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【結婚式の着物】親族・姉妹が着る際の選び方やマナーを解説

結婚式で親族が着る着物には黒留袖や色留袖、振り袖、訪問着などがあります。とはいえ誰が何を着ればいいのか、選ぶ際にはどこに気を付けたらいいのか、知っておくべきことはいろいろありそうです。今回は、そんな「親族の着物の選び方」を、和装のプロに詳しく聞いてみました。

私がアドバイスします!

和装スタイリスト・着付け師 金田恵理子さん
和装スタイリスト・金田さんの顔写真

結婚式では、着物姿の人がいると会場が華やぎます。この機会にぜひ、ご親族の皆さんと一緒に和装のTPOとマナーを学んでくださいね。

結婚式で親族が着る着物といえば、多くの人が母親の黒留袖を思い浮かべるのではないでしょうか。でも、実際にはもっとさまざまな種類の着物があるんです。ここでは結婚式に適した着物の特徴についてご紹介します。

黒留袖(くろとめそで)

既婚女性の正礼装(第一礼装)で最も格式の高い着物です。主に母親が着用しますが、新郎新婦に近い間柄の親族の着用も可能です。

黒留袖の特徴

●背中の上部に1つ、両胸と両袖に2つずつ、全部で5つの家紋が入る。
●比翼(ひよく)仕立て*で、黒の地色に金糸の刺しゅうや金箔(きんぱく)でおめでたい柄が豪華に施されている。着物の上半身に柄が入っていないのが特徴。
●黒留袖には、豪華で品格のある袋帯を合わせる。

*比翼仕立て…着物を2枚重ねているように見せる仕立てのこと

色留袖(いろとめそで)

既婚・未婚を問わずに着られる着物が色留袖です。黒留袖と同様、比翼仕立てになっていて、五つ紋にすれば黒留袖と同格の正礼装になります。例えば新郎新婦の母親を立てるため、黒留袖より格を下げる場合には、三つ紋や一つ紋にして準礼装とすることも可能です。

地色は淡いものが多いのですが、年齢や自分の肌の色に合わせて、似合うものを選びましょう。

色留袖の特徴

●五つ紋を入れると黒留袖と同格の正礼装。三つ紋や一つ紋にすれば準礼装になる。
●比翼仕立てで、縫い目の柄をつなげると1枚の模様になる絵羽模様が描かれ、着物の上半身に柄が入っていないのが特徴。
●色留袖には吉祥文様などの華やかな袋帯を合わせる。

訪問着(ほうもんぎ)

華やかさと品格を併せ持つ訪問着は、留袖の次に格のある着物です。年齢や肌の色に似合うものや、結婚式にふさわしい華やかな色柄のものを選びましょう。

訪問着の特徴

●色留袖との大きな違いは、袂(たもと)や胸元にも柄が入っていること。こちらも着物全体に絵羽模様が施されている。
●基本的には紋は付いていないが、入れる場合は背中への一つ紋を。
●訪問着には縁起が良く格の高い袋帯を合わせる。

振り袖(ふりそで)

未婚女性の正礼装。袖の長さによって大振り袖、中振り袖、小振り袖に分けられ、一般的にゲストが着用する振り袖は、成人式でよく見かける袖丈100センチ前後の「中振り袖」が主流です。一方、卒業式などで袴(はかま)と一緒に着用するのは小振り袖と呼ばれ、格は少し下がりますが、こちらを着用しても問題はありません。帯は袋帯を合わせます。

[Check]花嫁との“かぶり感”はあまり気にしなくても大丈夫!

花嫁が着用する大振り袖(引き振り袖など)や、「衣裳の色とかぶらないように」という考え方もありますが、そもそも花嫁衣裳は生地や見た目が豪華で、成人式の振り袖とはパッと見が全然違います。見劣りすることはまずないので、かぶり感についてはそこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ。(金田さん)

そのほかの女性の着物/男性の着物

<そのほかの女性の着物>
他にも親族が結婚式で着用できる着物として、色無地と江戸小紋があります。共に紋を入れることにより格が上がり、おめでたい場にふさわしい一着になります。帯は礼装用の袋帯を合わせます。

<男性の着物>
男性の正礼装は仙台平(せんだいひら)*の紋付き羽織袴。五つ紋で正礼装になり、主に父親や祖父が着用します。羽織ひもは白、半襟・足袋・雪駄(せった)のひも・白扇も全部白で調えるのがマナーです。

