私、もらえる?いつまで?結婚助成金の「条件」から「申請方法」まで
結婚の準備にはいろいろなお金がかかります。中でも、結婚式と並んで大きなお金がかかるのが新生活の準備。少しでも負担を軽くしたいと考えるなら、国と地方自治体が協力して行う結婚新生活支援事業の補助金に注目を。補助金がもらえれば、負担がぐんと軽くなりますよ。
結婚新生活支援事業の補助金ってどういうもの?
結婚新生活支援事業は、地方自治体が行う事業に対して国(子ども家庭庁)が支援するという位置付けで、2016年から行われています。指定期間に入籍したカップルに対し、結婚に伴う新生活の費用(家賃や引っ越し費用など)が補助されます。
なお、居住地の自治体が支援事業を行っていない場合は、この支援を受けることができません。実施自治体は子ども家庭庁のホームページ(「令和6年度 地域少子化対策重点推進交付金」で検索)から確認することができ、令和6年5月30日時点で37都道府県842市区町村が実施しています。
支援金や支援の条件、申請方法なども各自治体で異なるので、詳細については各自治体のホームページなどで確認しましょう。
何が補助金の対象となるの?
結婚新生活支援事業では、結婚に伴う新生活の費用を補助してくれます。補助の対象となるのは、以下の項目です。
(1)新居の購入費
(2)新居の家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料
(3)新居のリフォーム費用
(4)新居への引っ越し費用(引っ越し業者や運送業者に支払った費用)
※自治体によって異なります
上記(1)~(4)を合わせた金額が補助の対象となります。補助されるのは新居や引っ越しのための費用となりますが、以下に紹介するクチコミにもあるように、支援を受ければ、その分を他の費用に回すことができ、結果的には結婚のために使うお金をサポートしてもらえると考えてもよさそうです。
私たち、補助金をもらいました!
【補助金額:30万円】
新居の敷金や礼金に使いました。浮いたお金で、壊れかけていた家電を買い替えることができました!(arさん/滋賀県)
【補助金額:50万円】
結婚を機に家を建てましたが、支援金を新築費用に充てることができ、とても助かりました。(MOGUさん/愛知県)
【補助金額:48万円】
引っ越しの費用が浮いたため、新婚旅行の内容を少しグレードアップ!(こてつさん/富山県)
いくら補助してくれるの?
いくら補助してもらえるかは夫婦の年齢によって異なり、以下が補助金額となります。
夫婦共に29歳以下:1世帯当たり最大60万円
夫婦共に39歳以下:1世帯当たり最大30万円
※夫婦の合計所得が500万円未満が条件
(自治体により、年齢の要件や金額が異なる場合があります)
また、自治体によって補助率(かかった費用に対して補助金をどれだけ受けとることができるかの割合)が決められており、100%のところもあれば、50%や30%のところもあります。
たとえば、夫婦ともに29歳以下で、引っ越し費用が50万円の場合、補助率が100%の自治体であれば50万円の補助金が支給され、補助率が50%の自治体なら補助金は25万円ということになります。
補助金をもらうための条件は?
では、補助金をもらうための条件を、ここで詳しくご紹介しましょう(令和6年度の場合)。
<年齢>
夫婦共に39歳以下(婚姻届を提出した時の年齢)
<入籍時期>
令和6年1月1日から令和7年3月31日までに婚姻届を提出(再婚でもOK。ただし、以前にこの補助金を受給していないこと)
<夫婦の合計所得>
500万円未満
※収入ではなく所得。所得とは収入から必要経費などを差し引いた額で、会社員など給与をもらっている人の場合は、給与収入から給与所得控除額などを差し引いた額となります。また、奨学金を返済している場合は、奨学金の年間返済額を所得から引くことができます。
<居住地>
対象自治体に居住している(夫婦ともになのか、夫婦のうちどちらかでもOKなのかは、自治体によって異なるので確認を)
要件は各自治体で異なることがあります。各自治体のホームページには「要件チェックシート」などがあるので、それで確認してみましょう。
申請の流れは?いつまでに申し込めばいい?
次に、申請の流れについて見てみましょう。
まずは、自分たちが補助の要件に当てはまるかどうかをチェックします。当てはまる場合は、申請に必要な書類を準備しましょう(必要書類は後述を参照)。すべての書類を揃えて、居住地の自治体の担当窓口に申し込みます。なお、令和6年度の場合、申し込みの締め切りは2025年3月とする自治体が多いようです。
申し込み後、必要な審査が行われ、その結果が通知されます。補助金の交付が決定された場合は、補助金請求書に必要事項を記入して提出すると、補助金が支給されます。
※詳細は各自治体によって異なります。
補助金の申請に必要な書類は?
結婚新生活支援事業の補助金の申請には、多くの書類が必要となります。各自治体によっても異なりますので、居住地の自治体のホームページで確認し、漏れなく用意しましょう。
<主な必要書類>
□結婚新生活支援事業補助金交付申請書
□誓約書兼同意書
□婚姻届受理証明書の写しまたは婚姻後の戸籍謄本
□夫婦の住民票の写し
□夫婦の直近の所得証明書
□住宅手当等支給証明書
□市区町村税に滞納がないことを証する書類(完納証明書など)
上記のほか、補助対象に応じて、住宅の取得やリフォーム、引っ越しにかかった費用の領収書、賃貸契約書などが必要になります。
補助金をもらうための注意点は?
補助金をもらうためには、丁寧に確実に準備することが大切です。
まず確認したいのは、自分たちの新居がある自治体が結婚新生活支援事業を行っているかどうか。新居のエリアに強いこだわりがなければ、支援事業を行っている自治体を選んで新居を構えるという考え方もありかもしれません。
また、自治体ごとに年間の予算が決まっており、予算に達すると支援事業が終了してしまいます。そうなると、要件を満たしていても、補助金がもらえなくなってしまうので、早めの申し込みをおすすめします。
さらに、必要書類がかなり多く、勤務先などから発行してもらわなくてはならないものも。準備に時間がかかりますので、計画的に進めましょう。
補助金の申請、ここが大変!
申請書の書き方が複雑で、必要な書類なども多岐にわたります。少し分かりにくかったので、私は担当部署に電話で確認しながら行いました。(arさん/滋賀県)
支援対象の要件はしっかり確認することをおすすめします。また、新居に関わる費用の支払いの領収書はきちんと保管しましょう!(KNさん/兵庫県)
私の居住地の自治体は、ホームページに申請書類がアップされておらず、役所まで取りに行かなくてはならないのが少し面倒くさかったです。申請期限が迫っていたので、少しバタバタしました。(すみっふぃさん/宮崎県)
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補助金をもらって、ゆとりのある新生活を
何かと物入りな結婚準備。もしもらえるお金があったら、ぜひ活用したいもの。結婚新生活支援事業の補助金は、細かな条件があったり、必要書類が多かったり、申請に少しハードルが高い部分もありますが、対象自治体に新居を構えることを予定しているのなら、検討してみてはいかがでしょうか。
監修:若山大輔 行政書士
2014年に全国初のブライダル行政書士として独立。結婚生活に関する法的・資金的なアドバイスを提供しているほか、オリジナル婚姻届を企画・販売する「(株)婚姻届工房」の代表取締役としても活躍。
構成・文/粂 美奈子 イラスト/てぶくろ星人
※記事中の制度に関して、将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります
※「入籍」はすでにある戸籍に入ることです。しかし本記事では便宜上、結婚を入籍と表現しています
※記事内のコメントは2024年8月に、結婚新生活支援事業の補助金をもらったことがある20~49歳の男女100人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2024年10月時点のものです
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