[親世代に調査] 義父母への新妻の振る舞い、「これって気になる?」
結婚後に始まる、義父母たちとの長~いお付き合い。日常のちょっとしたことからイベントまで、その日々は「どうするべき?」「気に障ったかな?」と自分の振る舞いが気になるシーンが少なくありません。アリ、ともナシ、とも明確には正解を出し難い微妙なラインについて、親世代206人に「気になる、気にならない」をアンケート!
日常のちょっとしたことからイベントまで「ありがちなシーン」をジャッジ!
さまざまな「ありがちなシーン」を想定し、過去3年以内に結婚した息子を持つ親世代に「どう思うか」を調査しました。その結果を紹介しつつ、新妻の「ベターな振る舞い」をアドバイス!
今回、マナーを教えてくれたのは
現代礼法研究所
岩下宣子先生
日本に伝わるしきたり・礼儀に精通し、その上で今の時代に即したマナーを提案。自分と周囲が気持ちよくハッピーでいられるための知識を教えてくれる。
イベント編
義父母の誕生日に、何もしない。
気にならない派が多数。ちなみに、電話やメールがあった場合は「プレゼントがなくても気にならない」という声は94%にも上り、ほぼ気にならないという結果に!誕生日にはぜひとも連絡を。
彼の親のホンネって?
【気にならない】
私もうっかり忘れたりしてしまうことがある。そんなことを気にしてたら長い付き合いはできないと思っている。(女性・64歳)
【気にならない】
いつも母の日に頂いているし、誕生日にもおめでとうのSNSメッセージをくれるので、もし何もなかったときは具合でも悪いんじゃないかと心配にはなるが、彼女に対して嫌な気持ちにはならない。(女性・64歳)
【気にならない】
自分の子どもが忘れているから、嫁が忘れていても気にならない。父の日・母の日に気に掛けてくれているからそれでいい。(女性・56歳)
【気にならない】
自分自身もそういうことはしていなかった。する必要はないと伝えている。(女性・56歳)
【気になる】
長男が結婚したのですが、結婚前は次男と一緒にお祝いの品を贈ってくれていたので、結婚したらなくなるというのは寂しい。状況はわかっていても寂しい。(女性・61歳)
【先生に質問】誕生日を忘れた場合のフォローは?
「忘れていたことに気付いた時点で、即、電話やメールを。変に言い訳をせず『忘れていて、ごめんなさい!』と素直に伝えてお祝いの言葉を述べるといいですね。プレゼントは必須ではありませんが、ちょっとした物でも何かあると喜ばれるもの。カードだけでも『気に掛けてくれた』という気持ちは伝わると思います」
父の日・母の日に、何もしない。
こちらも何もなくても気にならないと考える親が多く、電話やメールがあった場合は「プレゼントがなくても気にならない」という声は9割に上りました。注目すべきは、誕生日よりも、父の日・母の日に何もない方が、「気になる」人が多いという結果。誕生日よりも重視すべきでしょう。
夫の親のホンネって?
【気にならない】
自分の親とか息子との間でも、そういうことはしてこなかったので、気にならない。(女性・60歳)
【気にならない】
何でもないときにもたびたび連絡をくれるので、気にならない。(女性・63歳)
【気になる】
自分の娘ではないので何もなくても仕方ない。ただ、電話一本でももらえれば大変嬉しい。ただし、わが家は息子2人なので、息子の妻を大変かわいく思っているので、もやっとはしますが、それ以上の感情にはなりません。(男性・56歳)
【気になる】
毎年世間的に盛り上がっているから、気付かないはずはないと思うので、がっかりしてしまう。(女性・55歳)
【先生に質問】正直、お祝いが多いと大変。優先するならどれですか?
