ビシッと決まる!新郎の謝辞「基本と文例」
披露宴の締めくくりに、みんなへ感謝を伝える謝辞。
集まってくれたゲストや、ふたりの結婚を見守ってくれた親、そして結婚準備を一緒に頑張ってくれた花嫁にも、心からの「ありがとう」を自分の言葉で伝えよう。
- 披露宴の締めとなる新郎の謝辞は2分くらいの長さが適当
- 原稿は「導入」「本題」「結び」に分けて分かりやすくまとめよう
- 必ず練習をし、本番ではゆっくり堂々と話そう
Index
#01|新郎謝辞って何?
ゲストに感謝を伝えるスピーチ
お開きの前に行う新郎の見せ場
新郎謝辞は、##s##披露宴の終盤に行う新郎からのお礼のあいさつ##e##。以前は両家を代表して新郎側の父からあいさつすることもあったけれど、最近では新郎がマイクを持つのが主流に。ゲストに感謝とこれからの決意を伝える見せ場を、格好よく決めたい。
#02|新郎謝辞の基本構成って?
「導入」「本題」「結び」の3部構成が基本
定型をアレンジして自分らしさをプラス
新郎の謝辞は披露宴の締めくくりなので、短すぎても長すぎても締まりが悪くなる。##s##大体2分、文字にして600文字前後の長さが適当##e##。構成は「導入」「本題」「結び」に分けると、聞いている人に分かりやすい。
▼新郎謝辞の基本構成イメージ
【導入】
本日はご多用の中、ふたりのためにお集まりいただきまして、ありがとうございました。皆さまからの温かいご祝辞に、あらためて感謝を申し上げます。
【本題】
この日を迎えるまでの間にいろいろなことがありました。時には彼女と意見が食い違ってしまうこともありましたが、お互いにごめんねと言える、思いやりのある関係を築くことができました。そのおかげで今では何でも話し合えるようになり、より一層絆が深まったと感じております。
【結び】
これからは皆さまや両家の親をお手本に、明るく笑顔あふれる家庭をつくっていきたいと思います。未熟なふたりではございますが、今後ともご指導ご鞭撻(べんたつ)のほど、よろしくお願いします。
基本の構成が分かったところで、次から各項目を詳しく見ていきましょう。
#基本構成|導入
披露宴を締めくくる大事なあいさつ
抱負を盛り込みながらお礼を伝える
まずは出席してくれたことへのお礼を伝え、当日の祝辞や温かい言葉に対して##s##あらためて感謝を述べよう##e##。ゲストだけではなく、花嫁や両家の親、当日お世話になった人たちへの感謝の想いも、##s##謝辞の冒頭で伝えておきたい##e##。
▼具体的には何を書く?「導入」の文例を紹介
ゲストに宛てた導入の文例
本日は、私たちのためにお集まりいただき、ありがとうございました。このように盛大な披露宴ができたのも、ひとえに皆さまのおかげと心より感謝申し上げます。
ゲスト+親に宛てた導入の文例
皆さまからお祝いや励ましの言葉、誠にありがとうございました。また妻となる○○さんのお父さん、お母さん、○○さんを私が住む遠方に連れて行くことをお許しいただき、心より感謝しています。
その場にいる全員に宛てた導入の文例
皆さま、本日はご多用の中、私たちふたりの結婚式にお越しいただき、ありがとうございました。スピーチや余興をしてくださった方々、会場スタッフの皆さま方にもあらためてお礼を申し上げます。
#基本構成|本題
今、思うことや感じていること、
結婚生活への抱負などを盛り込もう
本題のポイントは「##s##今日一日を振り返って、何を思い、何を感じたのか##e##」。事前に原稿を用意していても、この部分だけはぜひ当日盛り込んでほしい。またこれから##s##ふたりがどんな夫婦になりたいのか##e##、抱負も述べよう。
▼具体的には何を書く?「本題」の文例を紹介
感謝の想いを込めた本題の文例
○○部長からのご祝辞、素敵なダンス、学生時代を思い出すスピーチ、皆さまからのお祝いのお言葉、どれも心温まるものばかりで、ありがたく思っています。
抱負や誓いを述べる本題の文例
さまざまな壁にぶつかることもあるかと思いますが、いつも明るく笑顔の絶えない家庭を築き、必ず○○さんを幸せにすることをこの場をお借りして誓います。
今の心境を伝える本題の文例
本日は楽しんでいただけましたでしょうか? 皆さまのおかげで無事にお開きを迎えることができ、今はホッとしているような、寂しいような気持ちです。
#基本構成|結び
ゲストの幸せや健康を願い、
感謝の言葉で締めくくろう
##s##結びの言葉はオーソドックスに##e##。「皆さまのご健康とご多幸をお祈りして」というゲストを気遣う言葉や、「これからも変わらずお付き合いください」「ご指導ご鞭撻のほどを」というような、##s##決まり文句の組み合わせでOK##e##。
具体的には何を書く?「結び」の文例を紹介
結びの文例「皆さまのご多幸を……」
最後になりましたが、ご列席の皆さま方のご健康とご多幸をお祈りしまして、私たちふたりのごあいさつに代えさせていただきます。本日はありがとうございました。
結びの文例「ふたりをお願いします」
お互いに支え合い、共に人生を歩んでいきたいと思います。これからも私たちふたりをどうぞよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
結びの文例「ご指導ご鞭撻ください」
これから皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、少しずつ成長してまいります。未熟なふたりではございますが、今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
#03|ゲストタイプ別!
