安くても満足！なフォトウエディングの叶え方～20万円以下実例付き

フォトウエディングにはスタジオ撮影とロケーション撮影がある

ひと口に「フォトウエディング」といっても、成人式の写真を撮ったときのように、照明や背景がセットされた室内や、素敵なインテリアが配されたハウススタジオで撮る「スタジオ撮影」と、海辺や庭園、街中など屋外で撮る「ロケーション撮影」があります。

撮影時間は撮る場所や衣裳の数などで変わりますが、平均約1.5時間。それにヘアメイクなどのお支度の時間、プリントする写真のチョイスなど納品に関する相談を加えても、衣裳１着なら半日くらい。事前の準備も結婚式を挙げる人とは比べ物にならないくらい簡単なので、とても手軽です。

ドレス１着の金額でフォトウエディングができる！

衣裳やヘアメイク、着付け、撮った写真のプリント代、データ代、アルバムも含め、スタジオ撮影の人もロケーション撮影の人も合わせた総額の平均は約20万円。
結婚式を挙げた花嫁のウエディングドレス１着の相場が20万～30万円なので、フォトウエディングがとてもお得なウエディングスタイルであることが分かるでしょう。

とはいえ、個々のお金のかけ方はさまざま。数万円で済んだ人もいれば、50万円以上かけた人も。「どうやったら平均金額よりも安くて満足感もあるフォトウエディングができるか」を実施した花嫁と写真スタジオのスペシャリストに聞いてみました。

１．割引料金になる平日やシーズンオフを狙う

平日だと安くなるところが多く、その割引額は数千円というところもあれば、２万～４万円違うところも。ホテル・式場の場合、土日でも挙式組数が少ない仏滅なら平日並みの金額でできることもあります。
また、紅葉シーズンでロケーション撮影希望の人が多い時期は高めになるスタジオもあるなど、費用が季節によって異なるところも。利用者が少ない時期に打ち出される「期間限定」の格安なプランも狙い目。

みんなどのくらいかかった？

【ロケ撮影が平日半額で８万円】
チャペルやガーデンもあり、家族と一緒の撮影もできるフォトスタジオを利用。屋内外随所で撮影した100カットのデータ、10ページのアルバムが付いて、土日料金の半額の８万円で済みました。撮影は９月、衣裳は洋装１着。（あやのさん）

【和洋３着ロケ撮影が平日２万円引きで15万円】
花嫁衣裳はウエディングドレスとカラードレス、色打ち掛け。地元で有名な神社や歴史的建造物で撮りました。11月でしたが、平日だったので、300カットのデータとプリント10枚で、土日より２万円安い15万円。（mamiさん）

２．ロケーション撮影よりも安いスタジオ撮影にする

ロケーション撮影は移動しながらの撮影で時間がかかり、衣裳が汚れたときのためのメンテナンス費用、撮影場所によっては駐車料金や撮影許可を取る費用も加わるので、スタジオ撮影より高い。平日スタジオ撮影なら１万円台～と破格なところも。スタジオでも、おしゃれなハウススタジオは一般的な写真スタジオより高め。
ロケーション撮影が希望の場合、スタジオに近いロケ地代ゼロのスポットで撮ったり、庭付きのスタジオやホテル・式場を利用して費用を抑える方法も。

みんなどのくらいかかった？

【北海道のハウススタジオで２着撮って９万円】
ロケは割高だったので、スタジオ撮影のみ適用の割引プランが利用できる時期（２月の土曜）にウエディングドレスと色打ち掛けの２着撮って９万円。もらったデータは100カット、プリント20枚、10ページのアルバム付き。（ここくくさん）

【衣裳４着アルバム付きで15万円】
ロケ撮影も憧れたけど、サンプル写真の背景が素敵だったので、スタジオ撮影に。ドレス２着、色打ち掛け、自前の振り袖で170カット撮り、そのデータと15ページのアルバムをもらって15万円。とても格安でした。（ぱるさん）

