【連載】立原綾乃のOne&OnlyウエディングVol.12「一人一人が役割を持ち、一緒に楽しむ」
結婚式のテーマと聞くと皆さんは何をイメージしますか? 好きなものや色、それとも季節? もちろん色や形といった目に見えるものもあるけれど、「誰と、どのような一日を過ごしたいか」というマインドのテーマこそが最も大切なのです。今回は立原綾乃さんが手掛けたウエディングの中から、一人一人が何かしら自分の役目を受け持ち、自ら参加して楽しんだ、素敵なハワイウエディングをご紹介します。
ふたりらしい、温かな結婚式を求めて
ある日、ハワイウエディングを考えているというカップルが、私たちのアトリエを訪ねていらっしゃいました。まだ会場を検討中の段階で、具体的に決まっていることはご家族中心の小規模な結婚式ということくらい。まずはいくつか提案した場所の中から、ふたりの目に留まったのが広大な敷地を持つ「サンセットランチ」でした。
会場が決まったら次はイメージを形にしていく番です。ふたりが大事にしたいのは、大好きな家族と過ごすアットホームな時間。基本的には全てお任せくださったので、私たちも「どうやったら喜んでいただけるかな」と、ワクワクしながら準備をスタートしました。
会場のサンセットランチの敷地内にそびえる樹齢100年を超すユーカリの木。この下で挙式を行った
今回のカップル「Tsukasaさん&Risaさん」
誠実な人柄が魅力のふたり。今回、大好きな家族との旅行を兼ねてハワイの挙式を計画。みんなが自然体で楽しめるウエディングを叶えるため、綾乃さんの元を訪れた。
【会場】サンセットランチ(ハワイ/オアフ島)
※問い合わせは「TRUEwedding」まで(下記プロフィール欄参照)
軽やかなミモレ丈のドレスと真っ赤な靴
花嫁のRisaさんが選んだのは軽やかなミモレ丈のドレス。小柄な体形をより可愛らしく見せてくれるベストチョイスの一着でした。会場にもとても映え、私たちも思わず拍手を送ったほどです。テーマカラーがボルドー系の濃い赤だったので、真っ赤な靴とヘッドドレスを差し色にしてコーディネートを完成させました。
お支度が終わり、いよいよ大事な「ファーストミート」の時間です。花嫁姿で登場したRisaさんを優しいまなざしで見つめるTsukasaさん。挙式が始まるまで、敷地内のガーデンでふたりだけの甘い時間を満喫してもらいました。
【1枚目】お支度中のRisaさん。花嫁になる実感がじんわり湧いてくる大事な時間
【2枚目】ガーデンでのファーストミート。緊張と喜びが一度に押し寄せる
【3枚目】挙式&パーティ終了後、ビーチでロケーション撮影を楽しむふたり
ブーケセレモニーから始まった感動の挙式
挙式は青空の下、大きなユーカリの木陰で行いました。家族が見守る中、お母さまからベールダウンをしてもらい、彼の元へと歩み寄るRisaさん。みんなが参加できる温かい式にしたくて、ご家族の皆さんにもさまざまなご協力をお願いしました。めいっ子のAnちゃんにはリングガールを頼み、お花をされている新郎のお母さまには、ブーケセレモニーの花をリボンで結んで花束に仕上げてもらうことに。
誓いの言葉もふたりらしく。お互いに普段使っているニックネームで問い掛けていたのがほほ笑ましくて印象的でした。
【1枚目】セレモニーは緑の草原が広がる屋外で。吹き抜ける風がすがすがしい
【2枚目】ゲストが見守る中、お母さまからベールダウンをしてもらうRisaさん
【3枚目】一人一人から受け取った花で、ブーケを仕上げるTsukasaさんとお母さま
ワンポイントadvice「椅子の並べ方にも一工夫を」
ふたりの挙式では、あえて椅子をきちんと並べませんでした。椅子自体のデザインも統一せず、自然な「持ち寄り感」を大切にしました。新郎新婦の誠実な人柄から、ご家族の皆さんもきっと真面目でいらっしゃると思ったので、全てをきちんとすると硬くなり、緊張される気がしたので。結果的に、くつろいだ雰囲気が生まれて正解だったと思います。
テーブルコーディネートのテーマはハーベスト(収穫)
