ゲスト余興・ブーケトスetc. 結婚式の定番演出をやらなかった理由とは?
結婚式の定番演出、やった方がいいのかな……と迷う方もいるのでは。でも、自分のイメージする結婚式の雰囲気に合わなければ、無理にやることはないですし、アレンジをして取り入れる方法もあるんです。やる、やらないはふたりの自由。今どきの花嫁さんのさまざまな考え方をご紹介します。
結婚式の定番といわれているのに、
実施しない新郎新婦が多い演出って?
定番だけどやらなかった演出について、316人の卒花に聞いてみました
結婚式の定番演出(※1)の中から、2年以内に結婚式を実施した卒花たちに自分ではやらなかった演出を聞いてみました(※2)。結果は以下の通り。
【定番だけどやらなかった演出ランキング】
(複数回答)
1位 ゲストによる余興(45.3%)
2位 ブーケトス・ブーケプルズ(39.9%)
3位 テーブルラウンド(17.1%)
4位 花嫁の手紙朗読(15.8%)
5位 誓いのキス(11.7%)
6位 ウエディングシャワー(11.1%)
7位 ファーストバイト(10.8%)
ゲストの余興やブーケトス・ブーケプルズはやらない人が4割近くと多かったものの、他は非実施の人が1~2割程度と少ない印象。あらためて定番演出の多くは今の結婚式でも人気だとわかります。でもそれだけに、定番演出を「あえて」やらなかった人の理由は気になるところ。定番演出を取り入れなかった卒花&定番をそのままやらずにアレンジした卒花に、その理由やアレンジ方法をお聞きしました。
1.ゲストによる余興
「ゲストにお願いするのは申し訳ない」と余興を頼まないケースが増加中
「ゲストの貴重な時間を削って何かを準備してもらうことに引け目を感じたため」「余興の出番まで緊張してゆっくり料理やお酒を楽しめないかもしれないので」など、ゲストに負担がかかるようで申し訳ないという理由からゲストに余興を頼まなかった方が多く見られました。
また、「ゲストとゆっくり話せる時間を設けたかったため」と歓談重視のプログラムにしたという人も。「コロナ下故にゲスト同士が集合して練習するのが難しいと思った」という理由も見られました。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■ふたりと身内による余興で、ゲストの負担なしに
ゲストに余興をお願いすると負担になるかも……、と気持ちが乗らない場合は、新郎新婦ふたりで、あるいは家族や親族など気心の知れた身内と一緒に余興を披露するのはいかがでしょう。
「私といとこでピアノとトランペットの二重奏をしました。練習不足で演奏自体はグダグダでしたが、感動した!と言ってくださるゲストが多くて救われました(春奈さん)」(写真)
自分で準備をする大変さはありますが、ゲストの負担をなしにするだけでなく、ふたりや家族の意外な一面をゲストに紹介できて、披露宴も盛り上がるため、一石二鳥のアイデアです。
2.ブーケトス・ブーケプルズ
独身の女性ゲスト向け演出という由来から敬遠されることも
もともとは「花嫁から投げられたブーケを受け取った人は次に結婚できる」という意味合いを持つイベント。独身の女性のみ参加できる演出ということから、ゲストに既婚者が多いためやらなかったという人が多くいました。
また「未婚者・既婚者で区別をつけたくなかった」「ブーケトスをする結婚式に参列した際に、私自身も積極的になれなかった」など、本来の意味のまま行うとゲストへの配慮を欠くのではないかという懸念からやらなかったという人も。そのため、最近では既婚・未婚や男女を問わないプレゼント演出にアレンジされることが多いようです。
さらに、会場の広さや設備上、ブーケトスができないために、諦めたという人もいました。その場合は広さや設備を問わないブーケプルズにする方法もあります。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■参加者の枠を広げ、プレゼントに一工夫を
ブーケトスやブーケプルズのアレンジとして、ゲストが誰でも参加できるスタイルに変えつつ、ぬいぐるみ、カップ麺やお菓子の詰め合わせなど、軽くて安全な物をトスし、受け取った人に記念品をプレゼントするスタイルが人気です。化粧品セットをリボンプルズに仕立てる「コスメプルズ」も盛り上がります。
「新郎がお肉のぬいぐるみを投げる『お肉トス』をしました。キャッチした人にはお肉券をプレゼント!(ひよさん)」(写真1枚目)
「私が名古屋花嫁ということもあり、ブーケトスではなく伝統的なお菓子まきをしました。誰もが楽しめるし良かったです!(ぽにょさん)」(写真2枚目)
3.テーブルラウンド
時間短縮のため、ゲストに高砂席に来てもらうケースや、少人数婚のケースも
