
法律婚×事実婚をフレキシブルに切り替える幸せのカタチ~『1/LOVERS』
結婚したって、しなくたって、何度したって、いい。
一緒に暮らしても、それぞれに住まいがあっても、いい。
家族が増えても、ずっとふたりっきりでも、誰が何と言おうとも。
ふたりの決めた幸せは、全部、いい。
みんなのカラフルな“幸せのカタチ”をシェアしていきましょう。今回は、法律婚と事実婚を軽やかに行き来するふたりの話──。
婚姻届にこだわりなし!
紙じゃなく、愛に守られている
周囲への結婚報告のため婚姻届を提出し、2週間後には仕事に影響しないよう籍を抜いて旧姓に。長男の出産直前には扶養手続きをスムーズに進めるため、彼の姓に戻った──。
ふたりにとって戸籍の記録は単なる紙の筆跡。気持ちが離れた結果でもなく、寄りが戻った証しでもない。
法律婚と事実婚をフレキシブルに行き来するうちに、一緒にいたい思いは変わらないことを確信、深い愛に包まれる感覚を持つようになった。
「私のぶっ飛んだ結婚観をありのままに懐深く受け止めてくれている。法律じゃなく、彼に守られている安心感がある」とまいさんは話す。
出会ったのは幼少期。のどかで小さな町に育ち、保育園から小学校の9年間、仲の良いクラスメートだった。その後は年賀状や同窓会などで細い繋がりを保ちつつ、30歳を過ぎてから彼の誘いで再会。1年足らずで結婚を決めた。
そこで彼女の中によみがえったのは、大学の恩師の言葉。「名前を変えると研究履歴がなくなるから、私は事実婚。子どものために時々、籍を入れるけど」と、アッケラカンな様子に当時は度肝を抜かれたが、「それいい!」と彼に相談した。
当時、日本史研究者を目指していた彼女は過去の研究や編集者として培った仕事の記録を、新姓になることでゼロにしたくなかった。
「そうゆうのできるんだ?」と驚く彼は、自分の中になかった考えに耳を傾け、「じゃあ婿入りにしよう」と苦とも思わず提案。しかし親の意向で叶わず、彼女が言う“楽でベスト”な策を受け入れてきた。
近く、彼女の仕事復帰に合わせて籍を抜く計画だ。「でも次は選択的夫婦別姓制度を利用したい。これ以上、法律で彼女に負担をかけさせたくない」としみじみ。
「一緒にいることこそが一番大事」というふたりは、シンプルな発想と行動で強く結ばれている。
Photo Episode
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寺や城を巡ったり文化に触れたりするデートがふたりのお気に入り。一緒にいて居心地が良く、付き合って3カ月で結婚を決めた
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彼は会社と労働局の間で根気強くやりとりを繰り返し、社内で“パパの育休第1号” に。半年の育休のおかげで子育て大好き!
YouTubeでふたりのトークを配信中

よしきさん(39歳)
まいさん(39歳)
2歳の愛息の子育てに奮闘中。最近は中古物件を購入し、DIYの計画も楽しい日々。週末は彼が得意のスイーツを作ってくれて、甘い香りで目覚めることも。
構成・文/千谷文子 撮影/保田敬介 D/mashroom design
※掲載されている情報は2025年2月時点のものです
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