「それぞれのタイミングでお祝いできると理想的ですが、特に贈り物を欠かしたくないのは母の日など世間で設定されているもの。皆が盛り上がっているときに何もないと寂しく感じますから。といって誕生日に何もしないのも避けて。言葉のプレゼントと、お花一本でも贈るようにしたいですね。ただ、お中元やお歳暮といった儀礼を重視する親御さんであれば、こちらも合わせてそのタイミングで贈り物を」
夫婦揃って、法事を欠席。
夫婦揃って欠席する場合より、夫は出席・妻は欠席の場合の方が、「気にならない」割合は82%まで上昇。この結果からどちらかだけでも出席した方がよいですが、法事は事前に予定が決まっている場合が多く、「出席して当然」と考える親も少なくありません。できるだけふたりで顔を出すのが理想的。
彼の親のホンネって?
【気にならない】
仕事なら仕方ない。理由があるなら全く気にならない。(女性・59歳)
【気にならない】
自分の祖父母の法事までは来てほしいが、遠方にいるのでやむを得ない。(男性・68歳)
【気になる】
誰の法事かにもよりますが、近親者の場合は遠くても後からでも来てほしい。(女性・55歳)
【気になる】
事前に日時がわかっているので、出席してほしい。(女性・60歳)
【先生に質問】法事を欠席する際のマナーやフォローって?
「身内として、準備に積極的に関わるとよいですね。例えば法事に必要なお花の手配を買って出る、お客さまに出すお菓子や果物を送る。ほか、法事に先立って訪問し仏壇の掃除を手伝うなど。その場よりも前の段階でできることはいくつかあります。お手伝いできることがないかどうか聞いてみてください。ちなみに香典を送るのは、よそよそしい印象を与えかねないので、控えるのがベター」
日常のやりとり編
連絡を入れるのは、要件があるときだけ。
親の性格にもよりますが、「要件があるときだけで構わない」との声が多く、その背景には夫婦の生活に介入し過ぎることを控える気持ちもあるようです。一方で、「自分の体調不良を息子から聞いているはずが、音沙汰がない」ケースについて気になるかどうかを調査したところ、気になるとの回答は2割と少し高め。様子をうかがう連絡を入れるとよいかもしれません。
夫の親のホンネは?
【気にならない】
お互い自分たちのペースで、ストレスがないように過ごせればそれでよい。(女性・53歳)
【気にならない】
息子もこれまでそんな感じできてたから、気にならない。連絡をくれるだけでも嬉しい。(女性・61歳)
【気にならない】
必要なときに、気楽に連絡を取れる間柄なら問題ない。(女性・63歳)
【気にならない】
別に構わない。息子夫婦が仲良くしていれば十分。(女性・58歳)
【先生に質問】彼の親への連絡頻度は、どのくらいにすべき?
「相手の性格にもよるので正確な答えを出すことは難しいのですが、1カ月に一度は連絡を取るように心掛けては。相手が連絡を積極的に取りたがらないタイプの場合は、返信を求めないメールを。『ご機嫌いかがですか』のひと言と近況を伝えるだけでも構いません。子どもができたら1週間に一度の電話にしてもよいでしょう。孫とのやりとりは喜んでもらえるはず。また連絡のタイミングは、決めてしまうのがおすすめ。カレンダーに丸を付けて忘れないように」
頂いた贈り物には、それを上回るお返しを!
今回の調査の中で最も「気になる」率が高かったシチュエーションがこちら。ちなみに、贈り物に対して電話やメールでのお礼があればお返しがなくても気にならないという声は96%にも! 頂いた物を上回るお返しは、絶対にNGと考えて。
彼の親のホンネとは?
【気になる】
お返しを求めてしたことではないから、次に送りたいときにちょっとちゅうちょする。かえって迷惑を掛けてしまったとこちらが気になる。(女性・56歳)
【気になる】
身内のやりとりなのに他人行儀な感じがするから。(女性・56歳)
【気になる】
こちらに張り合うようで、嫌。(女性・60歳)
【気にならない】
別に深くは考えない、たまたまだったのかなと思う。(女性・64歳)
【先生に質問】感じのよいお礼は?お返しの品は必要ですか?
