誰よりも感謝を伝えたい。結婚式の日の「親子の絆」エピソード集
結婚式はふたりから親へ感謝を伝える絶好の機会。今回は、5組の先輩花嫁に登場してもらい、結婚式で親に何を伝え、どんな時間を共に過ごしたのかを、式前後も含めてじっくりお見せします。
父母が寂しくならないよう、
「これからもよろしく」の思いを伝える一日に
Case1.山内諒子さん&なかなか子離れできない父と母
花嫁から
過保護と言ってもいいくらい、私たちを大切に育ててくれた父と母。ちょうど弟も私たちの2週間前に結婚式を挙げたので、寂しさでいっぱいだったと思います。「無理に子離れしなくてもいいから、増えた家族(彼やその家族)と共に、これからも仲良く交流を続けよう」という思いを伝えました。
<こんな一日でした>
■式前
実家から新幹線で駆け付け、会場に到着するとすぐにブライズルームを訪れてくれた両親。部屋を出る際にたくさん写真を撮ってもらいました。
■挙式
母にベールダウンをしてもらいながら「ありがとう」の言葉を。父とはバージンロードを一緒に歩き、新郎の元へ向かう際にアイコンタクトで感謝の気持ちを伝えました。
■披露宴
披露宴の中盤では両家の母に出てきてもらい、「今までおいしいごはんを食べさせてくれてありがとう!」とサンクスバイトを。お開きの前には花嫁の手紙と共にオリジナルの感謝状を贈り、これからも長い時を一緒に過ごそうというメッセージを込めて、私たちとおそろいの時計をプレゼント。
■式後
式後は父と母それぞれに宛てて、「結婚はしたけれど、帰省もするし、○○(ふたりがこれから暮らす場所)にもたくさん遊びに来てね。コロナが落ち着いたら旅行もいっぱい行こうね。いつもありがとう」とSNSでお礼のメッセージを送りました。
父より
どのシーンも終始ジーンときていました。一番感慨深かったのは娘からの温かい手紙です。プレゼントしてもらった家族の写真入りの時計も、ずっと手元に残るものなので嬉しかった。大事にします。(花嫁の父)
「ゆりかのピアノの音が好き」と
言ってくれる母のために生演奏を披露
Case2. 長塚ゆりかさん&一番の味方でいつも励ましてくれる父母
花嫁から
親子関係はとても良好です。ただ大学時代から1人暮らしを始め、卒業後はすぐ彼と同居したため実家には長らく戻っていませんでした。婚約を機に実家の近くへ引っ越して、これからようやく親孝行ができそうです。式当日は親への感謝を込め、ピアノ演奏を行いました。
<こんな一日でした>
■式直前
今でも「とてもいい時間だった」と思い出すのは挙式入場前の出来事。両親と3人、扉の前でスタンバイしていた際、「きょうだいが6人もいたから、こんなふうに3人で過ごす時間はなかったね」と父がボソッとつぶやき、この瞬間がとても幸せな時間に感じられて、母と2人でボロボロと泣いてしまいました。ほんの45秒ほどでしたが時がゆっくり流れている気がしました。
■挙式
チャペルの扉が開き、母からのベールダウンで挙式が始まりました。式直前からずっと感極まっていたので、2人とも涙が止まらず!
■披露宴
披露宴でピアノを演奏することはずっと心に決めていました。母は小さい頃から「ゆりかのピアノの音が好き」と褒め続けてくれ、今でも母の励ましで音楽大学へ進むことができたと思っています。そんな母への感謝の気持ちを込めて、当日はとっておきの一曲をプレゼント。
サンクスバイトにも母を指名。母は料理がとても上手で、毎日おいしいごはんが食べられることがどれだけ幸せだったか、という思いを伝えたくてこの演出を取り入れました。
母より
式当日、ドレス姿を見た瞬間にいろんなことが思い出され、涙があふれて止まりませんでした。ピアノ演奏は、緊張でガクガク震えている娘を見て私まで緊張(笑)。誰の演奏よりも音がきれいで、改めて自慢の娘だと思いました。
いつもクールな父が涙したとき、
「愛されていたんだ」と初めて実感!