そのまま使える謝辞文例
新郎謝辞は、パーティのゲストの顔触れに合わせてフォーマルな言い方をしたり、親しみのある言葉を使うと、場にふさわしいものに。以下の文例やアレンジ例を参考にして、自分なりの原稿を作ってみよう。
<職場や親族、友人が勢揃いしたフォーマルな披露宴の場合>
<導入>
皆さま本日はご多用の中、私たちふたりのためにお集まりいただきまして、ありがとうございました。このように盛大な披露宴を行えましたのも、ひとえに皆さまのおかげと心より感謝申し上げます。また今日の日を支えてくださった会場スタッフの皆さまにも、この場を借りてお礼を申し上げます。
<本題>
職場の皆さま、今後は大切な家族を守るため、一層気を引き締めて業務に励む所存です。これからもご指導よろしくお願いいたします。
友人の皆さま、今日の余興、仲間の良さをあらためて感じました。これからも困ったときには助け助けられる関係として、変わらぬお付き合いをお願いします。
親族の皆さま、幼い頃から良くして下さいまして大変感謝しています。これからも私たちを見守っていただければと思います。
<結び>
これからはふたりで力を合わせ、悲しみは半分に喜びは二倍にして、夫婦の絆を深めていこうと思います。ただ、ふたりとも未熟者でございます。今後ともご指導、ご鞭撻(べんたつ)を賜りますよう、よろしくお願いします。最後になりましたが、ご列席の皆さま方のご健康とご多幸をお祈りいたしまして、私たちふたりのごあいさつに代えさせていただきます。
本日は、ありがとうございました。
<友人同士のカジュアルなパーティの場合>
<導入>
本日は、私たちふたりのために集まっていただきまして、本当にありがとうございました。皆さまからの温かい祝福や励ましの言葉に、目から汗が出っ放しの一日でした。
<本題>
この日を迎えるまでに、たくさんのことがありました。紆余(うよ)曲折は、ここにいる多くの方のご存じの通りです。その都度私たちを見守り、諭し慰め、時に叱ってくれた友達には、感謝してもしきれません。みんながいなければ、こんなに幸せな日は迎えられませんでした。本当にありがとう!
<結び>
これからは、お互いに支え合い共に人生を歩んでいきたいと思います。未熟なふたりですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
<家族や親族だけの少人数の祝宴の場合>
<導入>
本日は、私たちふたりのために集まっていただきありがとうございました。大切な家族に見守られて無事に結婚式を挙げることができ、ホッとしています。
<本題>
○○さんのお父さん、お母さん、これからは私が○○さんを守り、日々の感謝を忘れずにふたりで温かい家庭を築いていきます。父さん母さん、今まで育ててくれて本当にありがとう。ふたりのように本音でぶつかり合いながらも常にお互いを支え合える夫婦に、私たちもなりたいと思います。
<結び>
これからも、まだ迷惑を掛けることがあると思いますが、よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。
#04|事例別!新郎謝辞のアレンジ例
ゲストに伝えたい事情がある場合は新郎謝辞の中で伝えるのがスムーズ。あらかじめ原稿に組み込んでおこう。
<雨や雪など天候が良くない場合>
▼導入部分をアレンジ
本日は、あいにくの雨でお足元が悪い中お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。良き日の雨は「恵みの雨」とも申します。これにあやかり、実りのある温かな家庭を築いてまいりたいと思います。
<おめでた婚であることに触れる場合>
▼本題部分をアレンジ
この場を借りて、皆さまにご報告がございます。実は△△のおなかには、新しい生命が宿っております。来年○月には、3人での新たな生活が始まる予定です。これからはよき夫よき妻であるだけでなく、よき父よき母としての役目も果たしていきたいと思っています。
<晩婚であることに触れる場合>
▼本題部分をアレンジ
私自身、長らく独身を貫いておりましたが、思いがけず素晴らしい良縁に恵まれ、驚きと共に幸せをかみ締めております。皆さまには長いことお待たせしてしまいましたが、これからは人生最良の伴侶と共に歩んでいく所存です。
