<現役プランナー直伝> 結婚式のテーマが誰でもサクッと決まる3STEP
結婚式を挙げる!と決めたのはいいものの、ふたりの結婚式を作るのに何から進めていけばいいのかさっぱり……そんなときにおすすめなのが、まず結婚式のテーマを決めること。でもどうやって? ということで、前線で活躍するウエディングプランナーの皆さんに、結婚式のテーマの決め方について教えてもらいました。
Step1.ふたりに関するキーワード出し
まず最初に取り掛かるべきは、ふたりに関するキーワード出し。このとき、深く考え過ぎる必要はなし! ふたりがどんな人なのか、会話を楽しむ気分で話し合ってみよう。
プランナーより:こう考えてみて
テーマを決めるために最初にすべきことは「自己分析」。ふたりという一つのカップルの個性はどのようなことのかというところから考えてみましょう。ふたりの共通点もあれば、それぞれの個性もあるはず。趣味・職業・出身地・学生時代に熱中していたもの、大切にしている人やもの、ふたりらしさなどを両方の観点から思いつくことを書き出していきましょう。(フリーランスウエディングプランナー/佐伯恵里さん)
「ユニークなタイトルを付けなくっちゃ」と思われる方も多いのですが、それはちょっぴり違います。大切なことは、素敵なテーマタイトルを付けることではなく「何を大切に進めていくのか」というふたりの想いを明確にすること。なぜ結婚式をするのか? 誰にどんなふうに楽しんでもらいたいのか? など、結婚式に対する思いを、まずはふたりでよく話し合ってみましょう。(Coco style WEDDING/荒井さやかさん)
まずはふたりの好きなキーワードを考えることが大切です。 好きな色、好きな音楽、好きな場所、まずはこの3つを考えることで、 結婚式の舞台となる空間のイメージがしやすくなります。(アズールウエディング代表フリーウエディングプランナー/高橋龍一さん)
【ゼク男とシィ子の場合】
お互いについてを改めて話し合うふたり。ゼク男は学生時代応援団長を務めていて、仲間を大事にする熱血派。アウトドアやキャンプが好きで、特に山で過ごすひと時が大好き。一方シィ子は昔から手先が器用で、アクセサリーはほとんど手作り! またおばあちゃんっ子だから、結婚式ではおばあちゃんにもスポットライトを当てたいなぁと小さい頃から思っていた。
お互いふたりについて理解しあってはいたものの、言葉にしてみるとよりイメージが明確に。
Step2. 出たキーワードを結婚式に関連づける
さて、ふたりの人となりや興味関心をある程度言語化できたら、続いて行うべきは結婚式への落とし込み。Step1で出てきたキーワードを、結婚式にどんなふうに生かしたいかを考えてみよう!
プランナーより:こう考えてみて
ふたりの自己分析を終えたら、ふたりが好きなものについて「なんで●●が好きなんだっけ?」と掘り下げていきましょう。好きなものを、どこをどんなふうに、何がきっかけで、どう感じるから好きなのか、という視点で深掘りしていくと、意外な発見が出てきたりし、その発見が結婚式にふたりらしさを盛り込むスパイスとなります。(佐伯さん)
ある程度結婚式のイメージがついてきたら、ふたりの好きなこと、つい目を奪われてしまうもの、ふたり共通の趣味や、大切にしているものなどにも目を向けて、ふたりらしさの象徴のかけらを見つけていきましょう。ふたりらしさの象徴を「エッセンス」として結婚式の中にさりげなく取り入れると、とってもおしゃれで粋なウエディングになりますよ。(荒井さん)
ふたりの好きな物事のキーワードを出し、結婚式当日の空間のイメージが湧いてきた後は、「その空間に誰を呼びたいか?」を考えるのがよいでしょう。こうすることで、「どこで誰を呼ぶか?」のイメージが固まってくるので、「どんな結婚式にしたいか」も見えてきます。(高橋さん)
【ゼク男とシィ子の場合】
ふたりについて分析しあった結果、「アウトドアが好き」、「手作りが好き」、「仲間や家族を大切にしたい」ふたりであることが明確になったゼク男とシィ子。
これらのキーワードから、会場はアウトドア感あふれるキャンプ場をイメージした装飾にしたいこと、また手先が器用なシィ子の手作りアイテムをたくさん置いて温かみのある空間にしたいこと、加えて仲間や家族へのLOVEをしっかり伝えたい!という、当日のイメージがより具体的に湧くように。
Step3.結婚式のテーマ・合言葉決め
Step2までで結婚式当日のイメージがある程度見えてきたら、その当日をひと言で言い表わせるようなキャッチフレーズを考えてみよう。その言葉こそが、結婚式のテーマを最終的に決める「芽」となります!