キャンドルサービスや、ラウンドフォトなどのテーブルラウンド。お色直し入場からの定番演出です。少人数婚のために不要だった人もいますが、多かったのは「卓数が多くて時間を取るためしませんでした」「演出を多めに取り入れたので、時間の関係でカット」など、歓談や他の演出を行うために披露宴のタイムテーブルを考えてやめたという意見です。
また「1卓当たりいくらと値段が設定されていて、卓数が多いと高くなるので」と、節約のためにやめた人も。他にはゲストと会話するなら、好きなタイミングで高砂席に来てもらう方がいいという考え方も寄せられました。
テーブルラウンドは、ゲストと触れ合える機会でもあります。歓談を重視するなら、あえてゲストとの会話を重視したラウンドにするなどのアレンジも一考してはいかがでしょうか。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■ゲストとの歓談時間が取れるテーブルラウンドに
限られた披露宴の時間で、ゲストが食事や歓談を止めなくて済むようにしたいなら、派手で目を引く演出を入れずにふたりが各卓を回る方法もあります。
「定番のキャンドルサービスなどをやると一瞬で終わってしまうと思い、私たちがお酒やジュースを持ってお酌に回りました。一人一人と会話をする時間もでき、良かったです(あおいさん)」(写真1枚目)
「ふたりとも趣味でお茶を習っているので、お抹茶ラウンドと称して、ゲスト一人一人にお湯を注ぎに行き、自分でお抹茶をたててもらう演出をしました(yunnoさん)」(写真2枚目)
お酌をして回ることでふたりとゲストの歓談時間をとったアイデアと、抹茶を楽しんでもらうおもてなし演出にアレンジしたアイデアです。
4.花嫁の手紙朗読
恥ずかしさや人前で大切な思いを伝えるのに抵抗がある人も
披露宴の最後のプログラムとして定番の花嫁の手紙。「確実に泣くため、その空気を避けたかった」「みんなの前で読むのは恥ずかしいから」といった理由でやらない人もいます。
また、人前で自分の思いを伝えることに抵抗がある人も少なからずおり、家族に手紙を渡すだけにしたり、披露宴会場とは別の場所、別のタイミングで手紙を朗読したという人も。挙式直前、会場にファミリーミートの時間を取ってもらい、家族に手紙を読んだり、手渡しした、という人も複数いました。結婚式当日の特別な時間と雰囲気の中、家族だけに感謝を伝えることができるので、おすすめです。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■スクリーンに手紙を映すことで泣くのを回避
親への感謝の気持ちを披露宴で伝えたいけれど、泣いて手紙が読めなくなるのが心配、という方は、こちらのアイデアを採用しては。
「自分で読むと泣きそうだし、みんなと違う演出がしたかったから、家族との思い出の写真を背景に、花嫁の手紙をスクリーンで流しました。個人個人でじっくり読めるし、音楽もあって、感動してもらえました!(えりかさん)」(写真)
5.誓いのキス
神前式という理由や、人前でのキスへの恥ずかしさが主な理由
誓いのキスをしなかった理由として最も多かったのは、神前式、仏前式など「和婚だったから」という声でした。一方、チャペルでの挙式では、通常、誓いのキスを行うのが定番の流れです。しかし、あえてしなかったという花嫁さんもおり、「恥ずかしいのでなし!珍しいようでプランナーさんにも驚かれました」などの声や、頬にしてもらった、などの声が寄せられました。
また、目立つ場所でゲストにキスを見せるのに抵抗があるという理由で、チャペルからの退場時、扉を閉める直前にキスをする「クロージングキス」にしたという人もいました。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■頬や額へのキスに替えて、照れくささを軽減
唇と唇のキスを人前でするのは恥ずかしいという場合は、頬や額にキスをする形にしたり、照れくささを軽減するアレンジをしてみては。
「夫婦共に、人前で口にキスをするのは恥ずかしい……という考えだったので、おでこにしました(miyumimiさん)」(写真1枚目)
「誓いのキスはしないで、クロージングキスだけに。クロージングキスでも、ブーケで顔を隠し、実際は口をつけませんでした(沙莉奈さん)」(写真2枚目)
「みんなの前でのキスが恥ずかしかったのと、和装だったので、誓いの指結びにしました(まどかさん)」(写真3枚目)
6.ウエディングシャワー
会場がNGだから、和婚だから、節約のためなどでしない傾向
フラワーシャワーをはじめ、ライス、コンフェッティ、フェザー、バブルなど、さまざまな種類があるウエディングシャワー。チャペルでの挙式後の定番演出ですが、やらなかった理由は神前式だったためという人も一定数いる一方で、「会場でNGだった」「やりたいシャワーができなかった」など、やりたいのにできなかったケースがちらほら。希望する場合は、会場との契約前に実施が可能か確認した方がよさそうです。