３．和装より安い洋装を選ぶ

和装も洋装も同料金のところもありますが、洋装の方が１着5000円前後安いところが多い。その理由は、白無垢や色打ち掛けは美容着付けに時間がかかり、着付けが２人がかりになることもあるから。
ただし、高額なドレスを選ぶと差額が発生するところもあるので、費用を抑えたかったら、ドレスのランクがなくて選び放題のところがおすすめ。ドレス小物代が別料金ではないところを選ぶのもポイントです。

みんなどのくらいかかった？

【洋装２着スタジオ撮影して15万円】
和装も撮りたかったのですが、ウエディングドレスとカラードレスの２着に絞りました。７月の土曜に雰囲気のいいスタジオで400カット撮り、100カット分のデータと８ページのアルバムを頼んで15万円。（R.Sさん）

【ゲストハウスで洋装２着ロケ撮影して19万8000円】
結婚式ができる素敵なゲストハウスで、プラン内のウエディングドレスとカラードレスを着用。撮影した中から選んだ20枚のデータと８ページのアルバム、15枚のプリント込みで平日割引も適用されて19万8000円。（T.Nさん）

４．着用枚数が増えると高くなるので、衣裳は１着に

２着以上にすると衣裳代も美容着付け代も追加になり、撮影時間やカット数も増えるため、費用がアップ。これらが全部倍増したら総額も２倍近くになると思って。
たくさん着たい人は撮影枚数が少ないプランにする、美容着付け代の追加がないところを利用する、ヘアメイクは同じにしてヘッドアクセサリーを変えるなどの方法で節約を。
好みの衣裳があるかどうか心配だったら、予約するより先に衣裳の下見をするといいでしょう。

みんなどのくらいかかった？

【白無垢１着100カットで７万円】
５月の土曜にスタジオで撮影。白無垢１着だったので、撮影枚数も他のプランより少なくて100カット。その全データと台紙付きのプリントを２枚だけもらって７万円。（Nさん）

【大都会のチャペルでアルバム付き18万円】
都会の真ん中にあるチャペルでロケ撮影。アルバムも欲しかったので、ドレスを１着にして予算を抑えました。10月の週末に150カット撮影し、55カットのデータと30ページのアルバムをもらって18万円。（けいこさん）

５．アルバムなしでデータだけに。アルバムは自作する手も

アルバム制作料は大きさ、表紙のデザインや質感、ページ数などによって異なり、５万～20万円。アルバムを頼まなければ、この費用がまるまる浮きます。
予算が15万～20万円くらいあれば、アルバム付きのプランも選べますが、厳しい人はデータだけもらい、フォトブックの制作ができるサイトを探してみて。自分で写真の配置を決めてデザインし、印刷と製本だけしてもらいましょう。フォトスタジオのアルバムよりカジュアルだけど、１冊3000～１万円で作れます。

みんなどのくらいかかった？

【100カットのデータだけもらって10万円】
ハネムーン先の沖縄の離島で海をバックに洋装でロケ撮影。アルバムを頼むと予算を超えるので、200カット撮ったうち100カットのデータをもらって10万円。（れもんさん）

【プリント１枚と300カットのデータで15万円】
横浜のオシャレなフォトウエディング専門のスタジオで300カット撮影。衣裳を洋装１着にして、基本プランに付いていたプリント１枚の他は、データしか頼まず、15万円内に収まるようにしました。（かえるさん）

６．プリント枚数は最小限に

スタジオ撮影で衣裳１着の場合、六つ切りなど大きいサイズのプリント１枚台紙付きというのが最低のプランというところが多い。でも当日は何十カットも撮るため、いざ撮った写真を見ると、他の写真も欲しくなりがち。大きいサイズのプリントは１枚6000円前後するので、予算が少ない人はその範囲に収まるように厳選を。
ロケーション撮影の場合は「プリントなし」のところもあれば、「全カットプリント付き」というところもあり、対応はまちまち。

