[全文掲載] 花嫁の手紙vol.23~天国の両親へ、感謝や愛を伝える~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「両親へ、今までの感謝の気持ちや愛をちゃんと伝えたいと思いました」
今回ご紹介するのは、紫菜(しな)さんのお手紙。「花嫁の手紙=涙」の印象が強く、読みながら自分が泣いてしまうのがわかっていたので、あまり読みたいと考えていなかった新婦。
新郎から「言葉にして読んだ方が天国にいるお父さんやお母さんにも届くはずだし絶対喜んでくれると思うよ」と後押しがあり、親御さんへ「今までの感謝の気持ちや愛をちゃんと伝えたい」と、花嫁の手紙を読みました。
■2022年11月挙式
■招待ゲスト数…90名(家族、親族、友人、仕事関係)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…約2週間前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…1週間
■事前練習の有無…有
■式で花嫁の手紙を読んだ時間…3~5分
紫菜さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
ゲスト誰もが温かい気持ちになるお手紙でGOOD!
親御さまが他界されている新婦さま。天国に一番近い場所とも言われるニューカレドニアでおふたりで挙式、その後ご友人などを招いたパーティで読まれたお手紙ということで、親御さまとのエピソードを交えながら、ゲストや新郎さま、そのご家族との繋がりが書かれています。
【A】の部分では、お母さまからの言葉が新婦さまの支えになっていることが伝わってきました。そんな言葉を大事にしながら過ごす中で出会った新郎さまのことが【B】に書かれています。新郎さまがいかに新婦さまを大切に愛してくれているかがゲストにも伝わりますね。
【C】に書かれた一文では、新しいご家族への想いを書いています。お母さまの『笑顔でいたら周りに良い人が集まってきていざというときに助けてくれるからね』の言葉通り、よい縁に出会われたことがわかりました。聞いたゲスト誰もが温かい気持ちになられたのではないでしょうか。(澤さん)
花嫁の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた紫菜さんと、新郎のお母さまにお話を伺いました。
手紙を読んでどうでしたか?
読んでよかったと思います。ゲストの方々に私と家族のことを知ってもらうことができたのも嬉しかったですし、 当日は不思議とその場に両親がいて聞いてくれているような気がしたんです。読み終えた後、温かい気持ちになり、同時に涙が止まりませんでした。その場にいなくても両親に想いが伝わったような気がしました。
苦労&工夫したポイントは?
手紙に書きたいことや、盛り込みたいエピソードがたくさんあったので、それらをわかりやすく一つの文にまとめるのが難しかったです。ゲストには手紙を聞きながら両親のことを想像してもらい、手紙に入り込んでもらえるといいなと思ったので、私の親がどんな人で私とどのような関係であったのかを知ってもらえるような文面から始まるように構成しました。
手紙はどう書き進めましたか?
手紙を書く前に、スマホのメモに書き込みました。移動中にエピソードを思い出した時もすぐ書き込み。手紙を書きながら、久しぶりにゆっくり両親との思い出や過去を振り返ることができて、懐かしい気持ちになりました。
後輩花嫁さんにアドバイスを
人前で話すことが苦手で、手紙を読むかギリギリまで悩んでいましたが、ゲストから「涙が止まらなかった」「温かい気持ちになったよ」という言葉をたくさんかけてもらえ、読んで良かったなと思いました。大人になってから親に手紙を書くことはなかなかないと思うので、喜ばれるのではないでしょうか。直接言えるうちは自分の気持ちや想いを言葉にして伝えてみるのが大切だと思います。ぜひ勇気を出して読んでみてくださいね。
新郎のお母さまより
最後までしっかり読み伝える姿に感動しいとおしく感じました。私共の知らない幼少期からも愛情たっぷりの中で育ててもらったお母さまとのエピソードには涙し、素直な想いがしっかり伝わりました。時間は宝物です。止まることなく繋がれた時間を、「家族になってくれて本当にありがとう」と再確認させてもらいました。
From 編集部
当時の出来事や想いを振り返りながら、手紙をしたためて
手紙の書き出しとしてや「親愛なる〇〇」といった相手に愛情を伝える言葉としての意味がある「Dear」をパーティのコンセプトとした新郎新婦。ゲスト一人一人と天国にいる親御さんへの感謝の気持ちを伝えたいとテーマを決めたそうです。パーティの最後に手紙を読み、その後親御さんへのメッセージが書かれたバルーンを天国の親御さんに届くようにバルーンリリースを行いました。
これまでを振り返りながら感謝の気持ちを手紙にしたため、結婚式の場で読むことは新婦や親御さんにとっても大切な節目となるでしょうし、ゲストにとっても忘れられない思い出になると思います。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴17年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方 をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2023年1月時点のものです
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