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結婚後の“姓”、どうする?選択肢いろいろ!別姓ふうふのリアルも大公開

日本の現在の法律では、結婚=ふうふが同じ姓(名字)になるのがルール。「妻が夫の姓」になるケースが多いですよね。でも、最近はふうふのカタチも多様化。「夫が妻の姓」になってもいいし、別々の姓を名乗るために、婚姻届を出さずに事実婚を選ぶ人もいます。今回は、みんなが姓についてどう考え、実際にどうしたかを徹底リサーチ。気になる別姓ふうふ=事実婚の実例も紹介します。

まずは未婚女性200人に聞いてみた!

グラフ

日本では「妻が夫の姓に変えた」ふうふが約95%(2022年内閣府男女共同参画局より)と圧倒的多数。でも、みんなの意識を調査(上表)したところ、少し異なる回答が。

「相手の姓がいい」が3割強ですが、「どちらでもいい」が4割強で「相手と話し合って決めたい」という回答が多く見られました。そして、「自分の姓がいい」という声が約2割も。

さらに、ふうふが別々の姓を名乗れる「事実婚」への興味関心を聞いたところ、約半数(45.5%)の人から「興味がある」という回答が。

とはいえ、「自分が事実婚を選ぶか」となると、イメージが湧かず、踏み出せないという声も多く聞かれました。

そもそも、事実婚って何?

婚姻届は出していないけれど、婚姻の意思があり、周囲からもふうふと認められ、共同生活を送っている状態のこと。「別々の姓を名乗りたい」という理由で、事実婚を選ぶカップルが多いようです。

社会保障や病院への付き添い、相続など、法律婚と同等の権利を認められないケースもありますが、役所での手続きや事実婚契約書の作成などでカバーしているカップルも。今回は3組のふうふに、話を聞いてみました。

case1:限りなく法律婚に近い契約書を自作。生まれた子どもは夫の姓に

應武茉里依さん&日下秀之さん

couple1デザイン

「愛着のある姓を変えたくない」と、交際中から話していた彼女。「夫が妻の姓になる」という選択肢も出ていたが、いざ直面すると彼にも違和感が。「僕にとって、姓はアイデンティティーであり宝物。彼女もその思いは同じだから、大切にしたい」という思いが膨らんだ。あくまでも対等に、どちらの姓も残す道を探った結果、たどりついたのが事実婚だった。

まずは役所で住民票を同世帯にする手続きを。その後、医療や手続きなどもしもの時の不安をカバーするために、限りなく法律婚に近い「事実婚契約書」をふたりで協力して作成。契約書が法的に有効だと認めてもらうため、公証役場で「宣誓認証」も行った。

その後、ふたりらしいカジュアルな結婚式を挙げ、家族や友人の祝福で大盛り上がり。1年後に誕生した第1子は、役所と裁判所での手続きを経て、夫の姓&夫の親権に。夫婦、母子の姓は違うが、今のところ困ったことは一度もないという。周囲の人に支えられながら、可愛い息子の子育てとわくわくする人生を満喫中だ。

事実婚を選択して、どうだった?

茉里依さん

子どもが誕生した後も事実婚を続けていますが、手続きがちょっと大変だったこと以外、大きなデメリットは現状感じていません。事実婚契約書を一緒に考えることでふうふの絆が深まったし、宣誓認証も素敵な儀式でやって良かった!私たちふうふの生き方が他の誰かの選択肢になれば嬉しいです。(茉里依さん)

秀之さん

お互い宝物だと思えることを大切に生きていけるのが幸せ。僕たちは事実婚契約書も自作しましたが、日常生活はもちろん、子育てや医療、浮気、葬式のことまで細かく話し合い、「ふうふとはどういうものか」を共有できたのがとても良かった。婚姻届はいつでも出せる。姓の選択で悩んでいるなら、まずは事実婚から進めてみてもいいのでは。(秀之さん)

case2:続柄変更した住民票が事実婚の証明に。将来も柔軟に対応予定

Kanakoさん&Hirokazuさん

カップル2

慣れ親しんだ「姓」を変えるのに抵抗があった彼女。夫婦一方に負担がかかるのにも納得できず、「姓、変えたくないんだよね」とぽつり。事実婚がなんとなく嫌だった彼は、反論するためにネット検索。意外とデメリットがなく、「事実婚、いいかも」と考えが変わったそう。

一番緊張したのは、彼の親への報告。「彼と結婚できることが最優先で、反対なら改姓する。将来的にも遠慮なく伝えてほしい」と心を込めて説明を。親からは「ふたりが決めたのならいいと思う。もし子どもが嫌な思いをしたら考えてあげてね」と認めてもらいほっとしたそう。

ふたりの記念日に役所に出向き、夫を「世帯主」、妻を「妻(未届)」と住民票の続柄変更をし、無事夫婦に。心温まる結婚式も挙げ、親や親族にも喜ばれた。将来生まれる子どもの姓は、夫側の希望で夫の姓にする予定。「相続を見据え、公正証書も作ろう」などと話し合っている。

事実婚を選んで、どうだった?

