和婚花嫁123人に聞いた【神前式・仏前式】の魅力と会場選びのポイント
「白無垢や色打ち掛けを身にまとい、厳粛な雰囲気の中で和風の結婚式をしたい! でも、周りに和婚をした人もいないし、参列経験もないから、どんな観点で会場選びをしたら良いかわからない」。そんな花嫁さんに、和婚の魅力と先輩花嫁が和婚の会場選びで重視したポイントをご紹介!
和婚の魅力って?どんな会場で挙げられる?
神社や寺、ホテルや専門式場の神殿など
日本独自の伝統を感じ、白無垢や色打ち掛け、和髪などを楽しめる和婚。神社や寺、ホテルや専門式場にある神殿などで、厳粛な雰囲気の中執り行われます。家と家のつながりを重視するため、列席は両家の親族のみの場合が多いですが、友人や知人の列席がOKな会場も。神前式・仏前式には以下の特徴があります。
【神前式】
神社や専門式場やホテルの館内神殿にて、神様の前で結婚を報告。花嫁行列とも呼ばれる、巫女や神職に導かれた新郎新婦が境内を歩く「参進の儀」や、三三九度ともいわれる、3つの杯で新郎新婦がお神酒を酌み交わす「三献の儀」などの儀式がある。
【仏前式】
新郎新婦やその家族が信仰する仏様や先祖様に対して結婚を報告。菩提(ぼだい)寺や、ゆかりのある寺院の本堂などで行うことが多いが、結婚式やホテルで仏前式ができる所もある。上記儀式の他に、仏前式では僧侶より念珠を渡される「念珠授与」などの儀式も。
四季折々の景色を楽しめる和婚。結婚後も訪れることができるのも魅力
神社や寺院での挙式の良さは、社殿や仏閣といった建物の中で執り行われ、より厳かな雰囲気を味わえること。境内での参進や記念撮影もその場所ならではの景色と一緒に思い出にすることができます。神社の場合は祀られている神様がどなたかで選ぶ方もいます。結婚後も折々に挙式をした神社や寺院を訪れて、家族の幸福を祈願できます。
しかし、祈りのために建てられた場所なので、結婚式会場のように便利とは限りません。控室や冷暖房がなかったりバリアフリーではなかったりと、自分たちに必要なものがないこともあります。
逆に、ホテルや式場内の挙式会場での挙式は施設が充実している点は魅力的です。挙式会場から披露宴会場への移動も考えずに済みます。なお、館内神殿は本物の神社ではないと勘違いされる方も多いのですが、ホテルや式場内の神殿も神様をきちんとお祀りした場所なので安心してください。(ウエディングナビゲーター清水 恩さん)
先輩花嫁が和婚を選んだ理由は?
「和婚の雰囲気や和装への憧れ」(ムーミンさん)
先輩花嫁のアンケートで多くの方が理由として挙げていたのは、和婚ならではの雰囲気や儀式、和装への憧れ。
写真は、神社での神前式を行った先輩花嫁・ムーミンさん。
「憧れの白無垢を着て日本人らしい経験をしたい。花嫁行列にも憧れがあり、神社で行いました。折り鶴シャワーを取り入れ、少し現代的に。私たちが挙げた神社では珍しく友人席というものがあり、参列した友人からも貴重な経験ができたと好評でした」(ムーミンさん)
先輩花嫁VOICE
【厳かな雰囲気の中で行いたかった】
厳かな雰囲気の中、ふたりの誓いを立てたかったので神社で行いました。花嫁行列では、周りで見ている観光客の方からも祝福していただけました。ゲストからも好評でした(もこさん/神社で挙式)
【彼の職業に合わせました】
彼がお坊さんのため、実家の寺で仏前式を行いました。お寺での挙式はなかなか体験することができないものだと思うので、新鮮でよかったです(かなさん/寺で挙式)
【彼の趣味に合わせました】
彼が将棋好きなので、対局が行われる旅館で式を挙げました。私たちは海外生活が長いこともあり、日本の伝統的な和装を身にまとえてよかったです(ぽんすけさん/旅館で挙式)
【利便性や海外からのゲストのことを考慮】
遠方や海外からのゲストが多かったので、駅に近く宿泊施設があり、なおかつ移動しなくても良いホテル内に神殿がある所を選びました(ゆみさん/ホテル内の神殿で挙式)
先輩花嫁が和婚の会場選びで重視したポイントは?
