【顔合わせ食事会】女性の服装は?マナー&コーディネートを紹介
顔合わせ食事会は、両家が初めて正式に対面する特別な場。その日の印象が今後の関係に影響を与えることもあります。そんな大切なシーンでは、TPOをわきまえた服装と、基本的なマナーをきちんと押さえておくことが大切。そこでフォーマル、セミフォーマル、カジュアル…ファッション別に顔合わせ食事会にふさわしいコーディネートを解説します。好印象を与えるためのヒントをチェックし、安心して当日を迎えましょう。
顔合わせ食事会は、両家が初めて正式に対面する特別な場。その日の印象が今後の関係に影響を与えることもあります。そんな大切なシーンでは、TPOをわきまえた服装と、基本的なマナーをきちんと押さえておくことが大切。そこでフォーマル、セミフォーマル、カジュアル…ファッション別に顔合わせ食事会にふさわしいコーディネートを解説します。好印象を与えるためのヒントをチェックし、安心して当日を迎えましょう。
岩下宣子さん
マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
ドレスコードは、和装・洋装を問わず両家それぞれの『格』を合わせることが大事です。相手の家族は正装なのに、こちらはラフな普段着だと恥をかいてしまいますよね。身だしなみを整えるのは「あなたを大切に思っています」というメッセージです。お互いに気まずい思いをしたり不快にさせたりしないように、事前に相談して服装の格を合わせましょう。普段あまり親と連絡を取っていない子どもにとっては、この婚約が親とコミュニケーションを取る貴重な機会にもなります。
次に意識したいのが、「会場の雰囲気に合わせた装い」を選ぶこと。例えば格式高いホテルのレストランや老舗料亭などでは、きちんと感のあるフォーマルな服装が求められます。一方、カジュアルなレストランや自然光の入るカフェ風の会場であれば、少し肩の力を抜いたセミカジュアルスタイルもOK。ただし「きちんと感」は必ず意識し、ジーンズや派手すぎる色柄などは避け、場にふさわしい落ち着いた装いを心がけましょう。
服装は、その場の空気をつくる一要素でもあります。会場や一緒に食事をする人に敬意を払い、会場の雰囲気と調和した服装を選ぶことで、自然な笑顔が生まれやすくなり、和やかな会話が弾むきっかけにもつながります。
忘れてはならないのは「季節感」。季節にふさわしい服装は、見た目の美しさだけでなく、相手や場への心配りを感じさせます。春であれば淡いパステルカラーや軽やかな素材を取り入れたスタイルが好印象。夏には通気性の良い素材や涼しげな色みを選びつつ、肌の露出を控えめにすることで上品さを保てます。秋冬の食事会では、落ち着いたトーンや暖かみのある素材を選ぶことで、季節感を演出できます。
季節を感じさせる服装は、写真に残した時の印象にも大きく影響します。桜の咲く季節に軽やかなスーツやワンピース、紅葉の頃にこっくりとした色合いの装いなど、季節の雰囲気と調和したコーディネートは、後々見返しても「その日らしさ」が伝わる記念の一枚になります。
淡い色みの振袖は、華やかで派手すぎず顔合わせにも最適。思い入れのある振袖を選んで着用するのもおすすめ
結納の儀式を行わず顔合わせ食事会だけの場合でも、和装を選べば「婚約イベント」らしいきちんとした雰囲気を演出できます。振袖は未婚女性の第一礼装とされており、結婚前の晴れ姿としてふさわしい服装。振袖にはさまざまな文様があり、季節や会場の雰囲気、好みに合わせて選ぶ楽しみもあります。料亭やホテルなどの会場にも調和し、写真に残る一日をいっそう特別なものにしてくれるでしょう。
着物は桜や梅、菊、鶴など縁起の良い柄を選び、帯締めや帯留めで季節感やトレンドを取り入れるのも◎。髪飾りは着物と調和する小ぶりなものを選び、草履は白や金、着物に合わせた色で台が高すぎないものだと歩きやすいです。
結納ではなく顔合わせ食事会でしたが、どうしても両親にあつらえてもらった大好きな振袖を最後に着用したく、着付けをお願いできる結婚式場の中の、振袖にも似合う和食のお店を選びました。(まりさん)
