両家を代表し、新郎側の親が務めるケースが多い謝辞
ゲストへの感謝を親の立場で伝えましょう
謝辞で締める披露宴
披露宴がお開きを迎える前に、両家を代表していずれかの親が謝辞を述べるのが一般的です。役割を担うのは新郎側のお父さんが多いのですが、もちろん状況によっては新婦側のお父さんやいずれかのお母さんが務めても構いません。最近では、親御さんに代わって新郎が謝辞を引き受けたり、親の謝辞とは別に決意を述べたりするようになってきました。親御さんとしては、出席してくださったゲストへの感謝と、「ふたりをよろしくお願いします」という思いを言葉にして伝えたいものです。
謝辞の基本構成はシンプル
「出だし」「感謝」「お願い」「締め」にアレンジを加えて
オーソドックスな謝辞の構成はパーツで分けることができます。まず「出だし」の言葉から始まって、次にゲストへの「感謝」を述べ、続いて今後ともふたりを見守ってほしいとの「お願い」をし、ラストは「締め」の言葉です。この4つのパーツを組み合わせながら考えると意外と簡単。そして文例集を参考にしつつ、少しだけオリジナルのアレンジを加えてみてはいかがでしょう。長い謝辞を述べる必要はありません。1~2分程度のあいさつでも十分です。暗記するのが不安ならメモを持ち込んでも問題ありませんので、気構えずに落ち着いて臨みましょう。
- 出だしの言葉
- 最初が肝心です。親御さんからゲストへの「感謝の気持ちを込めたあいさつ」となっていれば問題ありません。
- 感謝の言葉
- ふたりを祝福するために集まってくださった、ゲスト一人一人に対して感謝の気持ちを伝えます。
- 依頼の言葉
- まだまだ未熟なふたり。そんなふたりをこれからも支え、導いてほしいとの願いを込めた言葉を。
- 締めの言葉
- ゲストの健康とご多幸を祈る言葉を添え、親御さんからの感謝の気持ちを再度織り交ぜつつ、締めましょう。

そのまま使える文例集
文例1 | 文例2 | 文例3 |
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新郎の父・小泉一郎と申します。本日は新郎新婦のために多くの皆さまにお集まりいただきましたことを、両家を代表し、心より感謝申し上げます。 | 両家を代表し、新郎の父・小泉一郎よりごあいさつを述べさせていただきます。本日はあいにくの空模様にかかわらず、ご出席いただきましてまことにありがとうございました。 | ただいまご紹介にあずかりました新郎の父・小泉一郎でございます。本日、無事にこの日を迎えることができ、感無量の思いでいっぱいです。 |
出だしは今日の天候や披露宴のようす、ゲストの顔ぶれなどに合わせて変化を付けてみてはいかがでしょう。オリジナリティに加え、親ならではの気配りも伝えられそうです。
文例1 | 文例2 | 文例3 |
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本日はあいにくの空模様にもかかわらず、このように多くの皆さまにご臨席を賜り、深くお礼を申し上げます。先程からの多くの方々からのご祝辞や、温かい励ましのお言葉、親としても身に余る光栄でございます。 | 新郎・孝二郎が、このように素晴らしいはるかさんという生涯の伴侶を得て、今日の佳き日を迎えられましたことも、ひとえに本日お集まりの皆さま方の、温かい励ましとお力添えの賜物だと心より感謝申し上げます。 | 皆さま方にはお忙しい中、ふたりのためにお集まりいただきまして、あらためてお礼を申し上げます。また、媒酌の労をおとりいただいた○○様ご夫妻(仲人がいる場合)にも厚く御礼申し上げます。 |
「皆さまがいてくださっての新郎新婦」という感謝の気持ちを、自分が最も伝えやすい言葉で。祝辞をいただいた際などに感じた思いを盛り込むと、さらに深みが出るでしょう。
文例1 | 文例2 | 文例3 |
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まだまだ至らぬところばかりのふたりでございます。勝手なお願いではございますが、どうかこれからも温かく見守り、叱咤激励いただけると幸いです。 | 本日晴れて夫婦となったふたりですが、これから新しい家庭を築いていく道のりは決して平坦ではないでしょう。今後とも皆さま方のご指導・ご鞭撻を賜りたいと思っております。 | 本日、新しい人生のスタート地点に立ったふたりですが、親の目から見ればまだまだ未熟で心もとないものがあります。ぜひとも皆さまのお力添えを頂戴したく存じます。 |
「こういう家庭を築いていってほしい」という親としての思いを含め、ゲストにふたりを温かく見守ってほしい旨を伝えましょう。親の愛がひしひしと伝わる文面だとベストです。
文例1 | 文例2 | 文例3 |
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ご臨席の皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げまして、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。 本日はお忙しい中、まことにありがとうございました。 |
本日は慣れない宴席で不行き届きの面も多々あったと思いますが、何卒おゆるしくださいませ。結びに皆さまのご健康とご多幸を願いつつ、両家代表のごあいさつと代えさせていただきます。 | この後、新郎・孝二郎にもあいさつをさせますが、まずは両家を代表いたしまして、私より皆さま方へのお礼の言葉とさせていただきます。 本日はまことにありがとうございました。 |
ラストは自分が一番言いやすいフレーズを使うと安心です。途中の言葉が多少詰まったとしても、締めくくりがきちんしていれば、親御さんの思いも必ずゲストに伝わることでしょう。
謝辞を述べる順番は親の次に新郎
新郎の謝辞とバッティングしないよう事前確認を
披露宴ではゲストへの感謝を込めて、両家を代表する親の謝辞で締めくくるのが基本です。ただし最近では新郎自ら謝辞を述べるケースも増えてきました。それぞれあいさつを行う場合は、親から新郎の順番で。感謝を伝えるという点に関してはいずれの謝辞も一緒ですが、親が「ふたりの今後を託す」という内容を盛り込むのに対し、新郎は「自らの抱負」を述べるという点が大きく異なります。新郎と話す内容が極力重ならないようにするには、基本文例にオリジナリティをひとつまみ。アドリブで今日の喜びを加えたり、ふたりに対する叱咤激励の言葉を盛り込むのもよいでしょう。新郎と事前に内容のすり合わせをしておくとさらに安心です。
【まとめ】親の謝辞のポイント
「締めのあいさつ」と言うと何だか責任重大な気がしますが、できるだけリラックスして臨みましょう。準備さえしっかりしていれば大丈夫。文章の基本構成を把握したら、後は文例集を元にお父さんならではの謝辞を考えてみてください。親の愛情が感じられる内容なら、ゲストの共感もきっと得られるはずです。