「お返しの品は不要。最も大切なことはスピーディーなお礼です。贈り物を手にしたらなるべく早く電話、あるいはメールなどで感謝の言葉を伝えてください。お礼は相手との連絡を取るよい機会となります。電話もしやすいはずですので、普段やりとりが少ない場合はあえて電話でお礼を伝え、近況を聞くなどしてコミュニケーションを図っては」
彼の母からのプレゼントを、身に着けてない。
「気持ちで贈っているから、身に着けなくても気にならない」との声が多く上がりました。使用するかどうかについて神経質に考えることはありませんが、使わないことに対する「気になる」人の割合は、ほかのシチュエーションより少し高め。今一度、使うかどうか考えて!
彼の親のホンネとは?
【気にならない】
プレゼントしたかっただけなので、後は任せる。(女性・57歳)
【気にならない】
私が気に入って贈っただけなので、息子の妻が気に入ったかどうかまで気にしない。(女性・65歳)
【気になる】
モヤッとはしますが、それ以上の感情はない。(男性・56歳)
【気になる】
気に入らなくても、一度は使っているというところを見せてほしい。(女性・51歳)
【先生に質問】頂いたプレゼント、実はあまり気に入っていない……
「使用しないことで関係がこじれるというのは少ないと思いますが、身に着けるなど使う姿を見せることで、相手に伝わるものはあるのでは。『お嫁さんのために』と時間をかけてくれた気持ちに応えることができると思います。会う日だけは身に着けるとよいかもしれません。1回や2回でもよいですし、人によってはプレゼントしたこと自体をすぐに忘れてしまうかもしれませんよ」
訪問&お招き編
手伝いを申し出て「座ってて」の返事に、即、座っちゃう。
「必要なときはお願いする」といった声も多いので、ここは座っても問題なさそう。そこへ至るまでについては、下記アドバイスも参考に。ちなみに「お風呂に先に入って」とすすめられて、即従った場合の「気になる」割合はたった3.4%と少数派。お礼を伝え入らせてもらって問題なしでしょう!
彼の親のホンネって?
【気にならない】
気を使うから1人でやりたい。(女性・52歳)
【気にならない】
「いいよ」とこちらが言ったのだから気にしない。手伝ってもらうときはちゃんと言う。(女性・59歳)
【気にならない】
狭いし、2人では身動きできない。いつも作って息子に食べさせてくれているので帰ってきたときはゆっくり休んでほしい。(女性・63歳)
【先生に質問】「座ってて」と言われたら、どうするべき?
「最初の申し出を断られても、もう一度。2回目の申し出に対して『大丈夫よ』と断られたらそのまま座ってもよいですし、あるいはこちらから別の提案をするとよいでしょう。食事準備の手伝いを断られたなら、『では配膳をお手伝いさせてください』など。申し出はすぐに引っ込めないようにしたいですね」
食後の洗い物を手伝わない、申し出ない。
今回の調査で2番目に「気になる」割合が高かったシチュエーションがこちら。また「手伝いを断ってもやろうとする」という息子の妻の振る舞いに対して、気になると回答した人の割合は10%以下。洗い物は敬遠される手伝いではないことを意識して。
彼の親のホンネって?
【気にならない】
それぞれの家庭で息子の妻も家事をしているから申し出なくても気にならない。(女性・56歳)
【気にならない】
自分のやり方もあるし、いちいち説明するのも面倒なので何ら問題はない(女性・64歳)
【気になる】
いつもより片付ける量が多いのだから、そこのところをわかってほしい。(女性・61歳)
【気になる】
申し出もなく、やってもらって当たり前というような態度だったら、気になる。(女性・56歳)
【先生に質問】手伝いの申し出を断られたら、どうすればよい?