また、「値段も踏まえて行いませんでした」「会場清掃代がかかるといわれたので」など、節約志向からやらなくていいと判断した人も。「フラワーシャワーはお花がかわいそう」「もったいない」という意見も少ないながら見られました。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■生花以外にもいろいろなシャワーがあります
価格の高さや、生花がもったいない、などの理由でウエディングシャワーの実施を迷っている方は、会場がOKであれば、オリジナルのウエディングシャワーを検討してみるのもいいかもしれません。例えば、生花を使わずにナチュラルな素材でのシャワーを叶えたアイデアがこちら。
「ナチュラルで緑多めな式にしたかったので、リーフシャワーがいいなとずっと思っていました!(麗加さん)」(写真1枚目)
また和婚なのでできない、と考えている場合はこちらのアイデアを参考にして。
「和装だったので、折り鶴と紙風船シャワーにしました。ゲストだけでなく、新郎新婦からもサンクスシャワーをして、みんなで一緒にお祝いしました(まどかさん)」(写真2枚目)
7.ファーストバイト
口周りが汚れる、恥ずかしいなどが理由。やりたいと思わない人も
披露宴の見せ場といえばこれ、というほどの定番演出ですが、ふたりの仲の良さが見どころな演出でもあるために、「親や友達の前で恥ずかしかったのでしなかった」「やりたい演出ではなかった」という声や、「見るのを楽しみにしている人もいないかなと思い、省略」などの声が寄せられました。
いちゃついた感じに見られるのが嫌だったり、あまりにメジャーな演出のために避けたいという考えがあるようです。実際、ファーストバイトを行った人でも、ビッグスプーンを使ってゲストを笑わせたり、両家の親にもお手本バイトをしてもらったりと、ひとひねり加えたアレンジをする人が多い演出です。
また、新郎からの一口は「一生食べ物に困らせません」、新婦からの一口は「一生おいしい料理を食べさせます」という意味があることから「時代に合わない」という意見も。大口を開けたり、口周りが汚れるのが嫌だという声もありました。
定番に代えて……卒花のアレンジ実例
■ゲストも巻き込んだり、自分で食べてしまう手も
いちゃいちゃしているように見られるのは抵抗がある……、という場合は、ゲストや家族を巻き込んだケーキバイト演出にアレンジして、思い出づくりをしては。会場もほほ笑ましい雰囲気に包まれます。
「ファーストバイト後、新郎新婦それぞれのきょうだいに出てきてもらい、横並びになって、きょうだいバイトを行いました。両家の親がとても喜んで写真を撮っていました(春奈さん)」(写真1枚目)
一方こちらは、食べさせ合うのではなく、それぞれ自分で食べたというユニークなアイデア!
「ケーキではなく、お肉入刀にしたため、ファーストバイトも一味変わった演出にしたいと思い、お互いに食べさせ合う……と見せかけて、おのおので食べました! タイミングが難しかったですが、ゲストからは笑いが起きて盛り上がったので取り入れて良かったです!(MINOさん)」(写真2枚目)
定番演出のアレンジアイデアは
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From 編集部
ふたりが共感する演出を選べばOK!
定番演出をやらなかった人の意見に総じて多かったのは、昔からある演出はありきたりに見える心配があったり、自分の好みと合わないため、そのままやるのは抵抗がある、という考え方でした。
定番演出には、定番ならではの良さがあるので、演出の意味に共感したり、憧れの気持ちがあるなら、そのまま取り入れれば良いですし、共感できなければ、やらなくてもいいし、アレンジしてもいいのです。好きな演出を選んで、ふたりらしい結婚式にしてくださいね。
構成・文/河内千春 イラスト/moeko
※1「結婚式の定番演出」は2023年12月に「結婚式で一般的に行われる定番の演出」について、結婚して3年以内の女性232人が回答したマクロミル調査にて上位に選ばれた演出を基にしています
※2「定番だけどやらなかった演出」のデータならびにコメントは2024年1月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー96人が回答したアンケートおよび、2年以内に結婚式を実施した女性220人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2024年3月時点のものです
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