【マナー講師監修】おめでた婚(授かり婚)の結婚挨拶(あいさつ)いつ・どう伝える?
妊娠をきっかけに結婚を決める「おめでた婚(授かり婚)」の場合、「親に理解してもらえるかな?」と心配になる人もいますよね。そこで、マナー講師の先生に妊娠が分かってからのダンドリやよりよい親への挨拶(あいさつ)の仕方を聞いてみました。マナーや文例も参考にして、両家の親から祝福してもらえる挨拶(あいさつ)を考えていきましょう。
[監修]
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
おめでた婚(授かり婚)の【結婚挨拶までの流れ】
妊娠が分かったら、早速、ふたりで結婚式や新居、仕事など今後のことを相談しましょう。
そして、自分の親に「結婚したいこと」「妊娠したこと」を伝え、なるべく早く、相手の親に会いに行って、結婚を認めてもらう挨拶をします。
親に話す前にどんなことをふたりで話し合っておけばいい?
以下のことは自分の親に報告するときにも、相手の親に挨拶するときにも聞かれそうなので、自分たちの考えをまとめておきましょう。
●婚姻届はいつ出す?
●結婚式は行う?行う場合、いつ?(安定期に入ったら、出産後など)
●新居はどうする?引っ越しするならいつ?どこに?
●出産はどこでする?里帰りする?
●仕事は続ける?続ける場合、どうやって子育てしていく?
●出産や子育て、結婚式などのための貯蓄はどのくらいある?
【自分の親に妊娠と結婚の報告】をする
~タイミングや手段、重要なこと~
●タイミング……いち早く。遅れると「出産や結婚を迷っていたのでは?」といらぬ心配をかけます。
●手段……親と対面で話すのが理想的ですが、元々交際に対して親が好意的だった場合、実家が遠方でなかなか行けない場合などはビデオ通話や電話でもOK。
●重要なこと……明るく、前向きに。おめでた婚を「Wハッピー婚」ともいうように、幸せな話なので、後ろめたく思う必要なし。相手の誠実さや長所も話し、ふたりとも幸せな気持ちでいることを伝えると、親も前向きな気持ちになります。相手が「早く挨拶に来たい」と思っていることも伝えて。
自分の親におめでた婚(授かり婚)を伝えるときの“文例”
●交際が親公認の場合……「〇〇さんとは結婚を前提に付き合っていたんだけど、実は赤ちゃんを授かったの。突然のことで、びっくりさせちゃったね。彼(彼女)も喜んでいて、『早速、婚姻届を出そう』って……」
●相手のことを親に話したことがなかった場合……「実は〇年ほど交際している人がいて……。隠すつもりはなかったけど、言うタイミングを逃していました。その彼(彼女)との間に赤ちゃんを授かり、結婚しようという話になりました。彼(彼女)は〇〇〇〇〇〇な人です(彼・彼女のことや交際の経緯などを説明)」
●相手の親への結婚挨拶の相談……「彼(彼女)も『早く挨拶に行きたい』と言っています。お父さんとお母さんの都合がいいのはいつ?」
自分の親がどんなことを心配しているか察しながら会話を
おめでた婚の場合、親はうれしいことと思いつつも、聞いた瞬間は戸惑ったり、心配になったりすることも。親が「どこを気にしているか」を読み取り、相手の親への挨拶のとき、自分たちの言葉で説明できるようにしておきましょう。
【娘の妊娠&結婚を聞いた親が心配になったことTOP5】
1位:結婚相手のこと(39.4%)
2位:経済的にやっていけるか(32.7%)
3位:娘の体の負担(26.9%)
4位:ふたりの将来設計(18.3%)
5位:娘のキャリア(15.4%)
【相手の親に結婚の挨拶】に行くときの
~順番とタイミング、マナー~
●順番……以下の中で1が一般的ですが、状況によっては2~4の基準で順番を決めてもOK。
1.彼女側の親に先に挨拶……昔から親への挨拶は「彼女側の方が先」といわれます。彼女の親が「それが常識」と思っている場合、逆にすると印象が悪くなるので、先に彼女側の親に挨拶に行った方が無難
2.家が近い方の親に先に挨拶……一方が遠方でなかなか行けない場合。そのとき、電話でよいので、「すぐ挨拶に伺えず申し訳ありません」と伝えたい
3.結婚に関して心配事が多い親、難色を示している親に先に挨拶
4.まだ会ったことがない方の親に先に挨拶
●タイミング……なるべく早く。つわりで外出がつらい場合はその旨を伝えて、安定期に入ってから。すぐに行けない場合、ビデオ通話で簡単なご挨拶だけでもしておくと好印象。
●場所……自宅に訪問するのが一般的ですが、親の希望でレストランの個室など外で行ってもいい。
親挨拶での服装、手土産、訪問時のマナーはこの記事でチェック
妊娠中はおなかを締め付ける服、ヒールの高い靴は避けましょう。それ以外のマナー(手土産の選び方や渡し方、訪問におすすめの時間帯、身だしなみ、訪問後のお礼など)は他の人たちと同じなので、以下の記事を参考に。
おめでた婚(授かり婚)の挨拶で【大切なPOINT3】
【POINT1】真摯(しんし)な姿勢
第一のポイントはふたりの「真摯な気持ち」を伝えること。「妊娠したから結婚します」という言い方だと、親に「渋々結婚することにしたんじゃないの?」と勘繰られてしまいます。
交際の段階から真剣にお付き合いしてきたこと、妊娠→結婚と順番が逆になってしまったけれど、ふたりとも本気で結婚したいと思っていることを伝えた上で、親の目を見て、結婚を認めてもらう言葉を口にしましょう。
【POINT2】覚悟が伝わる言葉
おめでた婚の場合、夫(妻)として家庭を守っていく覚悟に加え、親としてしっかり子どもを育てていく覚悟がどのくらいあるかが問われます。ここで重要なのは強い気持ち。子どもが生まれたときのことをイメージして「どんな家庭を築き、どんな思いで子どもを育てていきたいか」、誠意ある決意のひと言を加えたい。
