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ウエディングブーケをドライフラワーに!【作り方&保存方法まで解説】

結婚式の思い出やこだわりが詰まったウエディングブーケ。式が終わった後も残しておきたいと思う花嫁は多いはず。そこで今回はウエディングブーケをドライフラワーにするための簡単な方法から、先輩花嫁たちの素敵なアイデアまで併せてご紹介します。

ドライフラワーにする時のポイントは?

POINT1:お花がフレッシュなうちにできるだけ早く加工する

ウエディングブーケをドライフラワーにするときのPOINT1のイラスト

ウエディングブーケをドライフラワーにする際、最も重要なのは花材が新鮮なうちに加工を始めること。結婚式が終わったら、できるだけ早くブーケを解体し、ドライフラワーにする準備を始めるのが◎。花が傷み始めてからドライフラワー作りに取りかかると、ドライフラワーにする前に花の色が悪くなったり、花についた傷が残ってしまうこともあるので注意を。

POINT2:つるす場所にも気を配って短時間で水分を蒸発させる

ウエディングブーケをドライフラワーにするときのPOINT2のイラスト

ドライフラワーを作る際には、つるす環境も重要。最適なのは、風通しが良い、直射日光が当たらない、湿気が少なく暗い場所。適切な環境で乾燥させることで、均等に乾燥させることができ、花の色や形を美しく保つことができます。また、花の色を残して美しいドライフラワーを完成させるためには、なるべく短時間で花の水分を蒸発させることがポイント。傷んだり、色があせたりする前に乾燥させるよう気を配って。

POINT3:使い方に合わせてドライにする方法を選ぶ

ウエディングブーケをドライフラワーにするときのPOINT3のイラスト

ドライフラワーにする手法は、花材の特徴やブーケのデザイン、飾り方のイメージに合わせて選ぶこともポイントの一つ。例えば、花をラフに束ねたクラッチブーケは比較的簡単にドライフラワーにできるものの、ラウンドブーケやキャスケードブーケなどは、形を美しく残すのが難しい場合もあるため、プロの業者に依頼することも検討を。特にブーケの形をそのまま美しく保ちたい場合は、専門の業者にお願いするのがおすすめ。

また、ドライフラワーはブーケやリース、ガーランド、ガラスケースに入れて植物標本のようにしたりと多様な飾り方で楽しむことができるのも利点。自分がどんなふうに飾りたいのかなど事前にイメージして作り方を考えてみて。

ブーケをドライフラワーにする方法4選

方法1:ハンギング法

一番シンプルで簡単な作り方なので、初心者さんにおすすめの作り方。茎を付けたまま自然な咲き姿に近い状態で残せるのもポイント。

■HOW TO
1:ブーケを分けてひもを付ける
2:花をひもでつるし、1~2週間乾燥させる

花は1本ずつ分けるか、数本ずつの束にして輪ゴムや紐でまとめておく。花同士が重なると形が悪くなり、乾燥も遅れるので、花数が少ない場合は 1 本ずつにするのが◎。花を逆さにして、直射日光の当たらない、風通しが良く涼しい場所につるせば、大体 1~2週間ほどで完成。

ハンギング法の注意点

湿度が高いと乾燥が遅くなり、カビが発生する可能性も。湿度の低い場所でしっかり乾燥させることが重要。乾燥まである程度時間がかかるため、水分の少ない花がおすすめ。

方法2:ドライヤーを使う

ドライヤーを使った方法は、時短で美しいドライフラワーをつ作ることができる便利な方法。思い出を素早く形に残したいなら、ぜひこの方法を試してみて。

■HOW TO
1:紙袋に花を入れる
2:紙袋の外からドライヤーを当てる
3:風通しの良い場所に1~2日つるす

まずは紙袋を用意し、花が下になるように入れて準備。温風を直接花に当てると傷むため、紙袋の外から温風を当てるのがポイント。風は弱めにし、満遍なく5分程度当てる。花束全体に均等に風を当てることで、乾燥ムラを防ぎ、均一に美しく仕上がる。その後、方法1のハンギング法と同じように、花をつるし、1~2日程度で完成。

ドライヤーを使う方法の注意点

熱風や直接の風をあてることは、花を傷め色褪せの原因になるので、必ず紙袋を使うこと。

方法3:ドライインウオーター法

花を水に浸けたまま自然乾燥させる方法で、手間が少なく、自然な仕上がりになるドライフラワーの作り方。時間はかかるものの、色や形を美しく保ちながら乾燥させることができるのがポイント。逆さにつるさないため、ふんわりとした花のシルエットも崩さず、カスミソウなどの小花が集まっているような花材やスターチスなどのリモニウム系にも最適。花瓶に飾りながら作れるため、制作過程もインテリアになるのがうれしい点!