Kanakoさん

家族=同じ姓という価値観もある中、私の考えを尊重してくれた彼の姿勢がとても嬉しかったです。ふたりの思いや考えをじっくり聞いて、理解し、応援してくれた両家の親にも感謝。お気に入りの姓を変えずに、大好きな人と家族になれた幸せをかみ締めています。(Kanakoさん)

Hirokazuさん

話し合い、調べる中で、「ふうふの本質は、相手の一番の味方になること。フラットな関係が心地いい」と気付き、「事実婚、いいな」と思えるように。お互いの価値観の擦り合わせもでき、ふうふ仲良くこれから長い人生を歩んでいく自信になりました。(Hirokazuさん)

case3:挙式でしっかり報告後、婚姻届は出さずラブラブな毎日を更新中

あいさん&かずまさん

カップル3

「結婚したら妻が夫の姓になるのが普通」だと考えていた彼。でも「私は一人っ子だから、姓を変えると親を悲しませてしまうかも」「女性側が姓を変えなければいけない空気に違和感がある」と彼女が悩んでいることを知り熟考。「自分も姓を変えたくないし、妻の思いも尊重したい」と思うように。

そんなふたりがこだわったのが、大切な人全員を招待して結婚式を挙げ、「私たち、ふうふになりました」と伝えること。「婚姻届を出さなくても結婚式はできる。みんなに花嫁花婿姿を見てもらい、『おめでとう』と祝ってもらったことで、ふうふになった実感が湧きました」

今のところ、法的に事実婚を証明する手続きはしていないが、「お互いがふうふであるという意思を持ち、周囲から夫婦と認められ、共同生活をしている」ことで「事実婚」の条件はクリア。結婚前と変わらないラブラブな生活を楽しみながら、ふうふの今後についても明るい希望を描き、話し合いを継続中。

事実婚を選択して、どうだった?

あいさん

周囲の風当たりを少し感じることがある一方で、親や友人など、私たちの選択を応援してくれる声も多く、心強いです。今後もっと事実婚の法整備や認知が進めばいいな、と彼と一緒に願っています。(あいさん)

かずまさん

現在は一番緩いカタチの事実婚を選択中。子どもも欲しいので、事実婚に関する法律や制度など、ふうふで調べ、相談しているところです。今後もお互いを尊重し、協力し合いながら、楽しく充実した結婚生活を送っていきたいです。(かずまさん)

同じ姓にしたカップルの姓の選び方は?

同じ姓

日本で法律的に結婚していることを認められるためには、婚姻届の提出が必要。その場合、夫の姓でも妻の姓でもOK。みんなどんな思い&経緯で選んだのかを聞いてみました。

case1 夫の姓にした!

夫の姓を選ぶカップルが圧倒的多数派。「夫の姓になるのが夢」などとポジティブな人がいる一方で、疑問を持ちつつ、夫の姓に変えた人も。「夫の姓にするのが当たり前」とあっさり決めたカップルも多かった。

私たちはこうしました!

(nanaさん)

「結婚したら大好きな人と同じ姓になる」のが、幼い頃からの夢。夫の姓=結婚して初めての彼からのプレゼントだと思い、私が積極的に彼の姓になりたいと伝えました。夫婦になった実感が湧き、嬉しかったです。(nanaさん)

(YUKIさん)

結婚したら仕事を辞め、彼の扶養に入るので、夫の姓に。公的書類やカードなどの変更手続きは大変でしたが、新たな姓での人生のスタートは、とても新鮮でした。(YUKIさん)

(茉祐子さん)

お互い「姓を変えたくない」という強い意思があり話し合いましたが結論が出ず、私が諦めて夫の姓に。その代わりに、本籍地は私の実家にしてもらい、あらゆるものに旧姓を併記しています。(Mさん)

case2 妻の姓にした!

まだ少数派だが、夫が妻の姓にしたケースもじわじわ増加中。親の意見も聞きながら、時間をかけてじっくり話し合って決めているよう。

私たちはこうしました!

(麗加 さん)

彼とは小学生からの幼なじみで、14年の交際を経て結婚。私のほうが珍しい姓で、昔から「結婚したら私の姓にしたい」と伝えて話し合い、快く承諾してくれていました。結果的に私の親の仕事も継ぐことになり、ちょうど良かったです。(麗加さん)

まいさん

ふたりとも姓にこだわりなし。夫が長女である私を思いやり「僕が姓を変えてもいいよ」と言ってくれました。その上で、「子どもが生まれたらどちらの姓の方が生きやすいか」「今までで自分の姓で得したこと、困ったことは何か」など、さまざまな観点から話し合いを。両家の家族にも確認し、「妻の姓を選ぶ人生をふたりで生きてみよう」と決断しました。(まいさん)

(あゆかさん)

私の姓が彼の姓より世帯数が少なく、人とかぶりにくい姓。会社などでも使いやすく、愛着もあったため、「妻の姓で良いのでは」とふうふの意見が一致。夫の親も理解してくれ、私の姓に落ち着きました。(あゆかさん)

From 編集部

ふたりらしい「幸せのカタチ」を考えよう

ふうふの「姓」を考えるとき、“何となく”決めてしまうのはもったいない。「姓をどうしたいか」に加え、「どんなふうふ&家族になりたいのか」をふたりでじっくり話し合い、価値観を擦り合わせる絶好の機会になります。今どきは、選ぶ「姓」も「幸せのカタチ」も、カップルの事情や考え方で“違っていい”時代。お互いを尊重し、思いやりながら、ふたりが一番幸せなふうふ&家族の未来を考えてみましょう。

構成・文/笠原恭子 イラスト/STOMACHACHE. D/mashroom design
※記事内のデータは、2024年6月に20~30代の首都圏在住の未婚女性200人が回答したマクロミル調査によるものです。記事内のコメントは、2024年6月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー88人が回答したアンケートによるものです
※各種制度に関しては将来改正・変更される場合もあります。手続き・届け出の方法も随時変わる可能性や、自治体により異なる場合があります
※掲載されている情報は2024年7月時点のものです

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