[全文掲載] 花嫁の手紙vol.21~これまで伝えきれなかった思いを伝える~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「結婚式という人生の節目に、大切な人たちの前で感謝を伝えたい」
今回ご紹介するのは美鈴さんのお手紙。「心の中で思っていても伝えきれていない親への感謝の気持ちを、『結婚式』という人生の節目に、大切な人たちの前で伝えたいと思いました。少し恥ずかしさもありましたが、28年間の子育ての卒業式として思いを伝えたかったんです」と手紙を読むことにしました。
【基本DATA】
■2022年6月挙式(グランドハイアット東京)
■招待ゲスト数…95名(家族、親族、仕事関係、友人)
■花嫁の手紙を書き始めた記事…挙式約1カ月半前
■手紙を書くのに要した時間…約5時間
■事前練習の有無…有
■挙式で花嫁の手紙を読んだ時間…約5分
美鈴さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
親御さまから愛情たっぷりに育てられた様子が伝わりGOOD!
親御さまが新婦さまを愛情たっぷりに育ててこられたことがすごく伝わってくるお手紙でした。【A】からは、これまでを思い出しながら手紙を書いている新婦さまのお姿が浮かび上がってきました。“子育ての卒業式”という親御さまをいたわる表現もとても素敵です。
文中【B】に書かれたご家族それぞれとのエピソードからは、ご家族のお人柄がしっかりと感じられ、素晴らしいご家庭で育ってこられたことも伝わりました。特にお母さまとのエピソードを読みながら、思わず顔がほころんでしまいました。
お手紙の後半では、新郎の親御さま、そしてゲストの皆さまへと感謝がつづられており、新婦さまの温かいお人柄も感じました。愛情たっぷりに育ててきた娘さまが立派に巣立っていくことを、卒業式を通じて親御さまも喜ばれたのではないでしょうか。(澤さん)
花嫁の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた美鈴さんと、お手紙を受け取ったお母さまにお話を伺いました。
手紙を読んでどうでしたか?
母が泣きながら聞いている姿を見て、手紙を読んで本当に良かったと心から思いました。親の目の前で手紙を読むことに対して、恥ずかしさもありましたが、日頃の感謝を言葉で伝える機会はそれほど多くなかったので記憶に残る貴重な機会となりました。2カ月前に弟も結婚式を挙げ、子ども2人が巣立って両親は家で寂しくなることもあるようですが、そんなときは手紙を読み返しているようです。
苦労&工夫したポイントは?
最初に手紙をつづったところ、便箋約10枚になってしまいました。その後、「より簡潔に、でも丁寧に」伝えたい気持ちをまとめていき、最終的に6枚にまとめました。28年分の感謝は簡単には伝えきれませんでしたが、たくさん考えて手紙にしました。
書くエピソードはどう選んだ?
28年間という期間の中で、書きたいエピソードは山ほどありましたが、家族と離れてみて「普段の何げない行動やいつも当たり前だったことが、実は当たり前ではなかった」と初めてわかったことがたくさんあったので、これまでの特別な思い出などではなく、家を離れてから感じた気持ちや思い出をメインに手紙に書きました。
後輩花嫁さんにアドバイスを
「良いことを書かなければ……」とかしこまらず、普段から感じているありのままの気持ちや感謝を、自身の言葉で飾ることなく伝えていただけたらと思います。準備段階で幼い頃の写真を見る機会が多いと思いますが、その頃の記憶や気持ちを思い出すきっかけにもなるため、ぜひたくさんの写真や動画を見て思い出を振り返りながら、詳細に感謝の気持ちを手紙に記してくださいね!
お手紙を聞いたお母さまより
反抗期には小さなことでぶつかることもありましたが、揺るがない娘との繋がりを信じ、「いけないことはいけない」と娘に教えることも母親としての自分の役目と信じて育ててきました。その頃のことをあんなふうに思ってくれていたなんて想像もしておらず、胸が熱くなり涙が出ました。私にとって、嫁いだ後も娘は宝物です。お手紙を一生懸命読んでくれた娘のウエディングドレス姿も一生の思い出です。
From 編集部
かしこまらず、あふれてきた気持ちをそのまま手紙につづって
新婦のお母さまからは「手紙を通じて夫や私とぶつかったことに対しても、そのときの苦悩や今だから感じる気持ちを素直につづってくれて嬉しかったです。なかなか言葉では伝えられない思いも、手紙なら素直に書き表すことができるのかな。夫も喜んでいました」というコメントも頂きました。
手紙を書くことで、昔を思い出し、家族とのこれまでを振り返り、大きな感謝に包まれる……それも花嫁の手紙を書く際の醍醐味(だいごみ)かもしれません。
手紙を書くに当たって振り返った思い出やそのときの心境、今だから思う感謝の気持ちなど、あふれてきた気持ちを手紙につづってみてくださいね。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴17年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2022年11月時点のものです
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