結婚式にふさわしい新郎新婦の立ち居振る舞いって?シーン別に解説
結婚式当日は主役である新郎新婦に、ゲストの視線が集中するもの。そんな大切な一日だからこそ、晴れやかな場にふさわしい、立ち居振る舞いを心掛けたいですね。ここでは、ウエディング ナビゲーターの清水恩さんに、キリスト教式をはじめ人前式、神前式、披露宴などでの新郎新婦の立ち居振る舞いについて教えていただきます。歩き方や立ち位置などぜひ参考にして。
【キリスト教式・人前式】洋装スタイルの挙式での立ち居振る舞い
ここでは、キリスト教式や人前式など、主にウエディングドレスやタキシードといった洋装スタイルでの挙式について、ふさわしい立ち居振る舞いを解説します。すべての動作に共通するのは背筋を伸ばして姿勢を良くすることですが、歩き方や立ち位置など各プログラムに沿って解説していくので、ぜひ参考に。
入場シーン
バージンロードを歩く入場シーンは父と共に歩き、祭壇前で待つ彼にエスコート役をバトンタッチすることが多いですが、花婿など父以外の人と歩くのもOK。
花嫁と一緒に入場する男性は、花嫁の半歩前に立ち、背筋を伸ばし手を軽く握ってみぞおちの高さに合わせて腕を曲げます。花嫁は男性の二の腕に親指以外の指をそっと掛けるだけでもOK。
ベールアップ・誓いのキス
花婿は万歳をするようにベールを持ち上げて、花嫁の頭の向こうに垂らします。花嫁は背筋を伸ばしたまま、軽く膝を曲げると、花婿がベールを持ち上げやすくなります。
誓いのキスでは、新婦の顔がゲストにも見えるよう、向きに気を付けて。フォトグラファーから指示があるのでそれに従いましょう。
※イラストは祭壇側からみた立ち位置。ゲストからみて右が新郎・左が新婦になります
指輪の交換
キリスト教式や人前式はもちろん、神前式でも行われるのが指輪の交換です。相手に指輪をはめる時、緊張していると指輪が入らないことがあるので、一気にはめようとせず、まず第2関節まで、続いて根元までと2段階で奥まではめましょう。厳かなシーンなので花嫁は真剣な表情になってもOK。常に見られていることを意識し、背筋を伸ばして行いましょう。
新郎新婦退場
会場によっては、新郎新婦は祭壇前でくるりと後ろを向き退場するため、この時だけは花婿が左側、花嫁が右側の立ち位置となります。
入場の時と同様、花婿は花嫁の半歩先に立ちます。退場の際は普通の速度で歩いてOKですが、花婿が速すぎると、花嫁が追いつけないのでゆっくり堂々と歩きましょう。
新郎新婦の立ち位置は「新婦の右側に新郎」
かつてヨーロッパでは、新郎は右手で剣を持ち、左手で盾を持って戦いから新婦を守ってきました。その名残から現代でも、日本では新婦の右側に新郎が立ち位置とされています。
【神前式】和装挙式での立ち居振る舞い
ふだん着慣れていない和装に加えて、三三九度や玉串奉奠(ほうてん)など儀式に決まった手順があるのが神前式です。ここでは神前式でのプログラムを中心に、和装でのふさわしい立ち居振る舞いについて解説していきます。
参進の儀
和装で歩くことが初めてという人も多いので、戸惑うこともあるでしょうが、花嫁は基本的に通常より小股で、軸足の足先に反対側の足のかかとを付けるくらいの歩幅で歩くといいでしょう。この時、草履をずるずると引きずってしまわないように、足の指で鼻緒をしっかり挟むようにします。
花婿は普段の歩き方と大きな違いはありませんが、花嫁の歩幅に合わせてゆっくり堂々と歩くことを意識しましょう。
誓杯の儀 三々九度
お神酒をいただくことで永遠の契りを結ぶ三三九度では杯に口をつけて、3回で飲み干します。
和装は衣裳が重いため、腕が上がりにくくなります。花嫁はまず腕を口の高さに持ち上げて、杯を口元に近づけたところに、顎を引いて顔を寄せるようにすると美しく見えます。避けたいのは杯でなく口を寄せて「口で杯を迎えにいく」ようになってしまうこと。顎が突き出てしまい美しく見えません。
また、花婿は化粧をしていないので、お酒に弱いと顔が赤くなってしまうことも。注がれたお酒は無理に飲み干す必要はないので、杯に口を付けて形だけ3回飲むようにしてもかまいません(花嫁も同様)。
誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が誓いの言葉を読み上げる誓詞奏上。誓詞を読み上げる際に、花婿が祝詞の紙の右側を両手で持ち、花嫁が左側を両手で持ち、ふたりで一緒に持って読んでいるように見せます。
※神社によって立ち位置が逆になる場合もあります