独身最後の機会だったため、親戚に振袖を借りて、いとこに着付けをしてもらいました。メイクは自分で行ったのですが、和装用のメイクがわからず、また緊張して寝不足でメイクノリが良くなかったので、和装メイクを練習しておけばよかったと思いました。(てるちゃんさん)
亡くなった母が成人した時に着た振袖を着たくて、祖母の家にわざわざ取りに行きました。おばあちゃんも喜んでくれて、天国の母もきっと見ていてくれたと思うと振袖を着て良かったなとあらためて思いました。(真由さん)
レースをあしらった華やかなタイトスカートの上品なドレス。袖があるドレスなら、一枚でも◎。ジャケットを合わせると、よりきちんと感がアップ
女性の洋服の格は、ワンピース、アンサンブル、ツーピース、スーツの順。フォーマルなワンピースなら、結納、顔合わせ食事会どちらにも通用します。ワンピースは膝が出ないスカート丈で、肌の露出が少ないデザイン、派手すぎない色柄を選びましょう。素材に上質なレースやシフォン、シルク調の生地を取り入れると、自然な華やかさとフォーマルな印象を同時に演出できます。
靴とバックは服とのトータルコーディネートで落ち着いた色を選び、お揃いの色にすると効果的。バッグは小型から中型のシンプルなデザインを。ネックレスやイヤリング、ピアスは正礼装のアクセサリーであるパールを着けると格が上がります。
せっかく一生に一度の大切な集まり。両家両親が服装にも悩みそうで、私たちがフォーマルにすることで両親もスーツを選びやすいと思って選びました。ヘアはハーフアップで程よく抜け感を出せるようにしました。(寧々さん)
友人の結婚式に参列した時に着たレース地のワンピースにパールを合わせてコーディネートしました。メイクは落ち着きもありつつ華やかさを感じられるように意識しました。(えみさん)
花柄のワンピースで清楚にかわいらしく。パンツスーツやセットアップのコーディネートもスマート
セミフォーマルは、きちんと感を意識しつつも、和やかな雰囲気を大切にしたい食事会にぴったり。ワンピースは膝丈~ミモレ丈が基本。柔らかい色みや素材で、程よいフォーマル感を出しながらも親しみやすさを大事にして。ワンピース以外にも、セットアップやパンツスーツもおすすめ。袖あり、または羽織りものをプラスするとより好印象です。
ベージュ、淡いピンクやグレージュなどの色合い、上品な花柄は、彼の家族にも優しい印象を与えます。シフォン、レース、サテンなど、柔らかで品のある素材を選んで。パールのネックレスや小ぶりのイヤリング、バッグや靴もシンプルかつ上質なものを選び、全体の統一感を大切に。
堅苦しくなりすぎず、でもきっちり行いたかったので、ブラウンのワンピースにしました。ネックレスやピアスもダイヤモンドでまとめました。(Tsubasaさん)
彼の家族とは昔からの付き合いですが、こういう場はしっかりしないと、と思い、彼にプレゼントしてもらったワンピースを着ていきました。髪も巻きすぎずナチュラルに下ろして、派手にならないように小さめのバッグを合わせました。(美咲さん)
カットソー&ロングスカートで上品にまとめて。シャツスタイルは清潔感がポイント
「気軽な雰囲気で」という両家の希望で、きれいめカジュアルや上質な普段着を選ぶ新婦も増えています。普段の雰囲気が伝わり、「気取らず自然体なところが魅力的」という印象を与えられるのが、カジュアルスタイルのメリット。
Tシャツやデニムは避け、ブラウスやニット、テーパードパンツ、フレアスカートなど品のあるベーシックアイテムを選びましょう。色使いはナチュラルにホワイト、ベージュ、ライトグレー、ネイビーなど、清楚で控えめな色みを中心にまとめると上品。柄物を選ぶ場合は、小さめの花柄やドットなど、落ち着いたトーンを。アクセサリーはパールやシンプルなゴールドなど、小ぶりで主張しすぎないアクセサリーが◎。足元はパンプスやバレエシューズなど、ヒールの有無にかかわらず清潔で品のあるものを選ぶのがマナーです。