みんなどのくらいかかった？

【スタジオ撮影２着のデータのみで10万円】
ネットの口コミがよかった地元の写真スタジオでウエディングドレスと色打ち掛けの２着を撮影。プリントやアルバムなどのオプションは付けず、撮影した100カットのデータだけもらって10万円。（まいまいさん）

【プリントもデータも５カットに厳選して11万円】
雰囲気重視で選んだチャペルのある写真スタジオでドレス１着をロケ撮影。100カット撮影した中から５枚選んでそのプリントとデータだけもらう内容を絞ったシンプルなプランも気に入って、４月の週末に撮影。（h.iさん）

７．キャンペーンやモニターモデル撮影を利用する

キャンペーンにも「5000～１万円のディスカウント」「追加衣裳無料」「家族写真サービス」などいろいろあります。「モニターモデル」は撮った写真をそのスタジオの広告に使うことを条件にディスカウント価格で撮影するというもの。
これらはどこでもやっているわけではないですが、行う場合、突然発表され、すぐに予約で埋まってしまうことも多いので、いいなと思うところがあったら、マメにチェックを。

みんなどのくらいかかった？

【広告使用OKのキャンペーン価格で10万円】
「撮った写真をスタジオの広告に使う」という条件のキャンペーンがあり、通常料金より安くフォトウエディングができました。横浜の桟橋で平日に撮影して洋装１着、データ100カットで10万円。（ちーーさん）

【当選者のみ適用のキャンペーンで10万円】
抽選で当たった人のみ割引料金でフォトウエディングができる水族館のキャンペーンに応募。当選して、カラードレスと色打ち掛けを10万円で撮ってもらいました。いただいたのはデータ100枚。（繭さん）

8．全体的に価格設定が低いスタジオを選ぶ

同じ場所で同じような内容の撮影をしても、費用は依頼先によって異なるし、同じ20万円のプランでも依頼先によって全然内容が違います。
撮る場所、着る衣裳、アルバムの有無などある程度のことを決めたら、複数の写真スタジオを比較して。ただし、経費を抑え、企業努力で安くしているところもあれば、スタジオ維持費やフォトグラファーの質の関係で高めにせざるを得ないところも。一見安いけれど、オプションが多くて結果高くなることもあるし、元々高くても大満足な写真を撮ってもらえることもあるので、総合的に判断を。

みんなどのくらいかかった？

【和洋２着、２カ所のロケ撮影10万円】
日本庭園で色打ち掛け、海沿いの公園でドレス姿を撮りたくて、ネットで複数のスタジオを比較し、安い！と思ったところに頼みました。正直、ドレスは微妙だったけど、ロケ撮影２カ所でデータ100枚が付いて16万円。（Kさん）

【コスパのいいスタジオを探して3着15万円】
撮影風景を親に見せたかったので、地元のスタジオで平日撮影。洋装２着と和装１着、100カットのプリント＆データ、20ページのアルバム１冊で15万円。親にあげるアルバムは自作しました。（ココちゃんさん）

９．SNSで探してフリーのフォトグラファーに頼む

写真の質や自由度にこだわるなら、Instagramなどで自分好みのウエディングフォトを撮っている写真家に直接頼んで、費用を抑えつつ、自分の思い通りの写真を撮ってもらう方法も。遠方在住の人だと出張費がかさむので、近くに住んでいる人がおすすめ。
衣裳は自己手配になりますが、リサイクルドレスを買ったり、卒花から格安で譲ってもらえば２万～３万円で済むことも。ヘアメイクは行きつけのサロンでしてもらうか、セルフで。

みんなどのくらいかかった？

【SNSで見つけたプロに頼んで10万円】
Instagramで見つけたフリーの写真家に「ビーチでたっぷり時間をかけてたくさん撮りたい。欲しいのはデータだけ」と伝えて交渉。10万円で500カット撮ってもらいました。ドレスはサンプル品を格安で自己手配。（さゆさん）

