは同時じゃないの?」と言われましたが、「今は結婚式を挙げない人もいるし、入籍→結婚式が多い」と自分の友人の実例を挙げました。親も周りに聞いて、今の時代の傾向を知り、納得。(Tommyさん)
最初は入籍してしばらくしてから式の予定でしたが、私の両親が猛反対し、式当日の入籍を希望。早めの入籍は諦めても、交際記念日の入籍にはこだわりたかったので、強い思いを伝え、同じ週の休日に挙式、平日に入籍。(みきぽんさん)
反対されたら、結婚の許しをもらうための「親あいさつ」の時のようにふたりで出向いて真摯な姿勢を見せてみて。親も子の幸せを願っているので、分かり合えるでしょう。(Nanaさん)
形式的な結婚式より、法律上きちんと夫婦になる入籍の方が重みを感じます。そこをアピールして、「お互いに対して、そして社会に対しても責任ある行動を取りたいので、先に入籍したい」と話すと良いと思います。(Jammyさん)
私たちの時代は式場との打ち合わせも少なく、手作りするものもなくて式準備はラクでした。今どきの子たちは個性やこだわりのある式をする人も多くて大変そう。そこを理解してない親もいると思うので、ふたり一緒にしっかり準備したいことを強調して。(rioさん)
【メリット1:落ち着いてゆっくり式の準備ができる】
結婚式まではふたりで相談して決めなくてはいけないことが多く、手作業も多々あります。先に入籍して一緒に住み、それらの準備をいつでも行える状況にした方がふたりのペースででき、効率的でもあります。式準備は挙式3~4カ月前から忙しくなるので、入籍&同居はその前に。
【メリット2:生活費が節約でき、結婚式資金が貯めやすくなる】
お互い一人暮らしの場合、早めに入籍して一緒に住んで家計を一つにすれば、家賃や水道光熱費、食費などの費用が減り、結婚式やハネムーンのための資金が貯めやすくなります。
【メリット3:さまざまな制度が利用できる】
働き方によっては、入籍することによって配偶者控除や扶養控除が受けられるように。職場によっては、ファミリー向けの社宅に入れたり、お互いの職場の福利厚生が利用できるなど、得することが多くなります。
【メリット4:おめでた婚では母子手帳の発行がスムーズに】
おめでた婚の場合、妊娠が分かり次第、母子手帳を交付してもらいます。この手帳は未婚や既婚に関係なくもらえますが、未婚の場合、夫の氏名欄をどうするかなど、妊娠届出書や母子手帳の記入の仕方で悩むことも。その点、先に入籍してしまえばスムーズ。
【デメリット1:結婚式までに新鮮さがなくなる】
入籍から結婚式までの期間が長くなると、ふたりの関係が家族となり、結婚したての頃のウキウキワクワクした気持ちが薄れがちに。そのような気持ちで、改めて結婚の誓いを立て、指輪の交換をする儀式を行うことに違和感を持つことも。
【デメリット2:家事が増えて大変になることも】
今まで実家住まいで家事をあまりしていなかった人が先に入籍するとてんてこ舞いに。仕事から引っ越し・入籍にまつわる手続き・届け出、結婚式準備、家事までこなせる自信がない人は、かなり早く入籍して、家事に慣れてから式準備に移るか、入籍&同居は式後にするのがおすすめ。
【デメリット3:新姓・旧姓の使い方で悩むことがある】
入籍して新姓になった人は、招待状を新姓で出すか旧姓で出すか、プロフィールビデオやパンフレットに入れる名字はどうするかで悩むことがあります。これもどちらにしなければいけないという決まりはないため、親と意見が一致しないことも。
取りあえず入籍しましたが、式を挙げるか挙げないか、挙げるならどこで行うかなどを期限なしで検討できて良かったです。ただし、夫婦になってかなりたっていたため、式で改めて指輪交換や結婚証明書に署名するのに多少の違和感。(木間羽奈さん)
結婚式の8カ月前に引っ越し&入籍&同居開始。結婚式前に婚姻届を出すことで、結婚式というプロジェクトを成功させるためのチームとして一つになれた感じがしました。(雪乃さん)
メリットは結婚した報告と式招待の打診が同時にできたこと。入籍を機に退職したので、職場の人を呼ぶ・呼ばないで気を使わずに済んだこと。デメリットは、結婚式では旧姓で表記するものも多くてややこしかったこと。(かなえさん)
【メリット1:結婚式まで式の準備に専念できる】
入籍や同居を結婚式後にすれば、式までは式の準備に専念。式後に面倒な引っ越し&入籍に伴う手続きや慣れない家事、家計の管理を始めればよく、負担が軽くなります。
【メリット2:ゲストの承認を受けて結婚という真のスタイルが取れる】
挙式にゲスト全員からの拍手でふたりの結婚を承認してもらうシーンがあったり、結婚証明書に全員の名前を書いてもらったり…。先に結婚式を行えば、みんなの承認を受けてから入籍という理にかなった順番で進められます。
【メリット3:みんなの目の前で婚姻届に署名できる】
人前式にして、結婚誓約書の代わりに婚姻届を用意。式中ふたりで署名し合い、双方の親や親友などに証人としてサインしてもらうという演出もできます。
【デメリット1:式準備がなかなか進まない】
ふたり別々に住んでいると、会える時間が限られるため、肝心な相談事もSNSやメールでのやりとりになりがち。特に遠距離の場合、ふたり揃って打ち合わせに行ける機会も少なく、一方に負担がかかってしまうことも。