「神殿の収容人数やロケーションを重視」(R.Tさん)
神社や寺院、専門式場などさまざまな場所で和婚を行うことができますが、先輩花嫁はどのような点を重視して会場を選んでいるのでしょうか。アンケートの結果をご紹介します。
<和婚の会場選びの際、重視したポイント>
挙式会場の雰囲気・写真映え 64.1%
会場の知名度(伝統や格式)40.8%
衣裳のラインアップ 39.8%
提供される料理のジャンル 31.1%
和婚ならでのロケーションで撮影可能 27.2%
(複数回答)
会場の知名度や和の雰囲気、庭園などのロケーションの有無という和婚ならではのポイントを重視した花嫁さんが多く見られました。
写真は、神殿の大きさを重視した先輩花嫁・R.Tさん。
「友人にも参列してもらいたかったので、神殿での収容人数が多い会場を選びました。また、庭園で写真を撮りたかったので、和装が映える日本庭園があることも外せないポイントでした」(R.Tさん)
先輩花嫁VOICE
【会場の雰囲気や写真映えを重視】
本殿だけではなく、鳥居や参道、周りの木々の雰囲気も併せて選びました(akoさん/神社で挙式)
【会場の知名度を重視】
地元では有名で、彼が子どもの頃から七五三などで利用していた神社を選びました(ぽんさん/館内神殿で挙式)
【衣裳のラインアップを重視】
たくさん種類や色のラインアップがあり、そのホテル限定のデザインも取り揃えているのが魅力的だった(なないろさん/館内神殿で挙式)
【料理を重視】
家族での式でしたので、料理のおいしさは特に重視しました。事前に試食した時も非常においしく、お箸が用意されているなどの配慮も素晴らしかった(ぺんさん/神社で挙式)
和婚の場合、衣裳はどのように手配するの?
「プラン内の衣裳に加え、白無垢を追加でレンタル」(あやこさん)
<和婚の衣裳の手配方法>
申し込んだプラン内の衣裳をレンタル 57.3%
プラン外の衣裳を会場提携ショップでレンタル 28.2%
会場提携外のショップでレンタル 11.7%
その他 2.8%
先輩花嫁へのアンケートでは半数以上の方が、申し込んだ挙式プランに含まれている衣裳の中から選ばれていました。「その他」では、おばあさんやお母さんから引き継がれた着物を持ち込んだ花嫁も。
写真は、昔からなじみのある地元の神社で挙式した先輩花嫁・あやこさん。
「白無垢と色打ち掛けの両方着たかったので、高い色打ち掛けをプラン内で白無垢はリーズナブルなものを追加料金を払って借りました。真夏の挙式で、かつらも暑くて大変でしたが、ドレスでの結婚式も多い中、印象に残る式になったと思います」(あやこさん)
先輩花嫁VOICE
【申し込んだプラン内の衣裳をレンタル】
白無垢と色打掛を1着ずつ借りました。3回ほど試着に行き、決めたものをスタッフの方が手配してくれました(うなさん/館内神殿で挙式)
【プラン外の衣裳を会場提携のショップでレンタル】
挙式した神社の系列の披露宴会場で衣裳を借りられました。神前式では、素敵な刺しゅうの入った白無垢を着て角隠しをかぶりました(もこさん/神社で挙式)
【会場提携外のショップでレンタル】
会場を決める際に利用したブライダル窓口が提携していたショップで、白無垢、色打ち掛け、小物一式をレンタルしました(ちぃたむさん/館内神殿で挙式)
披露宴会場の手配はどうするの?
「ホテルの敷地内会場で披露宴を実施」(ありさん)
神社や寺院で和婚を挙げた場合、先輩花嫁は披露宴をどこで行ったのでしょうか。
<和婚の式後の披露宴会場>
挙式会場の敷地内に併設されている披露宴会場 56.3%
挙式会場の敷地外だが、挙式会場と提携している会場 24.3%
挙式会場の敷地外で、提携外の会場 14.6%
その他 4.8%
多くの先輩花嫁さんが行った、敷地内に併設されている披露宴会場の場合、支度から挙式・披露宴まで同じ敷地内でできるので、移動の負担が少ないというメリットが。敷地外であれば、距離に応じて移動手段の手配は必要ですが、挙式と披露宴でガラッと雰囲気を変えることも可能。ただ、挙式と披露宴とで打ち合わせが別々に発生したり、衣裳などの持ち込み料がかかる場合もあるので注意しましょう。
写真は、館内神殿で挙式し、ホテルの敷地内で披露宴をした先輩花嫁・ありさん。
「移動がスムーズにできるため、ホテルの敷地内で披露宴を行いました。その会場は人力車での入場が可能。実際に和装で人力車に乗っての入場はインパクト大でゲストからも大好評でした」(ありさん)
先輩花嫁VOICE
【挙式会場の敷地内に併設されている披露宴会場】
会場となった神社の隣にある記念館が食事会の場所でした。神社とも通路がつながっているので、挙式後すぐに移動ができ、夫の両親がご高齢なので移動がないことは魅力でした(BBさん/神社で挙式)