【STEP１】日程、撮影場所、衣裳など希望することを考えて優先順位を

まずは以下の項目を考えながら、どんな写真を撮りたいかイメージしよう。
●撮影時期や曜日、時間帯……景色にこだわる場合は「桜の時期」「夕日をバックに」「イルミネーションがきれいな12月に」などの希望も
●撮影の方法……「スタジオ撮影」「ロケーション撮影」「両方」のどれ？ロケーション撮影の場合は海、日本庭園、公園、街中、お花畑、式場のチャペルやガーデン、神社やお寺、歴史的な建物など場所の希望も
●衣裳……「洋装のみ」「和装のみ」「洋装と和装」のどれ？それぞれの着数は？
●予算……上限を決めておくと、いざというとき、セーブが効きます
●その他こだわること・希望すること……「写真の質重視」「アルバム必須」「先にドレスを見たい」「事前にヘアメイクのリハーサルをしたい」「家族写真も撮りたい」「ペットと一緒に撮りたい」「フォトグラファーを指名したい」「自分で選んだ衣裳を持ち込みたい」など

【STEP２】依頼先を選定して比較・決定

フォトウエディングの依頼先も複数あります。
●写真スタジオ……さまざまな写真を扱う一般的なスタジオとウエディング専門のスタジオがある。ロケーション撮影は提携している場所で撮影。ハウススタジオなら庭でも撮れる。衣裳の品揃えがイマイチなところもあるので要注意
●スタジオ併設のドレスショップ……衣裳の数が多い。提携先でのロケ撮影も可能
●ホテル・式場・ゲストハウス……ロケ撮影はチャペル、ガーデン、ロビーなどで行う。ただし、結婚式の予約が少ない日限定

このような特徴も考えて、理想のフォトウエディングができるところを絞り、プランの内容と費用を比較。こだわることが叶うかどうか確認して、決めましょう。できたら予約を入れる前に、衣裳の下見がてら訪問して詳細を直接聞くのがおすすめ。

卒花からのアドバイス

【ドローン撮影の有無も確認を】
昨今、海辺などでのロケーション撮影では、ドローン撮影を取り入れているところも。その有無で写真の完成度が大きく変わるので、興味がある人は確認を。（さゆさん）

【雨天時の対応についても比較を】
ロケ撮影希望の人は、雨天に備えて予備日を設けているか、設けていなくても追加料金なしで日程変更が可能か、雨天時はスタジオ撮影になるのか、中止したときのキャンセル料はいくらかも聞いて、納得いくところを選んで。（T.Nさん）

【STEP３】ポーズやヘアスタイルを考え、直前１カ月は自分磨きも

ポーズを考えておかないとフォトグラファー任せになり、ぎこちなくなるので、ふたりでイメージを共有し、見本の写真を用意。その際「年賀状に使うから和装で正座」など、写真の使用用途も考えて。持ちたい小物があれば、貸してもらえるものを確認し、足りないものは準備を。
なりたい花嫁姿をイメージし、希望のヘアスタイルがちゃんと伝わる写真を集めておくことも大切。直前になったら、写真に残る自分が少しでも素敵になるように、ボディメンテナンスやスキンケアも心掛けて。

卒花からのアドバイス

【ドレス小物が意外な落とし穴】
ロケ先が遠方だったので、打ち合わせはメールで。写真を見て決めたドレスは良かったけれど、いざ現地に行ったら小物が残念で（泣）。そんなことがあるので、小物の写真も送ってもらい、イマイチだったら自分で用意して持ち込んで。（れもんさん）

【和装小物は自分で用意を】
肌襦袢（じゅばん）や足袋など肌に触れるものはスタジオで用意してくれても、買い取りになります。その金額に驚くこともあるので、自分で安く購入して持ち込むのがおすすめ。（まいまいさん）

構成・文／渡邊博美　イラスト／徳丸ゆう　取材協力／Anniversal Studio（アニバーサルスタジオ）、Kt.Marie’e（ケントマリエ）
※記事内のデータは2020年5月に20～30代の既婚女性100人を対象に行ったマクロミル調査、コメントは2022年９月に20万円未満でフォトウエディングをした20～30代の既婚女性113人を対象に行ったマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年10月時点のものです

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