■HOW TO
1:茎をカットし余分な葉を取り除く
2:少量の水が入った花瓶に入れる
3:風通しのいい乾燥した場所に置く

茎が長すぎると乾燥に時間がかかるため、適度な長さに整えたら、花瓶に1~3cmほどの少量の水を入れ、花を挿しておく。少しずつ水分が蒸発するのを待って、1~2週間程度で完成。

ドライインウォーター法の注意点

・水が多すぎると乾燥が遅れ、カビや腐敗の原因に。少量の水を使用しゆっくりと蒸発させるのがポイント。
・茎が曲がりやすい植物は、花の重みで花首が曲がってしまうことも。花瓶の置く場所を工夫するなど茎が曲がらないようにするのが◎。

方法4:シリカゲル法

シリカゲル法は「シリカゲル」という水分を吸収する乾燥剤を使って、花材を短時間で美しく乾燥させる方法。この作り方は花の色や形をほぼそのまま保つことができるため、花びらが多い・花の色や形が特徴的な花・ビビッドカラーの花をドライフラワーにする際におすすめの方法。

■HOW TO
1:花の茎を 2cm ほど残して切る
2:容器にドライフラワー用のシリカゲルを少し入れてから、花を並べる
3:花が完全に隠れるまで、シリカゲルを入れる
4:容器のふたを閉め、1週間ほどで完成

まずは花の茎を少しだけ残してカット。密封容器にシリカゲルを敷いたら、その上に花を並べていく。この際、花が重ってしまわないように注意を。花が完全に隠れるまで、上から静かにシリカゲルを注ぎ入れる。花びらの間などの細かい部分はピンセットなどで優しく広げながら丁寧に入れていくのがポイント。しっかり密封して約1週間で完成。取り出す際は、壊れやすいため容器の中身を静かに開け、花に付いているシリカゲルを優しく払って完成。

シリカゲル法の注意点

自分で作る場合は、茎を短く切る必要があるので、ブーケなどを大きいままで加工したい場合は比較的不向き。

方法5:グリセリンを使う

グリセリンを使う方法は、花の柔らかくふんわりした風合いを残したい時や、葉や木の実をドライフラワーにしたい時におすすめ。グリセリン法は「花材にグリセリンを吸い上げさせる方法」と「グリセリンに浸ける方法」の2種類。「グリセリンに浸ける方法」は、主に葉っぱや実もののブーケをドライにする時に適した方法で、生花には、グリセリンを吸い上げさせる方法がおすすめ。

<グリセリンを吸い上げさせる方法>
■HOW TO
1:グリセリン溶液を作る
2:花瓶などに溶液を入れて花を挿す
3:冷暗場所で保存し完成

グリセリンと熱湯を1:3の割合で混ぜ、グリセリン溶液を作り、冷ます。花瓶にグリセリン溶液を入れたら、花の部分が溶液に浸からないよう注意して花を挿し、冷暗場所で保管。花がグリセリンを吸い上げやすくなるよう、茎の断面に十字の切り込みを入れておくと◎。1週間から10日ほどで、溶液が花びらや葉の表面に染み出てきたら完成。

※薬剤を使う方法についてはご自身でよくお調べの上、十分に注意してご使用ください。

グリセリンを吸い上げさせる方法の注意点

・花材自体に元気がないとグリセリン溶液をうまく吸い上げることができないため、フレッシュなうちに行うこと。
・薄い花びらの花は、過剰に吸収してしまうため不向き。バラやユーカリなどの葉や茎がしっかりした植物を選ぶのがおすすめ。

<グリセリンに浸ける方法>
■HOW TO
1:グリセリン溶液を作る
2:容器に入れ、葉や実を浸す
3:ふたをして1週間ほどで完成

グリセリンと熱湯を1:3の割合で混ぜ、グリセリン溶液を作り、冷ましておく。グリセリン溶液を密封容器など、葉や実が全部入る浅めの容器に流し込みます。葉っぱや実を浸けてふたやラップなどをし、1週間ほどしたら取り出して、液を拭えば完成。

※薬剤を使う方法についてはご自身でよくお調べの上、十分に注意してご使用ください。

グリセリンに浸ける方法の注意点

グリセリンと水の割合を正確に守ることが重要。グリセリンが多すぎると植物がベタつく原因に。

ドライフラワーに向いている花って?

ドライフラワーに向いているお花のイラスト

実はどんな花でもドライフラワーになるというわけではなく、向いている花材と向いていない花材があるんです。制作の際に失敗がないよう、それぞれの特徴をチェックしておいて。

ドライフラワーに向いている花の特徴

・花びらがしっかりしていて。形状を保ちやすいもの
・乾燥させやすい、花やグリーン自体に水分量が少ないもの
・乾燥で色落ちしにくく、美しい色を保てるもの

【代表的な花材】
・バラ
色や形が保ちやすく、乾燥後も豪華で美しい。花びらがしっかりしているため、さまざまな乾燥方法に適している。

・アジサイ
花の色が比較的よく保たれ、ふわっとした形状が乾燥後も美しい。特にシリカゲル法やグリセリン法がおすすめ。

・スターチス
自然な乾燥に適しており、色が鮮やかに保たれます。束ねてつるすだけで簡単にドライフラワーになるので初心者でも◎。

・ユーカリ
葉がしっかりしているため、乾燥後も形が崩れにくい。特にグリセリン法を使うことで、しなやかさを保つことができる。

・ラベンダー
独特の優雅な香りを保ちながら、色もきれいに残る花材。つるして自然乾燥させるのが一般的。

・カスミソウ
細かい花が集まっており、乾燥後もそのままの姿で保ちやすいのがポイント。自然乾燥やハンギング法が向いている。

・ガーベラ
色が比較的保たれ、形も美しく残る。シリカゲル法での乾燥がおすすめ。

・デイジー
シンプルな形状が乾燥後も崩れにくく、ハンギング法やシリカゲル法を使うことでより美しく仕上がる。

ドライフラワーに向いていない花って?