「申し出は2回、をここでも踏襲しましょう。特に食後の後片付けは、誰にとっても面倒に感じる作業であり、これを手伝うあるいは請け負ってくれることに対し喜ばない人は少ないはず。まずは申し出ることをおすすめします」
義父母宅に泊まったときは、遅くまで寝てる。
「早起きされても困る」「リラックスしてくれている証拠」「ゆっくりしてほしい」など好意的な意見が多く、寝ていることについては問題にならないよう。寝坊させてもらったらお礼のひと言を。
夫の親のホンネって?
【気にならない】
気を許してくれていると思う、そんなもんです。(女性・64歳)
【気にならない】
気を使って早起きされるより、寝ていてもらった方が、朝の用事をこちらも気を使わずにテキパキこなせてよい。(女性・56歳)
【気になる】
お互いが前日に予定を立てればよかったと思う。(男性・56歳)
【先生に質問】正直なところ、早起きはとても苦手。まずいですか?
「起床時間を決めるには2つの方法があります。一つは『明日は何時に起きますか?』と親に聞き、その時間に自分も起きること。2つ目は『朝が苦手でいつも8時起床なんですけど、よいですか?』などと素直に聞いてしまうこと。親の手前『頑張らないと』と考えるかもしれませんが、長いお付き合いにおいて無理は禁物です。お互いが気持ちよく過ごすための方法を考えることに力を注ぎましょう」
義父母を招く際、食事を作ることはない。
家事や仕事で慌ただしい中では、訪問時の準備が負担になることも。そんなときは、外食やテイクアウトに頼っても問題はなさそう。また「彼の親の泊まりがけの訪問時にはホテルを利用してもらう」というシチュエーションについて調査したところ「気にならない」との回答は8割以上に。アウトソーシングしながら、心身に余裕を持って丁寧に迎えるとよさそう。
彼の親のホンネって?
【気にならない】
ふたりがそれでよければ問題なし。そもそも料理はお嫁さんだけの仕事ではない。(女性・53歳)
【気にならない】
食生活が心配になるが、息子がいいなら親が口を出すことではないので。(女性・64歳)
【気にならない】
料理が好きで自慢なら、振る舞ってくれると思うので、そうでないなら別によい。(女性・63歳)
【先生に質問】外食ばかりのときのフォローは?
「お茶の時間を自宅で設けてはいかがでしょうか。ふたりの暮らしぶりを見てみたいという親御さんの気持ちにも応えてあげられます。泊まりがけの訪問時にホテルを利用してもらう際もこのようにお茶にお招きするとよいですね。その後のお夕飯はホテル内か近くのお店で外食を。もちろん、ふたりがご招待してあげてください」
彼の親に対して、どのように接する?
隣に住む、良いおばさん……くらいに思って接するとうまくいく!
自分の親と結婚相手の親を比べることは不幸の元になりかねない、と岩下先生。そこで役立つのが“隣のおばさん(おじさん)”という意識。過度な期待は抱かず、でも丁寧に親しみを持って接する気持ちは忘れずに。また、親は頼られていると感じると嬉しいものだそう。甘え過ぎは要注意ですが“相談に乗ってください”“教えてください”といった姿勢は大切に。「引いたり、押したりしながら相手の立場になって観察して、お互いがハッピーになれるコミュニケーションを探ってください(岩下先生)」
From 編集部
親たちの思いも受け止めて、相手を大切に!
さまざまなシチュエーションにおいて「気にならない」との回答が多く、今の親世代の寛容さを実感する結果となりました。「親たちの大半が自らのしゅうと・しゅうとめと接した経験から、“子どもの家庭生活に深く入っていかないように”と意識しお互いが気持ちよくいられる方法を考えています」と、岩下先生。そのような考えがあることを知り、思いやりを忘れずに接していきたいですね。
構成・文/弘中栄美 イラスト/つぼゆり D/mashroom design
※掲載されている情報は2021年4月時点のものです
※記事内のコメントおよびデータは、2021年2月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー73人が回答したアンケートと、過去3年以内に結婚した息子を持つ50~60代の男女206人が回答したマクロミル調査によるものです
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