【デメリット2:式直後のハネムーンは旧姓のパスポートで行くことに】
入籍が結婚式の後の人が、挙式1~2カ月以内に海外へハネムーンに行く場合、新姓のパスポート発行は間に合わないので、旧姓のパスポートで行くことに。結婚したばかりでウキウキしている時期に、旧姓で旅行するのはちょっと残念な気持ちになるかも。
結婚式でゲストに祝福されてから2日後に入籍。「みんなに認められてからふたりの生活を始める」という流れをつくれたことが良かったです。デメリットは感じませんでした。(noayaさん)
親の希望もあって式を挙げてから結婚。結婚することを皆の前で宣言してから入籍に至ったのは良かったと思っています。式中、お互いの父親が証人として婚姻届に署名する演出もできました。(YUKIさん)
【メリット1:結婚にまつわる記念日を統一できる】
結婚記念日は入籍日でも挙式日でも良いのですが、多くの人は入籍日としています。入籍日と挙式日が異なると、結婚にまつわる記念日が2つでき、時間がたつと一方が疎かになることも。その点、式当日に入籍すれば結婚記念日が1つになり、記念日を毎年盛大に祝えるでしょう。
その他、「結婚式が先」のメリットも当てはまります。ただし、「結婚式が先」の2と3のメリットが当てはまるのは、結婚式の帰りに婚姻届を提出することが条件です。
【デメリット1:式当日にやることが増える】
式当日はお支度からお開き後の片付けやゲストのケア、二次会などで一日バタバタします。婚姻届は日本全国どこの役所でも24時間受け付けとはいえ、さらに役所まで出向くのは大変。挙式前は交通渋滞などによる時間的リスクもあるので、ナイトウエディングでなければ、式の帰りに提出するのがおすすめ。
【デメリット2:書類に不備があると入籍日がずれる】
土日祝や夜間に提出する場合、受け取ってくれるだけで書類のチェックは後日。もし不備があると再提出となって入籍日がずれることも。
それを避けるため、記入した婚姻届を事前に役所に持参して不備がないかチェックしてもらいましょう。
その他、「結婚式が先」のデメリット1と2も該当します。
旧姓を気に入っていて、入籍は嬉しい半面、寂しいことと感じていましたが、結婚式の日に入籍することで気持ちの整理ができました。ただ、当日は早起きとなり、市役所に行く頃にはクタクタに。(こはるさん)
神社の神様の前で夫婦として誓った後に婚姻届を出したくて、挙式日に入籍。おかげで結婚記念日がより特別な日になり、毎年のお祝いがしやすくなりました。(木村舞さん)
「入籍と結婚式の順番について親への相談なく、ふたりで決めてしまうこと」に対して、どう思うか親世代に聞いたところ、以下の結果に。(★)
●問題ない(自由に決めていい)……54.3%
●相談した方がいい・相談しないのは非常識……25.7%
●なんとも思わない……17.1%
●家庭によって状況が異なるので分からない……2.9%
4人に1人が日取りの相談を希望。ふたりが自由に決めることを問題ないと思っている親も、入籍後の報告は嫌なようで、多くが入籍するまでの間の報告を希望していました。わが子の結婚は親にとっても大切なこと。できるだけ早めに話しましょう。
まだパスポートを持っていない人や新姓のパスポートでハネムーンに行きたい人は婚姻届提出から新しい戸籍ができるまでの期間や、パスポートの申請から受領までの期間を考えて、ハネムーン出発の2カ月前には婚姻届の提出を。
パスポートの名前と航空券の名前が一致していないと飛行機に搭乗できないので、予約は新姓で。婚姻届を提出したらクレジットカードの氏名変更の手続きもしましょう。
「結婚式」と「入籍」の順番にルールはないけれど、海外挙式を行う場合は要注意。
●リーガルウエディングの人は挙式後に入籍
現地の法律に従って婚姻を認めるための結婚式を行うので、ふたりとも独身であることが挙式の条件。海外挙式には旧姓のパスポートで行き、帰国後、役所に現地で発行された婚姻証明書とその翻訳を提出して新しい戸籍をつくります。
●ブレッシングウエディングの人は先に入籍
すでに結婚しているふたりが神様の祝福を受ける挙式スタイルで、渡航前の婚姻届提出が挙式の条件。新姓のパスポートも必要なので、2カ月以上前には婚姻届を提出。
今や約9割が結婚式よりも先に入籍していましたが、「だから私も」と簡単に決めないで。それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分たちにとってのベストな順番を考えて、親にも相談。そして、みんなに祝福される結婚にしましょう。
構成・文/渡邊博美 イラスト/itabamoe D/ロンディーネ
※記事内のデータの無印は「ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)」、★印は2025年7月に3年以内に子どもが結婚式を挙げた50~60代の既婚女性110人が回答したマクロミル調査、コメントは同マクロミル調査と「ゼクシィ花嫁会」のメンバー116人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年9月時点のものです
※「入籍」はすでにある戸籍に入ることです。しかし本記事では便宜上、結婚を入籍と表現しています