【そのまま使える&アレンジOK】差出人別・招待状の文例集
大切な人たちをふたりの結婚式にお招きするための招待状。いくつかのルールがあるので、それを踏まえた上で文面を考えるのがポイントです。マナーデザイナーの岩下宣子さんのアドバイスを基に、招待状の文面や気を付けたいポイント、宛名の書き方などをご紹介。どうぞご参考に。
招待状の文例
差出人は誰にすればいいの?
招待状はふたりが差出人となる場合と、親が差出人になる場合があります。原則として差出人は結婚式の主催者=資金を担う人の名前となり、親が全面援助する場合は親の名前、ふたりだけの力で行う場合はふたりの名前となります。
結婚式の費用を親の援助を受けつつ、ふたりの貯蓄からも出したというのであれば、親と相談した上でふたりの名前で出してもいいでしょう。
なお、近年では、親の名前で出すケースは少なくなっており、ふたりを差出人とするのが一般化しつつあります。とはいえ、親族や親関係のゲストが多い場合は、両家の親の名前で出すこともあります。
次からは、差出人別に招待状の文面をご紹介します。
ふたりが差出人の場合<フォーマルな結婚式>
ふたりが差出人となる場合でも、仕事関係者などを招待し、体裁の整った結婚式を行う場合は、改まった雰囲気の招待状にします。
頭語と時候のあいさつ、本文、締めのあいさつと結語という構成は、差出人に関係なく変わりありません。最後に、日時と会場、返信の締め切りを入れます。返信の締め切り日は結婚式の1カ月前くらいに設定します。
ふたりが差出人の場合<カジュアルな結婚式>
友人が主体のカジュアルな披露パーティの場合は、招待状の文面も親しみやすいものにするといいでしょう。会費制の場合は、「当日は会費制とさせていただきます ご祝儀などのお心遣いはなさいませんよう お願いいたします」と記し、会費の金額についてもしっかり明記します。
親が差出人の場合
親が差出人の場合は、当然ながら親が主語となり、家と家との結び付きを感じさせるような内容に。最後の名前も両家の親になります。格調高い文体がおすすめです。
覚えておきたい、招待状のルール
招待状の文章には句読点を付けないのが決まりです。これはお祝い事には終止符を打たない、という理由からです。そのため、読みやすくするために、句読点を打つ場所は1字空けます。段落の行頭は空けません。
縁起が悪いとされる言葉(忌み言葉)も避けたいもの。例えば、「分かれる」「別れる」「切る」「去る」などは結婚式にはふさわしくありません。気を付けたいのは「忙しい」という言葉。心を亡くすと読めるので、お祝いの場ではあまり使用しない方が無難。「お忙しいところ」と書きたいときは、「おいそがしいところ」とひらがなにするか、「ご多用のところ」などと言い換えます。
また、再婚を連想させる重ね言葉も避けるべき言葉。「重ね重ね」や「たびたび」などはつい使ってしまいがちなので注意を。なお、「ますます」や「いよいよ」などは、前向きな文脈で使う場合には、あまり気にすることはありません。
時候のあいさつのバリエーション
<3月>早春の候/水ぬるむころ/浅春のみぎり/春とはいえ、まだまだ寒い日が続きます/日差しに春の暖かさが感じられるようになりました
<4月>陽春の候/花冷えのみぎり/春もたけなわとなって参りました/色とりどりの花が目を楽しませてくれる季節
<5月>新緑の候/惜春の候/萌える若葉が美しい季節となりました/すがすがしい初夏の風が気持ちのよい季節
<6月>麦秋の候/長雨の候/アジサイの花が美しく咲く季節となりました/梅雨明けを待ち望む今日この頃
<7月>盛夏の候/酷暑の候/いよいよ夏本番を迎えました/例年になく、酷暑が続く毎日です/うだるような暑さが続いています
<8月>残暑の候/晩夏の候/立秋を過ぎたとはいえ、まだ暑い日が続きます/吹く風に秋の訪れを感じられるように
<9月>初秋の候/重陽の候/爽やかな秋風が吹き、ようやくしのぎやすい季節となりました/爽やかな秋晴れに心が弾む昨今
<10月>仲秋の候/紅葉の候/灯火親しむ季節/紅葉が色づき、秋が深まってまいりました
<11月>晩秋の候/向寒の候/冬の気配が忍び寄るこの頃/いつの間にか朝晩の寒さが身にしみる季節になりました
<12月>初冬の候/師走の候/いよいよ本格的な冬将軍の到来/今年も残り少なくなってまいりました/せわしい年の瀬をお迎えのこと
<1月>新春の候/初春の候/大雪のみぎり/寒さが身にしみる候/寒さが一段と厳しくなってまいりました
<2月>余寒の候/立春の候/立春は過ぎたものの、相変わらずの寒さが続いています/春の訪れが待たれる昨今
表書きの書き方
招待状の表書きには、出席してほしい人の名前を全て書きます。夫婦を招待する場合で、妻の名前が分からない場合は「令夫人」、夫の名前が分からない場合は「御夫君」などとしても構いませんが、できれば確認して名前を書くのがよいでしょう。
毛筆(筆ペン)で書くのが基本ですが、字に自信がない人は毛筆体で印刷したり、筆耕を頼んだりしても。なお、切手は横長封筒の場合は右上に、縦長封筒の場合は左上に貼ります。
From 編集部
ルールを守ってしっかり伝える
招待状を会場やショップなどに依頼する場合、文面はプロがしっかりチェックしてくれるので、あまり心配はありませんが、自分たちで手作りする場合は、文章を作った後で内容の不備やマナー違反がないかどうか、プランナーさんなどに見てもらうのがおすすめ。招待の気持ちと結婚式の情報がしっかり伝わる内容にしましょう。
岩下宣子 マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。
企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。
「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの
愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/粂 美奈子 イラスト/Ricco.
※掲載されている情報は2022年1月時点のものです
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