マニュアル通りにいかない親族&友人の【ワケあり席次】どうした?
結婚式の準備が着々と進み、さぁ披露宴の席次を決めるとき。新郎新婦が座るメイン席に向かって左が新郎側のゲスト、右が新婦側のゲスト。目上の方や主賓は高砂席近くの上座、家族は高砂席から一番遠い下座……と基本的なマナーは確認したけれど、うまくルールに当てはめることが難しい事情がある場合はどうしたらいいの? 先輩花嫁の実例とプランナー岡崎桂さんのアドバイスをお届けします。
【親族】あまり付き合いがなく、関係性がはっきりしないときの席次
【わからないことはすぐに親に相談】
ゲストの人数を会場に伝えるため新郎側の親族については、新郎の両親に人数をリストアップしてもらいました。その中には、新郎があまり会ったことのない方や、自分との関係性がわからないという方も多く、誰と誰を同じテーブルにして良いかわかりませんでした。準備が進み円卓の数などが確定した段階で、新郎の両親に席次表を見せ、誰がどこに座っていただくか決めてもらいました(ムーミンさん)
【いとこの結婚式の時の席次を参考に】
花嫁側の親族だけで約30人ご招待したのですが、父の叔母たち(祖母の妹たちに当たります。祖母は5人姉妹)が夫婦で4組参加しており、座り順をどうしていいかわからず父母に相談。一番下の妹の夫が、一番上の姉の夫の元上司に当たり、すでに皆さま退職されていますがご夫婦の夫の役職で上座と下座を決めた方が良いのか、両親は迷っていたようです。私たちの結婚式の前にあったいとこの結婚式の席次を参考にしようと両親から提案があり、上座から下座の順に、姉夫婦→妹夫婦となるように座ってもらうことにしました(ゆずさん)
一度、親御さんに相談してみましょう
自分たちでは関係性がよくわからない場合は、親御さんに相談することをオススメします。
上座・下座を気にするなら、本家の長男→次男と年長者順の配席にするケースが多いです(親族の場合は、その方の仕事上の役職は考慮しない)。
全体のテーブルレイアウトで捉えてみれば、関東の場合は親族のテーブルは下座になるので、両親の席はルール通りに配席し、その他の親族は上座・下座を気にせずにお付き合いのある方同士を隣に配席すると会話も盛り上がって良いですね(岡崎さん)
【親族】親戚同士の相性がどうしても悪い……
【間に別の人をはさみ隣り同士を回避】
彼のお姉さまと叔母さまの関係があまり良くないと聞いていたので、彼と相談し、隣り合う状況を不自然な感じなく回避しようと上座から順に「お父さま→お母さま→叔母さま→お兄さま→お姉さま→お姉さまの旦那さま」と間に別の人をはさむ席にしました。結果的に当人同士も過ごしやすかったようで良かったです。私としては、お姉さまと叔母さまの詳しい関係がわからなかったので、彼に決めてもらいました(かぼちゃさん)
【テーブルを分けて仲の良い人同士を配席】
親族の仲が悪く、どうしても同じテーブルにはできなくて悩みました。自分で一般的な席次のルールを調べたり、プランナーさんに相談するなどで検討を重ね、仲の良い人同士を3名と4名のテーブルに分けた席次にしました。
担当プランナーさんより『現在は昔よりも席次のルールが柔軟に捉えられており、あまりこだわりすぎることはないと思います。事前に問題がわかっているのなら、せっかくの晴れの舞台なのでこじれることのない席次で構わないと思います。基本的な席次のルール(父母が末席など)ができているので大丈夫です』と力強いお言葉も頂けました(TMさん)
互いが話しやすいよう、配慮した席次に
やはり、親族の配席については親御さまに確認していただくのがスムーズです。親戚同士で相性が悪い方がいることが周知の事実ならば、テーブルを分けたり、隣同士にならないように対面に配席したりすると良いですね。また、上座・下座は気にせずに伯父と叔父が隣に、伯母と叔母が隣になどそれぞれが話がしやすいように配慮すると良いです(岡崎さん)
【友人・知人】みんな同じくらいの社歴・サークル所属歴の場合
【気まずい思いをしないよう、テーブルを角卓に変更】
大学時代のチアサークルの同期(4名)、同じ大学時代の学部の友達(6名)。みんな同じ年でしたが顔見知りではない友人同士の席次について「知らない人同士のテーブルにするとお互い気を使うだろうな」と悩みました。
プランナーさんに相談し、私たちがやりたい余興(チアの演技)でスペースを確保する観点からも、丸卓ではなくて角卓を提案していただきました。角卓なら知らない人が近くても気まずい思いをすることないかなと思い、賛成。
角卓では、余興で盛り上げてもらうことを考えてチアサークル仲間に上座に座ってもらいました(友里恵さん)
【上座からアイウエオ順に配席】
同級生で年齢の差がないグループは、誰を上座・下座にするかかなり迷ったので、これまでに参加した結婚式の席次を参考にしたり、上座から五十音順にして配置。また、グループの中でも特別に仲の良い人を隣にするなど気を配りました(ayk0さん)
明らかにリーダー的な方がいる場合は上座に配席を
社歴が同じ同期の場合は、上座・下座は気にせずに話しやすい人同士を隣に配席するのが良いでしょう。また、サークルの場合は部長などリーダー的な方がいればその方を上座、他は話しやすい人同士を隣に配席していくと良いです(岡崎さん)
【友人・知人】職場の同僚と学生時代の友人。どちらか上座?