ドライフラワーに向いていない花材の特性

【水分が多い】
花びらや茎に多くの水分を含んでいるため、乾燥が難しく、腐敗しやすい。
【花びらが薄い】
乾燥後に形が崩れやすく、しおれたり縮んだりすることも。
【色があせやすい】
乾燥中や乾燥後に色が変わりやすく、美しさを保ちにくい。
【重い】
大きく重い花は乾燥中に形が崩れやすいので、支えを用意するなど工夫が必要。

ドライフラワーに向いていない花は、乾燥させると美しさを保つのが難しいため、押し花など他の方法で保存することも検討を。ただし、花材によってはシリカゲル法できれいに仕上げられることもあるので、ブーケに選んだ花に最適な方法を見つけてみて。

ウエディングブーケをドライフラワーにした後に気を付けること

ドライフラワーを飾る場所のイラスト

完成したドライフラワーは繊細なものなので、取り扱いにはある程度の注意が必要。長期間美しさを保つためにも、飾る時の注意点やメンテナンスで気を付けておくべきポイントをチェック。

【日光による色あせ】
直射日光が当たる場所に置くと、色あせや変色が進みます。ドライフラワーを飾る場所は、間接光が◎。1日中日の当たらない場所を選んでディスプレーを。

【湿気の多い場所】
ドライフラワーは湿気に弱いため、湿気の多い場所や水周りから遠ざけることが重要。特に梅雨や湿度の高い季節には注意。花が劣化してしまわないよう、風通しが良い場所に飾るのがおすすめ。

【こまめにホコリを取り除く】
お部屋の中で飾っていると、どうしてもホコリが付いてしまうものですが、ホコリもカビの原因となるので、できるだけこまめに取り除くことが大切。ただし、ドライフラワーは繊細なのでゴシゴシとこすったり、掃除機で強く吸ったりするのはNG。柔らかいブラシやタオルなどで優しく扱って。そもそも、お手入れが苦手という方は、最初からホコリよけのガラスケースで保管するのも、長持ちさせるにはおすすめの方法。

【ブーケをドライフラワーにDIY!】先輩花嫁はどうやって作った?

実際先輩花嫁は、どんなウエディングブーケをどんなドライフラワーにした?作り方や制作期間、かかった予算まで聞きました。

【全て自分で制作派】

あるぱかさんのドライフラワーDIY画像

ハンドメイドが好きなので、自分で作ってみたくてドライフラワーにチャレンジ。式当日は宿泊だったので、ホテルに乾燥剤を持ち込んで、当日のうちに処理。所要時間は、乾燥剤に浸け込むのに3時間ほど、乾燥に2週間ほど。制作費は乾燥剤の2000円だけだったのでリーズナブル。(あるぱかさん)

お気に入りポイント

あるぱかさん顔写真

自分で作ったことで、より一層良い思い出になる!予算もあまりかからず制作自体も楽しめたので、自作して良かったです。

【プロにお任せ派】

ひよさんのドライフラワーDIY画像

セミドライのお色直しブーケを、そのままの形が残るドライフラワーにしたいと、会場に紹介してもらった業者に依頼。費用は8万円ほどで、仕上がるまでの期間は半年くらい。プロにお願いしたので手間いらずだし、クオリティーも高く大満足な仕上がりに。(ひよさん)

お気に入りポイント

ひよさん顔写真

ブーケだけでなく新郎のブートニアも一緒に入れたところ。ウエルカムボードと一緒に寝室に飾っているので、見るたびに結婚式を思い出して幸せな気持ちになれます。

From 編集部

より美しく残したいなら、計画的にが◎

思い出やこだわりがたくさん詰まった結婚式ブーケだからこそ、できるだけ美しく長く残しておきたいもの。ぜひ今のうちから計画をして、どんな花材を使って、どんな方法でドライにするか事前に考えておくのがおすすめ。ふたりの新生活を素敵に彩るドライフラワーが完成しますように。

落 大造さんお写真
Profile

落 大造 フラワーデザイナー

おち だいぞう/大手フラワーショップで8年の経験を積んだ後、独立して自由が丘に花と雑貨を扱うショップを開店。ブライダルフラワーを中心に、誕生日や結婚記念日などお祝いのお花も手掛ける。『ゼクシィ』をはじめ、さまざまな雑誌で活躍し、繊細なセンスと個性的なアイデアで多くのファンを獲得している。

文/滝 紀子 D/mashroom design 構成/山崎裕香子(編集部)
※掲載されている情報は2024年7月時点のものです

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