*仙台平…縞(しま)模様が入っている男性用の高級袴地。縞が細いほど年配向きとされ、父親は細め、新郎は太めの縞模様の袴を着用する

結婚式で親族が着用できる着物の種類が分かったところで、次は誰がどれを着ればいいのか、新郎新婦との間柄別に見てみましょう。

【母親】

[黒留袖]
出席してくれるゲストの方々に敬意や感謝の気持ちを示すために、最上級の正礼装である黒留袖を着用します。

【姉妹】

●既婚なら…
[黒留袖、色留袖、訪問着]
黒留袖でも構いませんが、若々しさを求めるなら色留袖がおすすめ。紋が入らない訪問着は格が少し下がるため、家族である姉妹なら留袖の方がいいでしょう。

●未婚なら…
[振り袖、色留袖、訪問着]
華やかな振り袖は未婚の姉妹の正礼装。ただし、本人が年齢的なものを気にする場合は色留袖もおすすめです。既婚者限定の黒留袖と異なり、色留袖は未婚でも着用できます。

【祖母】

[黒留袖、色留袖、訪問着]
母親と同様、黒留袖を着用するケースが一般的ですが、落ち着いた色合いの色留袖も選ばれています。

【おば(伯母・叔母)】

[黒留袖、色留袖、訪問着]
親戚である既婚のおばが黒留袖を着ることには何の問題もありません。新郎新婦との距離感に応じて決めるとよいでしょう。本人が母親など新郎新婦の家族に遠慮する場合は、色留袖の三つ紋で格を下げる方法もあります。

【いとこ(従姉妹)】

●既婚なら…
[訪問着、色留袖、色無地、江戸小紋]
既婚なら華やかな訪問着もおすすめ。日頃のお付き合いの深さにもよりますが、一般的にはゲストが着用する着物と同様のイメージです。

●未婚なら…
[振り袖、訪問着、色留袖、色無地、江戸小紋]
未婚なら振り袖を。また、色や柄が豊富な訪問着は幅広い年齢層におすすめです。こちらも花嫁の友人ゲストなどと、同じ和装姿をイメージするとよいでしょう。

1.着物の色柄、小物選びのマナー

[結婚式にふさわしい着物の色や柄]

黒留袖も色留袖も、基本的には格の高いおめでたい柄が描かれています。代表的なものは子孫繁栄、長寿、夫婦円満などを表す絵柄の吉祥(きっしょう)文様、奈良時代に西アジアや中国からもたらされた宝物をモチーフにした正倉院文様、平安時代の貴族文化の影響を受けた有職(ゆうそく)文様などがあります。

一方で、訪問着には決まり事が少なく、個性的なモダン柄も見受けられます。カジュアルな結婚式なら、おめでたい色使いのモダン柄の着物もいいですね。

[帯や半襟の選び方]

<帯>
まずは着物と同格もしくは格上の帯を選ぶこと。「錦織」「唐織」「綴織」といった格調の高い織物を合わせましょう。

黒留袖や色留袖には金糸や銀糸を使ったものを選んで華やかに。着物と同じように吉祥文様や正倉院文様などの帯を合わせ、おめでたさが重なるよう二重太鼓の袋帯にしましょう。

振り袖の帯は着物の柄に合わせて選べば大丈夫。華やかな色づかいと柄付けでファッション性の高い訪問着は、古典柄から現代風のものまで幅広い着こなしができます。ただし、帯も含め、カジュアルになりすぎないように注意しましょう。

<半襟>
長襦袢(ながじゅばん)に縫い付けてある半襟。黒留袖・色留袖には「塩瀬」や「縮緬(ちりめん)」などの白半襟を合わせますが、最近では金糸や銀糸で刺しゅうを施したものも。ちなみに刺しゅうが入ったものは振り袖にもぴったりです。

[草履やバッグなどの小物の選び方]

バッグと草履は一般的にセットで販売されています。白系の金糸・銀糸の織りの入ったものを選びましょう。素材はエナメルでも構いません。なお、バッグは小ぶりのため物が入らないこともあるので、着物用のサブバッグを一緒に持つことをおすすめします。着物に合う色や帯生地の和柄のものを選びましょう。

2.着物を着た時に気を付けたいこと

[立ち方・歩き方]