Case3. yunnoさん&つかず離れずの関係ながらも愛情深い父
花嫁から
私が学生の頃、大病を患いながらも家族を養ってくれた強い父。私はすでに実家を出ていたため、4年前に母が亡くなってからは父と弟で2人暮らしをしています。ずっとつかず離れずの関係で、放任主義に近かったかもしれません。ただ、父は自分と性格が似ている私のことを信頼してくれ、自分で決めた道を進んでいくだろうと思っていたようです。
<こんな一日でした>
■式直前
母の代わりに父がお支度の仕上げを見守ってくれました。父への気持ち、母の思い出などさまざまな思いが込み上げてきた瞬間です。
■挙式
バージンロードで父とハグをし、「28年間ありがとうございました」と伝えました。一緒に歩いているときからすでに涙ぐんでいた父ですが、手を離す際には号泣していました。普段は感情をあまり表に出さないタイプの父なので、涙する姿を見て、自分が思っていたよりも深く愛されていたんだなと実感。
■披露宴
披露宴終盤にはプレゼントを贈呈。ゲストの前で改めて感謝の思いを伝えつつ、父の好きな日本酒を贈りました。ここでもまた号泣の父です(笑)。
父より
挙式ではハグをされたときに娘が自分の手を離れるような気持ちになり、涙があふれました。親元を離れて5年たっていたので、寂しさというよりも、幸せそうで嬉しかったから泣けてきたというのが正直なところです。
しんみりしないよう、明るく楽しく
親も一緒にエンジョイできる場に
Case4. SHIOさん&自由なマインドの明るい父母
花嫁から
1人暮らしをして感じる実家生活のありがたみ。これから私もたくさん親孝行するつもりだけど、両親にも「まだまだもっと愛情をください」と明るくお願い。しんみりするのが苦手なので、笑顔で伝えました。
<こんな一日でした>
■式直前
式前日は両親が新居まで迎えに来てくれ、一緒にお昼を食べて会場へ行き、プランナーさんにごあいさつを。夜は会場近くの夜景がきれいなホテルで両親とごはんを食べました。その際、「パパママ今日までありがとう!大好き!」とメッセージを添えたケーキをサプライズでプレゼント。
■式前
挙式前の前撮りに、両親も飛び入り参加。フォトグラファーにお願いし、楽しそうな2人の姿を写真に収めてもらいました。
■披露宴
コロナ下で何度かキャンセルや延期を経て、やっと迎えた結婚式。婚姻届を提出してからすでに3年も経っていたので、私たちも親にも涙はなく、とにかく楽しみで「良かった!」という思いのみ(笑)。花嫁の手紙にも笑えるエピソードをたくさん盛り込み、明るい雰囲気の披露宴を目指しました。
母より
「ザ・令和の結婚式!」今まで見たことのないオリジナリティーに満ちた一日でした。周囲への感謝がいっぱいの、笑顔あふれる結婚式でとても良かったと思います。
感謝や謝罪、いろんな気持ちを
きちんと伝えることができた結婚式
Case5.上山あきさん&陰ながらいつも見守ってくれた父母
花嫁から
反抗期には親にたくさんひどいことを言ったりして、親を傷つけていたかもしれません。その後、実家を出て初めて、私にとって親がどれだけ偉大な存在だったのかを知りました。そんな思いと共に、「2人の娘に生まれて本当に幸せだった」と伝えました。
<こんな一日でした>
■式直前
親への感謝の言葉はゲストの前で言おうと決めていたので、式前は普段通り冗談を言い合っていました。しんみりすると泣いてしまうかもしれないと思って。
■披露宴
花嫁の手紙を読む前に、手作りのムービーで親への感謝の気持ちを伝えました。親への感謝の気持ちや反抗期にたくさん迷惑をかけたことへの反省の気持ちなど、自分の思いの丈をきちんと伝えることができました。最後に兄と天国の祖父母へのメッセージも盛り込んでいたので、親も感動してくれたと思います。
親への記念品贈呈の際、ハグは嫌だと拒否していた父ですが、私が近寄ると「もう、泣かすなよ~」と言いつつ、ハグしてくれました。ゲストの方々も「ここが一番感動した!」という場面だったようです。
母より
この子の兄のときは地元で行ったので、美容師でもある私は親族の着付けでてんてこ舞い。娘の結婚式はゆっくり花嫁姿を眺める時間が持てました。笑ったり泣いたり、すてきな結婚式でしたね。そして、改めていい人と結婚できて良かったと思います。
From 編集部
結婚式は親に感謝を伝える絶好のチャンス
今まで親がそばにいるのが当たり前で、感謝の言葉をかけたことがなかった人も、遠く離れた場所で暮らしていて、親とのコミュニケーションが足りなかったかも?と後悔している人も、結婚式が良い機会。「これからもずっとよろしく」という思いを込め、ぜひ親子の絆を深める一日にしてくださいね。
構成・文/南 慈子 イラスト/山本あゆみ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2023年7月時点のものです
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