【挙式会場の敷地外だが、挙式会場と提携している会場】
貸し切りで披露宴ができ、挙式会場と遠すぎない場所を選びました。会場への移動が大変な人はバスに乗れるよう手配し、残りは徒歩で移動してもらいました(ぷちこまさん/神社で挙式)
【挙式会場の敷地外で、提携外の会場】
披露宴会場は、地元で有名な老舗料亭にしました。挙式会場からそれほど遠くなく老舗料亭ということもあり、お料理に評判があったので選びました(みきゃんさん/公園内の茶室で挙式)
和婚の会場選びで見落としがちなこと、注意すべきこと
「冷暖房の有無や照明も確認を」(きょうこさん)
最後に、和婚の会場選びで見落としがちなポイントや注意しておいた方が良いポイントをご紹介。
写真の先輩花嫁・きょうこさんからは、見落としがちなこんなポイントを教えていただきました。
「和婚は歴史のある会場で行われることも多いので、冷暖房の有無やお手洗いの新しさは確認しておいた方が良いです。また、天候が良くないときに照明が暗くなりすぎないか確認するのをおすすめします」(きょうこさん)
先輩花嫁VOICE
【挙式に参列可能な人数の確認を】
神殿内に親族だけしか入れなかったり、ゲストの人数が限られることも。規定人数内ならゲスト全員でも大丈夫な所など神社によってさまざまなので、よく聞いた方がいいです(ぷちこまさん/神社で挙式)
【暑い時期はミニ扇風機などを持参して】
白無垢や色打ち掛けはとにかく重くて、暑くて動きにくいので、暑い時期に式を挙げる方は、せっかくのメイクが落ちないよう、式の直前まで使えて持ち運べるミニ扇風機などを持参すると良いですよ(ポコママさん/館内神殿で挙式)
【式場と披露宴会場の連携を確認】
「提携」となっていても、どのくらい披露宴会場と神社が密に連絡を取るのかは確認が必要。新郎新婦に丸投げなのか、会場に任せられるのかはっきりしておかないと、当日に不備が出ます(ぽにょぽにょさん/神社で挙式)
【撮影可否についての確認を】
神前式では挙式を行う境内が撮影禁止でした。また、境内の参拝客が多く、挙式中にお参りするときの音が気になりました(sansanさん/神社で挙式)
【雨天時の対応や追加費用の有無を確認】
当日が雨だと庭では参進の儀が行えない神社でした。また、神社の中では契約したフォトグラファーさん以外の撮影は一切NGでした。巫女さんの舞も別途2万円を納めないといけなかったので、諦めました(BBさん/神社で挙式)
歴史ある建物ならではの注意ポイントが
控室、冷暖房、バリアフリーなど、会場によって施設・設備の状況が大きく異なります。ゲストに年配者が多かったり、遠方から来る方が多い場合はよく確認しておきましょう。
挙式と披露宴の会場が別(外式)の場合は移動をどうするかも含めて検討を。人数や移動距離によってバスがいいかタクシーがいいかも異なります。また、自分たちの移動方法と所要時間も忘れずに考えて。
フォトグラファーの持ち込みを考えている場合は、会場との契約前に確認を。撮影そのものがNGの場合もあります。なお、神前式の祝詞のように、挙式には撮影禁止のシーンもありますが、それはどの会場でも同じです。挙式=儀式であることを忘れずに打ち合わせし、フォトグラファーにも事前に会場のロケハンと条件の確認をしてもらうようにしましょう。(清水さん)
From 編集部
和婚ならではの魅力や注意点を知って憧れの和婚をかなえてね!
日本の伝統を感じながら式を挙げられる和婚。日本庭園や雅楽などの風情や魅力がたくさんあります。
和婚ならではの魅力と同時に見落としがちなポイントなどをしっかり押さえて、あなたの理想の和婚をかなえてくださいね。
監修/清水 恩さん ウエディングナビゲーター
専門式場、プロデュース会社でウエディングプロデュースの経験を積み、2004年に独立。フリーウエディングプランナーの先駆けとして活動を始め、「しっくりと心になじむ結婚式」をモットーに結婚式を幅広くサポートし続けている。
結婚式の専門家として、『All About』のオフィシャル・ガイド等メディアでの執筆や監修も多数。
和婚プロデュースサイト「まとう」
https://matow-kimono.com
構成・文/RIE☆ 監修/清水 恩(Prima! Wedding)
※掲載されている情報は2020年4月時点のものです
※記事内のデータならびにコメントは、2020年2月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー20人が回答したアンケートと過去2年以内に和婚を挙げた女性103人が回答したマクロミル調査によるものです
- 挙式
- 挙式・披露宴
- 結婚式場検討期
- 花嫁実例
- 家族の絆
- 格式高い
- 神前式
- 仏前式