[全文掲載] 花嫁の手紙vol.26~父と母へ「“当たり前”をありがとう」と伝える~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「新郎の後押しがあり、自分の言葉で感謝の気持ちを伝えることにしました」
今回ご紹介するのは、紗世さんのお手紙。当初は食事会の終盤で流すプロフィールムービーに家族一人一人へのコメントを入れたので、手紙を読むつもりはなかったそう。ですが、新郎の「親に手紙を書く機会はめったにないから絶対に書くべき!紗世のご両親も喜んでくれるよ」という後押しがあり花嫁の手紙を読みました。
■2021年10月挙式
■招待ゲスト数…12名(家族、親族)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…約2週間前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…約1週間
■事前練習の有無…有
■式で花嫁の手紙を読んだ時間…約3分
紗世さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
親御さんからの深い愛情や素敵な関係性が伝わりGOOD!
下線部分“30年間育ててくれた両親”の表現にグッと胸をつかまれました。この表現はご再婚されたご両親への感謝と共に新婦さまの温かい配慮もあふれていると感じました。
【A】では、お母さまへの感謝を伝えられています。ささいなことも覚えていてくれる優しさやかけられた温かい言葉など、どのエピソードからも素敵な親子関係が伝わりました。最後の一文からは新郎さまとお母さまが良好な関係であることもわかります。
【B】ではお父さまへの思いを書かれています。「あの頃はそれが~今ならわかります」の一文がよいですね。大人になった今だからこそ、親御さまのいろいろな思いや愛情を当時を振り返りながら改めて感じることもあったことが伝わりました。
最後に書かれた【C】の一文。新郎さまのご家族に向けたメッセージも、ご家族の雰囲気を書き加えることでご家族の魅力がゲストにも伝わりますし、喜ばれると思います。(澤さん)
花嫁の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた紗世さんと、お母さまにお話を伺いました。
手紙を読んでどうでしたか?
予想通り、手紙を読みながら泣いてしまいましたが、手紙を聞いてくれている両親の顔は今でも鮮明に覚えています。実際に読んだ手紙は両親へプレゼントしましたが、今でも実家に飾ってある様子を見て、自分の言葉で両親へ感謝の気持ちを伝えることができて良かったと思っています。
苦労&工夫したポイントは?
12名中新郎側のご家族が9名と、私の家族を知らない方が多かったので、具体的なエピソードも盛り込みつつ長くなりすぎないようにまとめることに苦労しました。書いているうちに「こんなこともあったな」「これも嬉しかったな」とたくさん思い出してしまい、エピソード選びに苦労しましたが、情景をイメージしやすいように意識してエピソード・言葉を選ぶよう工夫しました。参列者へのお礼は先輩花嫁さんの手紙を参考にしました。
手紙を書いて気持ちは変化した?
父と今の母が再婚した当時の私はまだまだ子どもで、父の苦労も母の気遣いも当たり前のように受け取っていたと思います。そんな「“当たり前”をありがとう」という気持ちが伝わればいいなと思いながら書いたのですが、昔を振り返りながら手紙を書いたことで、両親への感謝の気持ちがより大きくなったと感じています。
後輩花嫁さんにアドバイスを
何度も簡単に書き直せ、良いフレーズが思い浮かんだらさっとメモすることができるのでスマホに下書きするのはおすすめです。私はお風呂の中でスマホの下書きを見ながら読む練習をしたのですが、実際に声に出すと読みにくい部分や伝わりづらい箇所もわかるので、もっとお風呂で練習しておけばよかったな、と後悔しています。
手紙を受け取ったお母さまより
慣れないお弁当作りに悪戦苦闘していた日々を思い出しながら聞いていました。お弁当や夕飯のメニューにいつも悩んでいて食卓で聞く「これ、おいしい!」のコメントを忘れないようメモを取っていたので、今でも娘の好きな物は全部覚えています。結婚生活は楽しいことばかりではないけれど、紗世ちゃんの好きな物を用意しているので友哉くんといつでも帰ってきてね。
From 編集部
大人になってから感じる感謝を花嫁の手紙で伝えよう
「“感謝”を伝えるアットホームな挙式」をテーマに家族と親族12名を招いた紗世さん。少人数であることを生かして、通常の結婚式ではあまり出番のない新郎母や新婦母が参加するものも含めて、ゲスト参加型の演出を盛り込んだそう。手紙では「“当たり前”をありがとう」を伝えたいと、大人になってからわかるありがたみや感謝を書きました。聞いていた親御さんも当時のことを懐かしむと同時に、成長の喜びも感じられたのではないでしょうか?今だから感じる「ありがとう」をあなたも伝えてみませんか?
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴18年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方 をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2023年4月時点のものです
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