実は一番目立つのは足元なのです。着物を着ると顔と首、手先、足先しか見えない分、逆に目立ってしまいます。大股で歩くと上品に見えませんし、ちょこちょこ歩きをすると着物に不慣れな印象を与えてしまうので、動作はゆっくりエレガントに。つま先が外側に向いていないか常に意識してください。

[座り方・食事の仕方]

着物は帯で締めている分、洋服と比べると圧迫感がありますよね。背もたれに寄り掛かると帯が締まってみぞおちが苦しくなるので、なるべく浅めに腰掛けて90度の姿勢を保ちましょう。そうすることで背筋が伸び食事もしやすくなります。

気を付けたいのは袂(たもと)。卓上のものを取る際には、料理で袂を汚さないよう片手で袂を押さえて。ナプキンは襟元にかけず膝の上に。さらに大判のハンカチを帯の両端に挟んでおけば汚れが防げて安心です。また振り袖の袂は長いので、床に付かないよう常に膝の上に置いておきましょう。

[Check]着物でトイレ!さあ、どうする?

着物を着用している時に気になるのがトイレ。用を足す際には着物の裾除け(一番下に着けている下着)を茶巾のようにし、すっぽり包み込むと汚さずに済みます。長い袂は帯に挟めるよう、洗濯ばさみを2つバッグに忍ばせておくと便利です。

最後に鏡を見ながら、お端折り(おはしょり)がめくれていないか、帯の垂れ先がめくれ上がっていないかなど、入念にチェックして席に戻りましょう。ちなみに、帯を締めるとショーツが下げにくくなるので、下着はローライズがおすすめです。(金田さん)

もっと知りたい!

和装のプロが花嫁の疑問にお答えします
和装スタイリスト・金田さん

Q.「着物って、レンタルでどのくらいしますか?」

A.お得なものだと2万~3万円のセットから、上は何十万円もする着物までいろいろあります。ただし、あまり価格が低いものは見るからに化繊っぽかったり、使い込まれていたりすることも。まずはネットで相場を確認し、そこから予算を決めて探すといいでしょう。

和装スタイリスト・金田さん

Q.「レンタル着物の家紋はどうやって入れるの?」

A.家紋は別注することができ、シール型のものを着物に貼って仕上げます。作業はお店や着付け師に頼みましょう。ちなみに家紋が分からない場合は一般的な紋でも構いません。レンタル着物だと紋服には「違い鷹(たか)の羽」、留袖には「桐(きり)」「下がり藤」というような紋が多く使われているようです。

和装スタイリスト・金田さん

Q.「振り袖って何歳くらいまで着用できますか?」

A.振り袖を着るのに年齢制限はありません。とはいえ、本人が気にしている場合は色留袖や訪問着でも大丈夫。相談を受けたら、振り袖以外の選択肢もアドバイスしてみては。

和装スタイリスト・金田さん

Q.「夏用の留袖ってあるのでしょうか?」

A.着物好きな方は、「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」など夏用の着物を自前で持っている人もいますが、レンタルの留袖などではほとんど見かけません。今は真夏でもエアコンが効いているので、あまり気にしなくても大丈夫でしょう。

和装スタイリスト・金田さん

Q.「両家の母親が和装と洋装で分かれても大丈夫ですか?」

A.片方が和装、片方が洋装でも全く問題ないですよ。例えば一方が黒留袖を着るなら、もう一方はフォーマルなロングドレスにすれば、衣裳の格もそろうので大丈夫です。

From 編集部

親族と一緒に着物のマナーを学びましょう!

結婚式に親族の立場で着る着物、イメージがつかめましたか?まずはこの記事を家族と一緒に読み、マナーをひと通り頭に入れておきましょう。迷った時には衣裳店やプランナーさんにも相談しつつ、親族が安心して式当日を迎えられるようフォローしてくださいね。

和装スタイリスト・金田さん
Profile

金田恵理子さん 和装スタイリスト・着付け師

TVCM・雑誌・ファッションショーなどのヘアメイクを担当する傍ら、和装着付け技術を習得。その後フリーとなり、雑誌などでブライダルのヘアメイクや着付けを手掛けている。

構成・文/南 慈子 イラスト/寺澤ゆりえ 監修/金田恵理子
※記事内のコメントは、2025年2月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー109人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年4月時点のものです

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