【POINT3】具体的な将来設計
覚悟を語っても、裏付けがないと絵に描いた餅。この先もずっと共働きするつもりなら「どのような協力体制の下に子どもを育てていこうと思っているのか」を具体的に話したい。
経済的に厳しい場合は、「しっかり働き、無駄遣いせず、将来のために備えたい」など生活設計についても触れたい。
女性側の親への結婚挨拶の“文例”
<初対面の場合>
「初めまして。〇〇〇〇と申します。本日は私のためにお時間を取ってくださいましてありがとうございます。
〇〇さんとは〇年前に知り合い、結婚を考えて交際してきました。このたび、妊娠が分かり、新しい命の誕生を大変うれしく思っております。順番が逆になってしまいましたが、〇〇さんと生まれてくる子どもは私にとってかけがえのない存在です。どんなことがあっても家族を守る覚悟はあります。幸せな家庭を築いていきますので、結婚を認めていただけないでしょうか?」
<彼女の親と面識がある場合>
「ご無沙汰しております。本日は私のためにお時間を取ってくださいましてありがとうございます。
〇〇さん(彼女の名)からのご報告の通り、このたび、私たちの間に新しい命を授かりました。結婚と妊娠の順番が逆になってしまいましたが、私自身はもっと前から〇〇さんとの結婚を考えておりました。〇〇さんと生まれてくる子どものことを大切に思い、誠心誠意守っていきたいと思っておりますので、結婚を認めていただけないでしょうか?」
男性側の親への結婚挨拶の“文例”
※彼が先に妊娠と結婚の話まで進め、その後、以下のように彼女が挨拶するのが一般的です。
<初対面の場合>
「初めまして。〇〇〇〇と申します。本日は私のためにお時間を取ってくださいましてありがとうございます。
〇〇さんとは交際〇年になりますが、かねてより、結婚するなら〇〇さんしかいないと思っておりました。今、私のおなかの中にはふたりの赤ちゃんがおりまして、現在〇カ月です。ふたり力を合わせて、子どもを守り、育てていく覚悟でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
<彼の親と面識がある場合>
「ご無沙汰しております。本日は私のためにお時間を取ってくださいましてありがとうございます。
現在、私は妊娠〇カ月で、〇月に出産予定です。〇〇さんとの子どもができて、本当に幸せです。未熟ではありますが、〇〇さんの妻として、生まれてくる子どもの母として、一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」
おめでた婚カップルの成功談
【彼の気持ちを聞いた親が順番の違いを気にしなくなった】
彼にはすぐ実家に来てもらい、「順番が違って申し訳ありません。でもお付き合いし、一緒に暮らしている中で、結婚したいとずっと思っていました。改めてお願いします。結婚させてください」と挨拶。実は親も順番の違いを気にしていたのですが、「それでもうれしい。おめでとう」と喜んでくれました。(M.N.さん)
【頑固な父も固い決意を聞いて応援してくれるように】
彼が海外に転勤した直後に妊娠が判明。すぐに帰国した彼と揃って実家に挨拶に行きました。父に怒られることも覚悟していましたが、彼の真面目さや、子どもを産み、育てていくことに対する私たちの固い意志を感じ取ってくれたようで、和やかに話が進み、私たちを応援してくれるように。(mittyさん)
【経済的な不安よりも、彼の思いの方が勝った】
彼としては自営の店の売り上げが安定したら結婚するつもりでいたのですが、先に妊娠。それが分かった直後、彼が「しばらく経済的に苦労させるかもしれないですが、絶対に幸せにするので、結婚をお許しいただけますか?」と挨拶。親も状況を理解してくれ、「孫ができる」と大賛成。(まなてぃさん)
親への報告や結婚挨拶のときに
“相談したいこと”
1.両家顔合わせに関すること
双方の家族が集まって会食を行う「両家顔合わせ食事会」は、両家の縁を結ぶ大切な婚約イベント。いつ、どんな場所で、どんな顔触れで行いたいか、親の希望を聞きましょう。
2.結婚式に関すること
結婚式に関してはふたりの希望と親の希望の擦り合わせをしましょう。行う場合、時期や場所、招待するゲストの範囲、こだわることなどの相談を。
3.結婚資金に関すること
資金が少ない場合、正直に今ある貯蓄額を伝えましょう。引っ越しや出産、結婚式にはそれなりのお金が必要。足りない場合は「親に援助してもらえないか」「一時的に借りられないか」相談してみて。
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From 編集部
「このふたりなら大丈夫!」と思ってもらえるようにしよう
結婚の挨拶では言葉選びや伝え方が大事。ふたりの思いがしっかり伝わる丁寧な挨拶を心がければ、「このふたりなら大丈夫!」と応援してもらえ、「結婚と同時に孫までできてうれしい」とおめでた婚だからこその二重の喜びを感じてもらえるはず。
構成・文/渡邊博美 イラスト/田中麻里子
※記事内のデータは2016年12月に娘がおめでた婚だった親104人が回答したマクロミル調査、コメントは2016年10月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー103人が回答したアンケートによります
※掲載されている情報は2023年11月時点のものです
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