150組以上に密着した編集者・フォトグラファーの「心に響いた結婚式」
ゲストの印象に残る結婚式をしたいけれど、「どんな結婚式にしたらいいのか」、具体的なイメージが湧かないという人もいるのでは?そこで、ゼクシィ本誌の記事のため、数々の結婚式に密着取材して目が肥えている編集者とフォトグラファー4人に「ここ2年間で最も心に響いた結婚式」を挙げてもらいました。
自宅から出発して公園でパーティ
地元らしさとふたりらしさが印象的
360組以上を取材してきた編集者・真下智子さん
生まれ育った愛知県西尾市の集落に伝わる「赤羽木遣太鼓」の保存会に、幼い頃から姉と共に所属し、イベントなどで太鼓をたたいてきた新婦・厚美さん。結婚式当日は、幼い頃から厚美さんを見守ってきた近所の人たちと共に、保存会のメンバーが赤羽太鼓の演舞でふたりを送り出してくれたのです。これが三河地方らしくて、故郷の温かさがじんわりと感じられる時間になりました。
挙式・披露宴会場は緑あふれる広大な公園。「リラックスして楽しんでほしい」とゲストのドレスコードもふたりの衣裳も白とベージュに。パーティは園内で作られたクラフトビールを手に、思い思いに料理を楽しむカジュアルなスタイルで、友人たちが時には芝生に寝っ転がったり、跳びはねたり、子どものように楽しんでいる……。
「一般的な結婚式はちょっと照れくさいから……」と、ふたりらしさにこだわり抜いたアウトドアパーティ。ゲストもふたりも終始笑顔で、高く澄んだ大空の下に響き渡っていた笑い声が、今でも耳に、心に残っています。
【Profile】
結婚式の現場取材歴は10年ほどで、紹介したカップルは360組以上。
「ふたりの人生をさかのぼり、生き様にまで深く斬り込んだヒアリングを基に、ふたりにとって結婚式という一日がどのような意味を持つのかを、言葉で紡いでいくことを大切にしています」
Wedding Data
●新郎新婦:大澤拓真さん・厚美さん
●会場:安城産業文化公園デンパーク
●挙式日:2022年9月11日
●ゲスト数:57人
情景の美しさとゲストを大切に思う
新郎新婦の心意気に感動
150組以上を撮ってきたフォトグラファー・橋本幸則さん
福岡さんたちの結婚式は風光明媚(めいび)なぶどう畑をバックに進行する美しいお式でした。直前まで降っていた土砂降りの雨が奇跡的に上がり、新郎新婦が馬に乗って登場するシーンはドラマチックで、会心の一枚に!
おふたりの「ゲストを驚かせたい!」「ゲストに喜んでもらいたい!」という気持ちも徹底されていましたね。都内に住んでいらっしゃったのに、「父がお酒が好きだから」と伊豆半島の中心にあるワイナリーを会場にセレクト。馬で登場するシーンは「みんなが予想しないようなことをしたい」という思いからだったそうで、そのために乗馬の練習もされたとか。フィナーレで花火を打ち上げるなど、スケール感も大きかった!
一方でゲスト一人一人に長い手紙を書くという細やかな配慮も融合されたとてもよい結婚式でした。
【Profile】
国内外の結婚式を撮影して二十数年。結婚式という大切な一瞬、一瞬が新郎新婦にとって一生の宝物になるように心がけている。
「結婚式の撮影はストーリーのある家族のドラマや映画を見させていただいているようで楽しいです」
Wedding Data
●新郎新婦:福岡 悠さん・優季さん
●会場:中伊豆ワイナリーシャトーT.S
●挙式日:2022年9月23日
●ゲスト数:50人
色彩の新鮮さとふたりの笑顔
ゲストの熱気に心奪われました
700組以上を取材してきた編集者・松尾 幸さん
メキシコから一時帰国し、京都で日本らしさのある結婚式をした長江さんたち。伝統的な白無垢に、チューリップの色彩豊かなクラッチブーケがステキで、挙式前、太陽のようなとびきりの笑顔で現れた新婦さまに、まず心奪われました。
その後もウエルカムスペースや紙風船シャワーなど、色の取り入れ方の新鮮さや、和×メキシコの絶妙なミックス感に圧倒されっぱなし。
何より、おふたりの帰国を心待ちにされていたゲストの方々の熱気が伝わってきて、こちらまでとても幸せな気持ちになりました。京都ということで、全員おしゃれな着物で出席されたご友人のテーブルも。両家の地元の親族、海外から出席された仕事仲間の方々など、みんなそれぞれに京都の滞在や結婚式を楽しんでおられる様子が素敵でした。
【Profile】
関西を中心にゼクシィ本誌で25年間、新郎新婦の取材に携わる。取材した結婚式は700組以上。
「密着取材では事前インタビューと、当日“感じること”の両方を大切にしています」
Wedding Data
●新郎新婦:長江宗隆さん・彩さん
●会場:KIYOMIZU京都東山
●挙式日:2022年12月24日
●ゲスト数:90人
新鮮だった欧風スタイルのパーティ
新婦父の万感の表情も忘れられない
2500組以上を撮ってきたフォトグラファー・清水知成さん
日本人の父とオーストラリア人の母との間に生まれ、中学から大学までイギリスで過ごした新婦・帆奈さん。海外からのゲストも多いことから、邸宅を貸し切り、欧米風のパーティにされたのです。
このパーティの時間の流れ方がとてもゆったりしていて良かった!席が決まっていて、分刻みのプログラムが組まれる日本式の披露宴とは違い、みんな好きな場所で思い思いに過ごしている。お開き後も残りたい人は残り、お酒とおしゃべりを続けるというスタイルも新鮮でした。
一番盛り上がっていたのは新婦とのダンスタイム。特に新婦父のダンスはぎこちなさに人間味があふれていてほほ笑ましかった!最後、おどけていたお父様が、娘を抱き締めた時の万感の表情もたまりませんでした。こういうのは結婚式の現場にいなくては出会えない瞬間。見る者の心をわしづかみする写真が撮れて、フォトグラファー冥利(みょうり)に尽きる!と感じました。
【Profile】
ゼクシィ本誌を中心に約30年にわたって結婚式を撮り続けるフォトグラファー。
「“ふたりとゲストの歴史を撮る”をモットーに、新郎新婦はもちろん、ゲストのベストショットも逃さず、結婚式の空気が伝わるような写真を撮影するように心がけています」
Wedding Data
●新郎新婦:佐藤悠介さん・帆奈さん
●会場:JASMAC YAKUMO
●挙式日:2023年4月22日
●ゲスト数:60人
From 編集部
理想はゲストの「心に響く結婚式」
この記事では編集者とフォトグラファーに「心に響いた結婚式」を挙げてもらいましたが、「心に響いた」のは出席したゲストも同様だったのではないでしょうか?
4組の結婚式で共通しているのは、ふたりらしさが際立っていたこと。そして、ゲスト全員がその結婚式を楽しんでいる様子がうかがえたこと。これから結婚式を行う皆さんも、これらを参考にして、みんなの「心に響く結婚式」を目指してみては?
構成・文/渡邊博美 撮影/松本朋之(安城産業文化公園デンパーク)、橋本幸則(中伊豆ワイナリーシャトーT.S)、竹村陽子(KIYOMIZU京都東山)、清水知成(JASMAC YAKUMO) D/mashroom design
※掲載されている情報は2023年11月時点のものです
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