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神前に玉串をささげる玉串奉奠。玉串を受け取ったら、ふたり一緒に神前に進んだら、お辞儀をし、玉串を時計回りに回して、根元を神前に向けて玉串を置きます。この時、根元に左手を、葉先に右手を添えて回すと自然と時計回りの動きになります。
披露宴での新郎新婦の最適な立ち居振る舞い方
さまざまな演出のほか、食事したり、ゲストの話を聞いたりと、新郎新婦がすべきこともたくさんあるのが披露宴です。ここでは披露宴でのさまざまなシチュエーションの立ち居振る舞いについて解説します。
新郎新婦入場・退場
披露宴は挙式と異なり、ややくだけた雰囲気のため、新郎新婦は真正面を見て歩くだけでなく、ゲストみんなの顔を見て会釈をしながら歩くといいでしょう。ふたりで同じ方向を見ていなくてもOK。それぞれ声がかかった方向に自然に反応するようにしましょう。ともに速足にならないように笑顔で、背筋を伸ばし、堂々と歩きます。
プロフィール紹介・来賓スピーチ・祝辞・祝電披露
主賓のあいさつや乾杯など来賓のあいさつまでは、基本的に立って聞くのがマナーということを覚えておきましょう。会場スタッフが促してくれることもありますが、促されなくても立ち上がるようにします。そのため、すぐに立てるように、どっかりと座らないようにします。
中盤の友人によるスピーチなどは座ったままでもOKですが、話している人の方に顔を向けて聞くようにします。
ウエディングケーキ入刀
ナイフの持ち方や手順はその場で説明されるので、それに従います。ケーキ入刀のタイミングではフォトグラファーだけでなく、撮影をしているゲストが多方向に居るので、それぞれの方向にふたり顔を揃えて向くようにします。
ファーストバイトでは、食べきれない量をすくうケースがよく見られますが、クリームなどが衣裳に付かないように気を付けましょう。ケーキを口に入れる際は、花嫁も思い切り口を開ける方が楽しい雰囲気になります。
乾杯・会食
花嫁には介添人が乾杯のグラスを持たせてくれるので、自分で取ろうとせずにそれを待ちます。何か動作をする際には、必ず介添人のアシストを待つようにして、自分だけですべての動作をしないというのを覚えておきましょう。乾杯では、軽く会釈をしながらグラスを顔の高さに上げます。複数の動作を同時にしないようにすると品よく見えます。
余興
感謝の気持ちを込めて、余興をしっかり見るようにしましょう。他のゲストが話をするために新郎新婦のところに来てしまうこともあるので、それを控えてもらうためにも笑顔で余興に集中するといいでしょう。
親への感謝の手紙・ギフト贈呈
親への手紙は、花嫁は泣いてしまっても大丈夫。涙を拭く場合にはメイクが取れないようにハンカチで軽く押さえる程度にとどめます(花婿が涙を拭いてあげる場合も同様)。また、ゲストからも見られることを意識して、カードや便箋などオシャレでキレイなものを用意するのがおすすめ。
両家代表のあいさつ
あいさつをする人は、ゲストみんなの顔を見渡しながら、話し掛けるように話すことで、より伝わりやすくなります。花嫁だけでなく花婿が泣いてしまうこともあるので、ハンカチを忘れずに。
ゲストの見送り
新郎新婦ともに、楽しい雰囲気で「ありがとう」と感謝の気持ちをしっかりゲストに伝えます。この時、ゲスト全員を平等に見送れるよう、一人一人が長くなり過ぎないように注意します。プチギフトなどを手渡す際にも、渡すことと見送りに徹しましょう。補充は会場スタッフがやってくれます。
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From 編集部
にこやかな笑顔と美しい姿勢、何より感謝の気持ちを忘れずに
結婚式当日は新郎新婦もすべきことが多く、朝から忙しいものです。そんな中でも主役として晴れがましい場でふさわしい立ち居振る舞いができるよう、歩き方や立ち位置など、それぞれの動作に気を付けましょう。そして参列してくれているゲストへの感謝の気持ちを忘れず、にこやかに明るく振る舞えたらいいですね。
清水 恩 ウエディングナビゲーター
専門式場やプロデュース会社でウエディングプロデュースの経験を積み、2004年に独立。フリーウエディングプランナーの先駆けとして活動を始め、「自分にちょうどいい結婚式」をモットーにプロデュースやアドバイスを行っている。結婚式の専門家として、『All About』のオフィシャル・ガイドなどメディアでの執筆や監修も多数。
プリーマ ウェディング
URL:https://prima-wedding.com
取材・文/青山のりこ イラスト/moeko 監修/清水 恩
※掲載されている情報は2022年2月時点のものです
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