プランナーより:こう考えてみて
最後は、これまでに出してきたキーワードをテーマとしてまとめる作業です。テーマ決めのポイントは「個性とおもてなし」。ふたりらしい式にするのはもちろんですが、そこにおもてなしの要素がきちんと入っているかどうかも同時に意識してみてください。「個性とおもてなし」のバランスを意識しながら、ふたりで出したキーワードを結婚式らしいキーワードへと変換し、ふたりだけのテーマを導き出してくださいね。(佐伯さん)
ふたりで決めたテーマや合言葉は、途中で、もっとパワフルに、もっといとおしい言葉になるように変化させていっても構いません。テーマを決めたからといって、最後までその言葉を守らなければいけないと気を病む必要はないのです。テーマをどんどん育てていく感覚で、結婚式づくりを楽しみましょう。ふたりで楽しく、結婚式の軸をどんどん太くしていくことが、成功の秘訣(ひけつ)です!(荒井さん)
ふたりの好きな物事、結婚式当日をどんな空間にしたいか、その空間に誰を呼びたいか、についてのイメージがある程度決まったら、出来上がったイメージを10文字程度以内の言葉(=合言葉)として表してみましょう。その言葉が「ふたりの結婚式のテーマ」そのものになります。(高橋さん)
【ゼク男とシィ子の場合】
アウトドア感あふれるキャンプ場のような会場、手作りアイテムが演出する温かみのある空間、仲間や家族へのLOVEをしっかり伝えたい!と思ったゼク男とシィ子が導き出した結婚式の合言葉は「LOVE溢れるキャンプ!」。この合言葉を胸に、アイテム決めや演出決めなど、本格的な結婚式準備に取り組んでいく。
テーマが決まった後は……
テーマが決まったら、そこからが結婚準備の本番! アイテムやプログラム決めなど、すべてのプロセスにおいて、ふたりで定めたテーマをしっかり意識しながら進めていこう。
プランナーより:こう考えてみて
例えばテーマが「音楽会」だとしたら、次は「何があればふたりらしい音楽会になるのか?」をイメージしながら、具体的に何を用意するか想像を膨らませてみて。別にガチガチの音楽会にしなくても大丈夫。音楽会のテイストをバランスよく結婚式に入れることを意識してみて。招待状をチケット風にするなど、実際の音楽会にあるものを結婚式に変換すると、いろんなアイデアが生まれます。(佐伯さん)
ふたりで決めたテーマは、結婚準備期間中は合言葉のように使っていきましょう。「みんなが笑顔になるウエディング」がテーマでしたら、結婚式のことでなにか決断しなければならない場面に遭遇したとき、その言葉を必ず思い出してから決断してください。(荒井さん)
「どんな結婚式にしたいか」というテーマが決まったら、 そのテーマを実現するためのアイテムや表現方法を考えることが大事。ここで無理にすべてをテーマに関連づける必要はありません。「どんな方法が最もテーマを表現できるか」で考えると、アイデアが出やすいでしょう。(高橋さん)
プランナーさんより、+αアドバイス
ふたりらしいテーマで結婚式を成功させるためのもう一つのヒントを、それぞれのプランナーさんが伝授します!
+αアドバイス
【ビジュアルで共有すれば、よりイメージ通りに】
テーマウエディング成功のコツは「同じテイストのものをたくさん集めること」「料理や衣裳、ヘアメイク、フラワーなどのアイテムをできる限りテーマに寄せること」です。またクリエイターさんたちにテーマやふたりの個性を口頭で伝えるのは難しいもの。これ好きかもという写真を集めて絞り込み、自分の感性をビジュアルイメージにして共有するのがおすすめです。(佐伯さん)
【ふたりのテーマは、各スタッフにも拡散を】
テーマはぜひ、結婚式づくりに関わるスタッフ皆さんにも共有してみてください。できればなぜそのテーマに至ったのかを、シートにまとめて渡すのがおすすめ。司会者さんやフローリストさんなど、みんながそのテーマを参考に、結婚式をより良いものにしてくれるはず。ふたりの気持ちが詰まったテーマは、いろんな人を動かす力になります!(荒井さん)
【なぜなぜ分析でより本質的なテーマに辿り着く】
キーワード出しを行う際「なぜそのキーワードが出たのか?」を2回ほど掘り下げて考えてみるのがおすすめです。例えば好きな色の場合、「ブルー」が好き、なぜ?→海が好きだから。→なぜ海が好き?→夏が大好きだから……という具合です。「なぜなぜ分析」をすることで、自分が好きな物事の本当の理由を深ることができ、より真のテーマを導きやすくなります。(高橋さん)
【取材協力】
■佐伯恵里さん(フリーランスウエディングプランナー )
15年間、ウエディング&レストラン関連の企業にウエディングプランナー ・支配人として勤務の後、2018年よりフリーランスのウエディングプランナーに。カップルの個性を映し出す温かなおもてなしで、ふたりの未来へと繋がる結婚式をプロデュースする。群馬のフリーランスウエディングチーム「アンレーヴ」にも所属。
■荒井さやかさん(Coco style WEDDING)
5年間の結婚式場でのプランニング経験を生かし、2011年よりフリーランスのウエディングプランナーに。これまで手掛けてきた結婚式は500組を超える。「ふたりらしさ」を大切にし、参加者全員の心に残るオーダーメイドの結婚式を創作し続けている。
■高橋龍一さん(アズールウエディング代表フリーウエディングプランナー)
ホテル、レストラン、ハウスウエディングなどの会場勤務を経た後、2011年にフリーランスのウエディングプランナーとして独立。独立後は、母校や初デートの美術館、思い出の公園など、自由な場所やスタイルの結婚式を多く手掛けている。
From 編集部
テーマが決まれば、結婚準備がスムーズに♪
ぶれない結婚式のテーマをしっかり導き出すことができれば、その後の結婚準備も比較的サクサク進むもの。何事も最初が肝心! ふたりが実現したい結婚式のイメージをしっかり固めたら、後は一直線に当日に向けて突き進んでいってくださいね。
構成・文/島袋芙貴乃 イラスト/香川尚子
※掲載されている情報は2018年3月時点のものです
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