ハワイはちょうど秋。常夏で日本のように四季がはっきりしているわけではないけれど、ハーベスト(収穫)の時期なので、それらしい雰囲気のテーブルにしてみました。ユーカリの葉をベースに、秋をイメージさせるアルストロメリアなど暖色系の花に実モノ、そしてハワイらしく中央にパイナップルを置いてコーディネート。テーマカラーの赤を差し色に、大人っぽくておしゃれなテーブルに仕上げました。
【1枚目】シックながら、独特な色合いとセンスで仕上げた「ハワイの秋」がテーマのテーブルコーディネート
【2枚目】テーブルと同様、秋の実りをあしらったウエディングケーキ
ワンポイントadvice「季節感をワンポイントで取り入れて」
「季節」は取り入れやすいテーマの一つ。トータルで揃えず、テーブルの上にワンポイント用いるだけでも雰囲気づくりができます。ただし表現の仕方はさまざま。今回のふたりは、「ハーベスト」をイメージしたハワイウエディングならではの「秋」です。同じ秋でも「和の風情が感じられる秋」や「思い出の中にある秋」などいろいろありますよね。ふたりの想いをプランナーさんに相談しながら、一緒に形にしてみてはいかがですか。
父母の生演奏に合わせてみんなで合唱。心温まるパーティタイム
パーティは、シェアスタイルのピクニックランチ。大きな1つのテーブルを全員で囲み、お互いが顔を見ながらおしゃべりを楽しめるスタイルにしました。
うたげのスタートは新郎のお兄さまのスピーチから。「せっかくハワイまで来たんですからハワイ語で乾杯しましょう」と、現地の言葉で乾杯を意味する「ヒパヒパ!」という掛け声とともに、楽しいパーティタイムが始まりました。
もう一つ、パーティを盛り上げてくれたのは、花嫁のご両親のギターとマンドリン演奏。趣味の域を超えているとお聞きしていたので、「ぜひパーティで」とお勧めしていたのです。最初は遠慮がちだった皆さんも、最後は全員で前へ出て大合唱。近く誕生日を迎える人たちのためにカットしたケーキでお祝いする一幕も。
みんなが自然と何かしらの役割を担い、いつの間にか全員が参加している。そんな理想のアットホームなウエディングに、私たちスタッフもその幸せを一緒に味わい、感動的な一日を過ごすことができました。
【1枚目】花嫁の父母がギターとマンドリン演奏を披露。『糸』や『君といつまでも』など、みんなが一緒に歌える曲を弾いてくれた
【2枚目】歌詞カードを手に、にっこり笑顔のRisaさん
【3枚目】両家の家族を前に、感謝の言葉を述べるふたり
From 編集部
from綾乃「みんなが参加することで、より心に残る一日に」
家族やゲストの得意な分野を見つけて何かをお願いし、一緒に楽しめたら、思い出に残る素敵な結婚式になると思います。大事なのは余興という形ではなく、一人一人が「みんなの輪の中に入れた」という実感が持てること。参加しながら楽しむことで、初めて顔を合わせたゲスト同士も、式が終わるころにはきっと一体感に包まれていることでしょう。
立原綾乃 TRUEwedding代表/ディレクター
「結婚式という時間そのものをデザインする」という新しい発想で、日本のウエディングデザイナー第一人者として活動。特定の会場を持たず軽井沢・ハワイに特化した1日1組のオーダーメイドウエディングプロデュース「TRUEwedding」を手掛ける。
相手の想いを形にする抜群のセンスと彼女にしかつくれない温かな時間は、ウエディングにとどまらず、ライフスタイルにおいても多くの女性から人気を集めている。
TRUEwedding TEL03-6450-6363
http://truewedding.jp/
企画・監修・写真提供/立原綾乃 構成・文/南 慈子
※掲載されている情報は2017年5月時点のものです
BGMを決めるときに知っておいてほしいこと
●会場によって、音源の持ち込みができない場合や取り扱える音源に制限がある場合があります。事前に会場に相談、確認をしましょう。
●曲を購入する前に、会場での使用が可能かを事前に確認しましょう。
●会場によって、音源の再生タイミングの指定など、オペレーションの制限がある場合があります。事前に会場に相談、確認をしましょう。
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