<不幸があったことに触れる場合>
▼本題部分をアレンジ
実は昨年○月に妻の祖父が他界しました、妻をかわいがってくれていた祖父を招くことができなかったことは、本当に残念でなりません。○年前に他界した私の父もまた、この日を楽しみにしていたことと思います。今ここに集えることの奇跡をかみ締め、ふたりで温かな家庭を築いていきたいと思っています。
#05|注意したいNGワード
結婚式というお祝いの場で、避けた方が良いとされる「重ね言葉」と「忌み言葉」。ふたりらしい言葉で語ることが大事なものの、手紙などを準備する際は念のため確認しておこう。
Caution! 不幸・不吉な言葉
不吉な言葉や、不幸を連想させる「忌み言葉」も##s##結婚式ではタブー##e##とされる。エピソードを語る上で、どうしても避けられない場合は、##s##ソフトな言葉に言い換えを##e##。
例)苦しい、悲しい、忘れる、負ける、衰える、色あせる、病気、亡くなる、涙、泣く、滅びる、しめやかに、悪い
Caution! 別れを連想する言葉
夫婦の##s##別れを連想させる言葉も控えたい##e##。刃物や割れ物を引出物として使わないのも、同じ理由から。手紙を書いたら必ず見直そう。
例)別れる、離れる、終わる、切れる、割れる、破れる、壊れる、捨てる、去る、消える、なくす、流れる、ほどける
Caution! 重ね言葉・繰り返し
結婚式では、##s##繰り返しを連想させるような言葉を避ける##e##のが一般的。例えば「重ね重ねありがとう」なら、「本当にありがとう」など、##s##差し障りのない言い回しに変えてみて##e##。
例)【重ね言葉】重ね重ね/重々/次々/たびたび/しばしば/くれぐれも
【繰り返し】繰り返し/再び/戻る
Caution! その他気を付けたいNG話題
暴露話や過去の恋愛について
両家の家族や親族が集まる場で、##s##過去の恋愛話はご法度##e##。暴露系もお祝いの場にふさわしくないので気を付けておこう。
自慢話
スピーチで語ってもらう分はいいが、##s##自分で言っちゃだめ##e##。謝辞で大事なのはみんなへの感謝。自慢話は別の機会にとっておこう。
下ネタ話
まさかの下ネタだけど、お開き間近になると飲みすぎて酔っぱらいモードの新郎も。あらぬことを口走らないよう、##s##花嫁が徹底ガード##e##!
政治や宗教の話
政治や宗教、思想について言及するのも披露宴の席では##s##タブー##e##。いろんな考えを持つゲストがいるので、##s##不快な思いをさせないように##e##。
#06|新郎謝辞を成功させるポイント
【point1】必ず声を出して練習!
結婚式は自分が主役。たとえ人前で話すことに慣れていたとしても、多くの人が緊張する。声が上ずったりかんでしまうと、余計に緊張が増すので、事前の練習は必須。##s##普段よりも大きな声で、ゆっくりと話す練習をしよう##e##。
【point2】カンペなしが不安なら見てOK!
声に出して練習してみて、何度も間違うようならば、##s##カンペを見て話しても大丈夫##e##。見てもいいと思えれば、意外とすらすらと言えることも。暗記しようと無理せず、平常心を保って。
【point3】マイクは持ち手をしっかり握る!
カラオケのようにマイクの頭を持ってしまうと、ゲストに悪目立ちするので注意。マイクは##s##小指を立てずに、持つところをしっかり握って持とう##e##。
【point4】目線は会場の奥の方を見る!
カンペは見てもOKだが、##s##ずっと下を向いていたりゲストの方を見ないようにするのはNG##e##。前を向いて堂々とした姿が、親や親族に安心感を与える。目線を一人一人と合わせるのが気恥ずかしいなら、会場の奥の方からジグザグに目線を動かすとGOOD。
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締めくくりの謝辞は新郎の最大の見せ場。出席してくれたゲストに感謝の気持ちを伝え、両家の代表としてその責任を全うしよう。内容はもちろん大事だけど、
読む姿勢や声も大事なポイント。書き方・読み方のコツを押さえて、頼もしさをゲストに印象付けよう。