
年齢差29歳のふたりの幸せのカタチ~『1/LOVERS』
結婚したって、しなくたって、何度したって、いい。
一緒に暮らしても、それぞれに住まいがあっても、いい。
家族が増えても、ずっとふたりっきりでも、誰が何と言おうとも。
ふたりの決めた幸せは、全部、いい。
みんなのカラフルな“幸せのカタチ”をシェアしていきましょう。今回は「年の差29歳だけどギャップなし」というふたりの話──。
世代の違いなんて何のその!
シンプルに好きになった人と人とのご縁
告白は彼女から。年齢差29歳にためらいもせず、気持ちの勢いのまま電話で。「私、年齢とか性別とか気にならないんです。人間と人間のお付き合いだから、人間が良ければいい」と彼女。恋心を抱きつつも「ありえない」と諦めていた彼の答えは、もちろんYES。
出会いのきっかけは、それぞれ気にかけていた捨て猫。当時、彼女は家事もままならないほどの、うつ状態だったが、自分では病に気付かず伏せていると、彼が勝手に精神科を予約して救い出してくれた。
とにかくふたりは、生き物という生き物が大好き。猫に限らず爬虫(はちゅう)類も芋虫もガも!そして、なんと彼からの初プレゼントはフナムシ! 「生き物好きな私を、こんなにも理解してくれる人がいるなんて♪」と、童心に返って遊び倒す生活が始まった。
同居を始めると、彼はけじめをつけるため「殴られる覚悟で」彼女親へのあいさつを希望。寝耳に水の母は「29歳差!?おじさんじゃん!」と声を上げ、「どういうつもりなの?」と彼に詰め寄った。けれど次第に理解を示し、懐深く「娘が良ければいい」のスタンスに。今では月1回、2泊3日で彼女の実家にお泊まりするほどの仲になった。
次第に一緒になったことへの“責任”を抱くようになった彼に、「そういうのいらない」と彼女は一蹴。「事実婚だろうが結婚だろうが、それぞれ違う人生。一緒にいるけど他人だから、自分の人生を充実させていこっ」と、60年の経験を超える言葉。「彼女といると発見の連続なんです。恋人であり、妻であり、お母さんでもある」とニッコリ。
中には彼が先に旅立つ可能性を心配する人もいるけれど、問題なし。「その時が来たら新しい男を見つけるから」と笑う彼女を、恋人のような、夫のような、父のような優しいまなざしが包み込んだ。
Photo Episode
[Photo1]
以前は蛇やトカゲと暮らしていたが今は猫6匹との生活。穏やかな部屋でふたりゲームに没入する日々も。
[Photo2]
壁に彼女のイラスト。絵本を描きたい夢がある。一方、彼は10代の頃の夢が再燃。ひそかに俳優へのチャレンジをもくろむ。
YouTubeでふたりのトークを配信中

旦那さん(60歳)
嫁ちゃん(31歳)
彼はテレビ番組制作会社を定年退職してゲームや釣りざんまい。彼女は昆虫観察や絵を描いて過ごし、それぞれにワクワクを満喫。事実婚。
構成・文/千谷文子 撮影/保田敬介 D/mashroom design
※掲載されている情報は2025年3月時点のものです
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