【上座や下座は気にせず、それぞれの知り合い同士を隣に】
会社の同僚と学生時代の友人を一つのテーブルにしたのですが、席を決めるときは上座や下座は気にせず、会社の同僚は同僚が隣に来るように、学生時代の友人は同じく学生時代の友人が隣に来るようにしました。最終的にはみんなが打ち解けて仲良くなってくれましたが、ゲストの居心地の良さを大切にしました(理子さん)
【ネット上で同じ経験をした花嫁の書き込みも参考に】
学生時代の先輩や一緒に過ごしていた友人、後輩が数名ほど同じ職場で働いているため、職場として席次を配置するのか、それとも職場の同僚と学生時代からの先輩、友人、後輩は分けて配置した方が良いのか迷いました。プランナーさんに相談したり、ネット上で同じ経験をした方の書き込みを拝見し『学生時代からの繋がりがあり、かつ同じ職場で働いている招待客と職場の同僚』と『学生時代の同僚、友人』という組み合わせで席次を配置し、職場の同僚を上座にしました(未来さん)
グループごとに座れるようテーブルを用意できればベスト
テーブル配置でいうならば、職場の同僚が上座、友人テーブルはその次に配置することになりますが、ゲスト全体の人数や会場のスペースによっては同格の位置にテーブルを配置できる場合もあります。基本的には、グループごとで座れるようにテーブルを用意した方が良いですが、職場の同僚と学生時代の友人が同じテーブルになる場合は同格と見なし、テーブル内の上座・下座は気にせずに配席すると良いです(岡崎さん)
【友人・知人】転職などで所属した会社が複数ある場合の同僚の席次
【今後も長く付き合いがある人を上座へ】
私が1、2年ごとに転職したため、結婚報告をした同僚や先輩が3カ所の職場に渡っていました。そのため席順を迷いましたが、今後も長く付き合いがありそうな方を上座にし、順に今の職場→前の職場→もっと前の職場の方としました(ともみんさん)
【現職の同僚を上座に配席】
「お互いに紹介したい方同士をグループにかかわらず、同じテーブルや近くの席に座っていただく」というコンセプトで、各テーブルに別のグループのゲストが数名ずつ交ざり合うように席を設置。ただ、前の職場の方(2名)と今の職場の方(2名)のテーブルが同じだったため席次に迷いました。新郎新婦で相談してからプランナーさんに問題がないかを確認していただき、上座→下座を「現職の上司→現職の先輩→前職の上司→前職の先輩」という順に設定しました(香織さん)
現職の関係者を最優先に
できればグループごとにテーブルを分ける方が良いですが、一緒のテーブルの場合は上座は現職の関係者を最優先にしましょう。前部署の役職者がいて、その方が現職上司よりも社内的には立場が上ならば、現部署上司に配席の相談や報告するのがベター。元会社の列席者は現職場の次という位置付けになります(岡崎さん)
【友人・知人】相性の悪い人を隣にしたくない。その際、役職は考慮する?
【肩書に関係なく関わりの深さを考慮】
同じ職場のテーブルで、役職順に配置すると、あまり仲が良くない方同士が隣になるので、その場合役職は気にしなくていいのか迷いました。本来であれば肩書(役職)順に並べるべきかとは思いますが、彼から「この人とこの人はあまり仲良くないから隣じゃない方がいいんだよなー」という話が。ふたりで話し合った結果、肩書順になっていない席次に文句を言いそうな方もいないので、肩書に関係なくそれぞれ関わりが深い方が隣になるように配置。みんな隣にいつも仲良くしている人がいることで、楽しく過ごしていらっしゃるのを見て、やはり肩書にこだわらなくて良かったと思いました!(優香さん)
関わりの深い方同士を隣に配席を
友人や知人の場合は、役職は考慮しないケースがほとんどです。関わりの深い方同士を隣席にしてゲスト同士の会話が弾むように配席するのが良いです(岡崎さん)
From 編集部
席次の悩みは、マナーの基本とゲストへの思いやりで解決!
基本のルール通りにしたいけど、どうしてもうまく配置できないことだってあります。いろいろな人の思いをくみ取ろうとすると、なかなか決められない。誰もが納得するように決めるのは難しいかもしれないけれど、少しでも心地よく過ごしてもらいたいという気持ちを持ちつつ、席次を決めていきましょう。どうしても角が立ちそうなゲストがいる場合は、あらかじめ席次がそうなった理由をゲストに直接伝えておくと◎。
岡崎 桂さん Wedding and Event Planner
ゼクシィなび、海外ウエディングのプロデュース会社、ホテルのプランナー、ウエディングマネジャーを経て、フリーランスのプランナーに。
さまざまな結婚式に携わった経験を基に、会場探しから新郎新婦をサポートしている。
オフィシャルサイト http://katsuraokazaki.com/
構成・文/RIE☆ イラスト/ユリコフ・カワヒロ
※掲載されている情報は2020年3月時点のものです
※記事内のデータならびにコメントは、2020年1月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」のメンバー71人が回答したアンケートと過去2年以内に結婚式を挙げた女性104人が回答したマクロミル調査によるものです
- 挙式・披露宴
- ゲスト選び・席次決め
- 打ち合わせ開始期
- 常識・マナー
- もてなし