かしこまらずに普段通りの雰囲気がいいと、両家からリクエストされたので、なるべくカジュアルに。彼からプレゼントしてもらったネックレス・ピアス・指輪を着けて、婚約指輪に合うネイルにしました。(KANACOさん)
顔合わせ食事会は百貨店内の飲食店の個室でランチをしたため、あまりかしこまりすぎず、「両家共に平服で」と事前に打ち合わせをしていました。ブラウン系の小花柄のワンピースで、普段通りの服装にしました。(舞さん)
上品で清楚に、盛りすぎず華やかに。透明感あるナチュラルなツヤ感が◎。マットよりも、潤いのある仕上がりで健康的な印象を。マスカラはにじみにくいものを選び、ラメや濃いシャドーは避け、柔らかなグラデーションで目元に深みを。チークとリップはピンクベージュやコーラル、ローズなど、自然な血色感を与えるカラーで、ツヤ感のある控えめな発色が好印象です。
小ぶりで上品に、ネックレスやピアスに一粒パールや淡水パールを取り入れると、清楚さが加わります。ゴールドやシルバーは華奢なものを選び、存在感の強いビジューや大ぶりデザインは避けて。ワンピースやブラウスの襟が詰まっている場合はネックレスなしでもOKです。
全体のトーンと調和させて、バッグは小ぶりで上質な素材を。革やフェイクレザー素材の落ち着いたカラーがおすすめです。カジュアルすぎるキャンバス地のトートやリュック、ブランドロゴが目立つバッグはNG。
靴は爪先が隠れるデザインが基本。シンプルなプレーンパンプスで、ベージュやグレー、アイボリーなど落ち着いた色味を。ヒールは高すぎず、歩きやすさと安定感も大切です。ピンヒールや装飾が派手なものは避けましょう。
まとめ髪やハーフアップなど、すっきりまとめると清潔感が増し、顔周りが明るく見える効果も。ゆるすぎるダウンスタイルはラフに見えるので注意。ダウンスタイルなら丁寧にブローし、ヘアオイルやスプレーできれいに整えて。
派手なネイルや長すぎる爪は控え、ベージュやピンク系のワンカラ―やグラデーションが好印象。ネイルをしない場合は、爪の形やツヤのケアをするだけでも清潔感が伝わります。大切なのは気遣いが伝わる身だしなみです。
和装に合うようにヘアはシンプルなシニヨン。振袖に負けないように発色の良いアイシャドーやチーク、リップを使用し、親世代からの印象を気にしてネイルは長すぎず、シンプルなものにしました。(risaさん)
髪が乱れていると印象が悪いので、ヘアアイロンでセットして清潔感を出しました。派手ではないパールイヤリングを着けて、清楚な印象になるよう気を付けました。(まろんさん)
濃いメイクが好きで、結婚したらいずれバレると思い、取りあえずいつもの8割くらいのメイクで行きました。(ベルさん)
両家親が初めて会う「顔合わせ食事会」。ふたり以上に親が「何を着ていけばいいの?」と悩みがちですよね。次の記事では、先輩の実例スナップを基に、両家父母が何を着たか、どうやって揃えたかをご紹介。父、母の服選びのヒント満載なので、ぜひ参考にして。
「顔合わせ食事会」や「結納」で、どんな服を着るべきか悩んでいる花嫁さんへ。目指す雰囲気や場所別に服装全5タイプをご紹介!ふたりや父、母はもちろん、兄弟、姉妹の分まで、コーデのお手本イラスト付きでお届けします。
顔合わせ食事会から、両家の長いお付き合いが始まります。場にふさわしい装いは、好印象を与えるだけでなく、これから始まる家族の関係を円滑に築く第一歩となります。いつもの自分らしさに加えて、上品さと清潔感を意識し、相手の家族への礼儀と感謝の気持ちを服装でも表しましょう。
構成・文/竹本紗梨 イラスト/二階堂ちはる
※記事内のデータおよびコメントは2025年5月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー110人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年7月時点のものです